今回レビューしていくのは、「Xenns Mangird Tea Pro」です。
いわゆるミドルハイの激戦区に位置する一本ですが海外で高い評価を受けており、XENNSブランドの中でも人気の機種で大変売れ行きの良いモデル、期待が高まります。

2基のダイナミックドライバーと6基のバランスドアーマチュアドライバー、計8基を内蔵したハイブリッド構成となっています。
製品概要
Xenns Mangird Tea Proは、初代Mangird TeaおよびMangird Tea MKIIで培われたサウンドコンセプトをベースに、ドライバー構成やチューニングを現代的に再設計したハイブリッドイヤホンとのこと。
本作には新たなデュアル8mmバイオコンポジット振動板ダイナミックドライバーを採用しており、従来モデル以上にレスポンス性やサブベースの表現力を強化、低歪みを維持しながら、より深い沈み込みと力感のある低域再生を目指した設計となっています。
中高域には、Knowles製のRAD 33518を2基、RAF 32873を2基、さらにRDB 34834コンポジットドライバーを1基搭載。従来世代よりも自然な音色感や質感表現を重視した構成となっており、ボーカル帯域の明瞭感や高域の解像感向上にも力が入れられています。
チューニング面では、これまでのMangird Teaシリーズに寄せられたフィードバックを反映したものとなっているとのこと。
仕様
| 構成 | 2DD + 6BA (デュアル8mm バイオコンポジット振動板) Knowles RAD 33518×2 / RAF 32873×2 / RDB 34834×1 |
|---|---|
| 再生周波数帯域 | 20Hz~22kHz |
| コネクター | 0.78mm 2Pin |
| 発売日 | 2024年8月 |
| 価格 | 359ドル |
パッケージ
パッケージはスカイブルーを基調としたデザインで、アーティスティックな黄色とスカイブルーが描かれたパッケージ。

開封すると、内部はスポンジ素材で丁寧に区切られており、本体・ケース・アクセサリー類が綺麗に収められています。

最近はミドル帯の製品でも簡素なパッケージも増えていますが、本機は開封体験そのものもかなり丁寧に作られている印象。
付属品

- イヤホン本体 ×1ペア
- シリコンイヤーピース ×3種類
- キャリングケース×1
- キャリングポーチ×1
- ケーブル ×1
- クリップ ×1
- クリーニングツール ×1
その他説明書の類等
イヤホン本体
イヤホン本体は金属製ですが軽めに仕上がっています。
フェイスプレートの外観は、青と緑、金色のラメが散りばめられており、どこか地中海を彷彿とさせるデザインになっています。(地中海をイメージするのは私だけだろうか)

金属筐体の表面はサラッとしていて手触り良く皮脂が付着しても気にならないのがポイント。

ケーブル
プラグ交換式のケーブルが付属。
やや固めでキツめにツイストされているので、ややゴワっとした感じもありつつ、通常使用に困らない程度の柔らかさは確保しています。

イヤーピース
フォームタイプは2ペア、シリコンタイプは3ペアの合計8ペアと豊富な種類と数が用意されています。

その他
鮮やかな配色のケースと、ポーチ・クリーニングツール・クリップが付属します。
付属品としては十分すぎる満足度ですね。

音質について
『Xenns Mangird Tea Pro』の特徴は…
「音楽に沈み込み、気づいたら時間を忘れるリッチなリスニング系イヤホン」という感じです。
サブベースに豊かな沈み込みを宿しつつ、中域は密度感のあるウォーム傾向で、高域は派手さよりも滑らかさを優先したリッチで心地よい音色が特徴のイヤホン。音楽に浸って沈み込むような魅力あるサウンドが特徴です。
周波数特性
実測データは以下の通りです。
(IEC711/IEC 60318-4 clone / 1/12oct (1kHz) @ 94dB 左右平均)

