今回ご紹介するのは、レビューしていくのはTANCHJIM FORCEです。
TANCHJIMは、中国を拠点とするオーディオブランドで、特にデザイン性と音質の両面で高い評価を得ています。FORCEはそのTANCHJIMの最新作となります!

製品概要と購入先について
TANCHJIM FORCEは、TANCHJIMとEFFECT AUDIOが共同開発したデュアルダイナミックドライバー構成の有線イヤホンです。
ブランドのフラッグシップモデルとして位置付けられ、音質とデザインの両面で最高峰を目指した製品です。洗練された外観と高性能な内部構造により、オーディオ愛好家だけでなく、デザインにこだわるユーザーにも訴求するモデルとなっています。価格帯は中価格帯に位置し、その価値に見合うクオリティが期待される製品ですね。
仕様について
構成 | 2DD |
---|---|
再生周波数帯域 | 8Hz〜48kHz |
感度 | 120dB/Vrms |
インピーダンス | 17Ω |
ケーブルプラグ | 4芯単結晶銅・銀メッキケーブル 3.5mm / 4.4mm / USB-C 交換式 |
ケーブルコネクタ | 0.78mm 2Pin |
購入先

パッケージ外観と付属品について
パッケージ
TANCHJIM FORCEのパッケージは、シンプルでホワイト&グレーが使われたTANCHJIM特有の配色のパッケージです。


パッケージの表面には大きく、TANCHJIMオリジナルキャラクターの浅野てんきちゃんのイラストが施されています。このキャラクターを見ただけで知る人はTANCHJIMだ!って思いますよね(笑)
付属品
付属品は以下の画像の通りのものが同封されています。

- TANCHJIM FORCE 本体
- イヤーピース2種類 (各S,M,Lサイズ)
- ケーブル
- 交換式プラグ(3.5mm / 4.4mm / USB-Cプラグ)
- キャリングケース
- イラストカード
- 説明書
本体
イヤホン本体は、シルバーのマットな仕上げとメッシュが施されたフェイスプレートの仕上げ。
「FORCE」と「TANCHJIM」のロゴが刻まれ、左右の識別がしやすい設計になっています(どちらがどっちか覚えないといけないけど)。


ボディ本体は樹脂製で、見た目に反して非常に軽量な作りで長時間の装着でも耳への負担が少ないように思います。
また、ノズルは耳の奥に自然とフィットする角度で設計されており、快適な装着感が得られます。
さらに、ノズル先端には非常に目の細かいフィルターが装備されており、耳垢などの侵入を効果的に防いでくれる構造になっています。
付属ケーブル
TANCHJIM FORCE のケーブルは、TANCHJIMとEFFECT AUDIOのコラボレーションによるもので、銀メッキ単結晶銅(UP-OCC)を採用しています。


着脱式のモジュラー端子を採用しており、3.5mm、4.4mm、USB-Cの3種類のプラグが標準で付属します。
用途に応じて簡単に付け替えができるため、環境に合わせて柔軟に使えるのは大きな強み。
その他


付属品として、シリコン製イヤーピースが2種類(それぞれS/M/Lの3サイズずつ)同梱されています。耳の形状や装着感の好みに合わせて使い分けられるのは嬉しいポイントです。
キャリングケースは、イヤホン用としてはやや珍しい上方向に開く四角形のデザインを採用。外装には柔らかいクロス調のテクスチャが施されており、手触りも心地よく、高級感を感じさせます。
音質について
TANCHJIM FORCE の特徴を簡単に表すならば
「温かみのある低音にシャキッとした高音でメリハリのあるイヤホン」といった感じですね。
TANCHJIMの過去作の『ORGIN』にも似た傾向だと思います。
聞き心地の良い優しい弾力のある低音に、シャキッとメリハリのある高音が調和していて纏まったようなイヤホンですね。
聴覚上の音のバランスのグラフは以下の通りです。
※聴覚上のイメージで、計測データを元にしたものではありません。

