高い評価を受けてきたTHIEAUDIOのMonarchシリーズに第4世代となる「THIEAUDIO Monarch MK4 」が登場しました!
これまでに搭載されていなかったチューニングスイッチの搭載や金属製シェルへの刷新など、特大級のアップデートを遂げた本作を紹介しつつレビューしていきます。

ちなみにカラーバリエーションがカスタム除いて2種類あるのですが、今回ご紹介するのは『Kaleidoglow』デザインのものになります。
製品について
THIEAUDIO Monarch MK4は、中国のTHIEAUDIO(セーオーディオ)が手掛けるカナル型イヤホンのフラッグシップモデルです。
価格は1149ドル(約170,000円)と高価ですが、2つのモードを切り替え可能なチューニングスイッチをシリーズで初めて搭載し、1台でTHIEAUDIOのサウンドシグネチャーを味わえるスタンダードから重低音特化のブーストモードまで楽しめるのが大きな特徴です。
ドライバー構成は2基の8mmダイナミックドライバー、6基のBAドライバー、2基のESTドライバーの合計10ドライバーという贅沢なトライブリッド方式で、広い周波数特性と高い解像度を実現したそうです。
樹脂からアルミ合金削り出しの筐体に大幅な変更が加えられ、最新のモジュラーケーブルを採用するなど、音質以外の面でも現代的な改良が施された製品です。
仕様について
構成 | 2DD+6BA+2EST |
---|---|
再生周波数帯域 | 10Hz〜44kHz |
感度 | 100dB@1kHz |
インピーダンス | 9~10Ω(±1Ω @1kHz) |
ケーブルプラグ | 3.5mm / 4.4mm プラグ交換式 |
ケーブルコネクタ | 0.78mm 2Pin |
パッケージ外観と付属品について
パッケージ
THIEAUDIO Monarch MK4は、これまでのシリーズとは一線を画すデザインを採用しています。従来モデルでは製品写真がパッケージに印刷されていましたが、今回はフェイスプレートをモチーフにしたポップなネオンカラーの抽象的なアートデザインに刷新されました。
製品自体は、カスタム仕様でなければ「Kaleidoglow(カレイドグロウ)」と「Stellashot(ステラショット)」の2種類から選択可能ですが、パッケージに採用されているモチーフは「Stellashot」のデザインになっているようです。

しっかりとした厚手の化粧箱を開封すると、内部にイヤホン本体や付属品が整頓されたレイアウトで配置されており、一目で高級製品であることがわかるような仕上がり。


基本的な箱への収まり方自体は前作とあまり変わらないですが、変更する必要もない洗練されたパッケージデザインだと思います。
付属品
付属品は以下の画像のようなものが同封されています。

- THIEAUDIO Monarch MK4本体
- イヤーピース3種類(各S.M.L)
- ケーブル
- 交換ノズルのメッシュ
- 交換式プラグ(3.5mm / 4.4mmプラグ)
- キャリングケース
- クリーニングクロス
- シール
- 保証書
付属品は非常に充実しており、価格に見合う内容となっていますね。 シールは…ファン向けアイテムとして良いかもしれませんね。
本体
本体の筐体は、従来モデル(MK3まで)で採用されていた樹脂ボディから大きく刷新され、アルミ合金製のハウジングへと進化しました。フェイスプレート表面は透明な樹脂で覆われており、その下に鮮やかなグラフィックが封入されたような仕上げになっていて、視覚的なインパクトも強く、高級感を感じさせます。

筐体は人間工学に基づいた凹凸のあるシェイプで、まるでカスタムIEMのようなフィット感を意識したデザインとなっています。ノズル径はやや太めではありますが、実際には一般的な範囲に収まってます。

筐体の側面にはチューニングスイッチが備えられており、操作すると「パチッ」と小気味よいクリック感があります。切り替え時の感触がしっかりしていますし誤操作の心配は無く安心して使えそうですね。

付属ケーブル
付属の「Chocolate」ケーブルは、新世代のモジュラー式リケーブルとして設計されたものです。名前の通り、落ち着いたラメを散りばめたマットブラウンの被覆が目を引きます。手に取ると柔らかさとコシのバランスが良く、質感も高級感があって良くできてるな~と思います。

着脱式のモジュラー端子を採用しているため、3.5mm/4.4mmのお好みのプラグに変更出来ます。


さらに嬉しいことに、プラグはネジ式ではなくワンタッチで差し込むだけの方式を採用しています。スムーズで、交換作業も手間なく行えるようになりました!
しかし…なぜ茶色なんでしょうね?
イヤーピース


