今回レビューするのは、ivipQの姉妹ブランドとして知られるZiSinから登場した有線イヤホン「ZiSin Vermilion Flame」です。
見た目のインパクトと落ち着いたサウンドのギャップが魅力の一本となっています。

製品概要
ZiSin Vermilion Flameは、10mmチタンコーティング複合振動板のダイナミックドライバー1基と、2基のバランスド・アーマチュアドライバーを搭載した、3wayクロスオーバー設計のハイブリッドイヤホンです。
ivipQと同じグループ企業のZiSinブランドからリリースされた製品で、AliExpressがセール期間に入る度に値引きされたり話題になったりと、消費者に対するサービス精神も旺盛な製品だったりします。

時々ケーブルのオマケとして付属したり、安く取引されたり。でも性能はバッチリエントリーを超える優秀な鳴り方。
仕様
| 構成 | 1DD+2BA |
|---|---|
| 再生周波数帯域 | 20Hz〜20kHz |
| コネクター | 0.78mm 2pin |
| 発売日 | 2025年8月17日 |
| 価格 | AliExpressにて 100ドル セール時に60ドル前後まで・・? |
パッケージ
パッケージは文字だけが刻まれたシンプルな構成で、ブランドカラーの紫のパッケージ。


内容物を確認してみると、パッケージ内にイヤホン本体、ケーブル、イヤーピースのみが収められています。
ケーブルやイヤホンのOEM、ODMを主体にやっているブランドらしく、中身は最低限という感じ。


付属品


- イヤホン本体 ×1ペア
- シリコンイヤーピース 2種類
- ケーブル ×1
イヤホン本体
本体デザインは、半透明の黒いシェルに細い煌めきのある赤いラインがたくさん走るフェイスプレートが特徴。赤と黒のレジン製シェルは「Vermilion Flame(朱色の炎)」という名前の通り、情熱的な色合いで視覚的なインパクトが強いです。
筐体サイズはそこそこありますが、重量は軽めで装着感は良好。金属製のノズルはやや長めで、装着は少し深めの感覚。


全体的に造形は美しく、滑らかで高級イヤホンのような質感があります。


ケーブル
付属ケーブルは7N OCC+OFC素材を採用した高品質なケーブルが付属します。ケーブルブランドらしくスペックは豪華ですね。本体の外観に合わせたケーブルの配色も素敵です。


音質について
『ZiSin Vermilion Flame』の特徴は…
「暖色系!リラックス出来る優しい音のニュートラルイヤホン」という感じです。
一言で表すなら「暖色系のリラックスサウンド」。
派手な見た目とは対照的に、メリハリも抑えめで音の距離感も全体的に一歩引いて落ち着いた優しい音を奏でるイヤホンです。
周波数特性
実測データは以下の通りです。
(IEC711/IEC 60318-4 clone / 1/12oct (1kHz) @ 94dB 左右平均)


※8KHz付近は計測器の特性上共振しやすい帯域のため、実際よりもピークが強めに出やすいので無視してご確認ください。
評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
試聴環境
- Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
- Lotoo PAW GOLD TOUCH
- 付属イヤーピース
ショートインプレッション
全体的に落ち着いた印象のサウンドで、距離感も全体的1~2歩引いた位置から音が聞こえてくる。
一言で表すなら極めて『優しい』音ですね。
ナチュラルな透明度はしっかりあって、解像感も高めなのですが、アタックや音の粒立ちが優しく、昨今の製品のような分かりやすい音作りとは異なり、癖のない無味無臭に近いような音作りになっていると思います。
(分かりやすさがないので一聴しただけではやや物足りなさを感じるかもしれない)
聴いていて「これ似てるな!?」と感じたのが、手持ちのShure SE846でした。聴覚上はフラットにかなり近い特性でありながら、リスニングに必要な低音の量はしっかり確保している、そんなバランスなんですよね。バランスだけなら本当にそっくり。
低音には少し弾力があって、奥行きや深さを感じるような鳴り方をしているので、低音が不足する感覚は全くありません。楽曲全体を俯瞰的に見つつ、少しリスニングに寄せて…でも高域は優しく激しくならない。癖のないリスニングができるモニター的なサウンドに仕上がっていると思います。
結構玄人向けなイヤホンで超絶スルメ。ポタオデ歴が長い人ほど高評価を付けるタイプのイヤホンじゃないかなぁ…最初にも言った通りですが、全体的に1~2歩離れていて音が遠め。しかし、その離れた距離感のお陰で配置出来る音のスペースがかなり広い。広い空間に丁寧に整列させるような高い分離感をジワジワ感じるイヤホンですね。
温度感も一貫して暖色・寒色へのブレがないニュートラルなところも、個人的にはポイント高いですね。
低音域
低域の量感は過不足の無い良好なバランス。立体感が優秀で、量感は適度に抑えられてるのにいざとなれば深い沈み込みがありズンと響く心地よさがあるのが特徴かなと思いました。バスドラムの音も空気を含んだリアルな鳴り方で、ボディ感や胴鳴りを感じられるような上品な響き。ウッドベースも心地よくナチュラルに気持ち良く聴けます。
中音域
中音域は見通しがよく、スッキリとしたサウンドですが、質感がとても自然で生よりの自然な響きでアコースティックギターやピアノも優しく実際の聴覚に似たような距離感も再現するような空間への溶け込ませ方が上手な音ですね。
デジタル臭い薄っぺらさに成らず、優しくそっと厚みを乗せるような感覚。長時間聞いているとこの良さがジワジワと感じられますね。
ボーカル
ボーカルは男女共にやや前傾します。女性ボーカルは気持ちよく抜けの良い表現で、男性ボーカルは明瞭感高くエッジの効かせた胸に響くような鳴り方が特徴かなと思いました。
高音域
高音域はトゲがなく、上手に丸く抑えられている印象です。シンバルの質感は柔らかめで、伸びや余韻はありますが派手さはありません。
丸く抑えられてるのに開放感や抜けの良さはしっかり維持し、こもっているような印象は感じられないのが絶妙。高音が控えめなため、好みは分かれるかもしれませんが、聴き疲れしにくいという点では大きなメリットでしょう。
音場・空間表現
音場は広めで壁をあまり感じないような奥行きもある表現です。音粒がよく整列していてレイヤー感もあり、空間の中に音を丁寧に広々と整列させるような、正確な定位感があるのも特徴かなと思いました。
横方向よりも上下と前後が広いタイプでしょうか。
派手さや誇張した抜け感や煌めきがある訳ではないので、人によっては『全然狭いじゃん』って感じる人もいるかもしれません。派手なイヤホンに慣れると耳が慣れるまでは空間が狭く聞こえるかもしれません。定位の仕方や聞こえ方の問題な気もしているので、抑えの効いたこの製品をしばらく聞いてみてから、耳が慣れてきたくらいの頃に空間に意識を向けて感じてみて欲しいかも。
解像度
解像度そのものはやや控えめに感じられるかもしれません。しかし音の分離感はかなり優秀なのでは?と私は感じています。
クリアな音を明確に出すタイプのイヤホンと比較すると、細部の描写力は劣る所はあると思いますが、モニター系の派手ではない音であることのトレードオフかもしれませんね。
そういう意味では客観的な評価としてはやや抑えめの解像度と評価しておきたいなと思いますが、基礎性能が低い訳ではないとも同時に思います。
ダイナミクス
低音にはパンチ感と響きがあり、立体感に優れダイナミックな楽曲でも丁寧に追従します。
ただし、全体的に優しめのトーンでコントラストが抑えられたイヤホンだと思うので、爆発的な迫力やパワー感を求める方には物足りない可能性もありますね。 SE846に似ているとインプレッションで書いた通りで、モニター風味な音圧だと思っています。
装着イメージ
ややハウジングは大きめですが、形状には工夫がありすっぽと耳の空洞部分に入るので装着感も良く遮音性も高めです。


