ROSESELSA(Rose Technics)の新作イヤホン「QuietSea II」がやってきた!
CNC加工された金属製チャンバーと透明なポリカーボネート素材の丈夫な筺体を採用し、快適性とデザイン性も抜群に仕上がった本作をレビューしていきます。

製品概要と購入先について
ROSESELSA Quiet Sea 2は、人気を集めたQuietSeaの後継モデルです。新たに開発されたデュアルマグネティック・デュアルキャビティ構造ドライバーを1基採用し、多層PEEK基板とカーボン銅真空コーティングドームを組み合わせた振動板により、低域から高域まで伸びやかで解像度の高いサウンドを実現しているそうです。
付属品も充実しており、高純度OFC銅の4芯編組ケーブル(モジュラー式3.5mm/4.4mmプラグ付属)、2種類・4サイズのイヤーピース、キャラクターアクリルスタンドやステッカーまで同梱。価格帯(約1万円)以上の満足感を提供します。
仕様について
構成 | 1DD (10mmダイナミックドライバー) |
---|---|
再生周波数帯域 | 20Hz〜20kHz |
感度 | 106dB/Vrms |
インピーダンス | 18Ω |
ケーブルプラグ | 無酸素銅(OFC) 3.5mm / 4.4mm 交換式 |
ケーブルコネクタ | 0.78mm 2Pin |
購入先


パッケージ外観と付属品について
パッケージ

ROSESELSA Quiet Sea 2のパッケージは、箱の表面いっぱいにアニメ風イラストが施され、目を惹くデザイン。 前作は特に柄はなかったような記憶ですが、方針転換があったのでしょうか。

開封を進めると、デュアルマグネティック・デュアルキャビティ構造ドライバーを採用していることを強調する形で、上蓋に図解が丁寧に載せられていました。
付属品
付属品は以下の画像の通りのものが同封されています。

- ROSESELSA Quiet Sea 2 本体
- イヤーピース2種類 (各4サイズ)
- ケーブル
- 交換式プラグ(3.5mm / 4.4mmプラグ)
- シール
- アクリルスタンド
- 説明書
本体
本体は主にポリカーボネート素材とアルミを組み合わせて作られており、アルミ部分にはCNCによる精密加工によって製造されています。これらを丁寧に組み合わせることで、高い質感と堅牢性を実現しているようですね。


透明な部分からは内部構造が透けて見え、イヤホン好きやガジェット好きの心をくすぐる、所有欲を満たすデザインに仕上がっています。
2Pin端子部分は筐体と一体化するフラットデザインで見た目もスマートですが、かなり固めで抜き差しに苦労しました。キツめの設計になっているようです。
付属ケーブル
見た目は落ち着いたグレーカラー。4本の導体をツイストした編組構造で、素材には5Nグレードの高純度無酸素銅(OFC)を採用しています。

いわゆる布巻きタイプのケーブルで、柔軟性と耐久性を兼ね備えた仕上がりです。巻き癖が付くというよりは、曲げた方向に形を保つ性質があり、使用後もぱっと伸ばせば元の形に戻る扱いやすさがあります。
近年流行のモジュラー式着脱プラグで3.5mmと4.4mmに対応します。
その他


イヤーピースは、液体シリコン製で楕円形の穴を持つものと、ワイドボアでさらりとした手触りのタイプの2種類が付属します。いずれも単体で購入しても良いと思えるほどのクオリティ。流石ROSESELLSAという所です。
そのほか、パッケージに描かれたアニメ調キャラクターのアクリルスタンドやシールも同梱、遊び心のある内容になっていますね。
音質について
ROSESELSA Quiet Sea 2の特徴を簡単に表すならば
「力強い中低音と耳当たり良い聴きやすさのあるイヤホンです。」といった感じですね。
中低音にフォーカスが合うのが第一印象で、中域はクリアで艶やか、高域は刺激を抑えたマイルドなチューニングで長時間でも聴き疲れしにくい仕上がり。
周波数特性
計測データは以下の通りです。
※素人による計測の為、参考程度にお願いします。

