今回レビューするのは、NICEHCKのNXシリーズ最新作「NICEHCK NX8Ti Limited Edition」です。前作NX8の好評を受け、筐体素材をチタン合金にアップグレードした限定モデル。世界3,888台限定、価格は約$399という、NICEHCKとしてはかなり気合いの入った一本となっています。

製品概要
NICEHCK NX8Tiは、NICEHCKのNXシリーズにおける最上位限定モデルとのことです。前作「NX8」のドライバー構成(1DD+6BA+1PZT)を踏襲しつつ、DDの振動板をチタン合金製にアップグレード。さらに筐体フェイスプレートにもチタン合金を採用し、NX8では樹脂プリントだったフェイスプレートを刷新しています。
クロスオーバー回路には日本のRubycon製プレミアムオーディオグレードフィルムコンデンサーを搭載しており、音質面での内部アップグレードも行われているとのことです。ケーブルの金具パーツにもチタン素材を用いており、全体的に高いレベルで統一されています。世界限定3,888台のシリアルナンバー付き限定生産モデルとなっています。

本体自体は樹脂製。FPがチタン。
仕様
| 構成 | 1DD(チタン合金振動板)+6BA+1PZT(計8ドライバー) |
|---|---|
| 再生周波数帯域 | 20Hz〜30kHz |
| コネクター | 0.78mm 2pin |
| 発売日 | 2026年5月7日 |
| 価格 | 399ドル 初売り359ドル |
AliExpressストアクーポン:NEWNX8(2026年5月20日まで)
パッケージ
パッケージはマグネット開閉式の黒い箱。表面加工もキラキラ・サラサラな高級感溢れるパッケージで高級品という感覚を強く与えてくれる設計になっています。


開封すると「 NX8Ti Limited Edition」のロゴが目に飛び込んでくる演出になっています。内容物の見せ方も丁寧で、限定品らしい特別感がしっかり演出されていますね。




付属品
付属品が非常に充実しているのもNICEHCK NX8Tiの特徴。円筒型のレザーケース、4種類×複数サイズのイヤーチップセット、交換用ノズル(シルバー+ゴールド)、交換用フィルターと、これだけ揃っていれば別途何かを買い足す必要はほぼないレベルでは…


- イヤホン本体 ×1ペア
- シリコンイヤーピース 4種類
- ケーブル ×1
- クリーニングブラシ ×1
- 交換用ノズル ×2(本体装着済みシルバー+ゴールド)
- コネクタカバー ×1
その他取り扱い説明書等
イヤホン本体
本体はチタン合金のフェイスプレートに放射線状の彫刻っぽいデザインが施されており、写真で見るよりも実物の質感はかなり上品です。ブラック艶ありの樹脂シェルとの組み合わせで、シックで落ち着いた印象。
チタンということで多少指紋が残りやすいのは御愛嬌ということで。


標準としてはチタンノズルが搭載。ゴールドノズルは温かい音に味変することが可能。


通常版NX8と装着感は同じ。樹脂部分のハウジングは同じ形状だと思う。
イヤーピース
通常版と同様にイヤーピースがかなり豊富。 単体で販売されている液体シリコンイヤーピース(水色)も付属するのは強み。


ケーブル
ケーブルは4芯で極太。やや固めで重量感もあるが、高級品・限定モデルということを知らしめてくれるような上質なもの。


パーツ金具もチタン合金製というのが驚き。加工費も高そうなのに。


その他付属品
ノズルの交換用フィルターや音そのものを調整する交換用ノズル、さらにコネクタカバーも付属。


コネクタカバーは実際に使ってみると凹凸が無くなり収まりが良い。ただ抜き差し中に無くしてしまわないよう注意が必要。




音質について
『NICEHCK NX8Ti 』の特徴は…
「全帯域を精密に俯瞰できるニュートラル・バランス型の高解像度イヤホン」という感じです。
特定の帯域を強調して聴かせるタイプではなく、低域から高域まで情報量豊かにまんべんなく鳴らし、それでいて解像度と分離感が高い。そんな絶妙なバランスのチューニング。
「ウケの良さそうな音」というか、万人に刺さりやすい精度の高さが光る一本だと思います。
周波数特性
実測データは以下の通りです。
(IEC711/IEC 60318-4 clone / 1/12oct (1kHz) @ 94dB 左右平均)


