TRKAPLST-08 EMPYREAN レビュー|静寂の中に、立体を丁寧に描き出す紳士的アップグレードケーブル

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今回ご紹介するのは『TRKAPLST-08 EMPYREAN』 です。

高価なケーブルは、低音をぐっと押し出したり、高域をきらびやかに磨き上げたりと、どこか「主張」で語られることが多い印象が少なからずあるとは思いますが、そうした派手さとは少し違うベクトルの一本でした。

TRKAPLST-08 EMPYREAN
目次

製品について

導体

TRKAPLST-08 EMPYREAN』は、『希少純銀パラジウム合金 + 単結晶銀 + 金メッキ単結晶銅 + 希土類合金銅』とシールド層に『電磁絶縁金箔 + グラフェン複合コーティングシールド』を使った同軸2芯構成のケーブルです。

とても分かりづらいので以下の図解をご覧ください。

TRKAPLST-08 EMPYREAN 線材の構成
線材の構成


※線材の構成はあくまで公式の記載通りに紹介するもので、正確性を保障するものではありません。

商品リンク

外観など

全体像

透明な被覆の中に金とブルーの線材が織り込まれて複雑な表情を魅せる外観です。
何色?と聞かれると…なんとも言葉で表現しづらいカラーリングですが落ち着いたカラーなのは好印象。

TRKAPLST-08 EMPYREAN 全体像
全体像

AWG14 という極太の2芯構成、固めでやや取り回しに難がありますが、重量感もありタッチノイズが気にならない利点もあります。通常使用において困らない最低限の柔軟性があります。

金具パーツ外観

TRKAPLSTではお馴染みの金具パーツが統一して採用されています。手によく食い込み滑らず扱いやすいので個人的には結構好きなデザインです。

TRKAPLST-08 EMPYREAN 金具パーツ
TRKAPLST-08 EMPYREAN

線材

線材をアップで見てみると、透明な被覆の中に金とブルーの素線が見えます。ここまで拡大すると明確に色がわかりますね。

TRKAPLST-08 EMPYREAN 線材クローズアップ
線材クローズアップ

プラグ

TRKAPLST-08 EMPYREAN プラグ
プラグ

音質について

箇条書きで、本製品から得られた印象を書き上げると以下のような印象です。

  • 背景が暗く、Sクラス級の高い分離性能を持つ
  • 低音は量感より芯とトルク感を重視した、静かなる圧の表現
  • 中音域は優しく角が立たないが、立体感と分離は良好
  • 高域はニュートラルで控えめ、メリハリと抑揚の付け方が巧み
  • 空間は左右・奥行きに広く、上方向はやや低め
変化する音域
減少
-2
-1
高音域
+1
+2
増加
減少
-2
-1
中音域
+1
+2
増加
減少
-2
-1
低音域
+1
+2
増加
音の傾向
暖色
寒色
しっとり感
減少
増加
キレ
ゆったり
早い

試聴環境

※多ドライバー、1DD構成、フルBA等のイヤホンでケーブルを聴き比べ、感じられたことや変化を書き出します。

  • Lotoo PAW 6000
  • THIEAUDIO Monarch MKIII 
  • MoonDrop 竹 CHU2
  • Softears Studio 4
  • その他

ショートインプレッション

第一印象は、とても大人しく優しめの音色でした。

雰囲気としては、少し大人しく、冷静さをまとった「紳士的」なケーブルだと思います。ただ、ただ大人しいだけではないのがこのケーブルの面白いところで、音の分離感が非常に高く、背景は暗く沈み込みます
そのうえで、ひとつひとつの音を丁寧にレイヤーとして配置していくのが上手で、楽器と楽器がしっかり離れ、奥行きや距離感を形成しながら、それぞれが丁寧に鳴るイメージです。

Sクラスケーブルとして納得の分離性能で、聴き疲れしない上品な鳴り方を求める方にはよく合うと思います。解像感やシャープネスを前面に押し出すというより、奥行きや分離といった空間方向の表現に重きを置いた一本だと感じました。

低音域

これだけ太いケーブルですから、低音をぐっと強化する方向性かと思いきや…。実際には控えめに太さが増す程度で、前に出て主張するような鳴り方ではありませんでした。
とはいえ物足りないわけではなく、「静かなる圧」と言いたくなるようなトルク感があります。言い換えれば、量感ではなく芯だけを強化したような質感で、トゲのないアタック感がじわっとと増す感じ。
派手さはないものの、芯のある低音が好みの方には心地よく聞こえると思います。

