MELODIC ARTIFICATION ALTER EGO レビュー:究極の相棒現る。広大な音場と透明感、深みある重低音

こんにちは、Trefle Labです。今回ご紹介するのは、中国発のハイエンドオーディオブランド「MELODIC ARTIFICATION」による渾身の一作、「ALTER EGO」です。
先日購入したばかりなのですが、X(旧Twitter)でかなり反響があったので急いでレビューを仕上げてみました。
(とはいえ執筆に何度も修正を加え8時間掛けた大作w)

CanJamなどの国際的オーディオイベントでも話題を呼び、すでに多くの注文が寄せられているお話も聞く逸品。期待に胸を膨らませつつ、早速レビューしていきましょう。

MELODIC ARTIFICATION ALTER EGO
目次

製品について

MELODIC ARTIFICATION「ALTER EGO」は、執筆時点でも独自性と完成度の高さでSNSを中心に注目を集めている際立つ存在感を放つハイエンドイヤホンです。

特許取得済みの独自技術である「MODEスイッチ」を搭載し、ユーザーが好みに応じて「ニュートラルモード」「ベースモード」を切り替えることができます。この機能により、1つのイヤホンで2つの異なる音色を楽しむことが可能でそのギミックに由来してALTER EGOという名前がついたそうですね。

ハウジングには、軽量かつ高剛性のTC4チタン合金を採用。ケーブルには高純度OCCを採用しています。後述しますが、コネクタは銀色のため、おそらくロジウムまたはシルバーメッキと推測されます。(公式の記載はなし…)

価格は約42万円…とまさにハイエンド。価格ゆえ、ちょっと距離を置きたくなるかもしれませんが、この記事ではその真価を余すところなくお伝えします。
「おっ…おう、そんなイヤホンあるんやな(;´∀`)」くらいで気楽にご覧ください。

仕様について

製品仕様については以下をご覧ください。
Knowles社とSonion社のBAドライバーを4基ずつ片側に合わせて8基搭載しているのが特徴でしょうか。

構成自社カスタム設計の10.5mmDD×1基
Sonion社製BAドライバー×4基
Sonion社製ESTドライバー×4基
再生周波数帯域5Hz-40KHz
感度104dB
インピーダンス25Ω
ケーブルプラグ4.4mmバランスプラグ
ケーブルコネクタ0.78mm 2Pin
製品仕様

パッケージ外観と付属品について

パッケージ

ALTER EGOのパッケージは、開封前はまさかの段ボール!と一瞬不安になりますがご安心を。

あくまでこれは前段階みたいなものです。ただの本機専用の緩衝材として解釈しておくと良いと思います(笑)

MELODIC ARTIFICATION ALTER EGO
ALTER EGO 外パッケージ

「OPEN」と印刷された開封の為に設けられた構造があります。さあ開封してみましょう、ペリっとな。

現れるのは、しっかりとした高級感のあるパッケージ。さりげなくも洗練されたデザインで、製品の価値を静かに主張しています。

開封を進めると、黒い観音開きの内箱がさらに登場。

黒い観音開きの箱の中には、小さいトレイののようなものが2つ。

見ての通り、イヤホンと、ケースやケーブル・イヤーピースなどが入った箱が現れます。さて付属品の紹介に移ります。

付属品

付属品は以下の画像のようなものが同封されています。

付属品
  • ALTER EGO本体
  • FINAL E Type TWSイヤーピース
    (S×1ペア,M×3ペア,L×1ペア)
  • イヤホンケーブル
  • キャリングケース
  • クリーニングブラシ
  • イヤホンポーチ

本体

ALTER EGOのハウジングはTC4チタン合金製で、見た目の重厚感に反して軽量!背面には精密なメッシュ加工が施され、見た目と機能を両立した美しい仕上がりです。

装着時の密閉感もしっかりしており、開放型ながら遮音性も確保されています。とても不思議な構造だ…。

…でも音漏れはそれなりにします(;´∀`)

MELODIC ARTIFICATION ALTER EGO
ALTER EGO本体

厚みはしっかりありますが、不思議と装着時には気にならない。

MELODIC ARTIFICATION ALTER EGO
ALTER EGO本体 別角度

上方向から俯瞰した写真も是非ご覧になってください。伝わるだろうか…この工作精度を。

MELODIC ARTIFICATION ALTER EGO
ALTER EGO 上方から

仕上げのクオリティは圧巻。どこを見ても粗がなく、工作精度の高さにただただ驚かされます。

ね?綺麗でしょう?

