ivipQ A16 Blue Grain レビュー|迫力よりも精度。音を整頓して見通す実力派ケーブル

本ページには広告が含まれます。

ご紹介するのは…ivipQ A16 Blue Grainです。

色付けで勝負するのではなく、総合力で押してくる感じ。銀メッキ線らしいシャープさと、しっかり重さのある低音。音を一粒ずつ整頓して並べていくような描き方が印象的なケーブルです…!

ivipQ A16 Blue 金具・パーツ類
金具・パーツ類
目次

製品について

導体

ivipQ A16 Blue Grainは、“マルチストランド金メッキ銅銀メッキパラジウム合金”を採用した8芯ケーブルです。
導体構成については商品ページの記載をそのままご紹介しているため、具体的な構造や訳出の正確さまでは十分に行き届いていない可能性がある点、あらかじめご了承ください。

外観など

全体像

透明の被覆越しに、金色系と銀色系の素線が混ざり合って見える独特のルックスなのですが、遠目にはオリーブ的な色合い。寄るとしっかり2色が撚り合わさっているのが分かります。

ivipQ A16 Blue Grain 全体像
全体像

やや重量感のある、しなやかなタイプ。被覆が薄めな分、線材そのものがたっぷり使われているのか、手に取ると密度を感じます。

ただ硬さやゴワつきはなく、しなやかに曲がってくれるので取り回しで苦労することはないはずです。8芯としては標準的〜やや重めといったところで、屋外での使用も問題ないレベルかと。

金具パーツ外観

「Blue Grain」という名前ですが、実際に青いのは金属パーツの方ですね(笑)

パーツ類はブルーアルマイトなアルミ削り出しで統一。スライダーにはシルバーのリングがアクセントで入っているのがオシャレ。

ivipQ A16 Blue 金具・パーツ類
金具・パーツ類

線材

クローズアップで撮ると素線の一本一本まではっきり見えるくらい、被覆は薄めに作られている印象です。この手の「導体・素線が見える」タイプの被覆は、写真映えという意味でも強いかも。

ivipQ A16 Blue 線材クローズアップ
線材クローズアップ

プラグ

4.4mmプラグは、ロジウムと金メッキのコンビ仕様のプラグです。

ivipQ A16 Blue プラグ
プラグ

音質について

箇条書きで、本製品から得られた印象を書き上げると以下のような印象です。

  • 銀メッキ線に非常に近い、シャープで透明度の高い鳴り方
  • 低音は量感ではなく「重さ」が少しだけ加わるタイプ
  • 癖のない無味無臭な音色
  • 音を丁寧に整列させて俯瞰的に描く、モニター的な整頓型
  • 余韻・空気感・奥行きのレイヤーは控えめだがそのぶん細部が見えやすい
  • 解像感を誇示しない底力

味付けや誇張が抑えられたモニター基調な高解像度ケーブルという感じ。意識した音がしっかり見えてくるケーブルで、今までこういったケーブルが少ないのが不思議なくらいです。

変化する音域
減少
-2
-1
高音域
+1
+2
増加
減少
-2
-1
中音域
+1
+2
増加
減少
-2
-1
低音域
+1
+2
増加
音の傾向
暖色
寒色
しっとり感
減少
増加
キレ
ゆったり
早い

グラフで描けるほどの大きな振れ幅がありませんでした。

試聴環境

※多ドライバー、1DD構成、フルBA等のイヤホンで評価基準にしているケーブルを聴き比べ、感じられたことや変化を書き出します。

  • Lotoo PAW 6000
  • THIEAUDIO Monarch MKIII 
  • MoonDrop 竹 CHU2
  • Softears Studio 4
  • 他、評価基準にしているケーブルなど

