こんにちは!今回レビューするのは『TRN Mermaid』です。
今までTRNというブランドは低価格でハイコストパフォーマンスな製品を多く手掛けてたイメージがありますが、今回ご紹介する『TRN Mermaid』はAmazonで3万円前後とTRNブランドとしては高価な製品で期待が…高まります…!
KnowlesのBA入ってるしね…?期待しちゃいます。

製品概要
TRNについて
TRNは中国を拠点としたオーディオブランドで、BAや平面磁界型ドライバーなどの先進的なユニットを積極的に取り入れ、価格帯を超えた構成やコストパフォーマンスに優れた製品開発を特徴とするメーカーブランドです。
TRN Mermaidについて
TRN Mermaidは、TRNが輩出する海洋シリーズ(通称)の製品で、1DD+1BA+2Planarという構成を採用しています。
低音域には、10mmデュアル磁気回路ダイナミックドライバーを搭載
PUエッジとガラスドーム振動板を組み合わせた構造により、量感と解像感を両立した低域の再生力を狙っています。デュアル磁気回路による強力な磁束制御は、振動板の動きをより正確にコントロールし、深く沈み込む低音表現を支えます。
中高音域には、Knowles製33518バランスド・アーマチュアドライバーを採用。
高い応答速度と分解能を活かし、細かな音のニュアンスやアタック感を明瞭に再現。ダイナミックドライバーとの組み合わせにより、全帯域でバランスの取れたサウンド構成を目指しています。
高域および空間表現を担うユニットとして、新開発の6mm平面駆動ドライバーを2基搭載。
平面振動特有の均一な駆動方式により、音場の広がりやディテール表現の向上を図り、ストリングスやボーカルの質感、空間の奥行き表現を強化しています。
付属ケーブルには、4芯構成の銀メッキOFC(無酸素銅)ケーブルを採用。
低抵抗特性による安定した信号伝送と、高域の伸びや情報量の確保を狙った設計となっており、外部ノイズ低減にも配慮されたシールド構造のケーブルです。
仕様
| 構成 | 1DD+1BA+2Planar |
|---|---|
| 再生周波数帯域 | – |
| 発売日 | 2025年12月 |
| 価格 | 29,850~33,250円税込 (投稿時) |
パッケージ
TRNらしい、シンプルながら高級感のあるデザイン。華美にならない大人しめのパッケージですが、只者じゃない風格のあります(笑)

箱を開けると、トレイにしっかり収まっていました。TRNではお馴染みというかいつもの感じですね。

付属品
付属品はかなり豪華。
たくさんのイヤーピースにハードケース、DACまで付属します。

キャリングケースはTRNではお馴染みですがハードケースです。
イヤホン本体
私に届いたサンプルは青と緑がグラデーション調で混じり合ったオーロラ的なデザインで、人魚を思わせるテクスチャを施したクリア樹脂がフェイスプレートになっています。
尻尾のように飛び出したパーツがありますが、着用には関係ない部分なので全然問題ありません。

背面とサイドビューは以下のような感じ。滑らかで艶のある表面処理です。そしてとても綺麗な色合いですね。

付属DACケーブル
DACが付属していましたが、3.5mm仕様でした。ケーブルは4.4mmなので実際に使うことが出来ないのですが…なぜ?(笑)

イヤーピース
イヤーピースは複数の種類が入っているので、じっくりと自分にあったものが選んで確かめられます。

ケーブル
4芯構造ですが、編み込まずフラットケーブルな仕様。1本ごとに編組シールドが巻かれたケーブルですが、とてもしなやかで柔軟性があります。

ケース
パチンと止められるタイプのハードケースが付属します。

音質について
『TRN Mermaid』の特徴をいくつか書き出すと…
- よく制御された厚みのある低域
- ナチュラルで疲れない高域
- なかなかの高分離サウンド
- あったけぇ…
- 滑らかなボーカル
- TRNのフラッグシップモデルに相応しい音質
周波数特性
計測データは以下の通りです。※素人による計測の為、参考程度にお願いします。
片側を94db@1000Hzに合わせ計測。