ウレタンスポンジ系と、シリコンタイプ2種、合計で3種類のイヤーピースが付属します。個人的には真ん中のイヤーピースが装着感も良いし柔らかくて質感も良かったです。
ケース
キャリングケースは表面も内側も起毛処理が施されており、擦れや傷がつきにくい設計になっています。開閉はファスナー式ではなく、上蓋がぱかっと外れる丸いボックス型を採用。実用性に加えて少し珍しい淡い水色のカラーリングなのもチャームポイント(笑)

その他
他の付属品として、クリーニングクロスとノズルのダストカバーも付属します。


音質について
THIEAUDIO Monarch MK4の特徴を簡単に表すならば…
「緻密な描写と迫力を両立した、新たな皇帝の誕生を感じるイヤホン」といった感じですね。
ハーマンターゲット的なカーブを強調したような感じで、ボーカルや中音域が引っ込んだりはしませんが、低音と中高音の突出具合はなかなかのものです。
計測データは以下の通りです。
※素人による計測の為、参考程度にお願いします。
- 緑はRUMBLE(ランブル)モード
- ピンクはSTANDARD(スタンダード)モード
帯域バランスとしては、見事なW型で、低音とボーカル帯域と高音域の3要素がほどよく強化されています。

ナチュラルUカーブ的な感じで、中音域付近は比較的ニュートラル、ボーカル付近に山もあり、10kHzに煌めきを感じる成分をたくさん含んでいますね。
150Hz付近からぐっと立ち上がる低音でTHIEAUDIOブランドらしいサウンドシグネチャーと2DDらしい厚みのある音になっています。
前作のMonarch MK3(オレンジ色)に比べると、高音域が随分と伸びやかでキラキラと明るく聞こえるのですが、その音色は周波数特性にも十分に現れています。

