今回ご紹介するのは『Linsoul Avant 』です。
これまで数えきれないほどのブランドを世界に紹介してきたLinsoulが、ついに自身のブランドを冠したイヤホンを出しました…!片側にダイナミック2基、BA3基、そして流行の兆しのあるMEMSドライバーを載せたトライブリッド構成。一体どんな仕上がりなのか、レビューしながら試していきたいと思います\(^o^)/

AliExpress様より、ご紹介のために製品をご提供頂きましたが、内容は当サイトの下記のレビューポリシーに基づく筆者自身の体験と個人的な見解のみで構成しています。
製品について
Linsoulは中国・深圳を拠点とするポータブルオーディオの通販・流通会社で、THIEAUDIO、Kiwi Ears、ZiiGaat、Tripowinなどのブランドを扱っており、自社サイトに加えてAmazonとAliExpressにも公式ストアを開く知名度の高いブランドです。
『Linsoul Avant 』は、そのLinsoulが自社ブランド名で初めて送り出したイヤホンです。調べてみると2026年夏のCanJam Londonなどでプロトタイプが展示されていたようです。
ドライバーは片側6基のトライブリッド構成で低域用に10mm PET振動板のダイナミックドライバーを2基、振動板同士を向かい合わせるアイソバリック構造で組み込んでいます。中域にはDibei 653011 BAを2基、高域にはKnowles 33518 BAツイーターを1基使い、さらにMEMSドライバーを1基加えています。チューニングは温かみのあるニュートラルを目指しているようです。
| 構成 | 2DD+3BA+1MEMS 10mm PETダイナミック×2、BA×3(Dibei 653011×2、Knowles 33518×1)、MEMS×1 |
|---|---|
| 再生周波数帯域 | 20Hz〜45kHz |
| インピーダンス | 12Ω |
| 感度 | 104dB @1kHz |
| 発売日 | 2026年8月21日 |
| 価格 | 369ドル Amazon.co.jp 61,800円(税込) |
パッケージ
パッケージは正面には本体の写真と背景にLinsoulのロゴを大きく配置したデザイン。Linsoul初の自社ブランド製品を掲げる製品として相応しいパッケージに仕上がっています。

フタを開けると、左に本体、右に付属品が入った箱がスペース分けされつつ収まっています。

内容物
付属品はケーブル、3.5mmと4.4mmの交換プラグ、キャリングケース、イヤーピース、ユーザーマニュアルなど基本を抑えたものがしっかり入っています。

- イヤホン本体 1ペア
- ケーブル
- 交換式プラグ(3.5mm/4.4mm)
- セミハードケース
- イヤーピース 3種類
- 説明書など
イヤホン本体
フェイスプレートは鏡面のパネルに波のようなラインとLinsoulのロゴマークを刻んだデザイン。まわりのハウジングはマットなシルバーで、つやのある面との質感の違いがはっきり出ています。マットな部分はサラッサラで指紋が付かず手触りが良い…!

シェルの内側には「AVANT」の刻印。ノズルはちょっと短めにも見えますね。
すぐそばにメッシュで覆われた小さな穴が開いています。

ケーブル
ケーブルは銀メッキ線材を太めに編み込んだタイプです。プラグ側の末端はソケット式になっていて、3.5mmか4.4mmのプラグを差し込んで使います。ロックするような手間が無いので扱いやすいですね。
(長期使用で抜けやすくなったりしないかだけ少々心配ですが。)

ケーブルは太めながら適度な重量感と高い柔軟性があり、取り回しはかなりストレスフリー、タッチノイズも気になりません。
イヤーピース
イヤーピースはクリアタイプとスモークタイプの液体シリコン系がそれぞれ6個(3ペアずつ)、黒いフォームタイプが1ペア。クリア・スモークタイプのどちらもペタッと滑らず固定力があるイヤーピースだと思います。

ケース
ケースはブラウンのレザー調で、ファスナーで開け閉めするタイプ、ちょっと小さめ。ちょっと渋いデザインで所有欲を満たしてくれます。

装着イメージ
イヤホン本体のサイズ感は標準~やや大きめという印象。耳の形状には個人差がありますが、私の耳にはぴったり隙間無く入って装着感抜群でした。ノズルは少々短めなので、あまり浮かさずにピッタリくっつけた方が装着感が良かったですね。

音質について
『Linsoul Avant 』ってどんなイヤホン?
- ニュートラル寄りに、少し暖かみを足した音色
- 穏やかで優しく、温かみのある出音
- 質感の良い上品な低域
- ギターやベースに厚みが乗る中域
- 高域はよく伸びて、ざらつきが少ない
ニュートラルを軸に温かみを乗せた、聴きやすさと万能性を両立した音です!MEMSを使った高域は繊細に伸びつつ粗さや雑味を感じにくいのが完成度高し…!全体的に少し穏やかで柔らかく広がるような優しいニュアンスを感じさせる音ながら、解像度も369ドル製品として満足度もかなり高め。緩やかなUカーブな特性でバランスが良く、ジャンルを選ばないのがGood。
周波数特性
実測データは以下の通りです。
(IEC711/IEC 60318-4 clone / 1/12oct (1kHz) @ 94dB)
※8kHz付近は計測器の特性上共振しやすい帯域で、実際よりもピークが強めに出やすいことをご理解の上でご覧ください。
平均

