ボーカルを美しく際立たせるサウンドが特徴の「Winter」や、コストパフォーマンスに優れた「Cloud」で有名なBQEYZから、『BQEYZ Winter II』が登場し、今回はレビューする機会を頂戴しました。
ダイナミックドライバーとPZT骨伝導ユニットが組み合わせられたハイブリッドで価格は約329ドルです。

製品概要
BQEYZ Winter IIは、中国のオーディオブランドBQEYZが展開する「四季シリーズ」の最新モデルとして登場した、ダイナミックドライバーと骨伝導ドライバーを組み合わせたハイブリッドIEMです。
前作「Winter」や「Winter Ultra」で高い評価を得た独自構成を継承しつつ、ドライバーやチューニング、ビルドクオリティがさらに磨き上げられています。
筐体はCNC切削によるアルミ合金シェルを採用し、精密な造形と高い剛性を両立。BQEYZらしい滑らかな曲線デザインと高級感のある仕上げにより、視覚的にも美しい存在感を放ちます。22%の小型化に成功し、装着感も向上。
内部には12mmデュアルキャビティ・ダイナミックドライバーとPZT骨伝導ドライバーを搭載。
ダイナミックドライバーが力強く自然な低域から中域を支え、骨伝導ドライバーが中高域に独特の透明感と繊細な空気感を与えることで、立体的で密度の高いサウンドステージを実現しています。
サウンドチューニングは「Winter」の持つ澄んだ高域としなやかなボーカル表現を基調としながら、より自然で一体感のあるトーンバランスへとブラッシュアップ。刺さりを抑えつつも伸びやかで、長時間のリスニングでも疲れにくい音作りが特徴です。
仕様
| 構成 | 1DD+1PZT |
|---|---|
| 再生周波数帯域 | 5 Hz – 40 kHz |
| 発売日 | 2025年10月31日 |
| 価格 | 329ドル |
パッケージ内容
パッケージの外観は以下のようなシンプルな包装です。これはBQEYZの製品のどれにも当てはまるシンプルなパッケージですね。

開封後
開封すると見た目のシンプルさからは想像出来ないほど充実した内容です。

イヤホン本体
前作「Winter」や「Winter Ultra」と共通するデザインながら、一回り小型化され、装着感がぐっと良くなっています。

BQEYZらしい、さらりとした指紋の付きにくい質感で、高級感のある表面仕上げが施されています。

付属ケーブル
付属ケーブルは、適度な質量感と太さを持つ高品位なケーブルで、着脱可能なモジュール式プラグが採用されています。

イヤーピース
イヤーピースはAtomosphereとReferenceと他にも青い軸のイヤーピースの3種類が用意されています。清掃用のブラシも付属します。

ケース
パッケージカラーと統一感のある、グレー調の高級感あふれる合皮ケースが付属します。

付属品
付属品は以下の画像のようなものが同封されています。
ヤーピースやモジュール式プラグ、ケース、清掃ブラシなど付属品も充実しており、満足感の高い内容ですね。

製品化前のサンプルをご提供頂いている為、上記の画像には含まれていませんが、交換式プラグにはUSB-Cタイプも付属します。
音質について
BQEYZ Winter IIの特徴を簡単に表すならば…
「ニュートラル基調でボーカルが美しいイヤホン」といった感じですね。
周波数特性
計測データは以下の通りです。
※素人による計測の為、参考程度にお願いします。