付属ケーブル

付属のケーブルはやや太めでツヤのある4芯構造。タッチノイズも抑えられており、実用性も高いです。

MELODIC ARTIFICATION ALTER EGO
付属ケーブル

プラグ周辺のパーツも銀色で、ロジウムもしくはシルバーメッキと推測されます。

MELODIC ARTIFICATION ALTER EGO付属ケーブル
付属ケーブルのプラグ部など

スプリッター部にはMELODIC ARTIFICATIONのロゴ入りパーツが使われ、細部までオリジナリティを感じさせます。

イヤーピース

付属のイヤーピースは、FinalのE Type TWSが同梱されています。
S×1ペア、M×3ペア、L×1ペアで合計5ペアになっています。
非常に薄くて柔らかい傘部分が特徴で、装着時に存在感をほとんど感じさせない優れたフィット感が印象的。
長時間のリスニングでも疲れにくい、好感の持てるイヤーピースです。

付属イヤーピース

ケース

キャリングケースはベロア調の素材が貼られており、手触りも柔らかく高級感があります。ケース自体の質感はとても良好ですが、ハウジング同士が接触して傷がつく可能性もあるため、付属の保護ポーチを併用するのがおすすめ。
ポーチに入れてからケースに収納すれば、より安心して持ち運べますね。

音質について

ALTER EGOの特徴を簡単に表すならば…
「透明感と深みある重低音を共存させた、自然でリアルなサウンド」だと思います。

聴いた瞬間に感じるのは、Uカーブ的な滑らかでナチュラルな音色。広大な音場と高解像度、そしてダイナミックレンジの広さが、あらゆるジャンルで臨場感ある体験を提供してくれます。

早速ですが聴覚上の音のバランスのグラフから見ていきましょう。
※聴覚上のイメージで、計測データを元にしたものではありません

音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。

音の傾向
暖色
寒色
暗い
明るい
狭い
広い
低解像度
高解像度
繊細
迫力
モニター
リスニング
人工的
リアル
ゆったり
早い
ビルドクオリティ
残念
良い
コストパフォーマンス
残念
優秀
装着感
微妙
良い
付属品
最低限
充実・豪華

視聴環境

  • iBasso DC-Elite+外部給電 (AKLIAM EC02+ddHiFi TC09L)
  • iBasso DX340 (参考程度に使用)
  • 付属のイヤーピース
  • 付属のケーブル

音色

ALTER EGOの音色は、上下に広いレンジを感じさせながらも、ナチュラルなチューニングが際立つバランスの取れた仕上がり。

一聴して印象的だったのは、楽曲に込められた細かな情報を繊細にすくい上げ、丁寧に耳へ届けてくれる感度の高さ
高感度なチューニングながら、情報量が過剰に鋭くなることはなく、あくまで自然な音色として収まっている点に驚かされました。

また、金属筐体にありがちな響きはほとんど感じられず、筐体の素材に影響されることなく、入力された音源をそのまま忠実に描写するような印象。特定のキャラクターに偏らない、ニュートラルな再現性が好印象です

なお、本機の基本性能は、あらゆる評価項目において20万円クラスのイヤホンとは一線を画すクオリティを備えていると思います。

価格帯が20万円を超えると「好みの差」や「チューニングの方向性の違い」などと片付けられがちですが、そうした話では収まらない明確な性能差がここにはありますね。
“上には上がある”という言葉を、まさに実感させられる仕上がりです。

低音域

ふっ……深い。まるで大型のブックシェルフスピーカーで鳴らしているかのような、体の芯に響いてくるような重低音が鳴り響きます。

ただし、この重低音、決して暴れたり濁ったりすることはありません。極めて高精度に制御されており、その存在感は“静かなる圧”といった趣すら感じます。これが約42万円の表現力なのか……。控えめに言って、これはバケモノ級です。

さらに驚かされるのが、この重低音の“出し入れ”の巧みさ。必要なときだけふっと現れて、楽曲を支える…
そんなスマートな制御がなされているので、常に低音が強いとか、“低音ホン”というような印象はまったくありません。

アコースティックな楽曲、オーケストラ、ライブ音源などでぜひ聴いてみてほしいです。ウッドベースの弦を弾く音や、アコースティックギターのボディを叩く音が、まるでその場で鳴っているかのようなリアリティで耳に届きますよ。

ベースモードだと?

