HIFIMAN ANANDAレビュー:高解像度と広い音場で魅せる平面駆動ヘッドホンの実力は。

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今回レビューするのは、HIFIMANの平面駆動型ヘッドホン「ANANDA」です。

開放型設計と独自のステルスマグネット技術を採用し、ハイエンドオーディオを嗜むユーザーからも注目を集める本製品。音質・装着感・デザインに至るまで、お話出来たら良いなと思います。

HiFiMAN ANANDA
HiFiMAN ANANDA
目次

製品概要

HIFIMAN ANANDAは、2018年に発売された開放型平面駆動ヘッドホンです。超薄型平面型ドライバ「NsD」(NEO supernano Diaphragm)を採用し、比較的手頃な価格帯で高音質を実現しました。歪みの少ないクリアなサウンドと広い音場が特徴です。

仕様について

Q-Lock Mini 交換可能プラグシステムが採用されているため、3.5mm/4.4mmプラグのお好きな仕様に切り替えることが可能です。

構成超薄型平面型ドライバ「NsD」1基
再生周波数帯域8Hz-55KHz
感度109dB
インピーダンス27Ω
ケーブルプラグ3.5mm (6.3mm付属)
ケーブルコネクタ3.5mm×2 (L&R)
製品仕様

パッケージ外観と付属品について

パッケージ

HIFIMAN ANANDAのパッケージは、シンプルな段ボールをベースにした外箱。黒い帯があしらわれ、製品写真やロゴなどが描かれています。

HIFIMANの外箱はコストカット方針なのか、箱の質感は価格帯の他ブランドと比べるとやや簡素に感じられました。開封もテープを切るだけで簡単に開封出来ます。 サステナブルがよく謳われる昨今では、むしろブランドイメージが良いのかもしれません。

パッケージ
パッケージ

開封時すると本体の形状に合う形で箱全体をスポンジで埋め、本体が綺麗にスポンジ内に収まっています。

ANANDA開封
ANANDA開封

付属品

パッケージを開封すると、付属品は以下の画像のようなものが同封されています。

付属品
付属品
  • ANANDA本体
  • ケーブル
  • 6.3mm変換プラグ

付属品は必要最小限に抑えられており、豪華さはありません。収納ケースや追加のケーブルは付属しないため、持ち運びや保管には別途アクセサリーを用意する必要があります。

本体

HIFIMAN ANANDAの本体は、金属を多用したソリッドなデザインが特徴です。ハウジングは大型で、ガンメタル系の黒とシルバーのカラーが高級感を演出します。

内部のドライバーがなんとなく透けて見える構造は、開放型らしさを視覚的にも表現していますね。重量は約400gと平均的~やや重めですが、実際に装着してみるとそこまで気になりません。

本体外観
本体外観

モダン的な無機質的な…渋カッコイイデザイン

ヘッドバンドは、スチール製のフレームとレザー調のクッションを組み合わせた2重構造を採用しています。ハウジングの形状は楕円形で、耳を完全に覆う大きさがあり、装着時の快適さを考慮した設計が伺えます。

本体サイドシルエット
本体サイドシルエット

サイドシルエットを見ると、先ほど申し上げたように耳をかなり余裕を持って覆うような大型のハウジング。

スチールフレームは細身で軽量化に寄与しつつ、適度な剛性を確保していますね。

本体正面
本体正面

やや側圧強めですが、イヤーパッドは厚みのある低反発素材を採用し、表面は通気性の良いファブリックとレザーのハイブリッド仕様です。パッドの内側は広いためか耳を全く圧迫しません。
個人的主観ですが装着感は良いと思います。知人はちょっと側圧が…と言っていましたので個人差はあると思います。

音質について

HIFIMAN ANANDAを簡単にで表すならば…
「少しだけ低音の押し出しが強い透明感のあるニュートラル寄りのU字カーブな開放型ヘッドホン」だと思います。

自然でバランスの取れたサウンドに、やや透明感を強く感じるクリアな高音とタイトな低音が調和し、ジャンルを問わず満足度の高いリスニング体験を提供してくれます。出音の情報量に余裕があるように感じるような立体的な音場が特徴的ですね。

早速ですが聴覚上の音のバランスのグラフから見ていきましょう。
※聴覚上のイメージで、計測データを元にしたものではありません

音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。

音の傾向
暖色
寒色
暗い
明るい
狭い
広い
低解像度
高解像度
繊細
迫力
モニター
リスニング
人工的
リアル
ゆったり
早い
ビルドクオリティ
残念
良い
コストパフォーマンス
残念
優秀
装着感
微妙
良い
付属品
最低限
充実・豪華

視聴環境

音色

ニュートラル寄りのU字カーブな自然な傾向です。特定の帯域を強調している様子は無く、自然な出音で平面駆動特有の透明感ある伸びやかな高音域が魅力的。全体的にクリアで透明感と壁を感じられない伸びやかさのある音色が特徴です。音の立ち上がりは鋭く、スピード感もあります。
その透明感の中に少し豊かな低音がそっと全体を支えてくれるような絶妙な塩梅に仕上がっています。

聞こえてくる音はあまりにも自然で、ヘッドホンで聞いていることを忘れてしまいそうなくらい。まるで音がそこで…本当に鳴っているみたいな感覚。

低音域

低音はタイトで必要十分な量感感じつつスッキリした透明度も高い低音です。分離感も高く、キレがあり収束も早いので低音の解像度の高さすらも感じられるような出音、繊細な楽曲でもデスメタルのような激しい曲でさえ十分に追従します。