低音に厚みがあってボーカル帯に盛り上がりがあって、高域は減衰を伴いながら…という感じでしょうか。しかし、聞いてみないと分からないことがほとんどで、グラフは参考程度ですからね(笑)
評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
視聴環境
- Lotoo PAW 6000
- 標準ケーブル
- 付属イヤーピース(液体シリコン系のやつ)
サウンドインプレッション
いやぁwww これはもう率直に言うと、『優しくて、あったかくて、それでいて分離感がめちゃくちゃ高けぇ』思わず口角が緩むタイプの音ですね(笑)
全体の方向性としては、弱めのドンシャリをベースにしつつ、ボーカルが決して引っ込まない絶妙なバランス感。ここ、かなり好印象です。
低音は量感を前面出すだけのタイプではなく、温かみと柔らかさを持って楽曲全体をふんわりと支えてくれる存在。沈み込みはあるのに重たくなりすぎず安心できる鳴り方をします。いや、量感は豊かではあるんですけどね!
中音域では、ボーカルや弦楽器が良い感じに前に出てきてくれる感覚がこれがまた心地いい。近すぎず、でも埋もれない。主張しすぎないのに、ちゃんと存在感がある。
そして高音域。ここが個人的にはかなり好きで、刺さりは一切感じさせず、それでいて透明度の高い煌めきがスッと降り注ぐ感じ。耳に優しいのに情報量はしっかり。
気づいたら曲が終わってて、「もう一曲いくか…」ってなりがち(笑)だいぶ聴きやすい。
音場は前後左右にしっかり広がりがあり、音を積極的に広げて配置していくタイプの分離感。ただし、現代的なPOPSだとやや空間への整理が間に合わず空間の広さが標準的になる感覚があるかもしれません。空間の広さに関しては両極端なほど、聴く楽曲のジャンルによっても評価が分かれそうな気がしています。
いわゆる原音忠実系というよりは、透明度をきっちり保ったまま、滑らかで聴き心地の良い音へと上手く『料理』してくれるリスニング寄りのチューニングですね。
ただのBGM的なリスニングではなく、ちゃんと聴いて楽しい。エンタメ性のある味付けが効いていて、「あ、このイヤホン、音楽を楽しませにきてるな」と感じさせてくれるような感じ。
気張らずに聴けるのに、満足感は高い。こういう音初めて出会いましたけど、つい長時間聞いてしまいます。
低音域
一言で言うと量感たっぷりでウォーム、しかもちゃんと柔らかめではあるものの芯がある。そんな感じの中低音主体に聞こえてくる低音です。エレキベースの音はかなり目立って聞こえます。
中低音主体と言いましたが、重低音も量感を感じられます。なかなか高い質感で上品さもある滑らかさ。
深さに注目すれば、音よりも『振動』で伝えてくるような深さがあります。心臓にズゥウンと深く響くような重低音があって、キックドラムの音にも十分な重みがあります。
低音が前に出てくるというより、しっかりとベースを作って音楽全体を下から支えている、そんな印象が強いですね。
中低域、いわゆるベース帯域はアタック重視やキレというよりも、厚みと余韻を大切にしたチューニング。音の立ち上がりは穏やかで、その後の残響や空気感を少し長めに楽しませてくれる鳴り方です。それらもあってか低音に包み込まれるような豊かな広がりがあり、聴いていてとても心地いい~!!
でも、重たくなりすぎたり輪郭が曖昧になることがないのが不思議。
ダラッっと収束が遅い印象は感じられず、テンポ感はきちんと保たれていて、モヤっとした印象にはならない。このあたりの制御はかなり上手だと感じましたね~。
低音の柔らかさをうまく表現する方法が無いか考えていたんですが…正弦波の低音みたいなマイルドさと言えば伝わりますかね…?(伝われッ!!w)
中音域
中音域は少しだけ前傾する程よい立ち位置の鳴り方をします。 引くべきポイントでは引き、前傾すべき場所では頭を覗かせる前後関係をしっかりと描写する印象がありますね。
ピアノの響きやギターの筐体に響く音、バイオリン等などの弦楽器系は決して主張は強くないものの距離感を大事にしながら精度よく鳴ってくれる音の分離の良さがあります。
同時に多くの音が鳴るような複雑な曲でも、一つひとつの楽器の輪郭が破綻せず整列した状態で丁寧に鳴ってくれます。美しく整理されているという表現が合いそう。
ボーカル
サ行の刺さりは皆無と言っていいと思います。
ボーカルはグッと前に押し出してくるタイプではありませんが、埋もれることもありません。暗く静かな背景の中から、ふわっと浮かび上がってくるような感覚です。余計なノイズ感がなく、輪郭も滑らかなので、長く聴いていても疲れにくいのが印象的です。
距離感的にはかなりボーカルは近めに聞こえる感覚がありますが、ボーカル以外も近めに鳴るのでボーカルが近いと断言していいものなのか少々悩ましかったり。 近いのに奥行きもあるから評価が難しい所です。
ちなみに、所謂サ行ですが安心していいと思います!
刺さりは皆無と言っていいレベルで、強く発音される場面でも耳に引っかかる感じがありません。高音域が滑らかに明るく伸びるタイプでありながら、刺激が出ない。このバランス感覚は見事。
高音域
情報量はしっかりあるのに刺激が無い優しさがある上品なチューニング。シャリ感やザラザラ感は全く無く、派手を演出しない高音域で、とってもナチュラルでアナログチック。
「刺激が少ないから高音が物足りない」かというと、まったくそんなことはなく必要な解像感と伸びをきちんと備えた実力派です。
シンバルの余韻やバイオリンの高音なども自然に描き出してくれて、音がスッと消えていく減衰の表現もとても滑らか。そして質感は澄んでいてクリア。
全体としては、派手さはないものの、他の帯域との馴染みが良く、そのおかげで中域や低域の魅力がしっかり引き出されていると思います。
音場・空間表現
POPSなどの様々な楽器が入り乱れる楽曲では空間は価格に対して、標準的に聞こえたりする場合もありますが、空間そのものは結構広い方だと思いますし、奥行きも広大に感じます。
が、楽曲によっては「あれ?なんか狭く聞こえる」と感じる楽曲もあります。得にメタルやロック、スピード感がある曲は音が中央に集まりすぎる違和感があるような…あれれ?
どちらかというとアコースティックな楽器との相性が良さそうです。バイオリンやギターは左右がかなり広く感じましたね~
オーケストラ系は定位の良さや自然に減衰する高音も相まって違和感無く気持ちよく、広大なホールの空間を感じながら聴けますが、現代的なPOPSやスピード感がある楽曲はやや苦手なのかもしれません。
それでも分離感自体はかなり高いとは思いますけどね(笑)
解像度
ん~!中音域から高音域にかけての情報量が結構豊かで、細かな音まで丁寧に拾い上げてくれます。ボーカルで感じられる息遣いや声の質感はもちろん、ギターの指が弦を擦る感触や、シンバルがゆっくりと消えていく余韻や空気感まで、かなり満足度高いです。
インプレ内で、エンタメ性のある味付けと表現してる通り、原音忠実に細かい音までモニターするような出音ではありませんので、解像度で語る音ではないかなとは思いつつも、しっかり解像感や透明度の高い音です。そういう意味では値段以上の満足度かな~なんて思ったりします。
あくまで音楽を楽しむための豊かな解像感。そんな表現が的確かも?
装着感について
フェイスプレート側の形状がかなり特殊ですが、耳が触れる側は全然普通の形状なので、装着感も得に問題なく不満はありません。
…んでもデザイン面で触れておくと、このオーロラのようなグリーンカラーは目立つカラーリングなので、屋外でやや派手に映ります。人目が気になる場合は黒系?のカラーを選択した方がが良いかもしれません。
個人的にはこのカラーリングがMermaidらしくて良いんですけどね。

