こんにちは、Trefle Labです。今回レビューするのは、DUNUとGizaudioのコラボレーションによる有線イヤホン「DUNU DaVinci」です。
2基のダイナミックドライバー(DD)と4基のバランスド・アーマチュア(BA)を組み合わせたハイブリッド構成で、ミドルクラスながら高い評価を受けている本製品をレビューしていきます。

製品概要
「DUNU DaVinci」はDUNU-TOPSOUNDとオーディオレビュアーであるGizaudio氏が共同開発したイヤホンです。
メイプル材を使用した美しい木目のフェイスプレートと、精密な3Dプリント技術による音響チャンバーを採用し、デザインと音質の両方で高い完成度を目指した製品。
デュアルダイナミックドライバーによる深みのある低音と、カスタムされた4つのバランスド・アーマチュアドライバーによる豊かでクリアな音を、5ウェイ周波数クロスオーバーのネットワーク回路で制御し、素晴らしい音楽体験を提供してくれます。
仕様について
Q-Lock Mini 交換可能プラグシステムが採用されているため、3.5mm/4.4mmプラグのお好きな仕様に切り替えることが可能です。
構成 | 2DD+4BA |
---|---|
再生周波数帯域 | 5Hz-40KHz |
感度 | 109dB @1kHz 122db/Vrms @1kHz |
インピーダンス | 35Ω (1kHz) |
ケーブルプラグ | 3.5mm/4.4mmプラグ Q-Lock Mini 交換可能プラグシステム |
ケーブルコネクタ | 0.78mm 2Pin |

パッケージ外観と付属品について
パッケージ
「DUNU DaVinci」のパッケージは、絵画を取り入れた高級感のあるデザインで、ブラウンを基調とした落ち着いた外観が特徴です。外箱には製品のイメージと紐づくような絵画調の文字で描かれていて、個人的には”あの有名な画家「レオナルド・ダ・ヴィンチ」を連想するデザイン。

開封時にはしっかりとしたスポンジ保護材でイヤホンが守られていることがわかります。流石ミドルクラス。開封体験含めプレミアムな印象を与える丁寧なパッケージ作りです。


全体的にやはりブラウン調、開封しても上質感があります。開封体験って大事ですからね。
付属品
パッケージを開封すると、付属品は以下の画像のようなものが同封されています。

- イヤホン本体
- イヤーピース(3種類)
- ケーブル
- Q-Lock Mini 3.5mm/4.4mmプラグ
- 6.3mm変換プラグ
- キャリングケース
- クリーニングブラシ
- ユーザーマニュアル
本体
イヤホン本体は、メイプルウッドを使ったフェイスプレートを採用し、独特の木目が視覚的な魅力を感じさせます。天然素材なので木目やデザインや色は個体差があります。
筐体は樹脂製で比較的軽量かつコンパクトに設計されています。ビルドクオリティは高く、ミドルクラスながら高級感があります。



フェイスプレートガチャ要素!
私の個体はやや暗めの色合いですが、曲がりの少ない木目調のデザイン。スッキリした印象です。




本体の樹脂は光に照らすとほんのり透ける程度です。よく見ると3Dプリントされたことがわかる模様がうっすら透けて見えますね。
付属ケーブル
しなやかで適度な重量感のあるケーブルで質感は高め。
Q-Lock Mini交換可能プラグシステムにより、3.5mmシングルエンドと4.4mmバランス接続に対応し幅広いオーディオ機器との互換性を確保しています。ケーブルの品質は付属品としては非常に良く、安価なケーブルをに変えるよりもある程度の価格のリケーブル用の製品を試された方が良いかもしれません。


イヤーピース
中央はDUNU S&S (Stage & Studio)というもので、単体でも販売されている高品質なイヤーピースです。
それ以外も品質の高いイヤーピースですので、ご自身にあったものを選ばれると良いでしょう。


音質について
「DUNU DaVinci」を簡単にで表すならば…
「ウォーム系を基調としつつ、適度なソリッドな硬質感を併せ持つリスニング向きイヤホン」だと思います。
自然なU型のバランスの良い弱ドンシャリな感じですが、やや硬質でソリッドな高音にとてもエネルギーを感じる重低音や圧を感じるのが特徴かと。全体的に押し出しが強い感じです(笑)
ぱっと聞いた瞬間は典型的なドンシャリ系かと勘違いする所でした。
早速ですが聴覚上の音のバランスのグラフから見ていきましょう。
※聴覚上のイメージで、計測データを元にしたものではありません


