JUZEARといえばZ Reviewsとのコラボモデル「Defiant」が馴染み深いですが、本記事でご紹介する「Juzear x Vivir Digital Fiesta 」はオーディオレビュアー、Vivir Digital氏とのコラボレーションモデルです。
Fiestaの名前の通り「お祭り」をコンセプトとし、ラテンアメリカの文化をモチーフにしたオレンジ色ベースのフェイスプレートが目を惹きます。情熱が伝わるような製品ですね…!

構成は1DD+3BAのハイブリッド。ラテン音楽のリズムを気持ちよく鳴らすことを目標に作られたモデルだそうです。
製品について
「Juzear x Vivir Digital Fiesta」は、JUZEARとスペイン語圏で人気のオーディオレビュアーVivir Digitalによるコラボレーションモデルとのことです。
構成は1DD+3BAのハイブリッド型で、低域には第3世代の10mmダイナミックドライバー、中高域には複合ミッドレンジ用と専用ハイレンジ用の計3基のバランスドアーマチュアを搭載しているとのことです。精密なクロスオーバーと3wayのフルダンピング音導管、マイクロホールによる気圧調整システムにより、深い低域と豊かな中域、きらめく高域を狙ったチューニングに仕上げているそうです。
仕様
| 構成 | 1DD+3BA |
|---|---|
| 再生周波数帯域 | 20-20kHz |
| コネクター | 0.78mm 2Pin |
| 発売日 | 2026年5月22日 |
| 価格 | 119.99ドル |

パッケージ
パッケージからして、すでにお祭り感全開。表面にはサボテンや砂漠の雰囲気を思わせるイラストと、ピニャータ(くす玉人形)のイラストが中央上部に配置されています。

蓋を開けると、半紙フォームの窪みに収まったペアの本体と、その下にブラウンのレザー調ケースが入っています


付属品

- イヤホン本体 ×1ペア
- イヤーピース 合計7ペア
- ケーブル×2 (3.5mm / 4.4mm)
- ケース×1
- クリーニングクロス
その他、説明書など
イヤホン本体
本体のフェイスプレートは、光の角度によってオレンジ・黄色・緑と、オーロラのような反射をするデザイン。 写真ではオーロラのような揺らめく色が伝わらないのが残念。

ハウジングは標準的な大きさですが、窪みは大きく取っていて装着感を気遣ったデザインです。

ケーブル
ケーブルは2本セットで、3.5mm(マイク付き)と4.4mmバランスが用意されていました。モジュラー式の1本で済ませるブランドが多い中、まるっと2本入っているのは少し驚きです。
イヤホン本体の配色とちゃんと合わせてあるあたり、細部まで作り込んでいる印象ですね。

イヤーピース
イヤーピースは3種類、合計7ペアと豊富。色付きのイヤーピースが個人的には好み。

ケース
同ブランドではおなじみのケースとクリーニングクロスが付属。

装着イメージ
耳に装着した状態を見ると、シェルはやや大きめですが、耳介にはスッポリ入りやすい形状でした。ノズル径はやや太めなので、耳が小さめの方はやや心配かも。

音質について
「Juzear x Vivir Digital Fiesta 」の特徴をいくつか書き出すと…
- 空気感のある低音
- 穏やかで滑らかな高域
- ビート重視のジャンルに!
- リズムを楽しく聞くイヤホン
- 低音は重低音を主軸に
重低音寄りの嗜好性の高いイヤホンという印象! 重低音を主軸とし、それ以外は穏やかなチューニングなので重低音が含まれない楽曲はそこまで低音の主張を感じさせないのもポイント。
周波数特性
実測データは以下の通りです。
(IEC711/IEC 60318-4 clone / 1/12oct (1kHz) @ 94dB )
※8KHz付近は計測器の特性上共振しやすい帯域で、実際よりもピークが強めに出やすいことを理解の上でご覧ください。
平均値

