HIFIMAN AUDIVINA レビュー|密閉型の常識を覆す広大な空間と開放感に驚くヘッドホン

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今回ご紹介するのは、HIFIMANの密閉型平面磁界駆動ヘッドホン、『HIFIMAN AUDIVINA』です。

HIFIMANの密閉ってどうなの?という声も多いようですが…早速レビューしていきますっ!

HIFIMAN AUDIVINA
HIFIMAN AUDIVINA
目次

製品概要

HIFIMAN AUDIVINA』は、HIFIMANが手がける密閉型の平面磁界駆動ヘッドホンです。音響を考慮したデザインによる「カーブド・レゾナンス・チャンバー」構造をブナ材(ビーチウッド)製のハウジングに採用し、密閉型でありながらコンサートホール的な空間表現を目指して設計されているとのことです。

ドライバーにはHIFIMANのフラッグシップ機にも採用される「NEO Supernanoダイアフラム」「Stealth Magnet」を搭載。振動板の厚さはわずか1〜2ミクロンと、従来比で約80%の薄型化を実現しています。

各イヤーカップに3.5mmジャックを採用し、付属ケーブルはシングルエンド(1.5m)、シングルエンド(3m)、XLRバランス(3m)の3本が同梱されています。

仕様

構成1Planar
(NEO Supernanoダイアフラム)
再生周波数帯域5Hz〜55kHz
発売日2026年2月5日
価格580~650ドル前後
AliExpressより参考。価格変動あり
製品仕様

パッケージ

パッケージそのものはシンプルで段ボールにデザインされたシールで封をされているだけのもの。

HIFIMAN AUDIVINA パッケージ外観
パッケージ外観

開封後

開封するとヘッドホン本体含めた全ての内容物が収まった収納ケースが入っていました。

HIFIMAN AUDIVINA 開封後
開封後

付属品

HIFIMAN AUDIVINA 内容物
内容物
  • HIFIMAN AUDIVINA』ヘッドホン本体 ×1
  • 収納ケース ×1
  • ケーブル ×3(3.5mm / 6.3mm / XLR)

ヘッドホン本体

木材の温かみを感じるような茶色で統一されたデザインで高級感があります。

HIFIMAN AUDIVINA
HIFIMAN AUDIVINA

ヘッドバンドの形状やフレーム、そしてドライバーの入ったハウジングの形状もあり、総合的にまとまりのあるカッコいいデザインですね。

HIFIMAN AUDIVINA 外観
斜めからの外観
HIFIMAN AUDIVINA サイドビュー
サイドビュー

フレームになっているステンレスは若干ヘアラインが入っていて上質。
樹脂部分がやや釣り合わないチープ感があるのは少々気になります。

HIFIMAN AUDIVINA フレーム
フレーム

ヘッドバンドはパンチングで穴が均等に開けられていて蒸れを感じにくいように配慮されているようです。

HIFIMAN AUDIVINA ヘッドバンド
ヘッドバンド

接続は両出しタイプの3.5mmミニプラグです。ヘッドホンとしては標準的ですね。

HIFIMAN AUDIVINA 3.5mmジャックを採用
3.5mmジャックを採用

ケーブル

ケーブルは極めて標準的なシンプルなビニール系被覆の黒い太めのものが付属します。
シングルエンド(1.5m)、シングルエンド(3m)、XLRバランス(3m)の3本が同梱しますので環境は選びません。

HIFIMAN AUDIVINA 付属ケーブル
付属ケーブルは3本

収納ケース

セミハードケースで、ある程度の衝撃にも耐えそうです。
画像では自立しているように見えますが、自立は難しいです。

HIFIMAN AUDIVINA ケース
ケース

音質について

HIFIMAN AUDIVINA』ってどんなヘッドホン?
密閉型とは思えない開放的な音場を持ちながら、ニュートラル寄りの明るい音調で仕上げた個性派だと思います。

クラシックやジャズ・アコースティック系の音楽との相性は抜群で、広大な音場と洗練された高域が聴き手を心地よく包み込みます。分かりやすいドンシャリ感やベースの量感を求める人には、物足りなく感じる可能性がありますがニュートラル基調なサウンドでもあるので、激しいメタルやロック等を除けば幅広く合いそうです。

でも、アコースティックな楽曲は特に秀でた性能を発揮するヘッドホン、万人受けなチューニングで…とはちょっと違う気がするので、「自分の音楽の聴き方に合うかどうか」を試聴でしっかり確かめてほしい、そんな一台でしょうか。