音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
視聴環境
- Fiio M17(DC給電あり)
- 付属のイヤーピース(グレー)
- 付属のケーブル 4.4mm
サウンドインプレッション
THIEAUDIO Monarch MK4の音質は、モニターライクなフラットバランスを感じさせながらもナチュラルなUカーブ的な音色を基調としながら、厚みのある低音と煌めき、そして繊細さを絶妙に両立させています。前作では緩やかでナチュラルなU字カーブ傾向で落ち着きと煌めきを感じさせるようなサウンドでしたが、本作では低域のキレと描写の精度が大幅向上しているような印象を受け、高域はより繊細で伸びやかになり全帯域を通してレンジの広さと解像度の高さを実感できる音色へと進化しているように思います。
STANDARDモード
デフォルトのSTANDARDモードでは、Monarchシリーズらしい奥行きと落ち着きを残しつつ、ニュートラルで見通しの良いチューニングが施され、前作と異なりジャンルを問わない万能さを備えています。そこに8mmダイナミックドライバーを用いたデュアルサブウーファーシステム(IMPACT²)が加わることで、厚みのある低音が土台を支え、情報量豊かなサウンドを実現してくれているような感じ。
前作のMonarch MK3では10mm径のデュアルドライバーが採用されていましたが、MK4では8mmに小口径化されたことで反応速度が増し、よりキレのある低音表現へと変化したように感じます。
実際に聴いてみても低音の解像度は明らかにMK4の方が優れており、癖のない輪郭を伴ったモニターライクな低域が得られます。それでいて、THIEAUDIOらしいしっかりとした厚みと量感も健在です。
低音の質感という意味では、深さや落ちついたトーンを感じる質感から原音の雰囲気を崩さないまま低音を盛るような丁寧な質感に変わっています。
RUMBLEモード
さらに、スイッチをRUMBLEモードに切り替えると、低域全体がブーストされ、深みと迫力が加わってくれます。この切り替えは想像以上に自然で、あくまで例えですが言われなければ気づかないほど違和感のない調整具合になっているようです。特にサブベース付近の強化が顕著で、音というより振動として体に響くような低域を体感できます。約+3dBのブーストによって効果は明確に感じられますし、さらに1000Hzあたりから緩やかに持ち上げられる設計のため、不自然さは一切ありません。(周波数特性を見てw)
スイッチ操作に抵抗がある方でも受け入れやすいチューニングだと思います。まじで自然
両モードはどちらも完成度が高く、音源や気分に合わせて「迫力と繊細を兼ね備えたサウンド」と「胸を打つ重低音サウンド」を自在に切り替えられるのが、本作の最大の魅力。
音色
THIEAUDIO Monarch MK4の全体的な音色は、透明感と伸びやかさを基調にしたニュートラルな温度感が特徴です。帯域バランスはモニターライクなフラットさを土台としつつ、ほんのりと緩やかなUカーブを思わせる自然なニュアンスをまとっています。
低域は歪みを感じさせず、よく制御された厚みのある鳴り方で、量感と締まりをうまく両立。高域は繊細かつ伸びやかで、さらさらとした絹のような質感を持ち、全体に透明感を与えています。
全帯域の温度感や質感がシングルダイナミックのように完全に統一されているわけではないものの、解像度の高さと帯域間のスムーズなつながりが非常に心地よく、繊細さと伸びを兼ね備えながらも耳に刺さらない優しい聴き心地を実現しています。
例えるなら、THIEAUDIOを知る人には「Prestige LTDとMonarchを掛け合わせ、さらに低域ブーストスイッチを搭載したような仕上がり」と表現すると分かりやすいかもしれません。
低音域
低域は、THIEAUDIO独自のIMPACT²システムによる2基のダイナミックドライバーがしっかりと効いており、引き締まった質感の中に深みと厚みを兼ね備えた量感豊かな鳴り方をします。タイトさと迫力をうまく両立しているのが特徴です。
STANDARDモードでは過不足のない量感とキレの良さで音楽全体をしっかり支え、リズムの心地よい推進力を感じられます。一方、RUMBLEモードに切り替えると低域の沈み込みがさらに深くなり、体の芯にまで響くような厚みを伴った低音が広がります。ベースラインやバスドラムは重厚感と存在感を増し、特にEDMやヒップホップでは圧倒的なパワーと躍動感を体感できる仕上がりです。
中音域
中音域はニュートラルで見通しが良く、楽器もボーカルも自然に浮かび上がるチューニングです。過度に主張することもなく、引っ込みすぎることもなく、適度な定位感で安心して聴ける仕上がりになっています。
ボーカルはしっとりとした質感とほんのりした温度感をまといながら、解像度は高く、息遣いやニュアンスまで丁寧に描き出してくれます。厚みを感じさせながらも透明感は失われず、籠もることなくすっきりと伸びていくのが印象的です。女性ボーカルでは繊細で澄んだ響きが際立ち、男性ボーカルでは厚みと力強さが自然なバランスで表現されます。どちらも過度な脚色がなく、生々しさを残しつつ音楽的に楽しませてくれます。
さらに楽器の分離感も優秀で、粒立ちの良さが心地よい響きを生みます。ほんの少し厚みが加わることで、聴き応えのある密度感とナチュラルな余裕を両立している点も魅力です。
高音域
THIEAUDIO Monarch MK4の高域は、BAとESTドライバーの組み合わせによって、きめ細やかで伸びやかな再現力を実現しています。シンバルやハイハットのアタックはシャープで切れ味を感じさせながらも耳に刺さらず、音がすっと空気に溶け込むように余韻まで自然に描き出してくれます。倍音表現も豊かで、ストリングスのきらめきや女性ボーカルのブレスは透明感を保ちながら美しく伸びていき、聴いていて息遣いまで感じられるようです。
その質感はまさにシルキーで繊細。粒立ちの細かさとレンジの広さが際立ち、微小な音まで丁寧に描写してくれる解像度の高さがあります。前作のMonarch MK3では少し物足りなかった繊細さと伸びやかさがしっかり補われ、より自然で開放感のある高域へと進化した印象を受けました。
さらにRUMBLEモードに切り替えても、高域の透明感や精緻さはそのまま。低域に厚みが加わることで全体のバランスが変わるのに、一貫してクリアで澄んだ音を楽しめるのは本当に素晴らしいと感じます。
解像度
ハイエンドらしい圧倒的な解像度です。音の一粒一粒が鮮明で、まるで顕微鏡で覗いたかのように細部まで描写されるかのよう。シンバルの細かな粒立ち、ボーカルのブレスやリップノイズ、ストリングスの倍音の重なり――そのすべてが重なっても混ざり合うことなく、それぞれ独立して浮かび上がります。
RUMBLEモードに切り替えると低域が厚みを増しますが、それでも高域や中域の解像度が損なわれることはなく、迫力と緻密さを同時に味わえるのは特筆すべき点です。
前モデルのMK3も十分に高い解像度を誇っていましたが、MK4では粒立ちがさらに精緻になり、特に余韻や空気感の再現で一歩抜きん出ています。MK3がモニター的な「正確さと繊細さ」を強く感じさせるサウンドだったのに対し、MK4はその正確さに加えて、音楽的な艶や余裕を纏った「見通しの良いリアリティ」を実現しているのが進化の証と言えるでしょう。
ボーカル
自然で立体的、そして繊細。これがボーカルの帯域で感じられたことでしょうか。中音域や高音域の見出しでもお話しましたが、息遣いや細かなニュアンスまで解像度高く描写されます。特に女性ボーカルは繊細さと透明感を兼ね備え、耳にすっと届く爽やかな響きが心地よいです。一方で男性ボーカルでは中低域の厚みが適度に加わり、芯のある力強さと存在感をしっかりと表現してくれます。
音場
THIEAUDIO Monarch MK4の音場は、とてもハッキリと広く感じられます。音が耳の外側へ自然にふわっと広がり、ステージ上の空間をそのまま描き出すようです。楽器ひとつひとつの輪郭がきちんと立ち上がり、配置も明快。目を閉じれば、ボーカルはすぐ目の前に、ギターやシンバルはやや後ろにといった距離感まで生き生きと伝わってきます。
RUMBLEモードに切り替えると、低音が厚みを増すことで空間全体に重心が加わり、まるでライブ会場に身体ごと包み込まれるような迫力が広がります。特にベースやドラムの前に迫ってくる感覚は圧巻で、音楽に没入していく体験が味わえます。
前作のMK3も整理された聴き分けやすい音場を持っていましたが、MK4はさらに一歩進み、音と音の間に漂う「空気感」がより豊かになった印象です。余白の自然さが増したことで、音楽全体が息づいているように感じられます。整然としたステージ表現から、より繊細で生きた空気を感じ取れる表現へ。それがMK3からMK4への大きな進化だと実感しました。
装着感について
アルミ合金製のシェルは、装着した瞬間にほんのりとひんやりとした感触がありますが、それも最初だけ。体温が伝わるにつれて自然になじみ、やがて耳と一体化するような装着感へと変わっていきます。