重低音の深さや沈み込みはそのままに、低域から中低域にかけて少し持ち上がることで、音にほんのりとウォームな表情が加わります。音全体が柔らかく、厚みを持つように変化するイメージですね。

「チューニングスイッチって結局触らなくなるよね?」という声はよく聞きますが、本機の切り替えはその常識を覆す完成度。単に低音が強くなるのではなく、低音に厚みと温もりを加えるような変化で、積極的に使ってみたくなる魅力があります。

中音域

ピアノやギターといった弦楽器は、明るく抜けの良いトーンで、輪郭がしっかりしつつも決して誇張されることなく、自然に響きます。

だからこそ感じられる“生々しさ”や“リアリティ”などの本機の持ち味は、そうした楽器本来の質感を張りのある音で忠実に描き出してくれるところにあるのかもしれません。

高音域

高音域は、Sonion製ESTドライバーによって繊細かつ伸びやかに表現されます。ただし、4基も搭載されているにもかかわらず、その主張は控えめ。輝きや鋭さよりも、全体の調和や滑らかさを重視したチューニングが施されている印象です。

むしろ、「EST=煌びやかで刺さりがちな音」という昨今のトレンドに対して、「それって本当に必要だったの?」と問いかけてくるような、新たな視点を提示してくれるチューニングだと感じました。

また、背面開放型の設計が効いているのか、高域にピーク感はほとんどなく、スッと自然に抜けていく…そんな心地よいチューニングに仕上がっています。

解像度

解像度はもちろん非常に高く、細かな音のニュアンスや楽器の定位までしっかりと描き出してくれます。前述の通り感度も非常に高いため、従来の機器では聴き取れなかったような微細な音の粒立ちを感じ取ることができました。

特にクラシックやアコースティック系の楽曲、さらにはライブ音源などでは、その分離感やディテールの再現力がより際立ちます。奥行きの表現やステージの広がりを感じ取りやすいジャンルでもあるので、ぜひ試してみてほしいですね。

ボーカル

ボーカル表現には、個人的に感動すら覚えました(;´∀`)
すべての楽曲で同じように感じたわけではありませんが、クリアさ、生々しさ、吐息や湿度感といった細かな要素を高い次元で感じられる楽曲に多く出会えたのは驚きでした。

感情が伝わる表現とはまさにこういうことなのだと改めて実感。つまり、とても素晴らしかったということです。

音場

開放型設計のおかげか、とても抜けが良く、壁を感じさせない広々とした音場表現が特徴です。
左右に極めて広い音の広がりがあり、音像の上下や奥行きのベクトルもしっかり感じられるイヤホンはそう多くありませんよ(^o^)ノ

聞いてみた感想

ALTER EGOを聴いて感じたのは、やはり圧倒的な基本性能の高さです。
特に音場の広さと中高音以上の抜けの良さは特筆に値しますね

クラシックでは楽器の響きやレイヤーの定位感がハッキリと再現され、ジャズではウッドベースの深みが心地よく耳に響きます。
ロックではエネルギッシュなドラムが生き生きと表現され、エレクトロニック音楽では音の粒をたどるような視聴体験に没頭し、時間を忘れてしまいそうです。

楽曲や気分に合わせてチューニングスイッチを切り替え、1台で2つのイヤホンを楽しむような体験ができる点は、まさに「ALTER EGO(もう一人の自分)」という名前にふさわしいと感じました。

装着感について

装着感は、チタン合金の軽量なシェルで重さはさほど感じません。長時間の使用でも疲れにくく、耳へのフィット感も見た目の大きさの割には良好でした。 
というか本記事の執筆に伴ってもう4時間ほど連続で聞いてるのですが特に圧迫感を感じていません(笑)

ただ、冬場は「チタンが冷てッ!」と感じることがあるかもしれませんが、執筆時は5月末で暖かいので、現時点では評価保留ということでお許しください…!(笑)

装着時の画像(例)

それにしても凄いデザインだな~(;´∀`)

長所と短所

長所

  • バランス取れたサウンド
  • 深い重低音
  • 2つのサウンドに切替可
  • ジャンルを選ばない表現力

短所

  • ESTにしては控えめな高音域
  • 開放型設計による音漏れ
  • 値段が高すぎるッ

正直言うと値段が値段だけに短所を探すのが難しかったですね。
だって個性…じゃない?とはいえ値段がかなり高いし音漏れするのでそれは欠点なのかもしれませんね。

あとがき

MELODIC ARTIFICATIONALTER EGOは、モード切り替えによる柔軟に対応出来るサウンドやチタン合金の美しいデザイン、そして圧倒的な音場と解像度を持っているイヤホンでした。
約42万円という価格に間違いなく見合う価値があると感じます。

ESTらしい鋭く目立つ高音域を好む方や、完全な遮音性を求める方には多少の妥協が必要かもしれませんが、試聴できる機会があればぜひアコースティックな楽曲で一度聴いてみてほしい逸品です。

聴くというよりは、感じてほしい。そんなイヤホンでした。

製品購入先リンク

01Diverse ECサイト:MELODIC ARTIFICATION「ALTER EGO」


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この記事を書いた人

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