自然で緩やかなUカーブを描く、ニュートラルな特性なのかなと思います。左右のマッチングはほぼ1db以内に収まっています。とても精度が高いですね。
評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
視聴環境
- Lotoo PAW 6000
- 標準ケーブル
- 付属イヤーピース(Reference)
サウンドインプレッション
全体的にはニュートラルを基調としたサウンドバランスですが、中低域にややブースト感があり、リズミカルにノリ良く楽曲を聞けるような雰囲気があります。 前作のWinterに比べると過度な明るさが抑えられ、よりニュートラル自然なサウンドを目指したのではないかと思いました。Winterシリーズらしくボーカルは少し艶っぽくやや前傾的に頭の中心にしっかり定位し、どんなカテゴリの楽曲でも埋もれることなく、わずかに脳内定位ながら明瞭感高く聞かせてくれるところが旨味だと思いました。
後述しますが、音数の多いミックスでは少し悩むような出音に感じる点もあり、ジャズや弾き語り、ピアノやアコースティックな楽器を主体とした落ち着いた楽曲との相性が良いかもと思いました。
低音域
中低域にブースト感はありますが、全体としてはニュートラルでコントロールの効きつつほんのりウォームな味付けを感じます。
低音はメリハリが強すぎることなく、癖もなく自然にやや量感を感じるタイプ。耳への刺激も控えめで聴きやすいです。
奥行きの表現はもう少し欲しいところですが、全体のまとまりは良く、バランスの取れたチューニングと言えると思いました。
中音域(楽器類)
粒立ち感も満足行くもので、全体としてニュートラルで押し出しを抑えた、調和の取れたバランスです。
一方で、厳密に聴くと音の粒ひとつひとつは非常に整っていて粒立ちも良好ながら、音数が多いミックスではやや薄いフィルターを通したような、少し引いた印象を受けることがあります。
ただし、これは決してネガティブな意味ではなく、むしろボーカルを自然に際立たせる意図があってのチューニングだとすれば、非常に説得力のあるサウンド設計だと感じました。
アコースティックな楽器、特に弦楽器についてはあまり一歩引いた印象はありませんでしたね。
中音域(ボーカル)
前述した中音域(楽器帯域)と比べると、明らかにボーカルは前方に定位し、クリアで輪郭のはっきりした印象を受けます。
程よい艶感を伴いつつ、過度な味付けのないナチュラルな質感で、丁寧に表現されたボーカルの誇張感が非常に心地よいですね。
「ボーカルホン」と良い意味で評される理由にも納得がいきます。
前作のようなボーカルの脳内定位かつ、音が脳内から外方向に広がるような聴覚体験は前作よりも大人しめな印象。優等生なチューニングになったと言えばそうですし、前作のような聴覚体験・ボーカル表現は抑えめになっています。
イヤーピースを変えたり、密着度を変えたり試行錯誤しましたが、骨伝導感が抑えめになった印象もありますね。
高音域
煌めき感や美しさ、明瞭感をハッキリ感じることが出来ますし、豊かな響きがありますが想像よりも、全体の中では落ち着きがある印象です。先程の中音域(楽器類)で話したようなミックスの中では煌めき感や艷やかさがやや埋もれがちな印象があります。
繊細ながら豊かな響きがあり、同時に落ち着いたトーンに纏まっている、そんな印象でハイハットやシンバルのアタックはやや控えめな印象ですね。やはりボーカルを際立たせるようなチューニングをより丁寧な方向に昇華させたようなチューニングなのでしょうか。
音場
空間表現や定位という点では標準的かやや広めな印象がありますが、ややブースト感のある中低音がやや支配的に鳴ってることで、自然な広がりを抑えている印象があります。
もっと広がりたいけど広がりきれない絶妙な感じ。
装着感について
前作に比べ明らかに小型化され装着感が改善された印象です。耳に直接触れる部分の形状がコンパクト仕上がっているので、以前に装着感の問題で諦めた方は是非とも改めてBQEYZ Winter IIをお試し頂きたいと思います。

長所と短所
長所
- ナチュラルで美しいボーカル
- ニュートラルな音
- 自然で滑らかな音
短所
- 高音域がやや落ち着いたトーン
- 良くも悪くも抑えが効いた音
- 中低音のブースト感
- 価格を考えるとやや抑えめな解像度

やっぱ流石のWinterシリーズ、ボーカル美しいな…!
まとめ
BQEYZ Winter IIは、噂に違わぬ“Winterシリーズらしい”ボーカルを中心とした響きを大切にしたチューニングだと感じました。
全体的には前作よりも落ち着いた印象で、より優等生的な音作りにシフトしたようにも思います。しかしその中で、ボーカルの聴かせ方には一切の妥協がなく、丁寧な仕上がりが印象的でした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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