SIVGA M300 レビュー 派手さより、心地よさ。大人のリスニングスタイルにこれを

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今回紹介するのは、SIVGA M300というSIVGAが送り出す最新のイントラコンカタイプのイヤホンです。

SIVGAブランドらしい木材や金色などの温かみのあるテクスチャを押し出した外観で、温かみと安心感を感じられますし何よりも美しいデザインですね。
前作のM200の後継機で、執筆時点の価格は9,980円です。(販売元:01Diverse様より)

AZLA TRINITY
目次

製品概要

SIVGAは2016年に設立され、中国の東莞市に拠点を置く企業で、2016年の設立以来、「本物の自然な音を再現する」を理念に製品開発を行っています。
木材加工と音響設計の双方に長けた技術チームを擁し、ハウジング設計・ドライバー開発・最終調整に至るまで自社で一貫生産する体制を採用しているようです。

仕様

SIVGA M300には、直径15.4mmのグラフェンコーティング振動板を採用したダイナミックドライバーを搭載。
高純度無酸素銅ボイスコイルと高効率磁気回路の組み合わせにより、広大で立体的なサウンドステージを実現するそうだ。

透明感あふれる高域、自然で温かみのある中域、力強く締まりのある低域がバランス良く共存し、ダイナミックかつ繊細さもある音色に仕上がっています。

ドライバー構成
ドライバー構成
構成ダイナミックドライバー Φ15.4 mm
再生周波数帯域20 Hz – 40 kHz
感度109 dB ± 3 dB (1 mW/1 kHz)
インピーダンス64 Ω ± 15 %
導体構成リッツ構造 無酸素銅 銀メッキケーブル
ケーブルプラグ3.5mm
製品仕様
SIVGA
¥9,980 (2025/10/07 11:05時点 | Amazon調べ)

開封体験と付属品について

パッケージ

布のようなテクスチャが施された紙製の箱に入って到着しました。パッケージ自体はシンプルではありますが、箱にチープ感を全く感じさせないあたりSIVGAブランドらしさを感じますね。箔押し仕様のロゴが上品な雰囲気を演出してくれています。

パッケージ

※すみません少し郵送時の衝撃で潰れてしまったようです。

付属品

付属品は以下の通り。

AZLA TRINITY 内容物
  • SIVGA M300 本体
  • イヤーピース 3ペア(スポンジタイプ)
  • キャリングケース
  • 説明書

SIVGAブランドの製品はいくつか所有していますが、灰色のファブリックのキャリングケースは初めて見ました。いつもは合皮だったりで明るく茶色いイメージ。

本体

SIVGA M300本体は、高級木材のアフリカ産ブラックエボニー(黒檀)を採用。密度が高く硬い素材なので、不要な振動をしっかり抑えてクリアな音を引き出せるようにってことなのでしょう。黒檀自体が高価な木材ですし採用することにも価値がありそうです。

本体外観1
本体外観1

見た目は非常に上品で、華やかなゴールドの輝きがまず目を引きます。
そこに高級感のある木材が組み合わされ、黒いケーブルが全体を引き締めることで、クラシックでありながらモダンな雰囲気を両立している印象ですね~。

音が放たれる開口部を覆うように削り出された金色のパーツは丁寧に削り出されており、バリひとつない美しい仕上がり。
まるでカメラレンズの絞りに似たような意匠が施されており、細部にまで職人のこだわりと精度の高さが感じられます。こういったモノづくりの良さを感じさせるのもSIVGAブランドらしくて良いですね。

本体外観2
本体外観2

ケーブルも本体とのバランスを考慮した適度な太さで構成されており、取り回しやすさとデザイン性やバランスも良い仕上がりだと思います。
イヤホン本体との一体感が高く、製品としての完成度は高いように思います。工芸品みたいですよね。

本体外観3
本体外観3

左右の識別は、画像の通り背面付近に刻印されています。

厳しいことを申し上げれば金属表面の反射がやや強いため、L/R の識別プリントは実物では少し見づらく感じる場面もあります。
とはいえ、全体の質感や造形精度を考えれば、この点はあくまで些細なレベルなのかなぁと。

音質について

SIVGA M300の特徴を簡単に表すならば…
温かみと緩やかさと素性の良さを感じさせるリラックスして聞きたいイヤホン」といった感じですね。

音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。

音の傾向
暖色
寒色
暗い
明るい
狭い
広い
低解像度
高解像度
繊細
迫力
モニター
リスニング
人工的
リアル
ゆったり
早い
ビルドクオリティ
残念
良い
コストパフォーマンス
残念
優秀
装着感
微妙
良い
付属品
最低限
充実・豪華

視聴環境

  • Lotoo PAW 6000
  • 付属のイヤーピース(スポンジ装着)

サウンドインプレッション

イントラコンカ式はカナル式よりも、装着角度や耳の形状、スポンジの有無で大きく音質変化が起きる傾向があり、より個人差が出やすいことにご留意ください。

早速、スポンジを装着して聴いてみましょう…
装着前の高音の少しの暴れ具合が落ち着き、全体がぐっと落ち着いたトーンになります。

聴き始めると、全体に柔らかく温かみを帯びたサウンドに包まれるような心地よさを感じます。低域はイントラコンカ型としては十分出ている方、深みこそ控えめながら、量感としては十分でしょう。カナル型に慣れていると少し物足りなさはあると思います。それでもイントラコンカとしては不足を感じさせないバランスで、下支えとして自然に機能しています。
サウンドバランスは中低音寄りといった印象。