スッキリした出音なので、重低音を強調するヘッドホンと比べると、あっさりすぎる印象を受けます。そういった意味では、重たく奥行き感のあるような音を出すウッドベースの音や、ジャンルでいえばジャズやヘビメタ系のジャンルとは相性が悪い可能性も。

中音域

非常にクリアで鮮やかな質感を持ち、特にボーカルの表現力が際立ちます。女性ボーカルの芯のある声や、弦楽器の繊細な響きがとてもリアル。シルクのような滑らかさといえば伝わるでしょうか。

ボーカル帯域は艶っぽく透明度高く聞かせてくれるのに刺さりが全く感じられないことに驚きます。特に女性ボーカルで美しさや儚さを感じ取れるのではないでしょうか。

高音域

高音域は、澄んだ伸びやかな音が魅力です。解像度が高く、シンバルやハイハットの細かい響きまでしっかり捉えます。刺さるような鋭さはなく、柔らかい質感なのにどこまでも繊細で長時間聴いても快適です。クラシックやジャズでは、トランペットやヴァイオリンの高音が自然で心地よく耳に届きます。

解像度

高音域は、艷やかにどこまでも限界無くキラキラとした伸びていくようなヌケ感ある音色が特徴です。解像度が高く、シンバルやハイハットの細かなニュアンスまでしっかりと再現しますが、刺さるような鋭さは抑えられており、シルクのような柔らかささえ感じる音で、長時間のリスニングでも耳が疲れません。

解像度の高さ、分離感がとても高く一粒一粒の音の情報が整った状態で耳まで届くような感じ。

空間表現が優秀なので、クラシックやジャズなどとも相性良く伸びやかな楽器隊の音やホールやステージで演奏しているような空気感を感じ取ることが出来ます。

ボーカル

ANANDAの強みでもある帯域だと思います。特に女性ボーカルの表現は、艶やかでリアル!。

男性ボーカルや女性ボーカルも、生々しく情感豊かに再現されます。個々の声の分離が良く、広がりのある空間表現の中に透明度高いボーカルが中央に艷やかに降りてくるような感じ。

広いステージの中の中央で、歌手の小林◯子氏がキラキラと歌ってるような感じ。
そこまで派手ではないけど雰囲気はそんな感じ。

音場

ミドルクラスな価格帯であることを考慮しても、まぁまぁ広い方だなぁと関心する広さを感じます。

音場は左右と上下に適度な広がりを持ち、立体感のある再現が可能です。ライブのような空気感を味わえるような音場の広さ。
広さは感じるけど音自体は近い所から後ろに抜けていくような表現を感じます。

聞いてみた感想

ANANDAの音場は、開放型ヘッドホンらしい広さが特徴です。前後左右だけでなく、上下方向にも広がりを感じる立体的な空間表現を感じます、そして壁を感じない制限が一切ないような空間表現をしてくれます。

スピーカーで聴いているような錯覚を覚えるほどで、クラシックやジャズでは会場の広さや楽器の定位がリアルに再現されます。とはいえ、大型の3-4wayブックシェルフスピーカーで聞くような体や肌で感じるような音は出ません。当然ですがw

装着感について

個人的主観としては装着感は良いと思っているのですが、知人は側圧が強めと言っていました。大型のイヤーパッドが耳をすっぽりと覆うので耳自体への圧迫もまったく無いのは高評価できるポイント。

製品によっては耳の収まりが窮屈な製品がある中、その点はかなり優秀です。また通気性が良く、夏場でもムレにくいんじゃないかなぁと想像しています。

長所と短所

長所

  • 繊細な表現力
  • 壁を感じないヌケの良さ
  • 解像度の高さと分離感
  • タイトで制御された豊かな低音
  • ジャンルを問わない基本性能の高さ

短所

  • スピーカーを置いてるのと同じ程度の音漏れ
  • 付属は最低限
  • 本体が傷つきやすい
  • 付属ケーブルが安っぽい

空間表現や繊細感とほんのり豊かな低音、高い解像度と不満の少ない製品!

音漏れは半端ないレベル。ケーブルもちょっと安っぽい。でもそれらを忘れるくらい音が良いです(^o^)ノ

あとがき

HIFIMAN ANANDAは、平面駆動ヘッドホンの世界に足を踏み入れるのにぴったりの一台です。驚くほどクリアな解像度、どこまでも広がるような音場、そしてどんな楽曲にも寄り添う自然な音色は、音楽を心から楽しみたい人にこそ響くはず。

付属ケーブルのチープさやパッケージの簡素さはちょっと残念ですが、リケーブルやしっかりしたアンプ環境を揃えれば、その実力はさらに開花するのでは!?
低音も少し豊かさを感じますし、ロックの熱量、ジャズの空気感、クラシックの奥行き、ポップスの軽快さ。どんなジャンルも選ばす再生してくれます。試聴出来る機会があればぜひ聞いてみてください。

あっ…でもジャズは苦手かもなぁ…

ちなみに、似た製品に「ANANDA Nano」という製品があります。
無印のANANDAより、よりニュートラルに全域を鳴らしてくれつつ明るい音色です。 低音や迫力はANANDA、繊細感や明るさはNanoって感じかな。

製品購入先リンク


本記事の執筆にあたりAliExpress様よりPRのご依頼を受け執筆致しました。
このような素晴らしい機会をいただきありがとうございました。心より感謝申し上げます。

免責事項:
本記事のレビューにおいて、執筆に伴う金銭等のやり取りはございません。同時に執筆内容への指示も一切受けておらず、内容は全て筆者自身の個人的な感想です。

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この記事を書いた人

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