今回ご紹介するのはROSESELSA Distant Mountain 10th Anniversary Editionです。
ROSESELSA Distant Mountainの10周年記念モデルとして登場した製品で、従来モデルからチューニングがブラッシュアップされ、より力強い低音、滑らかなボーカル表現、そして洗練された高域を目指してチューニングされたそうです。
ドライバーの素材の変更もあるそうで本気度が伝わってきますね!

製品概要
ROSESELSAの10周年記念モデル(ROSESELSA Distant Mountain 10th Anniversary Edition)は、1984年のレトロデザインを現代的に再構築した、独特の存在感を持つセミオープンヘッドホンです。記念モデルらしい特別なロゴが刻印され、現代的なメタリックブルーのカラーリングが一目で目を引きます。
ヘッドバンドには耐久性に優れたステンレススチールと柔らかなラムスキンを採用。肌触りも良く、軽い装着感で長時間のリスニングでも快適さを感じられます。
レトロデザインと質感の仕上がり
10周年を記念するにふさわしいレトロな佇まいは、現代の製品としてとしての洗練されたデザインも同時に感じさせます。メタリックボディはCNC加工で丁寧に仕上げられています。
ブルー×シルバー×ゴールドのコントラストを効かせた新しいカラーは、視覚的な美しさだけでなく、所有する喜びを強く感じさせてくれます。軽量な設計と圧力を分散する構造により、金属製ハウジングでありながら耳への負担が少なく、装着時のストレスも感じません。
40mm大型ドライバーと新チューニング
10周年モデルではこのドライバーのチューニングが見直され、搭載される40mmのダイナミックドライバーは、カーボンファイバー複合振動板を採用した高剛性・軽量タイプ。音の立ち上がりが速く、細部までクリアに描く特性を持っています。
先代モデルよりも低音に力強さが加わり、ボーカルはより滑らかに、高域には繊細な艶が感じられるようになりました。
次世代磁気アーキテクチャによる再生性能
ネオジム磁石による次世代設計の磁気設計は、音の押し出しやスピード感の向上に大きく貢献しています。
豊かでクリーンなトーンを保ちながら、高域は自然な伸びを持って抜けていき、全体として心地よい余韻を残すサウンドに仕上がっています。ジャンルを選ばず楽しめるまとまりの良さと、立体感のあるワイドな音場が魅力です。
アップグレードされたストックケーブル
付属する標準ケーブルも10周年モデルに合わせてアップグレードされています。4芯構成の5N銀メッキ単結晶銅ケーブルは内部抵抗が低く、情報量を損なわずにクリアな信号伝送を実現。
MMCXコネクタ採用のため、好みに応じてケーブルを交換する楽しみも広がります。
仕様
| 構成 | 1DD(40mm) カーボンファイバー複合振動板 |
|---|---|
| 再生周波数帯域 | 20Hz-20kHZ |
| 発売日 | 2025年10月 |
| 価格 | 99.99ドル |
パッケージ内容
洗練されたモダンなデザイン。製品そのものはレトロ調ですがパッケージはモダンなデザインとカラーリングで現代と過去を融合した特異な仕上がり。

開封後&付属品
開封すると、横に広く広がる設計のパッケージ。 付属品が蓋側のスペースに箱で収まっています。

付属品
細かな付属品を開封してみると、ヘッドホン本体に、ケーブル、付属のDAC、イラストカードとスーベニア(お土産)としての”10th”が刻まれたプレートが付属します。

イヤホン本体
本体はレトロチックなデザイン。ポータブルヘッドホンという言葉が似合いそうなコンパクトなデザインです。

ステンレスで出来たバンドと、美しく丁寧に切削されたパーツが組み合わさり、まるで工芸品のような美しさ。

所有欲を満たしてくれそうなパーツの作りの良さです。2-3万くらい普通にしそうな外観ですが実際は99ドルとかなり安価。

付属ケーブル
4芯構成の5N銀メッキ単結晶銅ケーブルが付属。フラットな4芯というのも珍しい。

その他の付属品
イラストが描かれたカードらしきものやアクリルスタンドが付属。

ROSESELSA10周年を記念としたスーベニアが付属します。
金色の輝きがかなり深く美しい山吹色です。24金メッキなのかな…?

