CatchEar CE6T レビュー|“聴いて楽しい”に全振りしたウォームな濃厚ドンシャリ風味、一作目としては高い完成度

今回ご紹介するのは、新興ブランドCatchEarから登場したCatchEar CE6Tです。

なんとこの製品、新興ブランドのCatchEar第一号となる製品なんだとか。海外では、一作目としては完成度が高いという意見まであるようですが…早速レビューで確かめてみたいと思います。

CatchEar CE6T
CatchEar CE6T
目次

製品について

CatchEar CE6Tは、中国の新興ブランドCatchEarが2025年に送り出したデビューモデルとのことです。片側にダイナミック(7.5mm)×2・バランスドアーマチュア×3・骨伝導(12mmピエゾ系)×1を積んだ6ドライバー構成で、4ウェイクロスオーバーを採用しているとされています。

最大の特徴は、本体側面に備わる2基のチューニングスイッチ。これにより4通りの音色を切り替えられる仕様で、それなりに効きも良い印象です。

仕様

構成2DD+3BA+1BC
再生周波数帯域10-30kHz
コネクター0.78mm 2Pin
発売日2025年4月(推測)
価格300-369ドルくらい
製品仕様

パッケージ

外箱は黒基調に、地球と宇宙空間をモチーフにしたデザイン。価格的にも標準的な範囲のパッケージかなと思います。

CatchEar CE6T パッケージ外観
パッケージ外観

フタを開けると、スポンジに本体が2基並び、その下にレザー調ケースが収まる構成。黒い内装に金箔のシェルが沈み込む様子は、なかなか所有感をくすぐる演出だと思います。

CatchEar CE6T 開封後
開封後

付属品

CatchEar CE6T 付属品
付属品
  • イヤホン本体 ×1ペア
  • イヤーピース×2種類 3ペア 合計6ペア
  • ケーブル×1
  • ケース×1
  • クリーニングツール×1
  • スイッチ用ピン×1

その他、説明書など

イヤホン本体

フェイスプレートは膨らみ、丸みが控えめでフラットに近い形状。マイカ模様のような黒い背景に、金箔が散りばめられたおしゃれなデザインです。

CatchEar CE6T フェイスプレート
フェイスプレート

本体はかなり厚め。ノズルには導管が3つ見えます。

CatchEar CE6T 背面&サイドビュー
背面&サイドビュー

ケーブル

ケーブルは8芯の銅リッツ編み込み線とのこと。

CatchEar CE6T 付属ケーブル
付属ケーブル

イヤーピース

イヤーピースは、赤軸グレーと黄緑軸半透明の2種類。微妙に素材感が違うので、お好みのものを使いましょう。

CatchEar CE6T 付属イヤーピース
付属イヤーピース

ケース

ケースはグレーのフェイクレザーにブランドロゴを型押ししたもの。コンパクトで蓋もしっかりしており、「これは普通に使いたくなる質感」と思うほど品質が高いように感じました。

CatchEar CE6T 付属ケース
付属ケース

装着イメージ

筐体そのものは大ぶりですが、人間工学的な形状のおかげで、軽いことも相まって長時間の装着に耐えられます。(※個人差あり)

CatchEar CE6T 装着イメージ
装着イメージ

音質について

CatchEar CE6Tの特徴をいくつか書き出すと…

  • 響きと弾力豊かな低音
  • 艷やかなボーカル
  • 音楽性豊か
  • 温かみのあるサウンド

豊かな低域や明るい中域、響きと艷やかさのあるボーカル、適度な刺激的な高域と、音楽性で勝負する楽しいイヤホンという印象ですね。

周波数特性

実測データは以下の通りです。
(IEC711/IEC 60318-4 clone / 1/12oct (1kHz) @ 94dB )
※8KHz付近は計測器の特性上共振しやすい帯域のため、実際よりもピークが強めに出やすいことを理解の上でご覧ください。

