こんにちは。今回は珍しくKZ製品のレビューとなります。
ご紹介するのは『ZS12 PRO2』ってことで、KZ ZS12 Pro Xの後継機にあたるものではないかと思います。

製品概要
ZS12 Pro 2は、「低音の迫力」「中音の厚み」「高音の透明感」を高次元で両立したハイブリッド・イヤホンです。音楽ジャンルを問わず、原音が持つ“本物の魅力”を丁寧に描き出し、リスナーに豊かなリスニング体験を提供するとのこと。
仕様
| 構成 | 1DD+5BA |
|---|---|
| 発売日 | 2025年11月10日 |
| 価格 | 9,800円 |
パッケージ内容
もう何度も見た安心感のあるKZのパッケージ。

付属品
言うまでもありませんが、KZのパッケージなので、付属品はケーブルと本体・イヤーピースと最低限が揃っている感じ。

イヤホン本体
サンプルとしてご提供いただいたものはシルバーベースのものです。
フェイスプレートのデザインとしてはちょっと拘りの見えるメカメカしいデザインになっています。

イヤホン本体の裏側は、内部のDD,BAドライバーが透けて見える作り。音導管が見えるのもちょっとワクワクするポイント。

音質について
ZS12 PRO2の特徴を簡単に表すならば…
「王道のKZ的ドンシャリを踏襲しつつバランスを整えたイヤホン」といった感じですね。
周波数特性
計測データは以下の通りです。※素人による計測の為、参考程度にお願いします。
片側を1000Hz@94dbに合わせ左右を計測しています。

わかりやすいドンシャリ的なカーブ。2-4000Hzには小さめの山があるものの、W型にはならないタイプかと思います
評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
視聴環境
- Lotoo PAW 6000
- 標準ケーブル
- 付属イヤーピース
サウンドインプレッション
KZらしい強めの低音&高音をそのまま進化させたような、まさに王道ドンシャリサウンド。
一聴してわかるのは、下から上までの解像感が高く、透明度のある抜けの良い高音、そしてやや主張的に広がる低音。この価格帯とは思えないほど情報量が多く、聴いていて単純に楽しいタイプのチューニングです。
高音はソリッドで、V字カーブらしい華やかさがあり、低音も存在感がしっかり。バランスはKZらしさ満点で、初心者に「迫力あるドンシャリだよ」と渡せば誰もが「確かにw」と頷くような、わかりやすくキャッチーな音作り。
弱点としては、音数が増える場面で分離感がやや落ちること。ただし大きくボヤけずエネルギッシュに鳴らしきるあたりは、価格を考えると驚異的とも言えます。ピアノは少しドライに聴こえるものの、楽器のアタックや高音域のキラキラした質感は非常に気持ちよく、ウィンドチャイムやバイオリンの倍音表現など、煌びやかな描写が得意。
奥行き方向の定位は苦手で、距離感がややフラットに揃いがちですが、空間そのものは比較的広く、軽いライブ感のあるステージを楽しめます。
低音域
KZらしい楽しいたっぷりの低音。タイトよりもエネルギッシュさを重視したタイプで、ベースラインやキックは元気よく前に出てきますが、支配的にはなりません、。
音数が増えると分離が落ちる瞬間はあるものの、大きな破綻はなく、価格帯を越えた懐があります。
中音域(楽器類)
中域はややドライめの質感。
ピアノやギターは硬質に聴こえることもありますが、解像感に助けられさほど気になりません。
中音域(ボーカル)
ボーカルは過度に味付けされず、意外とナチュラル。程よく抜け感のあるボーカルが味わえます。若干だけ脳内定位感がある気がします。
全体の解像感が高いため、ドンシャリ構成としては十分に透明度があり好印象です。まぁまぁええやん!
高音域
抜けの良い上方向の伸び、ソリッドで明瞭な輪郭、金属系の楽器のキラキラ感が非常に気持ちいい仕上がりです。
ウィンドチャイムのシャラシャラした響きや、バイオリンの倍音が美しく前に出てくるなど、表現力の高さを感じさせますね。
音場
定位は奥行き表現がやや苦手で、距離感がフラットに揃いやすい傾向。これが濁る原因でもあるのですが…
ただし横方向は比較的広く、圧迫感のない開放的なステージ感があります。ナチュラルさよりライブ的なノリが得意な空間表現といえます。
装着感について
本体の裏がカスタムIEMのような形状をしていることもあって、装着感は良好です。程よくコンパクトなのが良いですね。

長所と短所
長所
- KZらしい音
- ドンシャリw
- 抜けの良い高音
- クラスを越えた解像感
短所
- 定位感の甘さ
- やや刺激的な高音
- ケーブルがショボイ…

描写の丁寧さ、定位やチューニングの良さという部分ではKZらしく他社に譲る印象はありますが、KZはKZの魅力があるなぁと再認識。
まとめ
KZらしいエネルギッシュなドンシャリサウンドをしっかり踏襲しつつ、その中でもバランスを整えたような進化を感じる1台。
低音は迫力があり、高音は抜け良く煌びやかで、価格帯を大きく超えるほど鮮やかな解像感を持っています。中域はややドライながら粒立ちがよく、ボーカルも素直に聴かせてくれるため、ジャンルを選ばず“楽しく聴ける”のが本機の魅力です。
一方で、音数が増えるシーンでは分離が落ちたり、奥行き表現が得意とは言えないものの、それらを補って余りある勢いやノリの良さが光ります。
ウィンドチャイムやバイオリンの倍音表現など、高音域の気持ちよさはミドル帯のイヤホンとも戦えそうな気持ちの良いキラキラを味わえるのもポイント。
「手軽に迫力あるドンシャリを楽しみたい方」には強くオススメします。KZの強みをそのまま活かせば、価格以上の満足感を与えてくれる一本です。
購入先
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