今回レビューするのは、DUNUのロングセラー有線イヤホン「KIMA 2」に新カラーとして登場した『KIMA 2 Raven Teal Edition』です。
サウンドはオリジナルのKIMA 2と同一ながら、ダークカラーをまとった新しい一面を見せてくれるモデルとなっています。

製品概要
『DUNU KIMA 2』は、限定版「VERNUS」のサウンドチューニングをベースに開発されたシングルダイナミックドライバー有線イヤホンとのことです。ドライバーにはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コンポジットドームダイナミックドライバーを採用し、磁気回路には「Falcon Ultra」と同等の高磁束密度回路を搭載しています。シェルはS316ステンレススチール製のフルメタルキャビティで、剛性と質感を両立。
Q-Lock Mini 交換可能プラグシステムにより、3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスの両プラグが付属しています。
Raven Tealはその名のとおり、カラスのような黒いカラーを纏った新カラーで、価格はオリジナルと同じ$109.99とのことです。

黒い外観で質感高くカッコいい…
仕様
| 構成 | 1DD |
|---|---|
| 再生周波数帯域 | 5Hz〜40kHz |
| 発売日 | 2026年3月 |
| 価格 | 109.99ドル |


パッケージ
パッケージ外観には人形のロボットのようなイラストが描かれたグレー調の比較的シンプルな外観です。


付属品


- 『DUNU KIMA 2』イヤホン本体 ×1ペア
- シリコンイヤーピース 4種類 ×3~4ペア
- 交換用ノズル 3種類 ×1ペア
- ケーブル ×1
- モジュラー式交換プラグ 3.5mm ×1
- モジュラー式交換プラグ 4.4mm ×1
- ケーブルクリップ ×1
- キャリングケース ×1
- イヤホン保護ポーチ ×1
- クリーニングブラシ ×1
- アクリルスタンド ×1
- 各種説明書等 ×1
1万円台の製品ながらかなり充実したパッケージ内容になっています。
イヤホン本体
シェルはサンドブラスト加工を施したようなサラサラとした上質な手触りで、マット仕上げの質感はとても落ち着いていますね。


ステンレススチール製ということもあって本体はそこそこ重量感があり、金属の塊を手に持っている感覚があります。


イヤーピース
イヤーピースは4種類で豊富。単体販売もされているCandyおよびS&Sイヤーチップの2種類が付属するのは有り難いです。


ケーブル
ケーブルは、モジュラー式プラグを採用。
Q-Lock Mini 交換可能プラグシステムにより、3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスの両プラグに対応しているので環境に合わせて付け替えることが出来ます。


ケース
イヤホン本体を保護するポーチと、キャリングケースが付属します。
クリーニングブラシとクリップもあるので、ケースに一緒に保管出来ますし実用性の高さを感じます。


音質について
『DUNU KIMA 2』ってどんなイヤホン?
『ノリよく楽しくメリハリたっぷり。でも音が柔らかく優しめ』のイヤホンです。
DUNUらしい元気さとメリハリを持ちながら、音そのものは柔らかめでキツさがなく、疲れにくいのが特徴です。全帯域がバランスよく整っていて、特にボーカルをしっかり前に出してくれるチューニング。
周波数特性
※素人による計測の為、参考程度に。
計測データは以下の通りです。
片側を94db@1000Hzに合わせ計測。