パッと見ると弱ドンシャリなUカーブに見えるのですが、『聴覚上はわりとニュートラル&フラットを中低音に振りつつも、ボーカル帯域にアクセントがあるようなタイプ』に感じます。
(これがあるから周波数特性と聴覚上は切り離して考える必要があるんですよね。)
特性そのものは左右マッチングに大きく目立つような差はありません。
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
視聴環境
- Fiio M17(DC給電あり)
- 付属の楕円形イヤーピース
- 付属のケーブル
聞いてみた感想
ROSESELSA Quiet Sea 2を聴いて最初に浮かんだのは、中低域に自然とピントが合う、穏やかなUカーブ傾向のサウンドだということ。全体にはほんのりと暖かみがあり、中音域は癖がなく素直で、ボーカルは少し前に出てきて前傾的に耳に届きます。高音域は、意図的なのか抜けが控えめで、そのぶん刺激を抑えた柔らかな響きに仕上がっており、長く聴いても疲れにくい印象です。
音場は適度な広さがあり、左右の広がりと奥行きがしっかり感じられ、音像の立体感も強め。ただ、分離は良好な一方で、なぜか位置関係がやや掴みにくいという不思議な定位の仕方をする場面もあります。それでも全体としては、包まれるような心地よい音の空間を楽しめるイヤホンだと感じました。
低音域
低音は、量感がしっかりとありながらも膨らみすぎず、音楽全体を包み込むような温かさとモニターライクなキレが両立しています。ベースラインは力強く、キックドラムは程よいアタック感を持ちながらも耳に刺さりません。中低域にフォーカスが合いやすいチューニングのため、低音は土台として安定感がありますが、音楽を包むような深さのある低音はちょっと控えめな印象。
ゆったりと奥行きを聴かせるスローテンポの楽曲よりも、テンポの速い楽曲の方が本機の持ち味をより引き出せる印象です。
中音域
中音域は癖がなく自然。ボーカルはすっと前に出てきて、息遣いや抑揚までが滑らかに伝わり、聴き手との距離をぐっと縮めてくれる。男性ボーカルは厚みと温もりを持ち、女性ボーカルは透明感とわずかな艶を伴って伸びやかに響きます。ややドライ
楽器の音色も素直で、アコースティックギターの弦の震えやピアノの余韻が自然に空間へ溶けていきます。この帯域の押し出しが過剰にならないのもポイント。
高音域
高音域は、あくまで優しく耳に寄り添うような鳴り方をします。シンバルやハイハットはきらめきすぎず、余韻が柔らかく広がり、全体の雰囲気を穏やかに彩ります。抜けは控えめですが、そのぶん刺さりや鋭さがなく、長時間聴いていても疲れを感じにくいのが魅力です。
音場
音場や空間表現は、左右方向の広がりは耳の外側へ軽く伸びつつも奥行きも適度に感じられるため、楽器やボーカルの距離感が程よく保たれています。
音像には立体感がありますが前述した通り音像自体は距離感を持って分離するのに、音像が頭の後ろにやや回り込むような位置関係に不安定さがあるような定位をする不思議な音ですね。
実は製品版として本製品を送って頂く前に、プロトタイプも聞いたのですが定位の仕方については特に変わらず同じ印象でした。
ややネガティブな話が多いセクションとなりましたが、聞こえ方には個人差があることをご理解頂ければと思っております。
解像度
解像度は、この価格帯としては十分満足できるレベルです。細かな音の粒立ちはしっかり感じられ、ボーカルのブレスや楽器の繊細なニュアンスも自然に表現されています。一方で、全体的にウォーム寄りのチューニングのため、モニターライクな鋭さや輪郭の強調はあえて控えめ。分析的に細部を追うというよりは、音楽全体のまとまりや雰囲気を味わう方向に寄っています。そのため「解像度が際立って高い」という印象はなく、あくまで標準的な印象です。
その他コメント
時に位置関係がやや掴みにくい独特な定位を見せたり、解像度よりも雰囲気重視な音という点で、スペック重視やコスパ重視の方には少し捉えどころのない製品に感じられるかもしれません。それでも、耳あたりの優しさと低音の暖かさとモニターライクなキレを両立させた上で描かれるサウンドは唯一無二で、気持ちよく音楽に浸りたい人にとっては大きな魅力となるはずです。
個人的には高音域のキレももう少しマイルドにすれば、ウォーム系としてもっと良いまとまりのあるサウンドを目指せたような…と思ったりしています。
装着感について

耳の形に沿ったカスタムシェル型ではありませんが、筐体がコンパクトで軽く、耳のくぼみにすっと収まってしっかり安定する装着感。
動いてもズレにくく、長時間のリスニングでも違和感や痛みを感じにくいのは良いですね。
長所と短所
長所
- 全体的に刺さらないサウンド
- ボーカルも聴きやすい
- 装着感良し
短所
- 時に位置関係が掴みにくい独特な定位
- 解像度よりも雰囲気重視
- 高音域の抜けが控えめ
- 2Pinコネクタめっちゃ固い

そういえば…アクスタとシールつけるならキャリングケースもあって良かった気がするなぁ…
まとめ
解像度は標準的ながら、雰囲気を重視したチューニングにより、長時間のリスニングでも疲れにくく、日常的に音楽を楽しむには十分。加えて、高級感のある筐体デザインや比較的豊富な付属品、スマホ直挿しでも鳴らしやすい仕様なのも助かります。
音場は程よい広さと奥行きを持ち、包み込まれるような空気感を演出しますが、時に位置関係が掴みにくい独特な定位も見せますが、個人差という所でしょうか。
購入先リンク




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