左右差

4ドライバー構成なのに恐ろしいほどマッチングが優秀ですね(・o・)
評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
試聴環境
- Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
- Lotoo PAW GOLD TOUCH
- 付属イヤーピース
ショートインプレッション
「Juzear x Vivir Digital Fiesta 」をざっくり表現すると、『重低音のブーストが巧みで、重いリズムを楽しく刻めるノリノリのイヤホン』だと思いました。
全体的には穏やかで暖色なフラットなサウンドの中に、重低音だけをピンポイントでブーストをかけたような鳴り方をする、独特のチューニングが施されたイヤホンだと思います。
空気を揺らすような振動や重さを味わえるイヤホンで、かといって重低音以外の帯域は穏やかなので重低音が含まれていない楽曲はむしろ低音が抑えめでキックもやや軽めにも感じるくらいの、バランスに優れた普通のイヤホンみたいな顔をします。この表情の切り替えが巧みです。
なのに、EDM・ヒップホップ・ラテン音楽を再生してみると、あら不思議。地鳴りのような空気感のある低音がズンズン体に染み渡るように響く、趣味性の強い個性の塊みたいなイヤホンに早変わりします。まるで二面性のあるイヤホンのようでした。
ボーカルは昨今の製品に比べると少し奥まった位置にありつつも、埋もれない立ち位置でしょうか。高域は刺さりのない滑らかな仕上がりです。細かい解像感やステージの広さを求めるとやや物足りなさを感じる場面もありそうですが、音量を上げてもうるさくならないので、ボリュームを上げやすいのも特徴ですね。
低音域
まるで映画館の音、あるいはサブウーファーのような空気を含んだ重い低音をズンズン鳴らします。少し尾を引くようにキレは遅めで丸みのある質感、重みがありつつ耳あたりは優しく、自然とリズムに乗りたくなるようなグルーヴ感や弾みを感じやすい、心地よい低音でした。まったりした楽曲なら、深く柔らかく包み込まれるような雰囲気も味わえると思います。
サブベース付近を極端にブーストした独特のチューニングで、中低音付近は予想に反して厚みも控えめでした。低音番長タイプのイヤホンとは全く異なり、サブベースが入っていない限りはむしろ低音特化型機よりも控えめに、キックも軽めに鳴るのが特徴だと思います。これが先ほどの二面性を生み出しているのでしょう。
空気感はどことなくスピーカーで聴いているような感じがあります。キレが遅めというのが、まさに空間へ広がっていく感じで、スピーカーらしさにつながっているのだと思います。
中音域
中域は全体的に落ち着いた鳴り方で、弦楽器やピアノもそこそこの煌めきを乗せた質感で鳴りますが、やや空間の中央付近で音が食い合うところがあり、楽器同士の分離という点では価格なりというのが正直なところです。とはいえ、少ししっとりとした質感を残して優しく鳴りつつ明瞭度もキープしているので、この優しめの描写が好きな人は多いと思います。ギターのエッジを立てるほどの明瞭度はありません。
ラテン系の楽曲を聴くと、中域の温かさが楽曲の雰囲気や低音の深さ、重く低いキックと見事に調和し、一体感のある鳴り方に変わります。日本のポップスでは引っ込みがちだったボーカルも、ラテン系の楽曲では自然にフォーカスが合うようになるのが面白い。
ボーカル
男性ボーカルは太く厚みのある声質のアーティストと相性が良く、力強く楽曲に溶け込みます。少し野心を感じさせるようなシャウトが気持ち良いです。女性ボーカルは、ややエッジを効かせた歌い方をするアーティストとは相性が良いものの、一般的な日本のポップスの歌い方だと引っ込んでしまう印象が少しありました。吐息や暖かみといった人間らしい表現そのものは熱量豊かに再現されるので、声質さえ噛み合えば美しいボーカルを聴かせてくれると思います。
デスパシートや、シャキーラのWaka Wakaなど、やはりラテン系の楽曲との相性が非常に良く、自然にボーカルへフォーカスが合います。
高音域
高域はここまでの方向性から逸脱することなく、滑らかにマイルドへ、刺激的な音を抑える方向でまとまっています。金属質な音も丁寧で誇張がなく、自然な減衰を伴う鳴り方なので、刺さりや耳の痛みは感じません。
空気感や余韻という部分では自然でアナログな鳴り方なので、一聴しただけではあっさり。でもよく聞けば余韻も消え際の線材なディテールも実は表現されている印象で、それほど情報が欠落しているとは個人的には思いません。
よく聞かないと余韻が控えめなイヤホンに聞こえるかも。
音場・空間表現
空間はそれほど広さを感じず、標準的で、頭の外まで音が抜けていくほどの広がりはありません。ただ、帯域ごとの音の分離は良く、低音・中域・ボーカル・高域というレイヤーを感じながら音を浴びることができると思います。
少し厳しく言うと、音の密度が上がってくると、前方や中央に音がぎゅっと集まって団子のようになりがちです。やはりポップスよりもラテン系、音数が比較的少なめな楽曲のほうが気持ち良く聴こえます。
解像度
分析的な解像度や繊細な描写を求めるイヤホンではありませんし、モニター的な表現を期待するのも違うと思います。どちらかといえば、全体の雰囲気やノリ、熱量を優先した鳴り方を楽しむイヤホンです。
とはいえ味付けがそこまで濃いわけでもなく、重低音を含まない楽曲ではアタックやメリハリが抑えられて穏やかな心地よさを感じる程度には解像度も十分で、1万円台に収まるイヤホンとしては平均的な水準は備えていると思います。完全な重低音特化型というわけではなく、何でも重低音を強く鳴らしてしまう性格ではないところも良いところ。
長所と短所
長所
- 深く自然な重低音
- 中低音は必要な分だけ。
- 重低音以外は穏やかな特性
- ケーブルが2本付属
短所
- 高域のディテールは抑えめ
- 中域はニュートラル気味(ひっこみ気味)
- 解像度や空気感は値段なり
- ノズルちょい太い

2面性があるイヤホン。全体としては穏やかウォーム。重低音が原音にあるかないかでキャラが違う。
総評と感想
「Juzear x Vivir Digital Fiesta 」は、低域の楽しさに振り切った性格の強いイヤホンだと思いました。サブベースの沈み込みと、疲れにくい滑らかな高域の組み合わせは、ラテン系の楽曲をはじめリズム重視のジャンルととても相性が良かったです。
また何度も言ったように、重低音が含まれていない楽曲は、極普通のイヤホンのような顔をして鳴らし、重低音が入った曲はお腹に響くように空気感たっぷりで重低音を鳴らしてくれます。
自分の聴くジャンルとチューニングの方向性がはっきり噛み合う方には、かなり満足度の高い一本になりそうです。
こんな人におすすめ
- リズム感ノリノリで音楽を楽しみたい方
- 夜間や小音量でも満足感のあるサウンドを求める方
- 低音の物理的な迫力や沈み込みを重視する方



ドゥンドゥンドゥン♪
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