長所と短所
長所
- ボーカル表現良し
- 高い解像度&分離感
- 聞き心地の良いチューニング
- 完成度高いバランスの音
- マイルドで聴きやすい
短所
- 音がマイルド
- TRNにしては高価
- もっと高音が伸びても良い
- 派手なデザイン

音の個性はあるけど個性の中でうまくバランスは取れてるような機種じゃないかなぁ
まとめ
書いてたらまとめというかあとがきみたいになってしまった…
TRN Mermaidを試聴して真っ先に感じたのは「ああ、TRNさんってこういう音も作れるんだな…」という新鮮な驚きでした。
これまでのTRNといえば、リーズナブルでコストパフォーマンスに優れたイヤホンを数多く出している印象で、音の傾向としてはやや硬質で明るめ、元気なドンシャリ寄りのチューニングが多いブランドだと思っていました。
実際、以前のモデルでもその方向性を感じていましたし、ちょっと分岐点になったかもと思った製品では、TRN Whale Sharkで、これを聴いたときも「おっ、TRNっぽくない!?」と感じていたのですが…。
このTRN Mermaidに関しては、そこからさらに一歩踏み込んできたというか、音の『表情』に柔らかさや温かさがあって、「ああ、ここまでの表現力を持たせてくるんだ」と、ちょっと驚いてしまいました。
ボーカルはとても滑らかで澄んでいて、輪郭もきちんと立っているのに、どこか優しさや体温感を感じる音。自然体で耳に入ってくるのに、ちゃんと『聴かせるエンタメ性』もある。低域も柔らかく中低音をやや多めにリズム感を損なわず鳴らし、重低音で全体を落ち着いた力感で支えてくれる。高域に関しても、派手さを求めるような音ではないのに、情報量はたっぷりあって、余韻や空気感まで綺麗に届けてくれる。
これがTRNさんのフラッグシップ的な位置づけの製品か…と聴きながらしみじみ思ってしまいました。約3万円という価格帯も、この完成度なら十分納得できますし、むしろ「ここまでやってくれるのか」と感じた部分の方が多かったです。
購入先
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