評価チャート

音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。

音の傾向
暖色
寒色
ウェット
ドライ
暗い
明るい
狭い
広い
低解像度
高解像度
繊細
迫力
モニター
リスニング
人工的
リアル
ゆったり
早い
ビルドクオリティ
残念
良い
コストパフォーマンス
残念
優秀
装着感
微妙
良い
付属品
最低限
充実・豪華

試聴環境

以下の複数環境で試しています。

  • Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
  • Lotoo PAW GOLD TOUCH
  • TOPPING E2x2 OTG
  • LUXURY&PRECISION EA4

ショートインプレッション

ええ…?これは驚きました。
装着して音を流した瞬間に感じるのは、密閉型ヘッドホンとしては異例さのある「開放感」です。
同社のANANDA NANOと比較しても遜色ない、あるいはそれ以上に感じる抜け感で閉塞感が一切ありません。(価格帯は異なりますが)

密閉型特有の脳内定位感が少なく、音が自然に前方から外側に広がり抜け感のある音場を形成しています。

音色はニュートラルよりやや明るめで、特定の帯域を誇張せずフラットに音楽と向き合えるような設計。派手な色付けはないものの聴き疲れのない滑らかさと上品さがあり、クラシックやジャズをかけると弦楽器やピアノの余韻がホールの空気感ごと再現されるようなリアリティを感じます。
ロックやメタルな音楽への適性は正直高くありませんが、合うジャンルでは抜群のアナログ感のある音楽体験を感じられるように思います。

低音域

密閉型らしく、一聴した感じでは過不足のない低音が出ます。量感よりも質感・キレの高さが記憶に残りますね。

平面磁界駆動らしいタイトで弾力のある鳴り方で、中低音の輪郭はとてもクリア。ウッドベースの共鳴(胴鳴り)やバイオリン・チェロの弦振動など、音の「芯」を丁寧に描く表現が得意で、中音域を濁らせない丁寧な平面駆動ならではの描写をしてくれます。

重低音は少し減衰がかかっている印象があり、重低音の量感や物理的な迫力を重視する方にはやや控えめに感じられるかもしれませんが、アタックはやや強く、ボディ感もあり生っぽく表現されるので、空気を含んだような「ボフッ」と鳴るバスドラムの表現は予想外に豊かにリアリティを伴いつつ存在感を伴う鳴り方をしてくれます。

少々音量が取りにくく、このやや控えめな重低音は上流や環境に強く左右されるとも同時に感じています。
試聴環境に複数の機器を記載した通りで様々な機器を試しましたが、パワーのある上流ならば重低音の不足感は言われなければ気にならないレベルまで改善します。

中音域

中音域は全体的にナチュラルな響きで透明度も高く余韻があり、複数の楽器が絡み合っても濁りにくく、各楽器のディテールが丁寧に描き分けられ、しっかり自然な分離感があります。重層的なレイヤーもしっかり表現されており、複数楽器が干渉せずに調和するまとまり方が上手な印象ですかね。

エッジを効かせてボーカルを前面に押し出すタイプとは真逆のアプローチで、派手さよりもリアルさと自然な距離感を感じます。ボーカルも全く前傾せず、中立的な立ち位置でアンサンブルの中に溶け込んでいます。

ボーカル

透明度の高さと有機的な温かみが同居するようなボーカル表現です。

平面的・デジタル的な音色ではなくどこかアナログ的な潤いと自然な息遣いが宿った生々しい質感があります。女性ボーカルの甘さと男性ボーカルの地声の厚みをそれぞれ自然な存在感で再現し、どちらの方向にも偏らないバランスの良さですかね…

ボーカルの距離感は前傾せず楽器類と調和する立ち位置という印象。昨今の有線イヤホンの出音とは全く異なるヘッドホンならではの余裕のある描き方ですが、有線イヤホンのような前傾するW型の音に聞き慣れているとボーカルが引っ込んでいるように感じる方もいるかもしれません。

高音域

よく洗練されてるなぁと印象。

金属的なギラつきや刺さり感は徹底的に排除されており、シンバルのアタックもバイオリンの倍音も滑らかに減衰しながら空間へと溶けていくような感じ。余韻も豊かでスパッと音が遮断されるような消え方はせず、徐々に減衰しながら距離が離れていく奥行きのような余韻が感じられます。
「ベルベットのような高域」という表現がしっくりくる、キメの細かい滑らかさがあります。

長時間のリスニングでも耳の疲労感がほとんど生じないのは大きな美点で、クオリティと聴き疲れのなさがしっかり両立しています。(執筆しながら4時間連続で聞いてますが全然疲れませんね。)

また余韻の話になりますが、消えゆく音の繊細なニュアンスもしっかりと捉えており、余韻の美しさも十分。
ギラついた金属的なサウンドを好む方には大人しすぎると感じるかもしれませんが、AUDIVINAは全体を通じて持つ「上品さ」を押し出した軸に据えた音作りに感じますね。

