今回ご紹介するのは『XINHS G11』 です。
純銀線らしい透明度はしっかり持っているのに、ドライにも冷たくもならず、しっとりとした艶で女性ボーカルを聴かせてくれるので「これは良いな~」と唸らされたケーブルでした。

製品について
導体
『XINHS G11』は、『金メッキ純銀線』を使った4芯構成のケーブルです。
※線材の構成はあくまで公式の記載通りに紹介するもので、正確性を保障するものではありません。
商品リンク
外観など
全体像
ディープブルーを基調に、ツイスト(撚り)の陰影が見えるケーブルで、少し落ち着いた雰囲気であることと、間近で見ないと金メッキが施されていることに気付けない、ちょっと持ち主がムフフとなるケーブルです。

被覆は柔らかめのPVCで、表面はつるっとした手触り。取り回しはしなやかで、巻きグセもつきにくいと感じました。太さは細すぎず太すぎず、ちょうど扱いやすい標準的なサイズ感。タッチノイズもほとんど気にならないと思います。
金具パーツ外観
プラグ・コネクタ部は、ブルーのアルマイト加工とクロムメッキ系パーツが組み合わさったハウジングで、線材のカラーとよく馴染んでいます。
プラグの銀色のパーツは回転する構造になっていて、ちょっとした遊び心がありますね。

線材
ここまで拡大すると、純銀線と金メッキ線がより合わせられていることが分かるのではないでしょうか。
…さりげなさすぎる(笑)