音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
視聴環境
- Fiio M17(DC給電あり)
- 付属のイヤーピース(水色の軸のもの)
- 付属のケーブル
聞いてみた感想
TANCHJIM FORCEの音の傾向は、自然なUカーブを描くような、現代的かつバランスの取れたチューニングが特徴です。
いわゆるハーマンターゲット的な音作りをベースにしている印象を受け、適度に低音の豊かさを持ちつつ、中高音、とくにボーカル帯域をしっかりと押し出したサウンドになっています。
全体としては、低域にほんのりとした温かみがありながらも、高域にかけては寒色系のエッジが立った音色へと自然にシフトしていくような印象で、落ち着き・マイルドさとキレや爽やかさを両立しています。聴き疲れしにくく、音楽を自然体で楽しめることを意識したチューニングと言えるでしょう。
前作の「ORIGIN」と比較しても、高域の抜け感や低音の圧が抑えられるなど、改善が垣間見え洗練度が一段階アップしたように感じます。
低音域は低域は適度な量感を持ちつつ、弾力があり、ノリの良さを感じさせてくれます。
輪郭が曖昧になることなく、温かみのあるサウンドながらも聴き心地はクリア。背面開放構造の恩恵か、圧がほどよく抑えられ、厚みはありながらアタックが強すぎない、絶妙な上手なチューニングに仕上がっています。
中音域は本機の一番美味しい所なのではないでしょうか、透明度を意識したような伸びやかさを感じる女性ボーカルが特徴で、他にもピアノや弦楽器はやや前傾姿勢で距離感近く演出されます。男性ボーカルはやや控えめながらも淡白感や線が細くならない程度に厚みと自然さを保った描写がなされています。
高音域は伸びやかさはありつつもやや抑えめで、どちらかといえば中音域のボーカルに重きを置いているような印象を受けます。過去作の『ORGIN』と比べても明らかに刺さりやピーク感が無く主張が控えめで、丁寧にスッキリ鳴らしつつも一歩だけ下がって中音域を立てるような調整になっているようです。音自体は丁寧で上品な鳴らし方がされているため、もう少し主張が欲しい場合にはリケーブルなどでの音質調整も一つの選択肢です。
全体として、FORCEは長時間のリスニングでも疲れにくい、自然で聴き心地の良い音作りがなされています。
ジャンルを問わず楽しめる万能型でありながら、特にボーカル中心の楽曲との相性は非常に良好です。
なお、付属のUSB-Cケーブルでの接続では、やや駆動力不足のようなものを感じる場面もあり、低域や高域の押し出しが控えめになる印象もあります。可能であれば、外部DACや別途ドングルDACとの組み合わせも検討したいところです。
装着感について
装着感に関しては、前述した通りで軽量なボディとノズルの適切な角度によって、耳の奥まで無理なく入ってくれる構造なので、安定した装着感を実現しています。

ケーブルの耳掛け構造によるサポートに依存せずとも、本体自体が非常に軽いため、長時間の装着でも違和感や負担を感じにくい構造になっています。
長所と短所
長所
- 美しいデザイン
- 良好なビルドクオリティ
- 高品位なケーブル
- バランスの良い出音
短所
- 高音域が重低音は相対的に控えめ
- ポーチが持ち運びに向かない

TANCHJIMらしいサウンドをより抜け感よく調節した製品かも
まとめ
TANCHJIM FORCEは、同社の新たな新製品として珍しい洗練された外観、優れたビルドクオリティ、そしてTANCHJIMらしい聞き心地の良いサウンドは、TANCHJIMファンにとっては納得のいくものになるのではないかと思います。
特に中高域の美しさも特筆点でしたが、軽量で快適な装着感は、長時間のリスニングでも疲れを感じさせず、幅広い音楽ジャンルに対応します。
一方で、重低音や高音域を重視するユーザーには微妙に物足りなさを感じる可能性があるため、試聴して好みであるかどうか確認することをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございます。少しでも本記事が皆様のイヤホン選びの参考になれば幸いです。それではまた、次回のレビューでお会いしましょう!


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