ショートインプレッション

飛び道具的な色付けで勝負するのではなく、総合力で押してくる。鳴り方は銀メッキ線に非常によく似ていて、音がシャープで透明度が高く、それでいて低音にはしっかり重さがある。全体的にちょうど良いレスポンスで勝負しているような、どこかの音像だけが突出してくる印象のないバランス型です。分かりやすくバランス型で特徴が少ない。

温度感はニュートラル。寒色にも暖色にも振っておらず、明確な色を持ちません。銀メッキ系というと寒色方向に傾くものも少なくない中で、これは温度をあまり意識させないケーブルだと思いました。音色そのものも割と無味無臭で、癖らしい癖や強い特徴がないので良い意味で「普通」なんですよね。この普通は物足りないという意味ではなく、余計な演出なしにそのまま出てくるという意味での普通です。

方向性としては、リスニングに強く寄せるというよりも、モニターイヤホンのように音を丁寧に整列させ、俯瞰的に描き出して整頓させるタイプ。迫力よりも精度、演出よりも整頓。この一貫した思想が、全帯域を通して感じられました。

低音域

いくつかのケーブルと比較しても、低音の量感そのものが増える感じはありませんでしたがその代わりに感じられるのが「重さ」です。より正確に言えば、肉付きが増えるというより、重さが加わる方向。ズシンとくる部分の質量が増して、下方向への説得力が出る感じです。ベースやキックの輪郭が太くなるのではなく、そこに乗っている重量が増す感覚が近いかもしれません。でもこれもあくまで「少し」の範囲。ブーミーになったり、低音が主張して他帯域を覆い隠すようなことはありません。収束も早いので、重さが加わっても後を引かない適度なレスポンスがあります。

中音域

ボーカルも楽器類も適度なシャープネスで透明度高く、メリハリはやや抑えめに丁寧に鳴らす印象。
中域も全体の思想通り、音を丁寧に並べていく描き方。情報量の多い曲での崩れにくさも感じました。音圧の高いポップスでも濁りにくく、オーケストラの和音もごちゃごちゃにならずに整頓されて出てくる音の数が多くなっても混濁せず、アンサンブルとしてきちんと美しく鳴ってくれる印象

解像感を派手にアピールしてくるタイプではないのに、こういう場面で崩れないあたりに解像度の高さ的な底力を感じます。解像度を「魅せる」のではなく、結果として解像している、という流れ。
聴き込むほど実力の高さに気付かされる中域という感じ。

ボーカル

僅かに銀メッキののようなエッジの聞いたボーカルの質感。誇張してない透明度というのがベースにあります。
ボーカルは近く聞こえ、一聴して明瞭に感じやすいのですが、ボーカルと楽器のレイヤーがそこまで強く分離していないこと。ボーカルだけが手前にせり出してくるのではなく、楽器と近いレイヤー感の中で、それぞれが明瞭に並んでいるという表現になります。

ボーカルを特別扱いして主役に据えるのではなく、ボーカルも楽器も等しく整頓して見せる感じ。
歌モノを歌モノとして際立たせたい方には物足りなく映るかもしれませんが、楽曲を一つの構造物として俯瞰したい方にはむしろ好ましいバランスだと思います。モニター的な音が好きな方にしっかり向きますね(笑)

高音域

丁寧で突出感はないけれど、微細な音はしっかり拾うモニター系のイヤホンのように、細かい音を過不足なく並べていく出し方ですね。

ただし金属音にリアリティのある余韻を持たせるような鳴らし方はしません。シンバルやトライアングルの響きが空間に溶けて長く残る、といった表現は控えめです。伸びやかに天井まで抜けていくタイプではないのですが、かといって頭打ちになるわけでもない。必要な帯域は素直に出しつつ、そこに情感を乗せることはしないという割り切りを感じます。 とても素直と言い換えられそうです!

