ロック向けというコンセプトを見て、ドンシャリで鋭くアグレッシブなサウンドを期待した私。
今回ご紹介する『ROSESELSA x AAV CJ20』想像の斜め上をいくチューニングでした…(笑)
Andy Audio VaultことAAV氏との初コラボレーションとなるこの有線イヤホン、本機に込められたのはロックらしい「攻撃性」ではなく「情緒」…ではないでしょうか。
ロックをエモーショナルに滑らかに料理してくれるような、独特の個性を持つイヤホンだと先にお伝えしておきますが…
早速詳しくレビューしていきますね。


パッケージ
パッケージはどこか音楽性を感じるような現代的なパッケージデザイン。

開封すると、上面にドライバーの内部構造を解説するようなイラストが描かれていました。

付属品

- 『ROSESELSA x AAV CJ20』イヤホン本体 ×1ペア
- シリコンイヤーピース 2種類 ×4ペア
- ケーブル ×1
- 交換用プラグ 4.4mm ×1
- 交換用プラグ 3.5mm ×1
- キャリングポーチ ×1
- クリーニングクロス ×1
- クリーニングブラシ ×1
- 説明書
比較的充実度の高い内容になっています。
イヤホン本体
筐体はオールメタル構造で、表面はサラサラとした加工が施されていて手触りが非常に気持ちいいです。エッジの丸める処理も丁寧で、滑らかな切削精度の高さが伝わってきます。


イヤーピース
イヤーピースは2種類かつサイズは各4ペアと充実しています。

ケーブル
付属ケーブルは布巻き仕様で非常に軽量。若干絡まりやすさはあるものの、解けやすいのでストレスにはなりませんでした。

ケース
板バネ式のキャリングポーチが付属します。ポケットに忍ばせるにはこういったタイプの方が扱いやすいことが多いですね。

音質について
『ROSESELSA × AAV CJ20』ってどんなイヤホン?
「ロックをエモーショナルに滑らかに料理する、情緒派プラナー」という感じです。
「ロック向け」と謳っていますが、聴いてみると従来のイメージとは少し異なる世界観。アタックの鋭さやドンシャリで攻めるタイプではなく、むしろ音の聴き心地・情緒・エモーショナルな表現を最優先にしたチューニングで、洋楽ロックらしい感情の揺らぎを、丁寧に描いてくれるイヤホンでした。
周波数特性
実測データは以下の通りです。
(IEC711/IEC 60318-4 クローンカプラにて計測)

緩やかに盛り上がる低音とやや抑えめの中高音、でも高域はしっかり。
滑らかさや優しさに振ってる感?
評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
試聴環境
- Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
- Lotoo PAW GOLD TOUCH
- 付属イヤーピース
ショートインプレッション
聴き始めてすぐに感じたのは、「攻めない」という個性。W字型のバランスで低域・中高域・高音ともに適度な存在感を持ちながら、音の全帯域が分かりやすく一つの方向を向いている。その向いた先は「聴き心地の良さ」。
低域は量感たっぷりでありながらスッキリとしていて全体に調和し、中域は楽器の粒立ちが良く滑らかで、ボーカルはセンターにしっかり定位してくれます。高域は刺さらずサラサラした音色で、耳への負担が非常に小さい。長時間聴いていても疲れないタイプの音ですね。
クランチサウンドやクリーントーンのギターが持つ「空気感」や「情感」をしっかりと伝えてくれる点。解像度が高いのにエッジを立てずに滑らかで優しく聴かせる、という相反するような特性を両立しているのが本機の最大の魅力だと思いますね。
ロックと効くと、激しい重低音と高音を伸ばすイヤホンだと思って構えていましたが、本機は全く違うアプローチ。
高音域は鋭さがなく、中音域は粒立ちが良いのに優しく滑らかな音色、低音は暴力的に責めず、まろやかに。
情熱や力強さで攻めるジャパニーズロックではなく、感情やハーモニーでエモく魅せる洋楽との相性の方が抜群でした。
低音域
量感はたっぷりある一方で、アタックは抑えられていて角の取れた丸みのある低域です。空気をボフっと動かすような柔らかい弾力感があって、平面駆動らしいレスポンスの速さと収束の早さを持ちながら、硬くなりすぎないバランスが絶妙。
重低音(サブベース)は若干控えめで、「重さ」や「圧」よりも「厚み」「量感」で勝負するタイプの低域といえるでしょう。グルーヴ感や弾力で攻めるのではなく、あくまで全体の調和を損なわない範囲で存在感を主張するチューニングに感じました。
キックとベースラインの分離感は良好。低域同士が濁ることなく、それぞれの音の輪郭がしっかり聴こえてきます。
中音域
アコギやエレキギターは粒立ちが良く、かつ滑らかに聴こえてきます。クランチサウンドを奏でれば、そのニュアンス・空気感・感情の抑揚がしっかりと伝わってくる。これは素直に「うまいチューニングだな」と感じた部分です。
歪んだギターリフも聴き心地の良さを最優先にしていて、濁らないけれど優しさがある表現。解像度が高いのにエッジを立てない——この塩梅がAAV氏のセンスなのだろうと想像してしまいます。
ボーカル
ボーカルはセンターにしっかり定位し、楽器との分離感が非常に良好。特に男性ボーカルとの相性が際立っていて、優しく語りかけるような表現、しっとりとした温かみと感情を乗せるような表現に優れる印象です。
女性ボーカルも決して苦手ではありませんが、どちらかというと温度感のある男性ボーカルの方がこのチューニングの「エモさ」と噛み合うように感じました。ボーカルが引っ込まず、かつ楽器に埋もれずにしっかり聴こえてくるバランスは嬉しいポイントですね。
高音域
刺さりはなく、サラサラした音色で伸びの良い高域です。透き通るような突き抜け感こそ強くはありませんが、高域の繊細な音の粒の細かさが感じられ、情報量の豊かさはしっかり感じ取れます。
シンバルやハイハットもアタックやギラついた主張は控えめで、全体のマイルドな音色に溶け込むような控えめな質感。耳疲れが非常に少ないので、長時間のリスニングでも安心して使えるタイプの高域だと思います。
音場・空間表現
音場は標準的で、特段広いわけでも狭いわけでもありません。ただ、本機は「空間を広く見せる」よりも「音を近く感じさせる」方向に振っている印象。
楽器やボーカルを分析的に聴くよりも、音楽をエモーショナルに感じる・体験する…そういった距離感のサウンド設計なのかなと思います。
解像度
分離感自体が突出して高いわけではありませんが、音が濁ることなく自然に重なる感じは好印象。複数の楽器が同時に鳴っても混濁感が少なく、聴き疲れしません。
なお、音量を上げ気味にすると音の見通しが良くなり、本来の性能が発揮されやすい印象を受けました。ドングルDACや低出力のソースよりも、しっかりパワーのある機器との組み合わせが理想的。かなり透明感や音の粒立ちがさらに良くなります。
ダイナミクス
強弱の落差で「ドカン!」と圧倒してくるタイプではありません。聴き心地に振った優しい音色のため、パワフル感・エネルギー感で押し付けてくる激しさは薄めです。…結構予想外ではないでしょうか?
静かなパートの繊細な表現は丁寧で、アコースティックな演奏や語りかけるような表現には非常に向いていると感じます。…ヘビーメタル的なコントラストの強さや激しさを求めると、少し物足りなさを感じるかもしれませんが。