音場・空間表現

左右方向だけでなく、前後の奥行きと縦方向の広がりも感じさせる立体的な空間が展開されます。
オーケストラやライブ等のアナログ収録系の音源をかけると会場の空気感が再現される感覚があり、オーケストラや室内楽との相性は特に優秀です。

定位については、かなり広い音場ゆえに、わずかに甘めのフォーカス感があり、音粒を整然と並べる厳密な定位を求めるモニター系の音とは方向性が真逆。しかし、距離感のリアルさや音の尾を追う余韻感は非常に心地よく、音楽を「生っぽく聴く」用途においては満足度の高いアナログな生っぽい定位感があります。
…生音ってホールや座席次第では反響してむしろ甘い傾向がありますから、逆にそういう意味ではよく再現されてます。

というのも、この空間表現はあくまで「自然・リアリティ」寄りのチューニングであって、激しいメタルやドンシャリ系の楽曲を聴くには少し方向性が違うかな…?という印象はあります。しかしニュートラルな音作りのおかげでポップスも楽しく聴けますし、過度な味付けがない分、幅広いジャンルに対応できる余裕があります。強いて言えば「激しさよりも自然さ」を得意とする、みたいな具合でしょうか。

なお、密閉型としての遮音性は笑っちゃうくらい控えめです(wwww)
一般的なヘッドホンの遮音性を期待してはいけません!

解像度

微細なニュアンスや小音量のディテールもしっかりと再生出来ています。情報量の多い複雑な編成の楽曲でも各楽器の輪郭が追えます。
音を分解・解析するような鋭い解像感ではなく、音楽全体を自然に俯瞰しながらディテールを拾える、バランス型のアナログ感を感じられる高解像度みたいな感じでしょうか。

複数の楽器が重なっても濁らせず滑らかに調和させる表現力も高く、聴き疲れのなさと情報量の高さを両立している点もとてもGood。

想像以上に良かった、本当に良かった。HIFIMANの密閉は…みたいなネガティブなイメージは完全に消えた。

長所と短所

長所

  • 密閉型としては異例の広大な音場
  • 高域のギラつき・刺さりが無い
  • 長時間でも耳が疲れにくい
  • 工芸品的な外観・質感

短所

  • サブベースはもっと欲しい
  • 密閉型としての遮音性がかなり低め
  • 上流機材をやや選ぶ。

総評と感想

HIFIMAN AUDIVINAは、「密閉型でありながら開放型のような音場を実現する」というコンセプトを、恐ろしいくらい体現してる良い意味で異端児的な存在。

ベースがニュートラルな音色なのでそこまでジャンルは選びませんが、特にクラシック・ジャズ・アコースティック系の楽曲は特に得意としている印象です。
十分な出力のある上流環境では低音の物足りなさも払拭されると同時に、密閉型としては他にない広大な空間体験を提供してくれます。…強いて言えばヘビーなロックやメタルが苦手そうな程度です。

音場の広さ・高域の洗練度・中域のボーカル質感、いずれも完成度が高く、AliExpressなら7万円前後で手に入る点を考えると、満足度はかなり高いのではないでしょうか。

低音の量感重視の方やオールジャンルを求める方には向かない場面もありますが、試聴の機会があればぜひクラシックやジャズを持参して聴いてみてください。合う方には、密閉型のイメージが根本から変わる体験になるはずです。
(価格差はあれど、同社のANANDA NANOより抜けが良く感じるってどうなってるんでしょうね?笑)

激しいメタルやロックは苦手そうと言いましたが、妻はそこまで気にならなかった模様。私が思ったより守備範囲広い?

こんな人におすすめ

  • クラシック・ジャズ・アコースティック音楽を主に聴く方
  • 密閉型でも広い音場を体感したい方
  • 耳が疲れにくいヘッドホンを探している方。

クラシック・ジャズ・アコースティック音楽をメインで聴く方は特にオススメ。弦楽器の余韻やピアノの定位感、ボーカルの息遣いといった「音楽の空気感」を是非楽しんでほしい……

購入先


本記事の執筆にあたりAliExpress様よりPRの機会を頂戴し、思ったまま感じたままに執筆致しました。このような素晴らしい機会をいただきありがとうございました。心より感謝申し上げます。

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本記事の執筆にあたり、金銭等の対価は一切発生しておりません。内容は当サイトのレビューポリシーに基づき、筆者自身の体験と個人的な見解のみで構成しています。

HIFIMAN AUDIVINA

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この記事を書いた人

メディアサイト「Trefle Lab」を運営しています。
積極的にオーディオ製品やガジェットなどもレビューしています。

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