PW Audio No.15 レビュー:音質に“あと一歩の上質さ”を加える実力派ケーブル、イヤホン本来の魅力を引き出すナチュラルな1本

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こんにちは、Trefle Labです。今回はPW Audioの15周年記念モデル「No.15」をご紹介します。

約2万円後半の価格帯となる高価なケーブルですので、THIE AUDIO Monarch MK3MELODIC ARTIFICATION ALTER EGOというハイエンド機にて試聴しましたが、価格に見合うだけの実力に驚かされました。では早速行ってみましょう。

目次

製品について

PW Audio No.15とは

PW Audio No.15は、イヤホン向けリケーブル(交換用アップグレードケーブル)の新製品です。PW Audioはハイエンド志向のオーディオケーブルブランドで、過去には超弩級モデル「Orpheus」シリーズ(98万円)なども手掛けてきました。No.15はブランド創立15周年を記念したアニバーサリーモデルとなります。

独自の技術「ORT(Optimized Resistance Technology)」を採用

正極と負極の電気抵抗差を最適調整する独自技術「ORT(Optimized Resistance Technology)」を業界で初めて採用したことが最大の特徴です。

ケーブル内部の抵抗バランスを意図的に調整することで音質に独自のチューニング効果をもたらし、滑らかなボーカル表現や広大な音場、微細なニュアンスまで逃さないバランスの取れたサウンドを実現しています。イヤホン本来の性能を最大限に引き出すべく、内部導体には高純度の銅素材と最新製造技術を投入し、信号ロスや不要な抵抗を極力排除した設計です。

発売日や取扱情報について

発売日は2025年5月で、日本ではOriolus(オリオラス)ジャパンが取り扱っています。税込約27,500円程度で、同ブランドの上位モデル群と比べると手にしやすい価格に抑えられています。基本モデルはCIEM 2ピン端子・4.4mmプラグ・ケーブル長1.2mですが、対象店舗にて希望のコネクタ・プラグ・ケーブル長で受注生産できるそうです。

購入先リンク

オリオラスジャパン公式ショップ
PW Audio No.15:https://audiopassion.jp/products/pwaudioani-no-15

外観など

ケーブル外観

PW Audio No.15
PW Audio No.15 外観全体

PW Audio No.15は、シンプルな構造でありながら、不思議と見た目からも高品位なケーブルであることが一目で伝わってくる一本です。
まず目を引くのは、深みのある渋い煌めきのある被覆。光の当たり方によって微妙に表情を変えるパープルが美しく、所有欲をしっかりと満たしてくれます。

プラグと2Pinのアップ

パープルという色使いは珍しいですが、何故か奇を衒う印象はなく、むしろ上品で落ち着いた印象を与えてくれます。とても不思議な色合い。

PW Audio No.15
高級感のある金具

分岐部やプラグ部分には、マットブラックのハウジングにシルバーで「PW Audio」のロゴが刻印されており、高級感を醸し出しています。特にプラグの質感は秀逸で堅牢かつ美しく、長期使用に耐えそうな安心感があります。良い意味でちょっとゴツい。

特有のカーブの耳掛けや金具まわりなど

視覚的な満足感も含め、良いモノとしての所有欲を満たすような本製品はまさに“魅せるケーブル”かも。

付属品

付属品は以下の画像のようなものが同封されています。

付属品など
  • PW Audio No.15ケーブル本体
  • キャリングケース
    ※サンプルのため、外観が製品版とが異なる場合があります。

仕様(スペック)について

製品名PW Audio No.15
ブランドPW Audio
モデルNo.15
長さ約1.2m
コネクタ0.78mm 2Pin / その他カスタム
プラグタイプ4.4mmプラグ / その他カスタム
構造
(その他詳細は非公開の模様)
商品内容ケーブル本体 / キャリングケース

音質について

箇条書きで、本製品から得られた印象を書き上げると以下のような印象です。

  • ナチュラル、ニュートラル系
  • 滑らかで優しい音色に
  • 横方向に広がる音場に
  • 奥行き方向への音像の分離が素晴らしい
  • 優しくマイルドに全帯域が伸びる優等生タイプ
変化する音域
減少
-2
-1
高音域
+1
+2
増加
減少
-2
-1
中音域
+1
+2
増加
減少
-2
-1
低音域
+1
+2
増加
音の傾向
暖色
寒色
狭い
広い
低解像度
高解像度
繊細
迫力
ビルドクオリティ
残念
良い
コストパフォーマンス
残念
堅実
素晴らしい

リケーブルしてみた感想

一聴してまず感じたのは、空間表現や各帯域の伸び方における絶妙なバランスの良さです。低域が強い、高域が鮮やかといった派手な変化の仕方ではなく、音の分離感や奥行き、音像の描写といった音そのものの「質」にアプローチしている所に魅力があるケーブルだと感じました。帯域ごとの伸びやかさを強いて言えば、僅かに中音域から高音域にかけて優しくほんの少し後押しをする程度のマイルドな伸び方にとどまっています。

THIEAUDIO Monarch MKIIIALTER EGOといったハイエンドクラスのイヤホンと組み合わせても、しっかり変化を感じれる基礎性能があるケーブルだと思います。

低域が過剰に膨らんだり、逆に痩せすぎたりすることはなく、適度な重みと引き締まりを両立した落ち着いた鳴り方をします。低音域は横に深く広げていくような変化の仕方ですね。その上で中音域から中高音域にかけては、滑らか・しなやかな質感へとチューニングが変化するような印象を受けました。

