ooopusX Op.24は、新興ブランド ooopusX によるデビュー作として2025年に登場したハイブリッドIEMです。
2基のダイナミックドライバーと4基のバランスドアーマチュアドライバーを組み合わせた2DD+4BA構成を採用。
さらに、特許取得の回転式チューニングダイヤルを搭載し、ユーザーはワンタッチで2種類のサウンドモードを切り替えるそうな…早速レビューしていきます!

製品概要
ooopusX Op.24は、新興ブランドooopusXのデビュー作として登場したハイブリッドIEM。
2DD+4BA構成に加え、特許取得の回転式チューニングダイヤルを搭載し、バランス重視とVシェイプ傾向の2モードを切り替え可能です。
約50ドル、実売6000円前後という手頃な価格ながら、高いデザイン性とカスタマイズ性を両立した注目のモデルです。
仕様
構成 | 2DD + 4BA |
---|---|
再生周波数帯域 | 10Hz~40kHz |
感度 | THD(歪み率): <1%(@1kHz) |
インピーダンス | モード1 :15Ω モード2 :27Ω |
導体構成 | 銀メッキOFC |
ケーブルプラグ | 3.5mm |
ケーブルコネクタ | 0.78mm 2Pin |
購入先

パッケージ外観と付属品について
パッケージ
ooopusX Op.24のパッケージはシンプルながらちょっとメカニカルなデザインが描かれたおしゃれなパッケージ。

スリーブを外し箱を開けると、トレイにぴったり収まるタイプの包装。op.24を描かれたボックスの中には付属ケーブルやイヤーピースが入っていました。

付属品
付属品は以下の画像のようなものが同封されています。

- ooopusX Op.24 本体
- イヤーピース2種類(各S.M.L)
- ケーブル
- 保証書/取扱説明書
付属品は必要最低限ながら実用的な構成。交換可能な銀メッキOFCケーブルと、S/M/Lサイズのシリコンイヤーピース(クリア・ホワイトの2種)が同梱されます。クリアの方はTRNのイヤーピースと同じのようです。
また、TRNはooopusXブランドとパートナーとのこと。こういった何らかの提携関係があるのかもしれませんね。
キャリングケースは付属しませんが、この価格帯としては特に珍しくありありません。
ケーブルは細めかつ柔軟性に優れ、取り回しも良好、日常使用に十分対応できる品質に感じます。
本体
本体は樹脂シェルにメカニカルデザインのフェイスプレートを組み合わせた、近未来的かつモダンな外観をしています。

重量は軽く、耳の全体が収まるような設計で意外にも装着感は良いですが、本体が少し大きめなので耳が小さい女性にはやや厳しいかもしれません。

どこを見ても滑らかな仕上げでバリは気になる所がありません。
付属ケーブル
付属ケーブルは高純度銀メッキOFC(無酸素銅)素材を採用し、信号伝達のロスを抑えた理想的な素材を採用しています。
QDCタイプの0.78mm 2pinコネクタでリケーブルにも対応しています。

付属ケーブルとしては悪くない品質ですが、細めで癖が付きやすいので社外品のケーブルを試すのも良いでしょう。
イヤーピース
クリアとホワイトのシリコンイヤーピースが各3サイズ(S/M/L)付属しますね。

個人的には右側の液体シリコンだと思われる素材の装着感が優しくてこの2つなら右側がかなり好みです。
音質について
ooopusX Op.24の特徴を簡単に表すならば…
「クリアで明るくボーカルが爽やかに聞こえるちょいとだけ寒色系のイヤホン」といった感じですね。
計測データは以下の通りです。
※素人による計測の為、参考程度にお願いします。

