PULA 杢 (Unicrom) レビュー:明るくエネルギッシュな1DDサウンドと、スタビライズドウッドの美しいデザインに魅了される

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今回ご紹介するのは、PULAから登場したシングルダイナミック型イヤホン「PULA 杢 (Unicrom) 」です。杢(moku)とも言うみたい。

1DD構成というシンプルな設計ながら、その音は明るくレンジも広く感じられ、聴き始めた瞬間から思わず「これは…」と唸ってしまうような仕上がり。
低価格帯にありながら、ここまで完成度の高いサウンドが得られるとは、技術の進化を実感せずにはいられません(;´∀`)

PULA 杢 (Unicrom)
PULA 杢 (Unicrom)
目次

製品概要と購入先について

PULA 杢 (Unicrom)は名前の通り、フェイスプレートには安定化処理が施された天然木材を採用。1つとして同じものがない美しい木目が個体ごとの個性を生み出し、ビジュアル面でも所有欲を満たしてくれる製品です。

ドライバーにはベリリウムメッキ振動板を搭載。高い剛性と軽さにより、レスポンスの良さと高域の伸び、解像感の高い中域表現を可能にしています。さらに、3.5mmと4.4mmのプラグを交換可能な構造とすることで、スマートフォンからポータブルDAP、据え置き機まで柔軟に対応。音質・デザイン・実用性のバランスが取れた、コストパフォーマンスに優れたモデルとなっているそうです。

仕様について

構成1DD
再生周波数帯域20Hz〜20kHz
感度101dB/Vrms
インピーダンス32Ω
ケーブルプラグ銅・銀メッキケーブル
3.5mm / 4.4mm 交換式
ケーブルコネクタ0.78mm 2Pin
製品仕様

購入先

発売日は2025年8月14日です。
PRのために先行レビューさせていただいております。

パッケージ外観と付属品について

パッケージ

PULA 杢 (Unicrom)のパッケージは、手触りの良さが印象的な上質な仕上がりとなっています。写真では伝わりにくいのですが、光の当たる角度によって繊細にキラキラと輝くラメのような装飾が施されており、実物ならではの美しさがあります。

PULA 杢 (Unicrom) パッケージ
パッケージ
PULA 杢 (Unicrom)開封後
開封後

まるで宝石箱のような上下に開くパッケージで、とてもオシャレ。パッケージからも製品に対するこだわりが感じられ、開封前からちょっとした特別感を味わえる仕様です。

付属品

付属品は以下の画像の通りのものが同封されています。

PULA 杢 (Unicrom)付属品
付属品
  • PULA 杢 (Unicrom) 本体
  • イヤーピース2種類 (各S,M,Lサイズ)+標準搭載の1ペア(白)
  • ケーブル
  • 交換式プラグ(3.5mm / 4.4mmプラグ)
  • キャリングケース

本体

イヤホン本体には、天然のメープル材を樹脂加工したスタビライズドウッドが使用されています。木目や色合いは一つひとつ異なり、まさに世界にひとつだけの個性を持った仕上がり。

PULA 杢 (Unicrom) イヤホン本体
イヤホン本体
PULA 杢 (Unicrom) イヤホン本体裏側
イヤホン本体裏側

イヤホン本体はノズルまで樹脂製で、非常に軽量に仕上げられています。全体的にコンパクトな設計で、耳にすっきりと収まり、装着時の圧迫感もほとんど感じません。

表面のクリア層の処理がやや甘めで、ノズル付近やボディ全体のクリア層の厚みにムラがあるような印象を受けますが、実用上は問題かなと思います。

付属ケーブル

付属のケーブルは、太すぎず細すぎない絶妙なバランスで、暗いブラウンの被覆が落ち着いた印象を与えます。柔軟性のある被覆のおかげで、タッチノイズも高い水準でしっかりと抑えられています。

