30〜50ドル帯のイヤホンは、いわば掘り出し物を探す楽しさがある価格帯。
確かに当たりもあります。でもどこかにコストの影が見えるモデルも少なくないのも事実ですよね…
そんな中で登場したのが希望価格34.99ドルの『 DUNU TITAN X』です。
「50ドルの王者」という強気なキャッチコピーを掲げて登場した本作、果たしてその実力は本物なのか。じっくりレビューしていきます。
メタル筐体。デュアル磁気回路。OCC銀メッキケーブル。
……おっと、しっかり今どきのトレンドを押さえてきましたね。
しかもこれで50ドルクラス。これはDUNUの『本気』が詰まっていそうです。
それでは、早速チェックしていきましょう。

細めながら質感良さそうなケーブルと、金属筐体が目を引きますね。
製品概要
DUNU TITAN Xは、「50ドルの王者」を掲げて登場したエントリークラスの新モデル。希望価格は34.99ドルと安価ながら、その内容は明らかに上位価格帯を狙った設計になっているようです。
合金を採用したメタルシェルは、マットなメタル仕上げのデザイン。ロゴは潔く『X』のみとなっています。安価帯にありがちなチープさを排除し、質感の高さを素材からもしっかり感じさせます。
ドライバーにはデュアル磁気回路+デュアルチャンバー構造の1DDを搭載。高域の伸びと低域の厚みを両立させ、感度123dBと高効率設計で、スマホ直挿しでも十分に駆動可能な仕様になっています。

4芯OCC銀メッキケーブルを標準装備するのも大きな特徴。0.78mm 2Pin採用で拡張性も確保しています。
ラインナップは3.5mm版とType-C版の2種。Type-C版はDSPとマイクを内蔵し、ゲームやオンライン会議用途にも対応可能です。
仕様
| 構成 | 1DD デュアル磁気回路+デュアルチャンバー構造 |
|---|---|
| 再生周波数帯域 | 5Hz~40kHz |
| 発売日 | 2026年2月13日 |
| 価格 | 3.5mm : $34.99 Type-C : $36.99 (DSP) |
パッケージ
TITAN Xは四角いコンパクトな黒いパッケージ。外観は飾らずにシンプルな仕様。

開封後
パッケージは玉手箱のように開くタイプで、開くと型枠にイヤホンが収まっているタイプですね。

付属品

- DUNU TITAN X イヤホン本体 × 1ペア
- 付属ケーブル × 1
- キャリングポーチ × 1
- シリコンイヤーチップ × 3種類 3ペア
- クリーニングツール× 1
- 保証書の類× 1
34.99ドルでイヤーピースがここまで豊富でポーチもクリーニングツールも付属。満足度高そうです。
イヤホン本体
DUNU TITAN Xは、マットで滑らかな手触りが特徴のデザインになっています。グレーカラーということもあり、場所も選ばないのもポイントではないでしょうか?

ロゴはシンプルに『X』のみ。 外観ではなく性能を聞かせて説得させるような大人のプロダクトデザイン。

2Pinの挿入口付近の金属部分も、加工の滑らかさに驚きます。よく34.99ドルで実現できたなぁ…
付属ケースとクリーニングツール
この価格帯では、ケース相当のポーチすら付属しないことも珍しくありません。しかし本機には、しなやかで柔軟性の高いポーチが同梱されています。
適度にソフトな素材感で、ポケットにも収まりやすいサイズ感。持ち運び時の取り回しが良く、リスニングやゲーミング用途はもちろん、仕事の合間にサッと取り出して使える気軽さも魅力です。

イヤーピース
本作には3種類の3ペア、合計9ペアのイヤーピースが付属します。 真ん中の色付きのものは「DUNU Candy」という単体でも販売されているモデルですね。

