ZiiGaat Crescent レビュー : ハイエンドのような”一端”を味わえる、温かみと響きが心地よい完成度の高いイヤホン

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今回レビューするのは、ハイブリッドイヤホン「ZiiGaat Crescent」です。2基のダイナミックドライバーと2基のBAユニットを組み合わせたハイブリッド構成で、レトロ感のあるサウンドを実現したという本作をレビューしていきます!

ZiiGaat Crescent
ZiiGaat Crescent
目次

製品概要と購入先について

ZiiGaat Crescentは、2基のダイナミックドライバーと2基のバランスドアーマチュアを組み合わせたハイブリッド構成のイヤホンです。10mm径PET振動板と10mm径LCP振動板のダイナミックドライバーをアイソバリック構造で搭載し、低域の量感とキレを両立。中高域にはKnowles製BAを採用し、繊細かつ情報量豊かな再生を実現しています。筐体は医療用グレードの樹脂を3Dプリントで成形し、軽量で快適な装着感と高い耐久性を確保。デザインは宇宙をイメージさせるグラフィックを施し、高級感と個性を両立しています。

サウンドはアナログ感とレトロな響きを併せ持ち、ヴィンテージ真空管アンプの特性を彷彿とさせます。全体的に歯切れが良く、切れ味鋭い音作りで、トランジェントも速いため、ノスタルジックでありながら新鮮な感覚を音楽に与えてくれます。ジャンルを問わず安定した再現力を発揮し、温かみと立体感を兼ね備えたサウンドは、日常的なリスニングからじっくりと音楽に浸る時間まで幅広く対応できる仕上がりです。

仕様について

構成2DD(10mm PET + 10mm LCP)+ 2BA(Knowles)
再生周波数帯域20-32kHz
感度106dB/Vrms
インピーダンス26Ω
ケーブルプラグ銀メッキ高純度OFC
着脱式プラグ(3.5mm/4.4mm)
ケーブルコネクタ0.78mm 2Pin
製品仕様

購入先

パッケージ外観と付属品について

パッケージ

ZiiGaat製品の定番のデザインのパッケージ。厚みのあるパッケージで程よく高級感を感じさせるしっかりした作りです。

ZiiGaat Crescent パッケージ
パッケージ

開封すると、箱の上部にイヤホン本体が収まっています。箱の内側にはクッション材が貼られていて、輸送中の衝撃から製品を守る配慮もされていますし、フェイスプレートへの傷を避ける意図もあるのではないでしょうか。

ZiiGaat Crescent 開封
開封

付属品

付属品は以下の画像の通りのものが同封されています。

ZiiGaat Crescent 付属品
付属品
  • ZiiGaat Crescent 本体
  • イヤーピース3種類 (液体シリオン透明・液体シリオン黒・ウレタンフォーム)
  • ケーブル
  • 交換式プラグ(3.5mm / 4.4mmプラグ)
  • ケース

本体

カスタムIEM風のシェル形状です。筐体は光沢のあるブラックの樹脂製、そして注目はフェイスプレートのデザインでしょうか。

黒い夜空にパープルの星雲のような差し色、そして白い部分は一体何を表現しているのでしょうか?『crescent』は三日月を意味していますが、このデザインは月から見下ろすような視点を想像させるものなのでしょうか。

ZiiGaat Crescent イヤホン本体
本体前面

背面においてもとてもなめらかな仕上がりでビルドクオリティの高さを感じる出来栄えになっています。

ZiiGaat Crescent 背面
背面側

人間工学に基づいたカーブを描いたノズル形状で、装着感の向上に寄与しています。

付属ケーブル

見た目はブラックの4芯で編まれたPVC被覆のケーブルのようです。
取り回しと実用性を重視した着脱式のプラグを採用しているので、使用者の環境に合わせて使用出来ます。

ZiiGaat Crescent ケーブル
ケーブル

プラグの脱着はかなり簡単で、ただ押し込むだけ・ひっぱるだけのシンプルな操作性です。ねじ式の着脱式プラグが多く流通する中、この設計にしたのはユーザーフレンドリーだなと感じました。

その他

イヤーピースは液体シリコン製が2種類(黒と透明)各サイズS/M/Lの計6ペアが付属し、さらにフォームタイプのイヤーピース1ペア同梱されていますね。

ZiiGaat Crescent イヤーピース
イヤーピース

付属するケースはブラウン系でZiiGaatロゴが主張するデザイン、ケースの内張りは柔らかなファー素材(起毛)になっており、イヤホンを収納した際に擦り傷が付かないよう配慮されていることに好感を持てます。