平均値

周波数特性

評価チャート

音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。

音の傾向
暖色
寒色
ウェット
ドライ
暗い
明るい
狭い
広い
低解像度
高解像度
繊細
迫力
モニター
リスニング
人工的
リアル
ゆったり
早い
ビルドクオリティ
残念
良い
コストパフォーマンス
残念
優秀
装着感
微妙
良い
付属品
最低限
充実・豪華

試聴環境

  • Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
  • Lotoo PAW GOLD TOUCH
  • 付属イヤーピース(グレー赤軸)
  • チューニングスイッチは全部オフ

ショートインプレッション

CatchEar CE6Tの音を一言で表すなら、「音楽性豊かによく整えられた、温かいW型のドンシャリ系」という印象です。
立体的かつ、ズンと沈むベースと前に出る艶やかなボーカルが主役を張りつつ、中域は引っ込まず、しっかり肉づき感やしっとりした質感を保つサウンドで、没個性的なハーマンを追うでもなく…解像番長的な狙いでもなく、「とにかく音楽を楽しませる」方向に全振りした音作り。

音楽を楽しませる方向といっても多くのタイプがあると思うのですが、本作は温かみとしっとり感、そして胴鳴り感がちゃんと描写されているので、飽きやすいドライな音ではないことが強みではないでしょうか。

長く聴くほど染みてくる、人懐っこい鳴り方をするような印象。個人的にはスイッチを全部オフにした状態が最も聴きやすくて好みかなと思います。

スイッチを切り替えると、より強調されたドンシャリ風味にも。

低音域

2DDらしい…というと必ずしもそうではないかもしれませんが、厚みと丸みがある豊かな低域で、重低音においても満足度の高い深みがあります。
中低音は重めのパンチで、ドラムやベースラインにノリを感じさせるような感覚があります。骨伝導がどの帯域に作用しているかは定かでありませんが、ズシっと来る振動感のある低音も味わえるのも本作の持ち味ですね。

ちなみにアタックの輪郭は優しい…もとい甘めで低域の解像度そのものはやや控えめですが、全然ネガティブではなくて暖かくて弾力があるソフトな感じ。でもこれがなかなか心地よい仕上がりになっています。音楽的でノリと弾力がある低域と表現するとしっくりきますね。

やや上の帯域を支配的に鳴る場面もありますが、ややソフトな鳴り方のおかげで喧嘩していないのは好印象

中音域

中域は全体的に楽器類がやや暖かみを帯びていて、輪郭も丸みを持たせながら粒立ちの良さもしっかり感じられますね。じんわりとウェットな質感を纏いつつ、落ち着いた鳴り方を聞かせてくれる印象です。

ギターは穏やかめの質感で、まるで目の前でピアノを弾いているかのような実体感があり、ピアノ筐体の響きや胴鳴りまで伝わってくるような、密度のある音色に仕上がっています。

一音一音を粒立たせて聞かせるというよりは、和音は和音として自然に溶け合い、一体感のある塊として鳴らしてくれる、そんな鳴り方と言えるかもしれません。

ボーカル

ボーカルは前に出てきて艶やかで、濃密な鳴り方をする印象があります。男女どちらの声も明瞭に描かれますが、特に女性ボーカルは癖のない自然な響きで、聴いていて心地よさを感じますね。低音をブーストして聴くと声にさらにコクと潤いが乗ってきて、しっとりとその声に浸れるような感覚があります。
ボーカルとの距離感は近め・中央寄りで、音場全体に包み込まれるような広大さというよりは、「目の前で歌ってくれる親密さ」のようなものがあります。

高音域

高域は刺さりにくくスムーズで、それでいて適度な明るさと分離を確保してくれる、そんな鳴り方に感じます。耳を突くようなピークやシャリつきは抑えられていて、シンバルやハイハットも一枚一枚丁寧にレイヤーされて聞こえてくる印象ですね。「高域が敏感な人でも安心して聴けるのに、ちゃんと煌めきもある」というこのバランスに仕上がっています。