付属ケーブル
細めでグレーカラー、凄く取り回しの良い柔軟性に富むOCC銀メッキのケーブルが付属します。

音質について
DUNU TITAN Xの特徴は…
『DUNUの本気!ライブ感と音圧を最前列で浴びる、押し出し全振り型イヤホン』という感じ。
他にも特徴をあげてみると以下のような特徴を感じました。
- ややダーク寄りで重厚、しかし曇らないキレのある低域
- 前傾的で存在感の強いボーカル表現
- 刺さりにくく長時間聴きやすい高域
- 広さよりも密度と没入感を重視した空間表現
周波数特性
計測データは以下の通りです。(片側を94db@1000Hzに合わせ計測。)
※素人による計測の為参考程度に!8KHzよりちょっと上のピークはカプラの共振の為。無視推奨です。

評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
視聴環境
- Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
- Lotoo PAW GOLD TOUCH
- 標準ケーブル
- 付属イヤーピース
サウンドインプレッション (バランス・音色など)
良い押し出し感のある、キレ&迫力重視のサウンド。
全体のトーンはややクール寄りではあるものの、冷たくなりすぎることはなく、程よいバランスに収まっています。
特に印象的なのは、DUNUらしいややダーク寄りの低域。ズーンと沈み込む量感がありつつ、輪郭はややシャープに整えられているため、膨らみはあっても曇らない。重厚感と明瞭感が両立しているのが秀逸です。この低音はクセになりますね。
ボーカルは鮮明で押し出し強く存在感たっぷり。しっかりとリスナーに向かってくる存在感があり、埋もれず良い主張をしてくれます。中音域から中音域を担うバイオリンやギターも色彩感豊かで鮮明、やや押し出し強めに描かれ、音像は近めですね。
全体的に距離感がコンパクトなので、鮮やかで鮮明でライブ感・没入感が高めのタイプ。そんな臨場感あるリスニング体験をしっかり味わえるタイプの製品だと思います。
高域はやや抑制が効いており、シンバルや金属音はアタックは強めに出るものの、余韻は比較的さっぱりとしていて、伸びを誇張せずキレやリズムで聴かせるタイプです。
豊かな低域と鮮明な中高域のコントラストにより、映画やゲームでは臨場感を、音楽ではエネルギッシュな迫力を楽しませてくれる重厚感を感じさせるチューニングだと思いました。
低音域
まずこの製品の核となるのが低域でしょうか。
個人的な主観が入った強めに入った表現ですが、DUNUらしいややダーク寄りの質感を帯びた重厚な鳴り方。量感はしっかりと確保されており、サブベースは適度に沈みつつ、重さよりも太さで腹に響くような存在感があります。
量感は多めではありますが、収束が早く暖色な響きはありながら少しドライな感じでキレが良く、輪郭はややシャープ。エッジが適度に立っているため、膨らみを伴いながらも曇らない。そしてタイトすぎず、緩すぎず重厚感と明瞭感のバランスが絶妙で上手な感じです。 低価格機の仕上がりとして見れば頑張りすぎてるくらいです(笑)
キックは押し出しが強く、アタックも明瞭。低域のエネルギー感が全体の迫力を底上げしてくれてる感じがあります。
アタックが強いので映画やゲームでは臨場感を、ロックやEDMでは高揚感をしっかり演出してくれます。
音が近くて楽しいし低音に臨場感がある…みたいな表現がしっくりくるタイプですね。
中音域
中音域は全体的にやや太めのチューニング。密度感がありつつ、前傾的でエネルギッシュに攻めてくるタイプです。
特徴的に感じたのは音の近さ。かなり距離が近めで、押し出しも強め。そのため、音がグッと前に出てくる感覚があり、とにかく楽しい。音は太めなのにキレがあり前傾的で鮮明、この相反する性質がうまく両立している印象です。
これらの中音域の特性が活きるのがEDMやシンセ主体の楽曲や、ギターやベースを含むPOPSでしょうか、電子音は鮮明で綺麗に聞こえますし、POPSは臨場感で楽しむ感じです。