さらに、ケーブルを巻いて収納する突起や、イヤホン同士の接触を防ぐようにスペースが左右で分かれた設計など、ユーザーにとって嬉しい設計ですね。

ZiiGaat Crescent ケース
ケース
ZiiGaat Crescent ケースを開けた場合
ケースオープン

音質について

ZiiGaat Crescent の特徴を簡単に表すならば
表現力豊かで、ハイエンドのような描写・表現力の一端を味わえるイヤホンといった感じですね。

真空管を通したようなまろやかなで弾力のある低音…これがレトロ感?刺さらないのに抜け感の良い高音とアナログなウォームな感じをメーカーのキャッチフレーズ通り感じられます。面白い!

周波数特性

計測データは以下の通りです。
素人による計測の為、参考程度にお願いします。

ZiiGaat Crescent 周波数特性
周波数特性

めっちゃ左右のマッチングが良い…!
製品としての出来がとても良いですね。ニュートラルベースですが低音を厚く盛りながら、中音域付近は見事なフラット、煌めきをもたせるような高音域の特性が周波数特性からも垣間見えます。

音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。

音の傾向
ドンシャリ
ややU
カーブ?
かまぼこ型
暖色
寒色
暗い
明るい
狭い
奥行き
優秀
広い
低解像度
高いね!
高解像度
繊細
迫力
モニター
リスニング
人工的
リアル
ゆったり
早い
ビルドクオリティ
残念
良い
コストパフォーマンス
残念
優秀
装着感
微妙
良い
付属品
最低限
充実・豪華

視聴環境

  • Fiio M17(DC給電あり)
  • 付属の透明イヤーピース
  • 付属のケーブル 4.4mm

聞いてみた感想

あえて素材の違うドライバーを2つアイソバリック方式で設計したのは凄い!その発想には驚きました。具体的には10mm径PET振動板と10mm径LCP振動板の2基が採用しているようです。

いやぁ…この製品はホント良い意味で唸った。まるで真空管を搭載した機器に接続して聴く時のあの独特の広がりと優しさのある艶っぽいサウンドを体現しています。
そして空間が広く、音像もしっかり分離していてステレオ感が強め広がり繊細感も味わえつつ、空間に満ちて減衰していく余韻もある。まるでハイエンドイヤホンで感じられるような味わいや性能の一端を見せられたような表現力を感じます。

楽曲を選ぶようなクセは感じられず、どのジャンルでも安定した実力を発揮してくれます。よく制御された量感豊かな低音、表現力と高い精度を兼ね備えた中音域、そして透明感と伸びやかさを持つ高音…それぞれの帯域が滑らかに繋がり、しなやかに響きます。まとまりの良さと表現の豊かさはハイエンドモデルの一端を垣間見せるような仕上がりです。

と、ここまでベタ褒めのような書き方ですが、やっぱりハイエンドはさらに上の表現力を持つのであくまで一端なのかなと。

高い透明感もありつつもどこか優しさがあり刺さらず奥行き表現が巧みで、同価格帯の中でも楽曲全体のニュアンスを丁寧に引き出すような描写をしてくれますし、左右の音の粒が描きつつ、ステレオ感高く高いセパレーションを味わせてくれるので純粋に基本性能の高さを感じました。…ミドル帯なのに。

低音域

アイソバリック構造の2DDらしい厚み、圧力、力強さを備えつつも、絶妙に圧が抑えたとても耳当たりの良い低音です。程よい膨らみと厚みがありながら、上の帯域をマスクしないよう高い上手ににコントロールされていてとても質感が良く、完成度の高さを感じるような低音域です。
質感の良さの中で特に印象的なのは、少しマニアックな表現になりますが、まるで真空管を通したかのように甘く広がる倍音豊かな余韻を伴って響く鳴り方でしょうか。素材の異なる振動板を使うことで、擬似的に倍音のようなものや音の重なりやうねり?を演出し、真空管を通したような良い甘さや広がりのある低音を実現したのかもしれません。