シェル形状は人間工学に基づいたカスタムIEMライクなデザインで、凹凸のフィット感が絶妙。長時間装着しても圧迫感が少なく、安定感のある掛け心地です。金属シェルではありますが、耳にしっかり馴染む自然な着け心地です。
しかし、男性の私でドンピシャの収まり具合なのですが、耳が小さめな方だと少しキツイと感じる場合もあるのかもしれませんね…?ちなみに、よ~く見ると基本的な形状は前作と同じなのですが、ノズルに伸びていく部分がMK3より長くなってて装着感も向上していますね。
長所と短所
長所
- 二つのサウンドを切り替えられる楽しさ
- 解像度と空間表現
- 低音のクオリティ
- 高級感あるデザインとビルドクオリティ
短所
- 付属ケーブルのデザインがミスマッチ
- 価格のハードル
- 筺体がちょっと大きめ?

発売直後には、一部のユーザーから「フェイスプレートの接着が甘い」「浮いているように見える」といった声がSNS上で報告されていました。ですが、私の手元に届いた個体ではそうした問題は見られません。
発売から時間が経過したロットを入手したことが関係しているのかもしれませんが、仕上がりはしっかりしており、接着や造りに不安を感じる部分はありませんでした。少なくとも現時点では安心して使える品質だと感じています。
まとめ
THIEAUDIO Monarch MK4は、シリーズの最新作…皇帝という名にふさわしい完成度を備えた一台でした。STANDARDモードではニュートラルで解像度の高い音を聴かせ、ジャンルを問わず正確な描写を楽しめます。そしてRUMBLEモードに切り替えれば、一気に迫力のある重低音が加わり、迫力と熱情が伝わるような音に包まれます。まるで二つのイヤホンを持っているかのような切り替え体験は、毎回新鮮な驚きを与えてくれます。
筐体デザインもアルミ合金ならではの高級感があり、仕上げの美しさや堅牢さは手に取るたびに所有欲を満たしてくれますし、付属品も豊富で、実用性と完成度の高さが十分に揃っています。
もちろん価格は決して安くはありませんが、しかし、それを補って余りあるサウンドの完成度と楽しさがこのモデルにはあります。
MK3の足りなかった要素や欠点を補って完成度の高いサウンドに生まれ変わっていますし、買い替えを迷っている方にとっても、新しいチューニングスイッチや空間表現の進化は十分に体感できる違いとなるでしょう。
Monarch MK4は「精緻さと迫力を自在に切り替えられるフラッグシップIEM」。その二面性こそが最大の魅力であり、音楽を聴く楽しみをもう一段深めてくれる存在だと強く感じました。
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