※8~10KHz付近は計測器の特性上共振しやすい帯域のため、実際よりもピークが強めに出やすいので無視してご確認ください。
評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
試聴環境
- Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
- Lotoo PAW GOLD TOUCH
- 付属イヤーピース
- 標準ノズル(シルバー)
ショートインプレッション
全体的にニュートラルベースで、特別主張する帯域はありません。ただ、聴いてみると低域から高域まで非常によくまとまっていて、ボーカルもセンターにしっかり定位。「非常に高解像度精度の高い鳴り方をするイヤホン」という第一印象です。
寒色系かと思ったのですが、意外にも私の耳では冷たい印象は無く、とにかくニュートラル&フラットを基準に全域主張しつつ低音もしっかり深く鳴らす、そんなキャラクター性に感じています。
全体的に鮮度が高く、上流を選ばずに程よくシャープでクリアな音色で鳴ってくれるのも好印象。そして音同士が濁らずにしっかり分離するので、多くの情報を一度に把握しやすいと思います。Perfumeの楽曲を聴くと信じられないほどステレオ感が強く横方向の広さを感じて、思わず「これは……」と前のめりになりました(笑)
余韻もしっかり感じられますが、解像度や情報量がかなり豊かなので、それと比較すると、もう少し同水準に余韻や響きが欲しい…!と感じた部分はありますが、よく出来た製品だと思います。本当に。
低音域
低音の量感は周波数特性からも多めなことがわかりますが、重低音を主体に盛り上がるようなチューニングで、音の厚みで量感を出すタイプではありません。あくまでニュートラルな全体バランスを考慮した自然な鳴り方で、突出した印象は薄いです。
ただ、いざティンパニや映画の効果音のような重低音・空気を震わす音を鳴らすと話は変わります。身体にじわじわと染み込んでくるような「ゴゴゴゴ」という重圧感を感じられます。これは上手なチューニングですね。映画のサウンドトラックや映像作品との相性も抜群だと思います。
バスドラムはボフボフと空気を押し出すようなエネルギー感があり、エレキベースのスラップもレスポンス良くブリブリと輪郭のはっきりした低音が出てきます。サブベースの沈み込みもしっかりあり、ウッドベースでもシンセベースでも輪郭を追いやすい引き締まりつつ弾力のある低域です。キックとベースもしっかり分離していて、混ざりません。
そのうえ、この低音が上の帯域を喰わずに分離感を維持してくれるのが嬉しいところ。空間を埋めたり広がりすぎるような鳴り方をしない、よくチューニングされた低域だと感じます。
中音域
中音域はそこまで突出せず、まさにニュートラルな鳴り方です。とはいえ粒立ちの良さや解像度の高さはよく感じられます。激しさも、メロウな柔らかさもなく、精密に粒立ちよく鳴らしてくれる印象ですね。
昨今のW型チューニングのイヤホンと比較すると、ギターやストリングスが前に出てくるような鳴り方はしないため、一歩引いた位置で鳴っているように感じる場面はあるかもしれません。ただこれはネガティブな話ではなく、全帯域をバランスよく俯瞰できるような音作りをした本作ならではの強みでもあると思います。ある意味、ややリスニング方向に振ったモニターイヤホンのような鳴り方とも言えるかもしれません。
ボーカル
ボーカル帯域はブレスや吐息を強めに感じられるような、見通しの良い透明度の高い表現です。温かみや柔らかさは控えめですが、冷たい表現にも感じられません。しっかりボーカルの立体感が表現できていて、エッジにわずかな艶っぽさがあるので聴き応えのあるクリアなボーカルだと思います。
男女ボーカルどちらも優劣なく鳴らしてくれる印象で、距離感は普通くらい。楽曲のマスタリング次第でボーカルのエッジがやや前傾することもあるかもしれません。
しっとりやわらかく包み込むようなボーカル表現を求めている方は、本作の方向性とは正反対になるのでご注意ください。
高音域
高域はPZTドライバーらしい音色で、シンバルなどの金属音はボディ感やや抑えめ。生っぽさよりも少しサラサラした細めの表現です。ただ、弾けるようなアタック感や倍音、ハリのある音色はしっかり感じられます。
距離感としては一歩引いていて、シンバル等の金属音が前傾する印象はありません。それでも存在感は確かにあり、再生できる帯域を上へと押し上げるようなレンジの広さはしっかり感じられます。
前作NX8ではこの中高域あたりがやや暴れ気味でコントロールしきれていない印象がありましたが、本作では見事に解消されています。低音量でもシャープでメリハリのある音が出ますし、破綻する気配がありません。
音場・空間表現
一聴した時は一体感があるので「空間は標準的かな」と思いきや、音の明瞭感や精度の高さが功を奏しているのか、Perfumeの楽曲では信じられないほど強いステレオ感と横方向の広さを感じました。驚いたし気持ちよかったです。
奥行き方向はそこまで飛び抜けているとは言えませんが、均等に精密にレイヤー感を出すような形で自然な立体感があります。全体として音の粒は溶け合うタイプではなく、全体を俯瞰して見られるような分離感がある空間表現です。
解像度
解像度は高く、音同士が濁らずにしっかり分離します。複数の楽器が重なるシーンでも、それぞれの粒が見える感覚があります。
ただ一点、ここまでの解像度と分離感を出せているだけに、余韻・消え際の繊細さがやや物足りなく感じる場面がありました。ピアノや楽器の余韻はちゃんと出てはいるものの、解像度の高さに余韻感がもう一歩追いついていない印象です。「消え際のスゥ〜っていう抜け感がもう少しあれば……」と感じてしまうのは、それだけ全体の完成度が高いがゆえの贅沢な悩みかもしれません。
ダイナミクス
ダイナミクスは比較的フラットで落ち着いています。低域から高域まで音粒がバランスよく全部出ている感じで、静寂と爆音を使ってドラマチックに演出するタイプではなく、情報量の豊かさで勝負するタイプのイヤホンだと思います。



