今回レビューするのは、「TRN TA3」です。
2基のダイナミックドライバーにKnowles製BAドライバーを組み合わせた2DD+1BAのトリプルハイブリッド構成。
お値段はAmazonで6,250円(セール時5,000円前後)という価格帯でありながら、なかなか聴き応えのあるイヤホンでしたよ!

製品概要
TRN TA3は、TRNが手がける2DD+1BAのハイブリッド型有線イヤホンです。低域を10mmベリリウムコートのデュアルマグネット式ダイナミックドライバーが担い、中高域を6mmチタンコートダイナミックドライバー、そして高域をKnowles 33518 BAドライバーが受け持つ3ウェイ構成とされています。
クロスオーバーは電子式と受動型ダンパーを組み合わせた方式を採用しており、各ドライバーの帯域をより精密に制御する設計とのこと。亜鉛合金のフェイスプレートと、軽量な半透明樹脂シェルの組み合わせで構成されています。
付属ケーブルは3.5mm・2.5mm・4.4mmのプラグが交換できる仕様となっており、バランス接続にも対応しています。

フェイスプレートのデザインに特徴あり!
仕様
| 構成 | 10mmベリリウムコートDD(低域)+ 6mmチタンコートDD(中高域)+ Knowles 33518 BA(高域) |
|---|---|
| 再生周波数帯域 | 20Hz〜20kHz |
| コネクター | 0.78mm 2pin |
| 発売日 | 2023年3月 |
| 価格 | 6,250円(Amazon) |
パッケージ
パッケージはTRNの製品らしいテンプレ的なパッケージデザイン。


デザインそのものは比較的シンプルな印象があります。
付属品


- イヤホン本体 ×1ペア
- シリコンイヤーピース 3種類 (3ペア+3ペア+1ペア)
- ケーブル ×1
- 交換用プラグ 2.5mm ×1
- 交換用プラグ 3.5mm ×1
- 交換用プラグ 4.4mm ×1
- 説明書
イヤホン本体
筐体は透明の樹脂シェルに、放射状のエンボスドット柄が施された黒い亜鉛合金製のフェイスプレートを組み合わせた個性的なデザインです。
「2DD + 1 Knowles BA」の文字もしっかりプリントされているあたり、Knowles BAを搭載したことをアピールしたい製品なのでしょう。


シェイプは近年のTRN製品の中でも凹凸が強めで、カスタムIEMやモニターIEMに近いフィット感が特徴です。


イヤーピース


ケーブル


音質について
『TRN TA3』の特徴は…
「重心低めのグルーヴィーサウンドで、音楽を全力で楽しませてくれる脳筋ハイブリッド」という感じです。
ドンシャリ系でありながら低域の温かみと弾力が個性的で、Knowles BAが鮮明な高域を加えてくれる、ノリと聴きごたえを両立したIEMです。
周波数特性
実測データは以下の通りです。
(IEC711/IEC 60318-4 clone / 1/12oct (1kHz) @ 94dB 左右)