音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
視聴環境
- iBasso DC-Elite+外部給電 (AKLIAM EC02+ddHiFi TC09L)
- iBasso DX340 (参考程度に使用)
- 付属のイヤーピース(DUNU S&S (Stage & Studio)
- 付属のケーブル
音色
「DUNU DaVinci」の音色は、ウォーム系を基調とした音色。
迫力のある重低音に、高音付近の音域はソリッドな硬質感を併せ持つリスニング向きのチューニングです。全体的にエネルギッシュで押し出しが強く、特にポップスやロック、メタル、アニソンとの相性が良いかもしれません。
低音の強さとソリッドで固く存在感のある高音域の両方が押し出しが強いにも関わらず、典型的な中音域が引っ込んだドンシャリとは異なり、絶妙なチューニングでボーカルが引っ込まないのが良いですね。
低音域
低音は本製品の最大の特徴かもしれません。適度に深みのあるサブベースと迫力ある中低音でブリブリと鳴ってくれます。量感は豊富でやや膨らみと広がりがある低音といった塩梅。もしかしたらもう少しタイトさや制御感を求めているユーザーもいるかもしれませんが、空間に広がるような迫力のある低音を味わえます。
中音域
中音域は、量感の多い低音と高音域に負けず、クリアで存在感を感じます。本機は全体的に押し出しが強い音色であることもあり、繊細な表現が苦手としますが、男性ボーカルや管弦楽器、ピアノの音色は力強く前傾姿勢に聞こえてきます。
高音域
艷やかさや倍音を感じさせるような繊細な表現が苦手で押し出し強めで金属的なソリッド感や硬さを感じる高音域に感じます。
楽曲や歌手によっては歯擦音(サ行の刺さり)がやや強めに感じやすい場合もありますが、全然刺さらない楽曲もあるので、押し出しの強さと音響特性のピークが歌手の歌声と重なる場合があるのでしょう。
シンバルやハイハットのシャリシャリした高音域の粒立ちは良好ですが、細く柔らかく儚く繊細に音像が消えていくような高音表現は苦手で、伸びや煌めきを求めるユーザーには物足りないかもしれません。
解像度
解像度はミドルクラスとしては高めで、音の分離感が優れています。各楽器の定位が明確で、複雑な楽曲でも音が濁りづらいです。
楽器とボーカルの音像は明確に聞き分けられますし、細かなディテールを描写します。ただし、奥行き表現は並と言った所で音像自体の立体感はそこまで高く有りません。しかし全体で見た音としての立体感は広めという不思議な感じ。
ボーカル
ボーカルは近すぎず遠すぎない距離感で、力強い表現が特徴です。女性ボーカルは存在感強めで少し太い音像で表現されます。
男性ボーカルは力強さが際立ちます。インスト主体のジャズやクラシックでは音一つ一つを見ればやや人工的な音に感じますが、全体を俯瞰で見た時は広さやホール感を強く感じますし、なぜか広く生っぽく聞こえるという不思議な感じです。先ほどの解像度でも似たような話をしましたが、うまく全体で纏まっているような印象。
音場
ミドルクラスな価格帯であることを考慮しても、まぁまぁ広い方だなぁと関心する広さを感じます。
音場は左右と上下に適度な広がりを持ち、立体感のある再現が可能です。ライブのような空気感を味わえるような音場の広さ。
広さは感じるけど音自体は近い所から後ろに抜けていくような表現を感じます。
聞いてみた感想
「DUNU DaVinci」は、低音の迫力・明瞭感高いボーカルと中高音を両立した典型的なリスニング向きのイヤホンだと思います。
ポップス、ロック、アニソン、メタルといったエネルギッシュな楽曲との相性が特に良く、例をあげればMrs. GREEN APPLE・YOASOBI・Ado・MYTH&ROID等の楽曲と相性が良さそうに感じます。やはりPOPS向きかな。
迫力や押し出しは強いのに長時間のリスニングでも聴き疲れしにくいウォームなチューニングは、日常使いにも迫力ある楽曲を聞きたい時にも相性が良さそうです。
装着感について
「DUNU DaVinci」の装着感は軽量な筐体と耳掛け式であることもあって、長時間の使用でも疲れにくいです。
付属のS&Sイヤーチップは円筒形であるのにも関わらず予想以上に耳へのフィット感は高く、安定した装着感を得られました。
他の付属イヤーピースよりは、S&Sイヤーチップの方が全体的に明瞭感高いサウンドで芯があるように聞こえて好みでしたね。


長所と短所
長所
- 迫力のあるサウンド
- 高級感のあるデザインとビルドクオリティ
- 聴き疲れしにくい暖色系
- ポップスやロック、アニソンとの優れた相性
短所
- 相対的に高音域の伸びが物足りない
- 繊細な表現が苦手
- やや人工的なサウンド
- 演出感を感じる低音



低音ドゥーン!ボーカルバーン!高音パキーン!そんな全部入りみたいな迫力のあるサウンドですw 人気な理由も頷けます。
あとがき
「DUNU DaVinci」は、ミドルクラスのイヤホンとして、デザイン、クリア感もありながら迫力ありまくりな音質、装着感のバランスが優れた製品です。特に低音・ボーカル・高音の押し出しがありユーザーにとって「楽しい!」と感じやすい音作りで比較的万人受けしそう。人気な理由も頷けます。
一方で、高音の伸び・繊細感・自然な音場の広さを求める場合は、他の製品を検討しても良いかもしれません。でも1本くらい迫力満点の「DUNU DaVinci」みたいな製品持ってても良いんじゃない?とオススメしたいです(笑)
ポップスやロック、アニソンを中心に楽しむリスナーには強くおすすめできるイヤホンです。試聴の機会があれば、ぜひその魅力を体感してください。
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