(Trefle Labによる実測値)
結構フラット系に近いカーブで、聞いた感じは微ドンシャリという具合です。
評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
試聴環境
- Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
- Lotoo PAW GOLD TOUCH
- 付属イヤーピース(Candy)
ショートインプレッション
試聴してまず感じたのは、「音に押し出し感はあるのに、不思議と柔らかい」という独特のバランス感。
DUNUらしい元気でノリのいいサウンドで、アタック感もメリハリもしっかり感じられるのですが、音そのものは柔らかめでアタックに角が立たない。キツさがないので、長時間聴いていても疲れにくい調整になっているように思います。
全体的な帯域バランスは非常によく整っていて、低域・中域・高域のどこかが突出して主張するわけではなく、過不足なく鳴らしてくれる印象です。それでいてDUNUらしいノリの良さや元気さがあります。「バランスが良い=つまらない」ではなく、「バランスが良い=どんな曲でも安心して楽しめる」という方向性。
低域はウォームで柔らかく、ダークな音色で空間を支えてくれます。中域はボーカルが一歩前に出る設計で、男女ボーカルともに聴かせ方が上手い。高域は刺さらず、余韻でホールの空気感を描くタイプで、音が尾を引きながらゆっくり消えていく様子が気持ちよいですね。
柔らかめの音色って表現していますが、全体的に音粒を「分離して細かく見せる」よりも「各音を程よく滲ませながらまとめて聴かせる」方向性で、音楽を元気いっぱいに音を浴びるのも、リラックスして楽しむにも両方向で向いているイヤホンだと思います。
低音域
低域はウォームで柔らかく、DUNUらしいやや広がりのあるダークな音色です。弾力感は控えめながら程よいタイトさがあり、量感と締まりのバランスが取れた鳴り方ですね。輪郭はやや甘めで、ベースラインがくっきり描かれるというよりは少しなめらかに溶け込む感じでしょうか。ただしこれはネガティブな意味ではなく、全体の柔らかいトーンにうまくマッチしているんだと思います。
サブベースは控えめで、EDMやバスヘビーな楽曲で身体に響くほどの低域を期待するとやや物足りないかもしれません。一方で低域が過剰に前に出てこないことで、中域に厚みを加えるような調整。この鳴り方が好きな人はDUNUにハマるかもしれません。
中音域
中域はボーカルを主役に聴かせるようなチューニングで、楽器よりも声がしっかり前に出てきます。弦楽器の音粒はやや太め。一方でピアノはどこかリアリティのある表現で、これは正直予想外の好印象でした。
もう少し輪郭のクッキリ感が欲しいと感じる場面もあり、情報の精細さよりも全体の雰囲気をまとめて聴かせる方向性と言えるかもしれません。
ボーカル
ボーカルの再現は特に印象的だったポイント。
男性ボーカルは男らしく力強く、女性ボーカルは柔らかめで少しの艶っぽいエッジ感と甘めの表現で余韻を乗せて聴かせてくれます。どちらも一歩前に出て、しっかり主役を張ってくれる感じ。
中低域の程よい厚みがボーカルに厚みを与えていて、ボーカル主体で音楽を楽しみたい方には特に合うと思います。
艶っぽさや繊細さを押し出す方向性とは異なるので透明度や伸びやかさみたいなものを求める方とは合わない可能性があります。
高音域
高域は押し出しがないわけではないのですが、全体的に落ち着いた鳴りで、余韻の描き方が上手なタイプです。シンバルやハイハットの質感よりも、ホールに抜けていって消えていくような空間的な余韻の方が印象に残ります。
音が尾を引いてから減衰して消えていく様子が美しく、これが全体の空間表現力を底上げしている印象がありますね。刺さりはなく、長時間聴いても耳に優しいです。
音場・空間表現
音場は円形に自然に広がる感じで、左右・上下・奥行きのどれかに偏ることなくまとまっています。
ただし広大な開放感があるというわけではなく、標準的な広さの中に高域の余韻が空間を補完してくれる、という感覚に近いでしょうか。
楽器の定位は少し溶け合う程度で、分離感はありつつも各音をにじませて溶け合わせる方向性です。結果的にはまとめて聴かせるスタイルで、細かい楽器の位置関係よりも全体の音楽的な流れを気持ちよく聴かせることに長けているイヤホンだと感じます。
解像度
1万円台後半の製品としては、1万円台らしい解像度ですが、あまり解像感で押し出しているタイプのイヤホンではないと思います。
ダイナミクス
ダイナミクスの幅はそこまで大きくなく、オーケストラのような静と動の大きなコントラストを表現しきるのは苦手かもしれません。しかしポップスや音圧高めの楽曲とは非常に相性が良く、エネルギー感のある音楽を気持ちよくノリよく楽しめます。



元気だしノリも良い、でもマイルド。
装着イメージ
装着感はよく、本体のコンパクトさにも支えられています。
しかし耳の窪みに全部入れると、フェイスプレート側の角が当たりちょっと痛い方もいるかもしれません。


長所と短所
長所
- 余韻の描き方が上手
- 長時間のリスニングに耐える
- プラグ交換式
- デザインが良い
短所
- サブベースに物足りなさ
- 金属的な高域は抑えめ
- オーケストラ系は苦手かも



余韻ある表現とボーカルの表現が結構好みだった1本。
総評と感想
『KIMA 2 Raven Teal Edition』はノリよく楽しく、長時間聴けるイヤホンでした。
DUNUらしい元気さとメリハリを持ちながら、音の柔らかさとキツさのなさで疲れにくく、幅広いシーンで活躍してくれます。ボーカルを前に出す丁寧なチューニングは特に印象的で、ポップスやロックとの相性も良かったですね。
それにしてもリリースから時間が経ったタイミングでの新カラー展開があった理由が個人的に少し気になっています。
こんな人におすすめ
- ポップス・ロックをノリよく楽しみたい方
- ボーカルをしっかり聴かせてくれるイヤホンが欲しい方
- 長時間リスニングでも疲れにくいイヤホンを探している方
- DUNUサウンドが好みな方・初めて試してみたい方



繊細系や透明度を押し出すタイプとは方向性が異なるものの、分かりやすいキャラクターで良かった。
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