どちらかというと全体的にロックを感情豊かにエモく料理してくれるイヤホン。
装着イメージ
コンパクトな筐体サイズと相まって耳への収まりは良いですね。長時間の試聴でも疲れを感じにくい装着感です。
付属ケーブルは布巻き仕様で非常に軽量。若干絡まりやすさはあるものの、解けやすいのでストレスにはなりませんでした。


長所と短所
長所
- 聴き疲れしにくく、長時間リスニングに向いた音色
- 感情表現が豊か
- エモーショナルな表現が魅力的
- コンパクトな筐体で装着感が良好
短所
- 重低音(サブベース)は控えめ
- ジャパニーズロックやドンシャリ系のアグレッシブなサウンドを求めると方向性が合わない可能性
- 布巻きケーブルはやや絡まりやすい



AAV氏の思い描く「聞き心地の良さ」は、アグレッシブさを伸ばす方向性ではなくて、「ロックを滑らかに優しく聞く」という意味の聞き心地だったわけです。
総評と感想
「ロック向け」という触れ込みで期待するようなドンシャリ・アグレッシブな音ではありません。それが本機を巡る最大のギャップでもあり、同時に最大の個性だと思います。
『ROSESELSA x AAV CJ20』が向いているのは、メタルやロックの「激しさ」よりも「情緒・グルーヴ・エモーション」を大切にしたい方。
特に洋楽ロック・メタルを聴き心地良くマイルドに料理してほしいという方には、かなり刺さる一本でしょう。ボーカルの感情表現、ギターの空気感と粒立ち、高域の繊細さ。
これらが揃ったチューニングはAAV氏のセンスが強く反映されているのかもしれません。
逆に、ジャパニーズロックのような魂を叫ぶエネルギー感ある表現や、ドンシャリで固い音を求める方には向かないかもしれません。チューニングの方向性を理解した上で選ぶことで、大きな満足感を得られる一本です。メタル・ロック以外のジャンルも「聴き心地良くマイルドに料理してくれる」というキャラクターは明確なので、そういうサウンドを求めるなら非常に良い製品だと思います。
こんな人におすすめ
- 洋楽ロック・メタルを聴き心地良く、エモーショナルに楽しみたい方
- ボーカルの感情表現や温かみを大切にしたい方
- 刺さりや耳疲れが少なく、長時間リスニングできるイヤホンを探している方
- 解像度は高いのにマイルドで優しい音色を求めている方



何度も言うけど、ドンシャリ・固め・アグレッシブな音やジャパニーズロックのような「叫ぶエネルギー」「重みと圧」で攻めてくる音が好みの方には合わないかも。
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