BEEPAUDIO 悟空は、中国古典『西遊記』の孫悟空をモチーフにしたようなハイブリッド構成のイヤホンです。
ドライバー構成は2DD(ダイナミック)+4BA(バランスドアーマチュア)の6基ハイブリッドで、現代人が求めるような音の柔軟性を追求した製品です。価格は39,880円(税込)

製品概要
BEEPAUDIO 悟空は、中国古典『西遊記』の孫悟空をモチーフにした有線イヤホンです。
Beep Audio、Yongse Cable、Daruma Audioの3社が2024年5月から共同開発を進め、2025年4月25日に発売されたミドルクラスモデルとのこと。
このイヤホンの最大の特徴は「デュアルサウンドテクノロジー」と呼ばれる独自の仕組みで、付属の標準ケーブル(Ruyi Rod)を使用すれば温かみのあるリラックスしたサウンドに、オプションのDaruma Audio製ケーブル「X-Stage」に交換すればタイトでエネルギッシュなサウンドに切り替わります。
仕様
構成 | 2DD(10mm+6mm)+4BA |
---|---|
再生周波数帯域 | 15Hz-25kHz |
感度 | 100dB/mW |
インピーダンス | 25 Ω |
ケーブルプラグ | 4.4mm ※ケーブル2本付属 |
ケーブルコネクタ | 0.78mm 2Pin 脱着式 |
ダルマオーディオ公式商品ページ:https://daruma-audio.co.jp/i/beepwukong
パッケージ外観と付属品について
パッケージ
BEEPAUDIO 悟空のパッケージは、金色と黒を基調に中国風の意匠があしらわれたデザイン。重厚感のある箱には高級感が漂い、内部の保護材もしっかりとした作りです。
製品名「悟空」にふさわしく、テーマ性と世界観を強く意識したパッケージングに仕上がっています。

外筒を外すと、観音開きに開くタイプのボックス。製品本体をしっかり守るようにスポンジにすっぽり収まり安心感があります。

付属品
付属品は以下の画像のようなものが同封されています。

- BEEPAUDIO 悟空 本体
- イヤーピース2種類(各S.M.L) + 装着済み1ペア
- ケーブル(標準ケーブル「Ruyi Rod」/ Daruma Audio製ケーブル「X-Stage」)
- 交換式プラグ(3.5mm / 4.4mmプラグ) ※Daruma Audio製ケーブル「X-Stage」時
- キャリングケース
- 保証書/取扱説明書
付属品の充実度はミドルクラスながら高く、特にデュアルケーブルが本製品の価値を高めてくれてそうな感じ。
本体
BEEPAUDIO 悟空の本体はこげ茶色も若干透ける樹脂のハウジング。パット見は黒だけど実際は透けています。
フェイスプレートにはなんとも形容しがたい孫悟空をイメージした模様が彫刻されいて、金メッキのような反射で高級感を演出しています。

デザインはゴテゴテとした装飾が特徴ですが、イヤホン自体は軽めで耳へのフィットも自然で、長時間の使用でも疲れにくそうです。

厚みは比較的抑えられているほうではないでしょうか。2DD+4BA構成としてはコンパクトに収まっていると思います。
付属ケーブル
BEEPAUDIO 悟空 に付属するケーブルは、標準ケーブル「Ruyi Rod」とDaruma Audio製ケーブル「X-Stage」が用意されます。
右側が、標準ケーブル「Ruyi Rod」 左側がDaruma Audio製ケーブル「X-Stage」です。

コンセプトカラーを踏襲したケーブルで本体のデザインとのマッチングと音質の両立を実現した標準ケーブル「Ruyi Rod」はこちら。
どうやらプラグ内部に抵抗が入っているようで、インピーダンスを変えて音に変化を持たせているとか。

Daruma Audio製ケーブル「X-Stage」は以下の画像の通りで、落ち着いた色合いとデザインになっています。こちらは抵抗は入っていない一般的なケーブルですね。

イヤーピース
ちょっと珍しい軸が黄緑っぽい軸が付属。素材感や細かな形状が異なるので、ご自身にあったサイズを選択しましょう。
素材感はごく普通のシリコンイヤピです。

音質について
BEEPAUDIO 悟空 の特徴を簡単に表すならば…
「柔らかい弾力感と優しいトーンと、パワフルでクリアな明るいトーンの2面性をもったイヤホン」といった感じですね。
計測データは以下の通りです。
※素人による計測の為、参考程度にお願いします。