音質について
ROSESELSA Distant Mountain 10th Anniversary Editionの特徴を簡単に表すならば…
「アナログで生々しい質感を味わえるヘッドホン」といった感じですね。
評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
視聴環境
- Lotoo PAW 6000
- 標準ケーブル
サウンドインプレッション
一聴してみると…な、なんだこの奥行き方向に抜けていく余韻とヌケ感は…!?これはカナル式イヤホンでは中々味わえない空気感!
特に優劣をつけるような意図はありませんが、ヘッドホンでしか味わえない音楽体験はあると思っていまして、ヘッドホンとしての物理的な空間の余裕に加え、アナログチックで実体感のある中低域、ふわっと浮かび上がる音像、そして左右方向のワイドなステージ!音が前後方向だけでなく奥行き方向にもスゥウ~と伸びる立体的な描写は、やはりヘッドホンの旨味だなぁと思いました。
…というわけで、この10周年記念モデル、通常モデルは所有していませんが通常版と比べると、10周年モデルは低音がより深く質感豊かに洗練された印象があります。全体のチューニングも落ち着きがあって一歩上の完成度という印象です。しかし、電子音が密集した楽曲ではややピーキーさを見せることがあり、得意・不得意の傾向はあるように感じました。とはいえ通常版の方がもっと暴れてたよなぁと思ったりもしています。
※記憶を頼りに通常版と比較したので、なんとなくそうなんだ~くらいに捉えて頂けると助かります。
低音域
量感はカナル型イヤホンと同程度には感じられ、オーバーヘッドヘッドホンとしてはやや厚みが抑えめながら十分な迫力があります。こういった製品はポータブルヘッドホンと呼称した方が良いんでしょうかね?
話は戻りますが、雑味の少ない深みある低音やウッドベースの弦が跳ねた瞬間の空気感のある低音、指板に弦が触れるノイズまでリアリティたっぷりに表現!生っぽい浮かび上がるようなこの圧はヘッドホンならではですね…!
クラシックやジャズなど生楽器主体の楽曲では特に相性が良く、ウッドベースの生々しさやアコギの弦が弾けるような音で実像感たっぷりでした。
耳に当たるパッドの角度が固定で耳の角度に合わせられないこともあっって、装着位置によって低音の量感が大きく変化します。最適なポイントが見つかると力強く豊かな低音を楽しめますが、位置がちょっとでもズレるとスカスカになるので、装着時の調整が重要だと感じました。
中音域(楽器類)
中音域に関しては全体的にフラットにバランス良く鳴らす印象ですが、やや明るめ。アコースティックギターはやや前傾的ながら奥行きや余韻、艶っぽさを伴って鳴ってくれる印象があります。
が、…楽器によって得意不得意があるのかも…?アコギ以外の楽器だと極端に引っ込んで聞こえる場合もあり、どうも詳細にレビューがしづらいほどのブレがあります。
きっちり固定化した評価を敢えて持たない(持てない)というのも、一つの評価だとご理解頂ければ嬉しい限り。
中音域(ボーカル)
ボーカルはあまり積極的に鳴らすタイプではなく、女性ボーカルの音域によっても引っ込みがちに聞こえたり、バランス良く聞こえたりとやや歌い手を選びます。男性ボーカルはさほど選ばす、楽器隊からやや前にちょうどよい位置に定位してくれますね。
高音域
高音域は煌めきそのものは強くありませんが、美しさのある音を出してくれます。性質を言えば自然な減衰を見せるタイプで、やや一歩引いてあくまで自然な聴かせ方に徹していることもあり、美しさに気づきづらいかもしれません。
やや中高音付近にピーキーさを感じることが多く、様々な帯域の音が入り混じるPOPSや現代的な楽曲だとそのピーキーな部分が突出して違和感が出ることが多い印象。
しかしジャズ・フュージョン・クラシック等のオーケストラを聞いてみると、そのピーキーさを感じることが全く無く、まるで実像感のあるリアリティでアナログチック!
広い空間で展開するアンサンブルを聴くことが出来るので、是非相性が良さそうなジャンルを探ってみてください。
特に装着感一つで音質が大きく変わるので、聞こえ方は人それぞれだということを念頭に入れて、いろいろお試しいただいたら良いのかなと思います。
音場・空間表現
音場は、価格帯を踏まえると標準的~やや広めといった印象に収まっているように感じます。全体的に繊細さを重視した雰囲気があり、リアリティと立体感はあるものの厚みはやや控えめ。またこのリアリティも楽曲や楽器によっては感じにくい場合も多々あります。
特に奥行き方向の表現は少し苦手な傾向があり、前後のレイヤー感がもう一歩欲しいなぁと感じます。抜け感とか奥行きはあるのに楽曲によってはそれを感じにくいケースがあります。
装着感について
1984年スタイルと公式が謳っているだけあって、現代の製品のような柔軟性がありません。
パッドの角度さえ変えられない仕様。これを不便と捉えるのか、レトロだからこれでいいんだ!と感じるかはあなた次第…w

気になった点
レトロな外観の製品で、そもそもがそういったコンセプトの製品なので仕方ないのですが、耳に当たるPAD部分の角度が変えられないのが地味に痛く、耳との密閉を確実に取れる位置がかなり狭い…とはいえ、本製品を購入する層は理解あってのことだと思います。

個人的には、楽曲によって相性良いなと思う一方で、なんか変だなと思う楽曲もあったよ!
まとめ
セミオープン型ヘッドホンならではの空気感のある表現と、リアリティのある質感を手軽に味わえるポータビリティある製品だなぁと思いました。
私の感覚では、ジャンルや楽曲は選びますが、ハマる楽曲では驚くほど実在感のあるアンサンブルを描いてくれるヘッドホンでしたよ(^o^)ノ
クラシックやジャズ、アコースティック中心の音楽を愛聴する方には、強くおすすめしたいと思いました!!!
購入先
免責事項:
本記事のレビューにおいて、執筆に伴う金銭等のやり取りはございません。同時に執筆内容への指示も一切受けておらず、内容は全て筆者自身の個人的な感想です。
匿名の質問コーナーやってます(^o^)ノ
mondにて匿名の質問を受け付けております、興味があれば是非質問してみてください!
質問はこちらから→https://mond.how/ja/trefle_lab