※8KHz付近は計測器の特性上共振しやすい帯域のため、実際よりもピークが強めに出やすいので無視してご確認ください。
評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
試聴環境
- Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
- Lotoo PAW GOLD TOUCH
- 付属イヤーピース
ショートインプレッション
一聴してすぐに感じられたのは次の3つの要素。
極めて高い質感でリッチな低域。そしてしっとり滑らかかつ、程よいエッジの聞いたボーカル。さらには少し弾けるような明るい高域。
上の帯域を喰ったりマスクしたりせず、重心を低めに持って厚みよりも重みやリッチ感のある低域で、中低音付近が膨らまないので曇ったり一切しません。そして程よいエッジ感のあるボーカルの中にしっとり滑らかで温度感を帯びた人間味のあるボーカル表現で、特に女性ボーカルが艷やかに聞こえるのが気持ち良い。
高域には弾けるようなスパークルな質感がありつつも荒さがなくシルキーさがあるような、音粒の最小単位がしっかり細かく結果的に滑らかに仕上がってるような、そんな出音に仕上がっています。
好みが分かれそうだなと思ったのは定位や空間表現の部分で、やや音が横に引っ張られていて包まれ感のある、そんな空間表現になっているので、ここに違和感を感じるか感じないかで評価が分かれそうだなと思った所。これも、モニター系ではなくリスニング向けの調節だなと感じた部分でもあります。
低音域
特にサブベース帯の沈み込みの深さと、その質感の豊かさが秀逸だと感じます。20Hz付近にしっかりとした量感があり、ベースの一音一音が”重さ”と”余韻”を伴って沈んでいくような描き方をします。
中低音は一切膨らませずに膨らまず、キックドラムのアタックは輪郭を保ったまま中域へと抜けていくような感じ。
“低音モリモリで中域が濁る”タイプとは低音の盛り方が異なります。 上を喰わない重心の低い部分を上手に盛られているチューニングです。深さや重さのみが盛られている感覚です。
しかし中低音付近は相対的に弱いので低音の輪郭は曖昧…甘め?です。エレキベースのブリブリと輪郭と弾力でリズムを刻む音はやや丸めすぎてるような感じも。人によって感じ方は違うかもしれませんが、客観的な評価としては中低音付近の表現の弱さは気になる方もいるのではないかと思います。
楽曲やイヤーピースによってはブーミーに振れる場面もあるような気はしています。ここはフィット感を詰めていくとさらに低域の輪郭がクリアに見えてくると思います。 後は結局好み(逃げ)。
中音域
中域は密度感のあるウォーム寄りで、生楽器が滑らかで落ち着いた表現です。アコースティックギターやピアノには程よい厚みがあり、弦楽器も中域帯で丁寧に整列して鳴ってくれます。
解像感で押し切るタイプではなく、弱めのふくよかさと密度感で楽器を落ち着いて聴かせるアプローチに分類されると思います。各楽器が空間にきれいに配置されつつ、輪郭の角を適度に丸めずに描き出してくれるバランス感は好ましいですが、生っぽくパンチがあるかと言われれば上品にまとめ過ぎてる感じもあり、実体感のある表現を突き詰めたい方には、ニュートラルすぎる、滑らかすぎる。なんて感じ方になる可能性があります。
ボーカル
ボーカルは評価高めで温度感のある自然な質感で、男女ともに前方寄りに、距離感近めに描かれます。女性ボーカルの艶感は秀逸で、声の輪郭が柔らかく立ち上がりつつも、息遣いやニュアンスがしっかり伝わってくる上品で艶っぽい鳴り方が好印象です。
中高音に少しだけパンチがあり、おかげで声の存在感は十分。ただし高域側がシルキーに整えられているおかげで、サ行の刺さりは少なく、ボーカル表現にフォーカスしていても声に疲れることはなさそうです。
楽曲によっては刺さる場合もあるかもしれませんが、方向性としては全体的に”穏やかに、シルキーで艶っぽく“という鳴り方かと思います。
高音域
高域は派手に主張せず、滑らかにシルキーに音粒の最小単位が小さくナチュラルに伸びていくタイプですが明瞭度は抜群にあります。
シンバルやハイハットのアタックは破綻なく描かれ、ピーキーな鋭さや刺さりはほとんど感じませんでした。一方で、ギラつきや積極的な弾けるような鋭い高域を期待する方には、控えめでしょうか。
伸びやかさはありますが、低域のリッチさや全体的な音の丁寧さをしっかり考慮し、確かな高域の情報量はあるけど優しくまとめている。そんな高音域でしょうか。
音楽全体の調和を優先したチューニングと捉える方がしっくり来ます。長時間リスニングしても刺さりや疲労感がほぼ出てこない点は、高く評価したい所です。
音場・空間表現
音場はちょっと面白い鳴り方。横方向に広がるだけとはまた違い、頭の周りを取り囲むように音像が定位し、包まれ感のある空間を構築するタイプだと感じました。あまり前方からナチュラルに音を聞いている感覚がないのです。
「広い」と評するか「サラウンド感溢れるような鳴り方」と評価するかは聴き手の感じ方次第ですが、私自身の感覚では、開放感よりも”包み込まれる感覚”のほうが先に立つ鳴り方だと思います。本来の位置関係からはやや加工感はあるものの、楽器同士の分離やレイヤリングも良好で音楽に浸りやすいのは好印象でもあり、人によっては評価が難しいところ。
解像度
解像感は価格帯としては十分以上、ただし飛び抜けて高解像なタイプではない、というのが正直な評価です。
微弱音まで拾って鳴らす感度の高さはそこまでありませんし、楽器同士が自然に溶け合いながら必要なディテールを描き出していく、リスニング的なチューニングで分析的な音ではない方向性の表現と言えそうです。
より解像度の高い、分析的に音が俯瞰的に見えてくるような競合製品はまだたくさんあるとは思いますが、音楽的な完成度では本機が同価格帯の中でも常時トップレベルだなと思います。スペックで殴るタイプではなく、音楽として聴かせるタイプ、と捉えるとしっくり来るかと思います。
ダイナミクス
ダイナミクスを主張するタイプの製品ではありませんが、隠れたダイナミクスが爆発するのがオーケストラやサウンドトラック系のインスト等です。繊細な弱い音はそっと…強い音はハッキリダイナミックに!そんなコントラストのある表現が上手です。
装着イメージ
標準的な大きさのハウジングで装着感も形状が良く、カスタムIEMのようにフィット感のある印象。
耳の輪郭に沿ってすっぽり入る形状による遮音性の高さも効き、没入感があります。