長所と短所
長所
- 暖色系ニュートラル
- 丁寧に整列されたレイヤー感
- 低音の立体感
- 自然な響き
- 聞き疲れしにくいのに抜けの良さは維持
短所
- 一聴では物足りなさを感じる可能性
- 派手さは抑えられているので地味めに感じるかも
- メリハリやパワー感は抑えめ
- 玄人向け。真価を理解するのに時間がかかる。



凄く丁寧な分離感ではあるんですが、あまりにもスルメすぎるのが弱点。モニターイヤホンのような音作りが好きならしっくりくる方も多いかも。
総評と感想
ZiSin Vermilion Flameは、派手な見た目とは裏腹に、非常に落ち着いた大人のサウンドを持つ玄人好みのイヤホンです。(私の感覚では)
このイヤホンの最大の魅力は、癖のないニュートラルなバランスでありながら、リスニングに必要な低音の量感と深さをしっかり確保している所でしょうか。
Shure SE846に通じるような、モニター的な正確さとリスニングの心地よさを両立したサウンドは、長時間聴いてもまったく疲れません。
音の距離感が1〜2歩引いているため、一聴しただけでは「物足りない」「地味」と感じる方もいるかもしれません。その離れた距離感のおかげで奥行き方向にも広い音場と優秀な分離感が生まれており、聴けば聴くほど音の整列の美しさや立体感の豊かさに気づかされる、まさにスルメイヤホンなんです。
暖色系でありながら温度感のブレがないニュートラルさ、高音のトゲがなく開放感は維持されている絶妙なバランス、アコースティック楽器の自然な響き…こうした要素が積み重なって、じんわりと心地よさが染み渡ってくる感覚は、ポタオデ歴が長い方ほど高く評価されるはずです。
セール時には60ドル前後まで値引きされることもあり、この価格帯でこのクオリティは驚異的なコストパフォーマンスだと思います。ケーブルブランドらしく付属ケーブルも7N OCC+OFC素材と豪華ですしね。
こんな人におすすめ
- 癖のないニュートラルなサウンドで、長時間聴き疲れせずに音楽を楽しみたい方
- モニター風味のリスニングサウンドが好きな方
- アコースティック楽器やジャズ、クラシックなど、音の質感や空間表現を重視する方
- じっくり聴き込んで真価を見出すタイプのスルメイヤホンを楽しめる方
- コストパフォーマンスに優れた高品質イヤホンを探している方



一聴で「おっ!」と分かりやすいメリハリや派手さを求める方には向かないけど、本作じゃないと味わえない旨味は確実にあると思う。
時間をかけてじっくり向き合うことで、その真価が見えてくる一本だと思いますね。
『時間掛けないと魅力が分からないってこと?』ってツッコミはやめて!w
購入先
mondにて匿名の質問を受け付けております、興味があれば是非質問してみてください!
本記事はZiSin様よりPRの機会をいただき執筆しました。このような機会を頂き心より感謝申し上げます。
執筆にあたり、金銭等の対価は一切発生しておらず、内容は当サイトのレビューポリシーに基づく筆者自身の体験と個人的な見解のみで構成しています。