刺激的に主張してくる場面もないので、長時間聴いていても疲れにくいはずです。

空間表現ダイナミクス

空間は標準的な広さで、過不足なく不満のない広さです。

ただし余韻や空気感、奥行き方向のレイヤー感はやや控えめ。全体的に音の収束が早く、響かせたり余韻豊かに没入感を狙うタイプではありません。

これは一見すると弱点のように感じますが、狙いとして考えると腑に落ちる部分でもあります。広さで包み込むのではなく、丁寧に並べたうえで、聴き手がフォーカスしたい音に意識を向ければその音がしっかり聞こえてくる。そういう設計の空間表現なのではないでしょうか。
実際、収束が早いぶん音の細部が見えやすく、意識した部分の音を観察しやすい。リスニング寄りのケーブルだと音を少し滲ませたり周囲に溶け込ませたりする部分がありますが、これはそうではありません。輪郭を保ったまま、きっちり定位置に収めてきます。

音場が広すぎると音が散らばって聴こえるのが苦手、という方は一定数いらっしゃいます。そういう方にはむしろ、この整頓された空間の方が合うはずです。

ダイナミクスについては、突出した音像が少ないおかげか、音量を上げても破綻しにくい印象がありました。特定の帯域が暴れ出すことがないので、大きめの音量で聴いても耳につきにくい。
この安定感もバランス型ならではの強みだと思いました。

総評

ivipQ A16 Blue Grainは迫力よりも精度、演出よりも整頓という一貫した思想を持ったケーブルなのではないでしょうか…!?

派手な色付けや強い個性で聴かせるタイプではなく、むしろ癖のなさ、素直さこそがこのケーブルの性格。
銀メッキ線らしいシャープさと透明度を土台に、低音には過度でない重さを添え、全帯域を同じ精度で整列させていく。ボーカルも楽器も等しく扱い、特定の音像だけを持ち上げることはしない。空間も広さで勝負するのではなく、フォーカスしたい音に意識を向ければそれがきちんと聞こえてくる、という設計になっています。

この「地味さ」が聴き込むほど評価が上がっていく。第一印象は良くも悪くも分かりやすい普通~のバランス型なのですが、音圧の高いポップスやオーケストラの和音といった情報量の多い場面で、まったく崩れない。解像感を魅せに来ないのに、結果としてしっかり解像している。ここに気付いた瞬間に、このケーブルの立ち位置が見えてきます。

余韻や空気感で魅了するタイプのケーブルではないので、没入感を求める方には物足りないかもしれませんが、ただ、音楽を一つの構造物として俯瞰し、聴きたい音を自分の意思で追いかけたい方にとっては、これほど素直に応えてくれるケーブルもそこまで無いと思います。過去にレビューした製品にこのようなタイプは無かったような気がします。
癖のなさゆえに手持ちのイヤホンを選ばず、素性をそのまま引き上げてくれるという意味でも、汎用性の高いケーブルだと思います。

派手さで選ぶケーブルではなく、長く付き合ううちに信頼が積み上がっていくタイプ。そんな評価が似合うケーブルでした!(笑)

こんな人にオススメ!

  • 迫力よりも精度、演出よりも整頓を求める方
  • モニター的に音を俯瞰して聴きたい方
  • 音場が広すぎると音が散らばって感じてしまう方
  • 大編成や音圧の高い楽曲をよく聴く方
  • 癖のない、素直な銀メッキ系の音が好みの方

珍しいモニターっぽいタイプのケーブル。使えば使うほど真価がわかるタイプかも。

購入先

筆者に質問してみようコーナー

mondにて匿名の質問を受け付けております、興味があれば是非質問してみてください!

本記事はivipQ様よりPRの機会をいただき執筆しました。このような機会を頂き心より感謝申し上げます。
執筆にあたり、金銭等の対価は一切発生しておらず、内容は当サイトのレビューポリシーに基づく筆者自身の体験と個人的な見解のみで構成しています。

ivipQ A16 Blue

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

メディアサイト「Trefle Lab」を運営しています。
積極的にオーディオ製品やガジェットなどもレビューしています。

目次