※8~10KHz付近は計測器の特性上共振しやすい帯域のため、実際よりもピークが強めに出やすいので無視してご確認ください。
評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
試聴環境
- Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
- Lotoo PAW GOLD TOUCH
- 付属イヤーピース
ショートインプレッション
最初に聴いた瞬間から、グルーヴィーで重心の低めで音楽的なノリを前面に押し出してくるイヤホンだな、という印象を受けました。
ドンシャリ系のチューニングですが、低域に温かみと弾力があって単純に「ドンシャリ」とひとくくりにするのはもったいないバランスの良さと個性があります。Knowles BAの高域も確かな存在感で価格以上の聴きごたえを提供してくれる感じがありましたね。
低音域
低音は量感がやや多めながら、ふくよかに膨らむタイプではなく、「厚み」と「弾力」で押してくるタイプです。輪郭は柔らかめなのに不思議と音の粒を追いやすい、解像感の高い低域が印象的でした。
弾力の質感がユニークで、タイトに引き締まるようなハードな弾力ではなく、どこか温かみのある適度な柔軟性を持つゴムボールのような弾み方とでも表現すればよいでしょうか。低音のグルーヴ感とノリの良さに直結する、このイヤホン最大の個性だと思います。
中音域
中域はドンシャリ系らしく低域に対してやや控えめな位置づけですが、そこまで引っ込んでいるわけでもありません。むしろアコースティック楽器の表現が華やかで明るく、ピアノやアコギの胴鳴り感はしっかりと感じられます。
楽器類もナマっぽさに近い何かを感じさせる表現で、「安価なドンシャリ系にありがちな中域の薄さ」とは違いがありますね。
ピアノは自然な厚みと美しさがあり、シンセの中域も精度高く解像感があって好印象です。
ボーカル
ボーカルはやや遠めの距離感で、モニター的なポジショニングに感じます。
声質は解像度が高く、ブレスに少し強調感があります。細めでエッジの効いた表現のため、ウォームでまったりとしたボーカルの質感を求める方には求めるボーカルの質感の方向性とは違うかもしれません。
高音域
Knowles BAが担う高域は、精度の高さを感じさせるモニター的なサウンド…と思いきや少しエッジが立ってる感じがありますが、BAはやっぱりBA、制御そのものは効いてる感じはあります。
シンバルの響きはキレよくコントロールが利いており、高域の解像感はしっかりしています。
しかし、余韻や抜け感は控えめで、音の収束がやや速くスパッと切れる印象です。
音量を上げると高域がギラつく場面や、サシスセソ周辺にわずかな刺激が加わってくる点は注意が必要かもしれません。
音場・空間表現
音場は横方向よりも奥行きと縦方向に広がる印象です。
定位感は良好で、楽器の位置関係は感じやすいかなと思います。
奥行き方向の分離感が特に優れており、音のレイヤー感を感じられる表現は価格帯以上の実力だと思いますね。
解像度
全体的な解像感は高水準。おお、凄いね。といえる解像度がありますが、繊細さという面では少し荒削りな面も…?
「そっと音を置くような」繊細な音の表現や静謐な空気感は苦手な様子。
細かいニュアンスを一聴した感じは良さそうな雰囲気を見せながら、突き詰めると少し粗めに「ハイッ!」と音が飛び出てくる感覚があります。良い意味でも悪い意味でも、脳筋なイヤホンですね(笑)。
(調節幅が狭いLED電球みたい…)



リアリティや奥行きに課題はあるけど楽しい軽快なハイコスパイヤホン。
TRNさんの流石のエントリーですね。
装着イメージ
耳にすっぽりと収まる感覚があり、装着安定感は高めです。筐体自体は軽量で、長時間の使用でも疲れにくいと思います。


長所と短所
長所
- 温かみと弾力のある個性的なグルーヴィー低域
- Knowles BA由来の精度の高い高域
- 6,000円台とは思えない聴きごたえ
- 装着安定感の高いシェイプ
短所
- 弱い音・繊細な表現はやや苦手
- 音量を上げると高域の刺さりやギラつき
- ボーカルがやや遠く細め



音量大きさ、小ささでキャラクターも少し変わる子。
総評と感想
TRN TA3は、6,000円台のハイブリッドIEMとして、音楽を全力で楽しませてくれる「エンタメ系の脳筋有線イヤホン」という言葉がよく似合う一本です(笑)
繊細さや静謐感よりも、グルーヴとノリと迫力で勝負するスタイルで、ポップス・ロック・EDMなど、リズムとビートを大切にした音楽との相性は抜群だと思います。原音忠実系とは明らかに離れていますね。
同価格帯でKnowles BAを搭載し、奥行きのあるレイヤー感まで備えているのはかなりコストパフォーマンスが高いといえるでしょう。繊細な表現よりも音楽的な快楽を優先する方に、自信を持っておすすめできるイヤホンです!
こんな人におすすめ
- 音楽をアップテンポでノリよく、グルーヴィーに楽しみたい方
- J-POPやロック、EDM、ヒップホップなどのポップスを中心に聴く方
- 低域の厚みと弾力感を重視する方



グルーヴィー。ノリ。エッジ。脳筋。そんなイヤホン。
購入先
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本記事はTRN様よりPRの機会をいただき執筆しました。このような機会を頂き心より感謝申し上げます。
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