左右

評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
試聴環境
- Lotoo PAW 6000
- Lotoo PAW GOLD TOUCH
- 付属イヤーピース(スモークタイプ)
全体的な音色や特徴
ニュートラル&フラットを軸に、低域と高域を緩やかに持ち上げた緩やかなUカーブ的な、イヤホンの設計の基本というかお手本というかリファレンス系、みたいな言い方が合いそうなキャラクターでした。圧はしっかりあるのに穏やかで優しいニュアンスのある出音で、そこに温かみも乗るのでとにかく聴きやすい音作りで万能性の高い音に仕上がっています。…ちょっと明るめでもあるかな?
向かい合わせ(アイソバリック構造)の2DDは低域を余裕たっぷりに鳴らし、MEMSのおかげで高域の情報量もかなり豊か。それでいて粗さやザラつきは感じず、MEMSドライバーを完全に手なずけた鳴らし方という印象もあったり…
Linsoulブランド初のレビュー作として考えると冒険はせずに、かなり堅実なチューニングで丁寧に仕上げてきたなぁと思います…!
低音域
多いというほどではないものの厚みと響き・広がりがあって物足りなさを感じにくい仕上がり…!
締まりもありつつ輪郭も程よく立てていて低音の像もボヤけない、非常に質感の良い出音になっていると思います。とはいえ、心臓に響くような重い低域は少なめ。優等生なキャラクターですね。ロックやEDMを再生すると、ちょ~っと大人しいかも?とは思いました(笑)
中音域
適度な厚みを感じる中域で、温かみを意図的に増やしたチューニングでもあります。楽器の低音成分をほどよく補ってくれるので、胴鳴りやエネルギー感、実像感がぐっと高まって聴こえますね。やはりピアノやアコギは温かみがある表現に振れる印象です。
この帯域の密度が高い楽曲では、少々混み合って聴こえる場面も無くはないけど、それほど気になるレベルではないかなと思います。
ボーカル
肉付きをはっきり足して、吐息の温度感や湿度感まで乗せてくるボーカル。声の細かな掠れや、そこから漏れ出る息まで生々しく聴こえました。MEMSも効いてそう…。
全体に感じた穏やかで優しいニュアンスはここでも健在で、声がフワッと柔らかく届きます。センター定位が明瞭なタイプなので、ボーカルがビシッと音の中心に収まるのも好印象。ボーカルが好きな方にもオススメしたいですね!
高音域
よく伸びるなぁ…!シンバルやハイハットを叩いたときの「パーン」に付いてくる細かな倍音や響き、金属らしい音色をしっかり残したまま、スッと上まで伸びていきます。
しかも繊細で滑らか。ザラつきや粗さを一切感じさせません。私自身かなり高域に敏感なほうですが、嫌味のある成分は感じませんでした。
MEMSドライバーのお手本みたいな鳴り方で、好印象です\(^o^)/
音場・空間表現
音場の広さは標準的…いや、微妙に少し広い?空間を無理に広げるような誇張は感じませんでした。
狭くも広くもなく、不満のない十分な広さですね。解像度は高く、分離もほどよく取れていて、音同士の余白もしっかりあります。上下左右にきれいな円形の空間ができて、そこに稀に近いかも?と感じる程度の距離感で音が配置される印象でした。
ダイナミクス
かなりコントロールが効いている印象です。厚みがあるので聴き応えはしっかりありますが、ダイナミクスそのものはやや抑えめで、穏やかな出音のイヤホンだと感じました。
静と動の落差や、パンチと重みのある低音といったエネルギー感を求めると、少々物足りなく感じるケースもあるかもしれませんね。
長所と短所
長所
- 仕上げの良い本体の作り
- MEMSを活かした伸びのある高域で、ざらつきが出にくい
- 低域のコントロールが効いている
- 音の情報量が多く、細かい音まで拾える
- どこか優しい響き、鳴り方
短所
- 低音の物理的な重さ・迫力は出にくい
- 音数の多い曲で、中域が稀に混み合う
- 鏡面部分は指紋が目立つ(笑)
- 交換プラグが抜けやすくなりそう。
音のチューニングそのものへの不満は少なく、短所として挙がるのは交換式プラグ抜けやすくなりそう…そんな程度です。音の満足度は個人的にかなり高め。
総評と感想
数多くのブランドを取り扱い、THIEAUDIOやKiwi Earsなどの自社ブランドも見てきたLinsoulが、Linsoulという自分ブランドで出した最初の1本。そう考えると、『Linsoul Avant 』は冒険せず、基本を外さないことを優先した作りです。
MEMSを含む6ドライバー構成という話題性はありつつ、音作りはリファレンス寄りで手堅く、しっかりと完成度高く音作りしてきた印象です。
悩ましいのは、300〜500ドル帯にLinsoul自身が扱うブランドの人気機種がめっちゃ多いこと(笑)
そのなかでAvantを選ぶ理由になりそうなのは、MEMSの高域を鋭さに悩まされずに聴けることや、大人しめのチューニングで堅実に仕上げた音作りであることでしょうか。
金属ボディや付属品を含めた全体の仕上がりはかなり良好。長く付き合える1本を探している人なら、候補に入れておいて損はないイヤホンかなと思いますね。
こんな人におすすめかも。
- ボーカル曲をじっくり味わいたい人
- ピアノやアコギを、温かみのある音で聴きたい人
- ジャンルを問わずいろいろ聴く人
- MEMSの高域は気になるけれど、鋭い音は苦手な人
控えめということもないものの低音の迫力や重さより、音の見通しや情報量を楽しみたい人にハマりやすいイヤホンだと思います。
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