中音域

中音域は、全体的に優しめで、角の立たない音色です。それでいて分離はしっかり良く、立体感にも優れているのがこのケーブルらしいところ。微弱音から強めのアタックまで、抑揚をつけた表現が得意な印象で、音楽の起伏を丁寧に描いてくれます。柔らかさやしなやかさを中音域に求めている方には、特に魅力的に映るのではないでしょうか。

アコースティック系の楽器の弦の弾くような強い音はやや丸みを帯びて聞こえますが、曇ったり解像感が落ちている訳ではありません。これが大人っぽい音と形容する所以でもあります。

ボーカル

ボーカル表現は優しく、伸びやかさのある自然な広がりが特徴。

ニュートラルな性格なので、声を不自然に色付けすることなく、すっと前に置いてくれます。
男性ボーカルは適度な力強さと芯を保ちつつ、荒々しさを限りなく抑えた表現で、楽曲に非常によく溶け込みます。しかし、透明度やボーカルのエッジ感をぐっと際立たせたい!という方には、少し方向性が違うかもしれません。

あくまで「自然に溶け込ませる」タイプの鳴り方だと捉えていただくと良いと思います。

高音域

高音域は、極めて自然でニュートラルな鳴り方です。控えめでありながら、強調もしすぎない。それでいて横方向に広がるように輝き、そっと消えていくメリハリと抑揚の付け方が上手です。

弱いところはしっかり弱く、目立つべきところはハッキリと目立たせる。そんな緩急の効いた表現で紳士的。金属音はやや控えめな距離感で、人によっては少し物足りない、あるいは遠目に聞こえると感じる場面もあるかもしれません。

ギラギラとした高域を持つイヤホンとの組み合わせで、ぜひ試してみてほしいところです。

空間表現とダイナミクス

空間表現は、奥行きの分離と左右の広がりに優れる一方で、上方向の天井はやや低めという個性があります。

左右や奥行きの広さや分離感を重視する方には非常に相性が良いと思いますが、「上方向に明るく抜けるような空間」を求めると、少し方向性が違ってくるかもしれません。

ダイナミクスの面では、音像そのものが立体感の表現に優れ、強調しすぎないながらも実体感のある、コクのある音色を描いてくれます。音の量感を誇張するタイプではありませんが、落ち着いて音楽に向き合える鳴り方だと感じました。

総評

TRKAPLST-08 EMPYREAN は、ハイエンドケーブルにありがちな「派手な強化」とは異なる、落ち着いた紳士的な性格を持った一本でした。

最大の魅力は、なんといっても背景の暗さと、それを土台にした高い分離性能でしょう。音を押し出すのではなく、ひとつひとつの音を丁寧にレイヤーとして配置し、楽器同士に奥行きと距離感を与えながら整理していくような、その丁寧さは、Sクラスケーブルとして納得の仕上がりだと思います。

低音は量感ではなく芯とトルク感で支え、高域はニュートラルに、そして控えめに広がってそっと消えていく。全体を通して聴き疲れのない上品な鳴り方で、音楽とじっくり長く向き合いたい方にこそ!寄り添ってくれるケーブルだと感じました。

解像感やシャープネス、ボーカルのエッジ感、そして上方向への明るい抜けを求める方にとっては、やや物足りなく映る場面があるかもしれません。解像度は高いのに、その解像感を感じ取りにくく良さを理解するには少々経験値も必要な気も。

あくまで奥行きと分離、そして自然さで魅せるタイプなので、ご自身の好みや手持ちのイヤホンとの相性を踏まえて選んでいただくと良いと思います。高域の主張が激しいイヤホンや、ギラつきを落ち着かせたいイヤホンとの組み合わせでは、このケーブルの持つ冷静さと丁寧さが大いに活きてくるはずです。

こんな人にオススメ!

  • 聴き疲れしない、上品で丁寧な鳴り方を求める方
  • 奥行きや左右の分離、レイヤー感を重視する方
  • 中音域に柔らかさ・しなやかさを求める方
  • 高域が刺さりがちなイヤホンを、落ち着かせたい方
  • 基礎性能が高いケーブルが欲しい方

購入先

筆者に質問してみようコーナー

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本記事はTRKAPLSTよりPRの機会をいただき執筆しました。このような機会を頂き心より感謝申し上げます。
執筆にあたり、金銭等の対価は一切発生しておらず、内容は当サイトのレビューポリシーに基づく筆者自身の体験と個人的な見解のみで構成しています。

TRKAPLST-08 EMPYREAN

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この記事を書いた人

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積極的にオーディオ製品やガジェットなどもレビューしています。

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