特に中域〜中高域にかけては、アタック感がやや控えめで音の伸びが自然で量感にもほんのりと厚みが加わり、上品かつ聴きやすい音に仕上げてくれます。ボーカル帯域の質感が向上し、滑らかな余韻を伴いながらも埋もれることなく、しっかりと浮き立ってくる感覚があります。

一方で10kHz以上の高域については、もう少し煌びやかさが欲しいと感じる場面もあるかもしれませんが、それを補って余りあるほど、耳当たりの優しいクリアな音色が広がります。ギラつきを抑えた高域表現は、長時間のリスニングでも疲れにくく、音楽との自然な一体感を生んでくれます。

このケーブルは通常価格¥27,500とリケーブル製品としては高額ですが、この価格に見合った素晴らしい製品だと申し上げておきます。 それだけの価値がありますね。

低音域

低音は、過度に膨らまず、かといってタイトに寄りすぎることもない、絶妙なバランス感が魅力。
ドラムのキックやベースラインはしっかりと存在感を持ちながらも、中~高域を邪魔せず、アタック控えめに広がりを持って、自然な位置に収まります。

中音域

ボーカルは滑らかで息遣いや細やかな表情も優しさを伴いながら丁寧にクリアに再現され、楽器との分離も良好です。

量感は控えめながらも、芯のある伸びやかさと品のある艶感が加わり、音楽全体の透明感が底上げされる感覚があります。
中高域にかけてのつながりも非常に自然で、繊細の中でも滑らかな繊細さを感じる表現を好む方にとっては特に魅力的に映るでしょう。

高音域

高音域は全体的に優しく、クリアで滑らかです。10kHz以上の帯域にもう一段階の煌びやかさや細やかさがあっても良いと感じる場面はあるものの、ギラつきや刺さりとは無縁で、むしろ音楽に自然に溶け込むような丁寧なチューニングに感じます。

ハイハットやシンバルの余韻も優しさ、長時間のリスニングでも疲れにくいナチュラルな高域描写が好印象です。

低価格なケーブルに比べると、なぜこうも伸びてるのに刺さらないんだろうと本当に不思議に感じますね

その他の評価項目について

ボーカル

少し厚みが加わることで中域の滑らかさと量感のバランスがよく、息遣いやニュアンスの変化を柔らかく繊細に描き出すイメージ。写真で例えるなら、解像度は増えないけど色乗りが良くなるようなイメージでしょうか。

音場

前後方向の奥行きや立体感にもしっかりとした描写力があり、音の空間的な広がりに自然なスケール感を与えてくれます。

THIE AUDIO Monarch MKIIIとの組み合わせにおいては、ハイエンドの割にはやや抑えめな音場という印象のあるイヤホンでしたが、横方向への伸びやかさと煌めきの強さを少し抑えた聞きやすい音色に変化してとても好印象でした。

音色

全体としてニュートラルかつ自然体でありながら、わずかに彩度が上がったような、落ち着きの中に優しく鮮やかさを感じさせる絶妙な変化が印象的です。派手になりすぎず、音にほんのりと色味が加わることで、聴き慣れた楽曲もまた上品な異なる印象に…?

迫力感

どちらかと言えばアタック感を少し抑えて滑らかに整えるような印象で、どちらかと言えば迫力はやや抑える印象があります。

音のキレ

過度な変化がないため、標準的。特に特筆点はありませんでした。

一定の高額のケーブルになると、どのブランドも帯域ごとの音を伸ばすというよりも、分離感や音場の作り方や滑らかさ、バランスの良さを重視した設計の製品が増える印象。 もちろんこのケーブルもその傾向を感じます。

長所と短所

長所

  • 全体的な分離感と音場の向上
  • 奥行き、音像の分離に優れる
  • タッチノイズがかなり少ない
  • 独特な紫色の音

短所

  • 高音域はもっと伸びても良いかも
  • 個性を求める人に不向き
  • 高価格

使用感について

しなやかな被覆と程よいコシが両立しており、手に取った瞬間に「扱いやすいケーブルだな」と感じます。被覆はツルっとしていますがしなやかさとコシもあり、絡まりにくく、軽く指通せば自然に解けるため、使用上のストレスがありません。癖もつきにくいです。

こんな人におすすめ!

イヤホン本来の魅力を引き出しながら全体の表現力を一段引き上げてくれるケーブルです。チューニングは極端な色付けを避けつつも、細やかなニュアンスの描写や音場の広がり、分離感の向上を求める方に向いてる製品だと思います。

あとがき

PW Audio No.15は、一聴しただけでは派手な変化を感じにくいかもしれません。しかし、じっくり聴き込むほどに絶妙なチューニングが、音楽全体の品位や立体感をじわじわと引き上げてくれることに気付かされます。

“音を伸ばして演出する”というよりは、“音を整えて魅力を引き出す”という表現がしっくりくるケーブルで、元のイヤホンが持つキャラクターや美点を壊すことなく、より洗練された音へと導いてくれる印象です。
チューニングの達人がさりげなく手を加えてくれているかのような自然さが、このNo.15最大の魅力ではないでしょうか。

本記事がケーブル選びの一助になれば幸いです!最後までお読みいただきありがとうございました。

各種リンク

商品リンク:PW Audio No.15
オリオラスジャパン合同会社:https://audiopassion.jp/


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本記事の執筆にあたり、オリオラスジャパン様よりPRのご依頼を受け執筆致しました。
このような素晴らしい機会をいただきありがとうございました。心より感謝申し上げます。

免責事項:
本記事のレビューにおいて、執筆に伴う金銭等のやり取りはございません。同時に執筆内容への指示も一切受けておらず、内容は全て筆者自身の個人的な感想です。

PW Audio No.15

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この記事を書いた人

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