Kiwi Ears Aether レビュー:平面磁気ドライバーの魅力を手頃な価格で

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こんにちは、Trefle Labのとれふるです。今回ご紹介するのは、Kiwi Ears「Aetherです。

15.3mmの大型平面磁気ドライバーを搭載し、ハイエンド並みの音質とデザイン性を実現しながら、価格は約2.5万程度と手頃。Kiwi Earsらしい高コストパフォーマンスを継承しつつ、新たな魅力を備えた本モデルの実力を、細部まで丁寧にレビューします。

Kiwi Ears Aether
Kiwi Ears Aether
目次

製品について

Kiwi Ears「Aetherは、2025年3月に登場したKiwi Earsの新型イヤホン。ブランドの持ち味である高音質と価格以上の品質はそのままに、15.3mmの大型平面磁気ドライバーと新設計の音響チャンバーを採用し、開放型ヘッドフォンのような空間表現と自然な音色を得意としているそうだ。プロフェッショナル用途からゲーミング、日常の音楽鑑賞まで幅広く対応できるモデルだそう。

仕様について

製品仕様については以下をご覧ください。

構成15.3mm 平面磁気ドライバー×1
再生周波数帯域20Hz–20kHz
感度105dB
インピーダンス14Ω
ケーブルプラグ4.4mmバランスプラグ
ケーブルコネクタ0.78mm 2Pin
製品仕様

パッケージ外観と付属品について

パッケージ

Kiwi Earsらしい華やかで上品なパッケージデザインが印象的。どんなサウンドを聴かせてくれるのか、期待を胸に開封していきます。

Kiwi Ears Aether
Kiwi Ears Aether 外パケ

開封すると、銀色を基調としたサテンフィニッシュ加工を施したような箱が現れます。

さらに開封を進めると、イヤホン本体が丁寧にセットされたメインスペースと、付属品を収めた小箱が美しく配置されています。では、次に付属品の内容を詳しく見ていきましょう。

では、次に付属品の内容を詳しく見ていきましょう。

付属品

付属品は以下の画像のようなものが同封されています。

付属品
  • Kiwi Ears「Aether本体
  • イヤーピース3種類 (S/M/L) 各1ペア
  • ケーブル
  • キャリングケース
  • 説明書

本体

フェイスプレートは、モノクロの波模様の上にカラフルなラメがきらめく、複雑かつ華やかな仕上がり。まるで幻想的な夜空のよう。

色味よりも造形そのものに目を引くデザインは、まさにKiwi Earsらしい美的センスを感じさせます。

Kiwi Ears Aether
Kiwi Ears Aether

見た目には少し厚みを感じますが、軽量な医療グレード樹脂のおかげで、装着しても重さを感じにくく、快適にフィットします。

Kiwi Ears Aether 本体 別角度
Kiwi Ears Aetherの左側に注目

上の写真の左側のハウジングを見ると、平面磁気ドライバーがうっすらと透けているのがわかります。実はこの記事を書いている途中、写真を見返していて初めて気づき、慌てて実機を見直しました(笑)。

付属ケーブル

シンプルな黒の2ピンケーブルは絡みにくく実用的ですが、やや無難な印象。4.4mmバランス接続に対応していない点は惜しいところ。ただし着脱式のため、リケーブルでのアップグレードも容易に行えます。

付属ケーブル

イヤーピース

付属のイヤーピースは、3種類のタイプがそれぞれ3サイズずつ同梱されており、ユーザーの耳の形状や好みに合わせて選ぶことができます。ラインナップは、半透明ホワイト、半透明ブラック、赤いステムが印象的なブラックの3タイプ。

付属イヤーピース

いずれも比較的スタンダードなシリコン製ですが、装着感や音の傾向が微妙に異なるため、聴き比べてみるのも楽しいポイントです。

ケース

コンパクトなハード…セミハード?タイプ。収納力と保護性能は十分で、日常的な使用には申し分ありませんが、外観はやや地味。価格を考えれば妥当な内容です。

ただ、欲を言えば合皮の質感がもう少し上質であれば、全体の満足度もさらに高まったかもしれません。触れたときの高級感や、所有する喜びといった面では、もう一歩上を狙えそうな印象ですが…価格を考えたらワガママかもしれませんね。

音質について

Kiwi Ears Aether の特徴を簡単に表すならば…
「自然なUカーブまたはニュートラル傾向でバランスの取れたサウンドチューニング」だと思います。

音の傾向は概ねニュートラルですが、やや中低音〜低音にかけて量感があり、全体としてリズムに乗りやすい“ノリの良さ”を感じさせてくれます。タイトに引き締まりすぎず、程よく豊かな低域が音楽に楽しさを加えてくれる印象です。

早速ですが聴覚上の音のバランスのグラフから見ていきましょう。
※聴覚上のイメージで、計測データを元にしたものではありません

音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。

音の傾向
暖色
寒色
暗い
明るい
狭い
広い
低解像度
高解像度
繊細
迫力
モニター
リスニング
人工的
リアル
ゆったり
早い
ビルドクオリティ
残念
良い
コストパフォーマンス
残念
優秀
装着感
微妙
良い
付属品
最低限
充実・豪華

視聴環境

  • iBasso DC-Elite+外部給電 (AKLIAM EC02+ddHiFi TC09L)
  • iBasso DX340 (参考程度に使用)
  • 付属のイヤーピース(白)
  • 付属のケーブル

音色

サウンドチューニングは緩やかなUカーブ~ニュートラルでバランス重視。低域の量感と深み、高域の透明感、そして中域の自然な描写が絶妙に溶け合い、ジャンルを問わず安心して楽しめる仕上がりです。