スイッチ変更によって200Hz付近が3dbほど変化して、音に厚みを出したりさっぱりにしたりって感じでしょうか。チューニング自体はナチュラルな変化で違和感ありませんでした! 変化量も極端には大きくないので自然な変化量という感じ✨️
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
視聴環境
- Lotoo PAW 6000
- 付属の透明イヤーピース
- 付属のケーブル
サウンドインプレッション
全体的なサウンドは、やや硬質で寒色系の傾向を持ちながらも、帯域ごとのバランスが良く、過不足のない穏やかなU字カーブ特性に仕上がっています。ややボーカルに主張があったり、中高音が明るめな部分があって微ドンシャリ的に感じやすいのですが、割とニュートラルの方向性にも感じますね。
周波数特性からも分かる通り、3〜4kHz付近には明確なピークがあり、女性ボーカルが一歩前に出る明瞭な表現が特徴。弦楽器も存在感がありますね~!しかし刺さりやすい高域はしっかりコントロールされており、不快なシャープさは感じません。
低域はサブベースまで十分な深さを備えつつ、中低域とのつながりが自然で、全体としてややタイトで締まりのある低音。細部の繊細な描写や余韻の表現はやや控えめな一方で、エネルギッシュで躍動感のある楽曲ではその持ち味が生き、ダイナミックで前向きなリスニング体験を楽しめるチューニングなのかなと思います。
低音域
先述の通り、重低音から中低音にかけてはややタイトながらも滑らかにつながり、適度な弾力と抜けの良さを備えた低域が印象的です。全体的に軽快でレスポンスが良く、リズムのキレを感じさせるタイプのチューニング。
低音の量感で包み込むようなタイプではなく、スピード感やアタックの鋭さを活かした楽曲で本領を発揮しそう。しっとりとしたウッドベースの深みや空間的な奥行きを描くよりも、タイトで切れ味のある低域表現を得意とした印象ですね。広がりや量感もしっかり有る方だとは思いますが、あっさりとしているので上流との相性によっては控えめに感じる方もいそうです。
中音域
中音域の中でも、やや低めの帯域に位置するピアノの響きはややドライな質感ながら、ボーカル帯域は明るく軽快で、爽やかさとキレのある表現が際立っています。全体的に分離感が高く、各楽器がクリアに描き分けられる点が印象的で、透明感のある明瞭なサウンドこそがこのモデルらしさなのかもしれません。
弦楽器のニュアンスをもっと描く落ち着いたトーンも出せるともっと良い評価が出せそうでした。
高音域
高域は明るく煌びやかで、抜けの良い透明感が特徴です。シンバルなどの高音域はやや前傾で平面的に感じられる場面もありますが、リズムの取りやすさと明瞭感の高さは十分。全体として物足りなさを感じさせない開放的なサウンドです。人によっては一部の帯域でわずかに刺激を感じる場合もありますが、そのあたりは好みや聴く楽曲によるところが大きいかも?
解像度
およそ50ドル前後という価格を考えれば、音質面での満足度は非常に高い水準にあります。全帯域が過不足なく整い、特にボーカルをここまで前に出して聴かせるチューニングはこの価格帯では珍しい印象です。
細部まで見ればやや大味な部分もあり、純粋な解像度は価格相応といったところですが、音の輪郭や立ち上がりの鮮明さによる“解像感”はむしろ高く、聴いていて楽しく感じられる仕上がりです。
初心者~中級者付近のコストパフォーマンスを重視するユーザーにとっては満足度は十分に高いものだと思います。
ボーカル
女性ボーカルは前に出てクリアに響き、サ行やブレスは抑えめ。ちょっとドライであっさり気味
艶感や有機的なリアリティは控えめではあるものの、明るく抜けの良いトーンでボーカルをしっかりと前面に届けてくれる点は好印象です。細かい所を気にしなければ素直で聴きやすいボーカル表現が特徴ともいえます。
音場
音場は標準的な広さではあるものの、その限られた空間を最大限に活かした立体的な表現が印象的です。広さよりもエネルギー感を重視したチューニングで、全体に元気いっぱいで躍動感のある音場…これが自分なりの解釈と表現です((笑)
装着感について
少々本体が大きめ。とはいえ、すっぽり入ってしまえば装着感は良好ですが、女性の方や耳の小さめの方はやや難があるかもしれません。

長所と短所
長所
- 元気いっぱいなサウンド
- 透明度高い
- 女性ボーカルがかなり前傾的
短所
- ややドライな寒色系
- 切り替えスイッチが回しづらい

ギミックは面白いけど、表面がツルツルでちょっと回しづらいなぁと思ったり(笑)後々気付いたのですが、小~中音量くらいの時の音がちょっと物足りないと言うか薄味に感じるのが気になったかなぁ…
まとめ
ooopusX Op.24は、約50ドル、実売6000円前後という価格帯ながらも機能性とデザイン性を高いレベルで両立した製品で、回転式チューニングダイヤルを搭載し、バランス寄り/Vシェイプ寄りの2種類のサウンドを簡単に切り替えられる点が最大の特徴、ギミックの面白さも特筆すべきですが、音の変化は意外にもナチュラルで控えめ。
音質面では、全体的に明るくクリアで寒色傾向のサウンド。低域はタイトでレスポンスが良く、中高域は解像感に優れ、特に女性ボーカルの明瞭さと抜けの良さが際立っていると思いました。
ややドライでクールな表現ながら、過度な刺激はなく、リスニングにもモニター用途にも対応できるバランス感のある仕上がりでした。
細かいことを言うと、チューニングダイヤルの操作性は少し滑りやすい点が惜しいところ。
総じて、ooopusX Op.24は少し気になる所はあるものの、「遊び心あるギミック × しっかり聴ける音質 × 手頃な価格」を実現した、高コスパなハイブリッドIEMなのかなと思います。


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