プラグ
プラグは4.4mmはロジウムメッキ仕様になっているようです。他のプラグは金メッキ仕様になると思います。

音質について
箇条書きで、本製品から得られた印象を書き上げると以下のような印象です。
- 純銀線らしい透明度とハイレスポンスな粒立ち
- ドライにも冷たくもならないしっとりとした質感
- サ行はマイルドに丸めて艶として聴かせるチューニング
- まろやかさとパワフルさが同居、弾力とハリのある暖色寄りの低音
- 空から降り注ぐような煌めきと、消え際まで丁寧に響く高域
- 上方向に扇形へ抜けていく開放的な空間
- 立体的で奥行きのある分離感
試聴環境
※多ドライバー、1DD構成、フルBA等のイヤホンでケーブルを聴き比べ、感じられたことや変化を書き出します。
- Lotoo PAW 6000
- THIEAUDIO Monarch MKIII
- MoonDrop 竹 CHU2
- Softears Studio 4
- その他
ショートインプレッション
ひと言で表すなら、しっとりとした質感とガラスのような透明度・艶を両立させた、女性ボーカル特化のケーブルだと感じました。
純銀線らしい透明度の高い、ハイレスポンスで粒立ちの良いサウンドを土台にしながら、低域はほんのり暖かく、心地よい量感を伴ってリスニング寄りに鳴らしてくれます。高域には鋭くも上品な金属音がきらきらと降り注ぎ、消え際まで丁寧に響かせてくれるのが心地良いです。
なにより、純銀線なのにドライにも冷たくもならないところに、少々驚きました。平面的にならず立体感もしっかりあって、前後の分離まで描き分けてくれるので、青い見た目でちょっとカジュアルなケーブルかと思ったんですが本格派というかしっかりした音作りだと思いました。
低音域
低域はほんのり暖色寄りで、心地よい量感があります。純銀線というと痩せた低音を想像される方もいるかもしれませんが、G11はむしろ逆で、まろやかさとパワフルさが同居した、弾力とハリのある低音を鳴らしてくれました。締まりすぎず緩すぎず、リスニングで気持ちよく浸れるバランスに振ってあるので、女性ボーカルの足元をしっかり支えてくれる感覚。
冷たく無機質に締めにいくのではなく、厚みを加えて鳴らしてくる感じが好みでした。
ほんのり暖色寄りですが、ややキレ感やレスポンスの早めな印象もあり、そこが銀線らしい所なのかも。
中音域
中域は軽やかで、レスポンスの早い粒立ちの良さ。純銀線らしいクリアな鳴り方で、見通しが良く、濁りらしい濁りを感じませんでした。
低域がほんのり暖かいのに対して、中域から上は一転してシャキッとキレてくるので、楽器の輪郭がスッと立ち上がってくる感覚があります。アコースティックな楽器も粒立ちよく軽やかに鳴らします。ピアノもやや明るく軽やかな鳴り方ですね。
うーん、このメリハリの付け方がやっぱり銀線なのかなと。
ボーカル
ボーカルの距離感が明らかに近い!
目の前へぐっと寄ってきて、歌い手の存在をすぐ近くに感じさせてくれます。シャープネスはきちんとあるのに、サ行などの子音はマイルドに丸められていて、刺さりではなく「艶」として聴かせてくる加減がなかなか上手。
密度の出し方も面白くて、ギュッと凝縮させるタイプではなく、やや包み込むようにふわっと広がる描き方をするので、所謂甘美な響きという言葉が似合いそうな感じ。
輪郭でくっきり聴かせるというより、しっとりした空気感ごと女性ボーカルを楽しませてくれる感覚。艶やかさや色気を大事にしたい方には、これはたまらないはずです。ちょっとレトロな鳴り方かもしれませんね。
高音域
高域はやや寒色な響き。空から降り注ぐような先端が鋭利な純銀線系らしい煌めきがありました、そして上品さと伸びやかな明るさを持ちながらも、耳障りなギラつきはなく、どこか滑らかさを感じさせてくれます。鋭利なのに滑らか、それがとても不思議。
そして消え際まで丁寧に響かせて描ききるような再現性があるように思いました。
響きは長めにすう〜と伸びるタイプで、シンバルや弦が鳴らす倍音が空間にすっと溶け込み、自然に減衰していく様子をしっかり感じ取れました。このあたりの余韻の描き方は心地良いですね。
空間表現とダイナミクス
空間はやや広めに展開してくれます。正直に書くと、低域の量感がほんの少しだけ広がりの足かせになっている面はあるのですが、それでも窮屈さはなく、広めに感じられる開放的な鳴り方でした。特に印象的だったのは上方向への抜けの良さで、音がふわっと扇形に広がっていく様子が気持ち良い。響きが長く伸びる分、壁の存在をあまり意識させないのも好印象でした。
分離感も高く、左右のセパレーションも明瞭。平面的に潰れず立体的で、前後の奥行きまで描き分けてくれるので、楽器とボーカルの位置関係がすっと頭に入ってきます。そしてダイナミクスもしっかり確保されていて、曲が盛り上がる場面ではちゃんと元気に鳴ってくれる。リスニング寄りの音作りでありながら、退屈さとは無縁なところがこのの懐の深さだと思いました。
総評
『XINHS G11』は、「純銀線=冷たくドライ」という固定観念を払拭してくれるケーブルでしたね~。
透明度の高い解像感とハイレスポンスな粒立ちという純銀線本来の長所をきちんと残しながら、低域には心地よい暖かさと量感を足し、ボーカルを近く・艶やかに聴かせてくれる。この絶妙なバランス感覚が素晴らしかったです。
サ行を刺さりではなく艶として処理してくる方向性や、ふわっと包み込むようなボーカルの描き方は、まさに女性ボーカルを主役にして音楽にどっぷり浸りたい方のためのチューニングだと思います。それでいて上方向への抜けの良さ、扇形に広がる空間、立体的な分離感といった要素までしっかり備えているので、ただ甘いだけのケーブルでは終わっていません。盛り上がる場面ではちゃんと元気に鳴ってくれるダイナミクスの懐の深さもあって、聴いていて飽きが来ないのも嬉しいところでした。
純銀線らしい透明感は欲しいけれど、冷たくドライな質感はちょっと苦手!そんな方にこそ、ぜひ一度試してみてほしい一本です。…金メッキが効いてるのかねえ?
こんな人にオススメ!
- 女性ボーカルをメインに、艶やかでしっとりとした質感で楽しみたい方
- 純銀線の透明度は欲しいが、冷たく硬質な鳴り方は避けたい方
- ボーカルを近く、空気感ごと包み込むように聴きたい方
- リスニング寄りでありながら、分離感や立体感も妥協したくない方
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