PULA 杢 (Unicrom) 付属ケーブル
付属ケーブル

着脱式のモジュラー端子を採用しており、3.5mmと4.4mmの2種類のプラグが標準で付属。使用する機器や環境に応じて、簡単にプラグを付け替えて使うことができます。

その他

PULA 杢 (Unicrom)イヤーピース
イヤーピース
PULA 杢 (Unicrom) ケース
ケース

付属品には、シリコン製イヤーピースが2種類同梱されています。白い傘のイヤーピースはスタンダードなタイプで、青い傘のものは低音を強調するチューニングが施されているようです。

キャリングケースは、手触りの良い上質な素材を使用したハードタイプのものでシンプルながら高級感を感じるようなケースでした。

音質について

PULA 杢 (Unicrom)の特徴を簡単に表すならば
明るくメリハリと元気さのあるUカーブ的な微ドンシャリイヤホンといった感じですね。

全体的に元気さとスピード感やキレのある音で、温度感はどちらにも寄らない絶妙な感じ。
どちらかといえばウォーム系かもしれないけど寒色系とも言えるキレがあって総じてニュートラルみたいな。

聴覚上の音のバランスのグラフは以下の通りです。
※聴覚上のイメージで、計測データを元にしたものではありません

PULA 杢 (Unicrom) 周波数特性イメージ

音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。

音の傾向
暖色
寒色
暗い
明るい
狭い
広い
低解像度
高解像度
繊細
迫力
モニター
リスニング
人工的
リアル
ゆったり
早い
ビルドクオリティ
残念
良い
コストパフォーマンス
残念
優秀
装着感
微妙
良い
付属品
最低限
充実・豪華

視聴環境

  • Fiio M17(DC給電あり)
  • 付属のクリアタイプのイヤーピース
  • 付属のケーブル

聞いてみた感想

PULA 杢 (Unicrom)の音は、明るく現代的なポップスと相性の良い、元気なUカーブ系のチューニングが特徴だと感じました。

低音は程よく引き締まっていながら、キレと広がりのある響きが感じられます。中高音から高音にかけては自然な強調が施されており、キラキラとした美しい音の輝きが印象的です。シンプルに1基のダイナミックドライバー構成ですが、そのぶん入力された信号に対して反応が素直で、ドライバーが元気よく前後に振動しているような”圧”やパワフルさが感じられます

聴いていて楽しく、ノリの良さが際立つ音作りで、アップテンポな楽曲では特に気分を高めてくれるような、そんなエネルギッシュなサウンドが魅力です。

低音域は前述の通り、適度な引き締まり感に加え、応答性の良さ(キレ)と広がりのある音色が印象的で、ブリブリと元気に鳴ってくれます。サブベースもそれなりにしっかりと感じられ、低域の存在感があります。

一方で、やや樹脂筐体特有の共鳴による残響感のようなものが感じられる場面もあります。これは良く言えば味わい、悪く言えばノイズとも言えるかもしれません。ただし、個人的にはほとんど気にならず、むしろキャラクターの一部として楽しめています。この癖は比較的リーズナブルな1DDモデルではよくある傾向で、多くのイヤホンを試してきた方であれば「ああ、この感じね」とすぐに理解できるレベルではないでしょうか。言葉で表現するのが難しいニュアンスではありますが、特段ネガティブに捉える必要はないと思います。

やや厳しめに見ると、帯域によっては低音に主張を感じる場面があり、特に中低域付近で空間全体を支配するような印象を受けることがあります。そのため、曲によっては他の音をややマスキングしてしまうように感じる場面もありました。

中音域癖のないニュートラルなチューニングで、過度な味付けがなく、ナチュラルに響いてくれます。そのため、ピアノや弦楽器は滑らかで自然な音色を奏で、聴いていて自然な心地よさがあります。