過不足ないバランスも重視したW型のチューニングみたいな感じでしょうか。
それにしても驚異的なまでに左右のマッチングが優秀です。
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
イヤホン自体は同じなので、ベースは同じような音の傾向ではありますが、中低音以下のサウンドバランスが大きく異なっていることから変化もはっきりしていますし、キャラクター性が変わっている印象。
X-Stageはより明るく爽やかで軽快な音色、標準のRuyi rodは解像度を落とさずに温かい音色したような感じ。
視聴環境
- Lotoo PAW 6000
- 付属のイヤーピース
サウンドインプレッション
標準ケーブル「Ruyi rod」を装着した状態では、全体的に温かみのあるナチュラルなサウンドで、低音のまろやかさが相まって、少しテンポ感が穏やかな印象を受けます。サウンドバランスもリスニング向きでまったりと量感のある低音と落ち着きのあるトーンで、じっくりと音楽に浸れるキャラクター性といった印象。全体的に重心は低め。
一方、オプションケーブル「X-Stage」に交換すると、まるで毛布を一枚めくったかのように音の抜けが良くなり、ダイレクトでキレのあるサウンドへと変化。重心はやや上向きな感じで音の粒立ちもはっきり明瞭になりますね!
明るく爽やかで、全体に生き生きとした感じ。
意外なことに、どちらのケーブルを使っても、解像度そのもののベース性能が変化している感覚はありません。
あくまで音の方向性が異なるだけで、音質を損なうようなネガティブな要素は感じませんでした。
この点を心配している方もいるかもしれませんが、その心配は無用だと思います。
低音域
標準ケーブル「Ruyi rod」装着時は、柔らかく包み込むような中低音が魅力。
丸みのあるトーンながら、適度に引き締まった感触もあり、重心はやや低め。全体として低域の存在感がしっかりと感じられる、豊かなサウンドバランスです。
オプションケーブル「X-Stage」に切り替えると、ビートのキレが明確に増し、ロック系ではよりパンチのあるサウンドに変化します。
低域の量感はやや抑えめになりますが、質感は全体の音色に自然に馴染み、輪郭の明瞭さと調和が両立していて、曖昧さのない、引き締まったサウンドに仕上がっています。
中音域
標準ケーブル「Ruyi rod」装着時は、主張を抑えたフラットでニュートラルな印象。低域から高域まで破綻がなく、全体としてバランスを見ながら丁寧に鳴っている印象を受けます。
ボーカル、ギター、ストリングスなど、どの帯域も同様に穏やかで落ち着いたトーンです。
ネガティブな意味ではありませんが、昨今の楽曲傾向と比べると、わずかに一歩引いたような距離感に感じる方もいるかもしれません。
オプションケーブル「X-Stage」に切り替えると、抜け感が増してクリアが上がり軽快な方向性に。ストリングス系の音はディティールが繊細さにやや方向転換しています。
ただし全体のキャラクターそのものは大きく変わらず、ベースとなる中音域の性格はしっかりと維持されています。
高音域
標準ケーブル「Ruyi rod」時は、BA4基がしっかり効いていて、精度の高いモニター的な癖のない丁寧な描写をしてくれますが音量をあげないとやや物足りなさがあるかもですが、煌めき感に誇張がなく自然な落ち着きのある描写をしてくれます。 本来の音の定義にもよるかとは思いますが、原音忠実的な鳴り方をしてくれます。
オプションケーブル「X-Stage」は繊細さや伸びやかさがかなり増します!
全体的にシャープ感が増すものの、滑らかスムーズで標準ケーブル同様に誇張しない自然な減衰感とリアリティを備えた出音に変化するような感じ。
解像度
本機をじっくり聴き込んで感じたのは、解像度を過度に誇張しない、落ち着きのあるチューニングです。
2DD+4BAという贅沢な構成ながら、音の輪郭を必要以上に強調せず、全体として整ったバランスを保っています。
どちらのケーブルを使ってもキャラクターの違いこそありますが、根底にある穏やかで統制の取れたサウンドは一貫しているように感じます。
ボーカルも前に出過ぎず、一歩手前で全体と調和するような自然な定位感。
各ドライバーの性能を活かしつつ、全体をうまくまとめ上げた丁寧さを感じさせる仕上がりです。
ボーカル
整ったチューニングのおかげで、ボーカルの表現力や、誇張のない自然なリアリティ面で優れてるなと感じました。
わずかに一歩引いた距離感ではありますが、楽器とボーカルのレイヤーを自然に分離しており、全体のまとまりも良好。
そのため長時間のリスニングでも違和感なく、心地よく聴き続けるのが良いですね。個人的には大人しめで自然な標準ケーブルのボーカル表現が好みです(笑)
音場
音場の広さ自体は標準的ながら、定位の明確さと音の分離感は高い水準にあると感じました。
それぞれの音がしっかりと存在感がありますが、左右奥行きをしっかり使い互いに干渉せず、空間の中で自然なレイヤーを構成している印象です。
こうしたバランスの取れた描写力は、これまで述べてきた丁寧なチューニングの積み重ねによるものなのではないかと思いました。
装着感について
本体がかなり軽く、やや薄めなので装着感は良好、重みを感じません。

ノズルがやや長めに耳に自然に収まるよう斜めに伸びています。標準のイヤーピースはやや固めの標準的なシリコンなので、好みのイヤーピースと合わせた方が良いかもしれません。
長所と短所
長所
- 整ったチューニング
- 自然な表現力
- 個性派のデザイン
- 癖のないサウンド
- ケーブルが2本付属。
短所
- 逆に整いすぎてる?
- 個性が強いデザイン

デザインは癖がありますが、音は予想外に整っていて驚き。
勝手に如意棒的な個性があるのかと想像していましたw
まとめ
BEEP AUDIO 悟空は、見た目の派手さや名前のインパクトから想像するよりも、ずっと落ち着いていて丁寧に作り込まれたイヤホンでした。
2DD+4BAという構成から想像するような派手さはなく、むしろ全体のバランスを大切にした自然な鳴り方。どの帯域も無理なくつながっていて、長時間聴いていても疲れにくかったですね。
標準ケーブル「Ruyi Rod」は、少し温かみのある優しい音で、夜にゆっくり聴くのにぴったり。
一方で「X-Stage」に変えると、一気に抜けが良くなって音が軽やかに弾む感じで、同じイヤホンとは思えないほど印象が変わります。ケーブルでここまでキャラクターが変わるのはちょっと楽しいですね~。
デザインのクセは強めですが実際に使うと気になりません。むしろ「悟空」らしいテーマがしっかり感じられて良いかもしれないです。
派手なサウンドを期待すると少し肩透かしかもしれませんが、自然で聴き疲れしない音が好きな人にはかなり刺さると思います。
ダルマオーディオ公式商品ページ:https://daruma-audio.co.jp/i/beepwukong
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