中音域

ニュートラルバランスで癖がなく、わずかに温かみがあり空気感や繊細な表現においても十分なディティールを表現してくれます。

温かみを帯びながらも生き生きとしたリアリティがあり、まるで息づかいまで感じられるようなボーカル。ギターなどの弦楽器は、澄み切った透明感と柔らかさ、そして繊細さを併せ持って響きます。耳障りな高音や歯擦音もしっかり抑えられており、ボーカルを美しく描き出す点は特筆すべき魅力ですね。

女性ボーカルは滑らかに伸びやかに自然に。男性ボーカルは厚みと量感を持たせた感じです。解像度そのものはやや抑えめで滑らかさを重視したような音色ですね。

高音域

高域は澄み切った透明感と伸びやかさがあり、刺さりやシャリつきを感じさせません。細部のニュアンスまで丁寧に描き出しつつ、音数の多い楽曲でも解像度をや分離感を重視した音作りとは異なる自然な分離感を保ってくれますし、低音と中音域とのつながりに違和感がありません。表現の豊かさをさらに良いモノへと昇華しているのもこの高音帯域のおかげなのかもしれませんね。

音場

明らかに広め。そして自然

音場は横方向の広がりだけでなく、奥行きや高さの表現にも優れ周囲を包み込むような立体感と奥行き表現が魅力です、背景は十分に暗く、中高域は澄みやかに抜け、立体的な空間を描き出しますね。
前後や高さの定位も明瞭で、ライブ録音や映画音楽ではスケール感豊かな没入感を味わえます。定位や分離も良好で、複雑な楽曲でも音が混ざらずクリアに描写されます。

解像度

全帯域で解像度が高く、細やかな音の粒を滑らかに、かつ丁寧に描き出します。とはいえ、解像度を重視した同社のLunaのように淡白さを感じさせることはなく、どこかアナログ的な滑らかさを伴った解像度という印象です。中音域ではボーカルの息遣いや楽器の細かなタッチノイズまで感度良く拾い上げ、自然な質感で再生。高音域は透明感と伸びやかさがあり、楽曲を選ばず高い水準の描写力を発揮してくれます。…だからこそ「ハイエンドの一端が味わえる」と言いたくなるのです(笑)。

その他コメント

全体のチューニングや質感が非常に練られており、「雰囲気を味わうリスニング」にも「細部を聴き込むリスニング」にも応えてくれる万能さがあります。しかもちょっと味わい深さある真空管的なアナログライクな滑らかさ、つまりはレトロ&ヴィンテージ的な味付けが良いアクセントに…
デザインや付属品も必要十分で、所有欲をしっかり満たしてくれる一本です。

装着感について

カスタムイヤホンのようなエルゴノミクスデザインを採用している形状なので装着感は良好。ZiiGaatらしいいつもの装着感とも言えますね。 付属イヤーピースも液体シリコンの高品質なものが使われているので保持力も十分に高いです。

ZiiGaat Crescent 装着イメージ
装着イメージ

長所と短所

長所

  • 迫力と繊細さの両立
  • 解像度は落とさないのに甘いベース表現
  • 奥行きのある立体的な音場
  • まるで真空管サウンド

短所

  • 低音が苦手な人に向かない
  • 付属ケーブルの質感に物足りなさ
  • 低音の心地よい甘さ旨味が、他帯域では希薄

完成度たけーなオイ…ってのが率直な感想

まとめ

ZiiGaat Crescent は、温かみのある響きと立体的な空間表現やアナログ的な滑らかさを併せ持つ、完成度の高いハイブリッドイヤホンでした。よく制御された広がりのある豊かさ低音、表現力と精度を兼ね備えた中音域、透明感と自然な伸びやかさを持つ高音と不満がさほどありません。

ジャンルを問わず安定した描写を見せますし、楽曲によってはノスタルジックな空気感を纏い、ボーカルも楽器もどこか角が取れつつも丁寧かつ鮮やかに再現。解像度・分離感も優れており、没入感あるリスニング体験を提供してくれます。

日常的に幅広いジャンルを楽しみたい時にも頼れる、実力派イヤホンだと思いますよ~!

購入先リンク


本記事の執筆にあたりLinsoul様より、PRのご依頼を受け執筆させていただいております。
このような素晴らしい機会をいただきありがとうございました。心より感謝申し上げます。

免責事項:
本記事のレビューにおいて、執筆に伴う金銭等のやり取りはございません。同時に執筆内容への指示も一切受けておらず、内容は全て筆者自身の個人的な感想です。

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ZiiGaat Crescent サムネイル

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この記事を書いた人

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