たとえばPerfumeのような打ち込み主体の楽曲は特に相性が良く、ブイブイ前に来る感じがたまりません(笑)。
臨場感やライブ感…音圧や推進力?のようなものを楽しむタイプのリスニングに向いています。
アナログ系の音色では、ピアノは意外にも好印象。自然な表現とは言い切れないものの、近めの定位と厚みのある中域が功を奏し、臨場感のある鳴り方をしてくれます。打鍵の芯がしっかり伝わるのが気持ち良いですね。
一方でストリングスはややあっさりめ。電子音楽や打ち込み系を全力で楽しみたい人に刺さるキャラクターなのかも?と感じ始めています。
ボーカル
どんな楽曲でも絶対に引っ込まないという意志を感じるくらい前傾的です(笑)
しかし背景の楽器類もボーカルに負けないくらい近いので、近いけどちゃんとバランスの取れた定位になっているという仕上がり。
全体的にキレと重厚感のある音色に対してボーカルは以外にも優しさがあり、人間らしい温もりのある表現をしてくれます。艶っぽさや透明度で押す感じではありませんが、ライブ感があって良いですね。
高音域
高域はやや控えめな印象……というより、低音と中音がかなり力強いので相対的に落ち着いて聴こえる、という表現のほうが近いかもしれません(笑)
シンバルやハイハットなどの金属音は、アタックはしっかり出ていますが、余韻はあっさりめ。無理に伸ばすタイプではなく、「スパッと切れる」キレ重視の高音です。
刺激を強調するチューニングではないため、耳に刺さりにくく、長時間聴いていても疲れにくいのが好印象。派手さはありませんが、低域の重厚さや中域の押し出しをうまく支える、縁の下の力持ち的な高域と言えそうです。
音場・空間表現
前後方向の分離感はそれほど高くはありません。左右も狭いとは思わないですが、ややコンパクトで、奥行きよりも押し出しを優先した音なので、広い空間や厳密な定位を求めるオーケストラやアナログ収録の楽曲は、やや窮屈に感じるかもしれません。
しかし、この押し出し感やライブ感を感じるような楽しい濃厚なサウンドはわりと唯一無二感もあり、あえてこういった表現に振り切ってるのも悪くないなと関心する出来だと思います。
解像度
34.99ドルという価格を考えれば、正直「十分すぎる」と感じる完成度です。
ライブ感や臨場感を違和感なく楽しめるだけの解像度はきちんと確保されていますし、情報量が不足していると感じる場面もほとんどありません。
とくにポータブルオーディオ初心者であれば、「この価格でここまで聴こえるの?」と素直に驚くレベルではないでしょうか。エントリー帯とは思えない臨場感と表現力があります。
装着イメージ
表から見える外観よりも、耳に直接入り込む部分の方が大幅に小さくコンパクトなので収まりよく装着感も比較的良いと思います。
メタルボディの質感の高さは尋常じゃないですね。重量はありますが耳掛け構造と高いフィット感で重さは感じにくいです。

長所と短所
長所
- ライブ感あるサウンド
- 重厚な低域
- 刺さりにくい高音域
- 価格以上の解像度と表現力
短所
- 奥行きの分離感が控えめ
- 音場はコンパクト寄り
- 高域の伸びは控えめ

ここまでライブ感に振り切ってるのも珍しいかも。良い体験をしました。
まとめ
サウンドは『整えて聴かせる』方向性というより、押し出しと音圧、ライブ感を重視したチューニングです。奥行きや繊細な空間表現をを楽しむ有線イヤホンではなく、前に出る音と臨場感で魅せるキャラクターと言えるのかなと思いました。
ここまでセクションごとに色々語ってきましたが、34.99ドルという価格を前提にすると、解像度と表現力は十分以上。ポータブルオーディオ初心者にも分かりやすい『迫力』があり、経験者にとっても明確な個性として楽しめる完成度です。ライブ感・音圧・押し出しを重視する用途においては、有力な選択肢になると感じました。
50ドルの王者…なるほど、確かに説得力があります…!楽しい有線イヤホンですヾ(⌒(ノ’ω’)ノ
購入先
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