情報量の豊かさ。俯瞰的に見れる精密さ。自然な音の纏まり感。よく練った製品だなぁ…
装着イメージ
チタン合金フェイスプレートを搭載しているとはいえ、本体は軽く装着感も問題ありません。付属ケーブルはやや重量感があるので、本体の軽さはほぼ気にならないレベルです。シェルのサイズは標準的で、長時間の装着でも疲れにくいと思います。


長所と短所
長所
- 低域から高域まで高い解像度・分離感
- ニュートラルでバランスの良いチューニング
- PZTドライバーの暴れが抑えられ、高域が自然に整理されている
- 重低音・空気感のある低音の再現力
- 上流を選ばない鳴らしやすさ
短所
- 余韻・消え際の繊細さが解像度に若干追いついていない
- ダイナミクスはフラット寄りで音楽的な抑揚感は薄め
- 柔らかく包み込むようなボーカル表現は苦手
- 極太ケーブルの取り回しはやや難w



ゴールドノズルもオススメ。少し暖色に寄せたりボーカルを柔らかくしたいなら是非お試しを。
総評と感想
NICEHCK NX8Ti Limited Editionは、NICEHCKが本気で作ったの高解像度イヤホンだと思います。前作NX8で課題だった中高域の暴れが解消され、1PZTドライバーの特性をうまくコントロールした完成度の高い仕上がりです。
何度も言うように俯瞰的に音楽の情報をしっかり観察出来る分離感・解像感があるのが素晴らしかったです。
「全帯域の情報量が豊かで、分離感が高く、聴き疲れしにくい」というのが本作の魅力の核心。特定のジャンルや帯域に偏らない万人向けのチューニングは、メインイヤホンとしての守備範囲の広さという点で大きな強みだと思いましたよ~。
$399・限定3,888台というスペックも含め、ニュートラルで高精度なサウンドを求める方には自信を持っておすすめできる一本です。
こんな人におすすめ
- ニュートラル・バランス型の音作りが好きな方
- 情報量豊かで解像度・分離感の高いサウンドを求めている方
- 映画・サウンドトラック・ポップスなど幅広いジャンルを聴く方
- 上流を選ばず鳴らしやすいイヤホンが欲しい方
- チタン素材の質感や限定品としての特別感を求めている方



これで映画を見たら面白そう。 メリハリたっぷり、重心低めでシネマチックに!
購入先
AliExpressストアクーポン:NEWNX8(2026年5月20日まで)
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本記事はNICEHCKの代理店であるMoonHiFi様よりPRの機会をいただき執筆しました。このような機会を頂き心より感謝申し上げます。
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