ボーカルも特別に前へ出ることはなく、楽器隊と近い定位でバランスよく馴染んでおり、中音域帯として統一感のある仕上がりになっていると感じました。

高音域は、1基のダイナミックドライバーとは思えないほど伸びやかで、自然な減衰を伴いながら滑らかに鳴ってくれます。

空間の残響感や、シンバル・ハイハットといった金属系の音、ウィンドチャイムのようなキラキラと透き通る高音も丁寧に表現されており、繊細さと広がりを兼ね備えたチューニングだと感じました。比較的安価な製品としてはよく出来てるなと。1DD+1BAみたいなシンプルな構成のハイブリッドイヤホンに似たような高音の出方というと伝わる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

音場や空間表現という点では、価格帯を考慮すると、音場の広がりには満足感があります。左右のステレオ感はしっかり確保されており、必要十分な開放的な空間表現が楽しめます。

ただ、やや奥行き方向は控えめで、平面的に感じる部分もありますが、全体としては価格以上の表現力を持っており、このクラスの1DDモデルとしては十分すぎるパフォーマンスだと感じました。

全体としては、1DDというシンプルな構成ながらも、元気でノリの良いサウンドとバランスの取れたチューニングが魅力のイヤホンです。細かく見れば低域の膨らみや音場の奥行きにやや課題はあるものの、それらを補って余りあるほどの表現力と楽しさが詰まっており、価格を考えれば非常に満足度の高い仕上がりだと感じました。

低音の膨らみや空間への主張感は、音量を大きめに再生すると中音域と高音域が持ち上がって相対的に気にならなくなるかも!

装着感について

PULA 杢 (Unicrom) 装着イメージ
装着イメージ

やや小ぶりな筐体は装着感にも優れており、耳掛け式のデザインと人間工学に基づいたシェル形状によって、しっかりと耳にフィットしてくれます。長時間のリスニングでも違和感が少なく、安定した装着感が得られるのは嬉しい。

長所と短所

長所

  • 美しいデザイン
  • 元気でエネルギッシュなサウンド
  • よく出ている高音域
  • 装着感良し
  • パッケージングの良さ

短所

  • 低音が時々支配的
  • ビルドクオリティに改善の余地あり
  • 奥行方向への空間表現がもう少し

79.99ドル(定価)と考えれば十分良い音です。実売はもっと安くなりそうですし、欠点を補って余りある音だと思います。

まとめ

PULA 杢 (Unicrom)は、約80ドルという価格帯ながら、非常にエネルギッシュで現代的な音作りを楽しめる1DDイヤホンです。明るく元気なUカーブ系のチューニングにより、ポップスやアップテンポな楽曲との相性は抜群。低音のキレや広がり、高音の煌めきも十分に感じられ、1DDとは思えないほどレンジの広い仕上がりが印象的でした。

一方で、樹脂筐体特有のわずかな響きや、曲によっては低音が主張のし支配的に感じる場面もありましたが、価格を考慮すれば大きな欠点とは言いづらく、むしろこの価格帯でここまで楽しめるサウンドに仕上げてきた点を高く評価したいところです。

イヤホン本体以外も、付属ケーブルやケースの質感、パッケージの化粧箱なども丁寧に作られており、トータルパッケージとしての完成度が特に高い印象を受けました。オシャレを見事に体現した製品だと思います。

「手頃な価格でしっかり楽しめるイヤホンを探している」「元気でノリの良い音が好み」という方に、PULA 杢 (Unicrom)は十分におすすめできる製品です。多少の癖はあるものの、それすらも個性として楽しめる、そんな1本だと思います。


本記事の執筆にあたりHiFiGo様より、PRのご依頼を受け執筆させていただいております。
このような素晴らしい機会をいただきありがとうございました。心より感謝申し上げます。

免責事項:
本記事のレビューにおいて、執筆に伴う金銭等のやり取りはございません。同時に執筆内容への指示も一切受けておらず、内容は全て筆者自身の個人的な感想です。

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PULA 杢 (Unicrom)イヤーピース

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この記事を書いた人

メディアサイト「Trefle Lab」を運営しています。
積極的にオーディオ製品やガジェットなどもレビューしています。

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