ただし音の抜けや繊細なディテールまで求めると、少し物足りなさがあるかもしれません。
ちなみに高音ブーストのスイッチをONにすると明るさや明瞭度がぐっと持ち上がる反面、録音やソースによっては弾けるような感じや、わずかなサ行の刺さりを感じることもあり、この辺りは好みが分かれるところかなと。

音場・空間表現

音場は「横より縦に伸びるタイプ」という印象。やや頭内に寄る感覚もあり、開放感を前面に押し出すタイプではなさそうです。スイッチによって表情が変わるのも面白いところで、低音ブーストをオンにすると横方向への広がりを感じ、高音ブーストをオンにすると余韻なども含め、奥行きが出てくるように感じられますね。

ライブ会場のような臨場感で押してくるというよりは、まとまりよく聴かせるタイプの空間表現のように感じました。

解像度

ドライバーの繋がりや音色の自然さは、特に聴いていて好印象でしたね。

ただし、300ドルちょっとの価格帯の技術力として捉えると、突出した解像度とまでは言い難いというのが正直なところです。アタックからリリースにかけての応答速度的な要素はやや緩めで、微小情報を抉り出すようなモニター的な解像感を求める用途にはあまり向かないかもしれません。あくまで音楽として心地よく聴かせる解像度として楽しむのが良さそうです。
というか、その緩さが本作の旨味でもあるんですけどね…(笑)

長所と短所

長所

  • ドライバー間のつながりの良さ
  • 前に出る艶やかなボーカル
  • 暖かく丸みのある低域
  • 鳴らしやすい

短所

  • 低域のアタック、ディテールは甘め
  • 解像度・分離感はやや控えめ
  • 伸びや余韻は控えめ

解像度や分離感が全てではないことを教えてくれる楽しい音楽的なイヤホン。

総評と感想

CatchEar CE6T…1作目としてはなかなか優秀なのでは?
新興ブランドがいきなり「骨伝導入り片側6ドラのトライブリッド」をデビュー作としてリリースするには中々チャレンジャーな感じはしましたが、“音楽的な気持ちよさ”という一点でよくまとめたなぁと関心しました。

量感とノリのある低音、痩せない中域、そして何より前に出て濃密に歌うボーカル。これらが破綻なく溶け合い、一体感のあるサウンドになる。
最初は”普通に良い”くらいの印象だったのに、聴き込むほど楽しく手放せなくなっていくのは、決して自分だけではないはずですw
さらに、チューニングスイッチもついていて、ユーザーの好みにも合わせられる。…十分すぎます。

まぁ、もちろん死角的な要素もあります。音のテクスチャやアタックの締まり、高域の伸び、音場の広さ、そして純粋な解像度などなど。

$360という価格に厳しく問えば、もっと尖った競合がいるのも正直なところでしょう。モニター的な分析やトレブルの煌めきを最優先する方には、ベストな選択ではないかもしれません。

それでも、「音楽に浸らせてくれる温かいドンシャリ風味」「艶やかなボーカル機」として見れば、CE6Tは初手とは思えない完成度を備えていると思います。

今後の展開にも、思わず期待してしまいますね。

こんな人におすすめ

  • ボーカル(特に女性ボーカル)の艶・近さ・濃密さを重視する方
  • どんなジャンルでも濃厚に音楽を楽しみたい方
  • 温かい低音、ノリを好む方

高域の抜け感を大事にする方には向かないし分析的な音を好む方にも向かない。でも楽しさはMAX

購入先


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本記事はCatchEarよりPRの機会をいただき執筆しました。このような機会を頂き心より感謝申し上げます。
執筆にあたり、金銭等の対価は一切発生しておらず、内容は当サイトのレビューポリシーに基づく筆者自身の体験と個人的な見解のみで構成しています。

CatchEar CE6T

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この記事を書いた人

メディアサイト「Trefle Lab」を運営しています。
積極的にオーディオ製品やガジェットなどもレビューしています。

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