長所と短所
長所
- 質感豊かで深く沈むサブベース、輪郭を保ったままの厚みのある低域
- 温度感のある、艶やかで自然なボーカル
- 滑らかで疲れにくい高域、長時間リスニング適性の高さ
- モジュラー対応の純正ケーブルなど、付属品の充実度
- 外観の美しさ
短所
- 音場が”頭の周りを包む”タイプ
- 付属ケーブルがやや硬め
- イヤーピースとのマッチング次第で低域がブーミーに

とにかくパワフルで元気で、それでいて暴れない制御の良いイヤホン。
総評と感想
「Xenns Mangird Tea Pro」は、音楽性に重心を置いたウォーム寄りのU字に、中域の滑らかさや丁寧さを両立させた完成度の高い一本だと感じました。
サブベースの豊かさとボーカルの艶を主役に据え、高域は存在感はしっかりありますが、派手に出さず全体の調和を優先する完成度の非常に高い長時間でも疲れにくいリスニング機としての完成度は高いと思います。
価格は300〜500ドルの激戦区に位置しますが、装着感や遮音性まで含めたトータルバランスは非常に高く、「初めての300ドル超えハイブリッド」を探している方にも、自信を持ってお勧めできるモデルだと思います。
こんな人におすすめ
- サブベースの沈み込みと質感を重視する方
- ウォームで艶のあるボーカル表現を好む方
- 長時間のリスニングでも疲れにくい音作りを求める方



非常に完成度の高いリスニングホン。
購入先
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本記事はAliExpress様よりPRの機会をいただき執筆しました。このような機会を頂き心より感謝申し上げます。
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