改めて言うと音色はウォーム寄り緩やかでまったりとした聴き心地が特徴
キレやシャープさを追求するタイプではなく、余裕をもって音を響かせる“雰囲気重視”のチューニングです。それでも、もたついたり濁ったりすることはなく、イントラコンカらしい音抜けの良さと、癖の少ない素直なトーンを両立しています。

音の立ち上がりや余韻の処理にも上品さがあり、全体として破綻のない安定した仕上がりです。メリハリは抑えられていてアタック感は控えめで整っています。
音のコンセプトが分かりやすく整っている点もSIVGAらしいクラフトマンシップと繊細なチューニングセンスが感じられます。
似てるとまでは言いませんが、SIVGA Queもそんな傾向というか共通のエッセンスみたいなものを感じます(笑)

ちょっと鳴らしづらいのでDAPの音量は大きめにしないとかもです。

低音域

SIVGA M300の低音は控えめながらも深みがあり、程よい広がり感のある弾力感があります。

伸びや残響も自然でアナログ感を感じるような自然さ。スピード感を損なわないまま温かみを加えてくれている印象。
繊細さよりも雰囲気と自然さを重視の設計に感じるような低音に感じます、前述した程よい広がり感のあるベースラインが楽曲をふわっと下支えしてくれます。

しかもこんなにまったりしてるのにノリやグルーヴ感のようなものは感じられるし不思議~。

中音域

中音域は、穏やかでしっとりとした表現を得意としているように感じます。ピアノのトーンは優しく耳に馴染み、角の取れた柔らかな響きでリアリティを感じるようなな音色で丁寧に再生されます。
この“ピアノの耳馴染みの良さ”はとれふる的特筆すべきポイントで、思わず「うわぁ最高!ッ」と口にしてしまうほど自然。

ボーカルは歯擦音がまったく気になりません。そしてリアリティのある湿度感を帯び、吐息を感じられるしっとりとした響きが心地よいですね。メリハリが抑えられたトーンだということもあって、特にウィスパーボイスを含むスローテンポの楽曲では、落ち着いた雰囲気をアナログチックに滑らかに描き出し、長時間のリスニングでも疲れにくいです。
MiliとかanNinaの楽曲をぜひ聞いて欲しいですね、辻林美穂さんとかも良いかもしれない。

高音域

ここまで言えば言わずもがなですが、高音域は全体のバランスを崩さず、耳あたりの優しいチューニングです。シャリつきや刺激感はほとんどなく、長時間のリスニングでも聴き疲れしにくいタイプ。

金属的な響きを抑えつつも情報量はしっかりと確保されており、ピアノの高音やシンバルの余韻が滑らかに伸び、静かに消えていくその儚さが印象的です。

鮮やかさや煌めきよりも滑らかさを重視した傾向で、やや早めに減衰していく落ち着いたトーンは、全体を騒がしくさせず非常に好印象。低音から中音域へと自然につながる高音域のバランスは、「なるほど、こういう仕上げ方もあるのか」と感じさせる発見がありましたね!

SIVGAらしい“聴かせ方の上手さ”よ…

音場

イトラコンカらしい開放感を持ちながらも、誇張感はなく、リスニング空間を心地よく満たす“ちょうどいい広がり”といった印象です。正直に言うと、音場は広くはありません。かといって閉塞的でもなく、適度な距離感でまとまりのある空間です。

横方向の広がりは大きく有りませんが、ボーカルや主要楽器が前方に定位しながらも、奥行きがあります。
ボーカルや楽器ごとのポジションが整理されているため、穏やかなサウンドながらもアンサンブルなどの構造的な立体感が感じられます。

装着感について

イントラコンカなので耳かけるだけ! 
ちょっと口径が大きいイヤホンなので、耳に収まらない人もいるかもなぁ…

長所と短所

長所

  • 満足感ある外観
  • 聞き心地の良さ
  • SIVGAらしい音
  • 整った優しい出音

短所

  • 空間は並
  • カナル型ほど帯域が広くない
  • 木材ハウジングに少し気を使うかも
  • L/R識別にやや難あり?

音があったかくて優しい。それがSIVGA M300の全て。

こんな人にオススメ

  • シャカシャカしないイントラコンカを探してる人
  • 聞き心地や音の優しさを重視する人
  • 落ち着いた楽曲を聞く人
  • 解像度を重視しないリスニング時間がある人

SIVGA M300はメリハリ抑えられてて温かみのある優しい音色でゆったりと音楽を楽しみたい人にぴったりのイヤホンだと思いました。
派手さや刺激の強いサウンドとは対照的に、柔らかく包み込むような雰囲気と穏やかな高域が特徴で、ボーカルやアコースティック系の楽曲を落ち着いた雰囲気で聴きたい方には特におすすめ。

イメージ的には、照明を落として静かに音楽を味わいたいときに合うような製品で、解像度を求めずに穏やかに聞きたい時に合うと思いますよ~!

購入先リンク

SIVGA
¥9,980 (2025/10/07 11:05時点 | Amazon調べ)

本記事の執筆にあたり01Diverse様よりPRのご依頼を受け執筆致しました。
このような素晴らしい機会をいただきありがとうございました。心より感謝申し上げます。

免責事項:
本記事のレビューにおいて、執筆に伴う金銭等のやり取りはございません。同時に執筆内容への指示も一切受けておらず、内容は全て筆者自身の個人的な感想です。

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この記事を書いた人

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積極的にオーディオ製品やガジェットなどもレビューしています。

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