高音域は平面駆動型らしい繊細さを感じさせながらも、耳に刺さらないよう上手くチューニングされており、非常にマイルドで聴き心地の良い印象を受けます。

本機は音量が控えめだとダイナミクスがやや抑えられ、音楽の力強さが十分に感じられにくい印象があります。
適度に音量を上げて試聴するのがオススメ。そうすれば本来の豊かな表現力と音場や迫力をしっかりと体感できるはず…。

低音域

深みのあるサブベースが特徴で、EDMやヒップホップでも力強く厚みのあるサウンドを実現。平面駆動らしい輪郭と弾力感がありながら、ブーミーさを感じさせず、キレの良い低域が楽しめます。

……正直なところ、自分で書いていても改めて思いますが、平面駆動の音って本当に独特で、言葉にするのが難しいんですよね。あの密度感や滑らかさ、空気のように音が押し出される感じ…?

中音域

色付けの少ないフラットなチューニング。ボーカルや楽器の質感が自然に再現され、特にアコースティック楽器や弦の響きが美しく表現されます。そして主張しすぎない所がポイント。

高音域

高域は滑らかでありながら、ディテールの描写力に優れています。金属的な刺激は抑えられており、繊細なニュアンスをしっかりと伝えてくれるため、長時間のリスニングでも疲れにくい印象です。

解像度

昨今の製品レベルを踏まえると標準的なクオリティではありますが、情報量の豊かさと音の分離感はしっかりと感じられます。特に分離の良さは、平面駆動型ドライバーならではの特性が活きているのかもしれません。

ボーカル

定位は非常に的確で、声の質感や表情が豊かに伝わってきます。特に女性ボーカルの繊細なニュアンスから、男性ボーカルの力強さまで、しっかりと描き分けられており、バランスの良さが光ります。

……あれ、もしかしてこれは“ボーカルホン”だったかも?

音場

音場の広さは標準的で、特筆するほどのスケール感はありません。とはいえ、その分、定位の良さが際立ちます。ひとつひとつの音の位置が明瞭で、音像の輪郭がしっかりと感じられるのが魅力的です。
……というか、正直に言うと「広さ」より「定位」を語りたい製品(笑)

しかし、音量を上げると奥行きを左右に音場がかなり広がります普段より大きな音量で聞いてみて欲しい。

聞いてみた感想

Kiwi Ears「Aetherの第一印象は、「とてもバランスの取れた音」。チューニングとしては概ねニュートラル寄りですが、中低域に少し厚みがあり、リズムにしっかり乗れるノリの良さも感じられます。ベースの深さや重量感がある一方で、平面駆動らしいタイトさと弾力感が共存しており、いわゆる“ブーミーさ”は皆無。EDMやヒップホップとの相性も抜群です。

高域は滑らかで、細やかさもありながら耳あたりが非常に柔らかい印象。金属的な鋭さを抑えつつ、情報量や空気感はしっかり感じ取れます。長時間のリスニングでも耳が疲れにくいのは嬉しいポイントですね。

中域も自然な描写力があり、ボーカルの質感や表情が豊かに伝わります。特に女性ボーカルの繊細なニュアンスと、男性ボーカルの力強さの両立が見事。聴いていて「これ、実はボーカルホンだったのでは?」と思うくらい好印象でした。

音場に関しては標準的ですが、定位がとても正確。音の配置が明瞭で、空間表現に混乱がないため、全体としての見通しの良さにつながっています。これはやはり平面駆動ならではの分離感の良さが効いているのかもしれません。

平面駆動型らしい透明感や緻密さを持ちつつ、音楽を楽しく聴かせてくれるチューニングが印象的でした。ジャンル問わず、安心しておすすめできる一本です。

装着感について

シェルはやや大きめですが、軽量かつ滑らかな形状で装着性は高め。

出音に癖がほとんどないため、イヤーピースを変えることでサウンドの微調整がしやすく、自分好みの音にカスタマイズしやすい印象を受けました。

長所と短所

長所

  • ナチュラルなサウンド
  • 軽量で美しいデザイン
  • 適度な主張する中高音
  • ジャンルを選ばない表現力

短所

  • 大人しい高音域
  • ハウジングが値段なり、ややチープ
  • 上方向にもっとレンジが欲しい

音は良いんだけどちょっと本体がチープなのが玉に瑕かな~

あとがき

Kiwi Ears「Aetherのサウンドとじっくり向き合ううちに「これは意外と侮れないな」と感じさせられる一本でした。

平面駆動型ならではの質感や表現力、ニュートラルを基調としながらもリズム感を大切にしたチューニングは、日常使いから音楽鑑賞まで幅広く応えてくれます。

価格帯やブランドの立ち位置を考えても、Kiwi Earsの“らしさ”がしっかり詰まった、非常に完成度の高いモデルだと思います。

平面駆動の魅力に触れてみたい方や、バランスの取れたイヤホンを探している方に、ぜひ一度試してほしい製品です。

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本記事の執筆にあたり、Linsoul様よりPRのご依頼を受け執筆させていただいております。
このような素晴らしい機会をいただきありがとうございました。心より感謝申し上げます。

免責事項:
本記事のレビューにおいて、執筆に伴う金銭等のやり取りはございません。同時に執筆内容への指示も一切受けておらず、内容は全て筆者自身の個人的な感想です。

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この記事を書いた人

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積極的にオーディオ製品やガジェットなどもレビューしています。

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