今回ご紹介するのは…「HAKUGEI Soul」です。
透明な被覆の中でピンク・水色・銀・黒の素線が混ざり合っていて、見た目はかなり賑やか。なのに音のほうは、拍子抜けするくらい大人しいケーブルでした(笑)
味付けや誇張がほとんどなく、良さに気付くまでに少し聴き込みが要るタイプかなと思います。

HAKUGEI 様より、ご紹介のために製品をご提供頂きましたが、内容は当サイトの下記のレビューポリシーに基づく筆者自身の体験と個人的な見解のみで構成しています。
製品について
導体
「HAKUGEI Soul」は、“銀メッキ単結晶銅リッツ線+銀銅合金リッツ線(青)+銀銅合金リッツ線(赤)+6N OCCリッツ線(黒)”を採用したケーブルです。
1芯あたり40本×0.1mm(20AWG)、4芯合計160本、Type 4 Litzという構造になっています。
※導体構成については商品ページの記載をそのままご紹介しているため、具体的な構造や訳出の正確さまでは十分に行き届いていない可能性がある点、あらかじめご了承ください。

外観など
パッケージは深い緑色の化粧箱。ケーブルのケースとしては特異な大きさです。

フタを開けると、レザーケースとケーブル本体などが収まっています。贅沢なパッケージですね。

全体像
全体像としては、高級感がありつつもピンク・水色・銀・黒の素線が混ざり合っていて、どこかカジュアルな雰囲気のあるケーブル。

金具パーツ外観
金属パーツは、銀と金のツートンでまとめられています。なかなか高級感があります。耳掛け部分はチューブで癖付けされていました。

線材
線材に寄ってみると、透明な被覆の下で4色の素線が撚り合わされているのがよく分かります。ピンク、水色(青)、銀、黒の4色がそれぞれ導体の違いを表していて、見た目で構成を把握できるのは面白い。

プラグ
プラグは4.4mm 5極。金色のスリーブにロゴが入り、根元側の銀色パーツには星形のネジあり。

音質について
箇条書きで、本製品から得られた印象を書き上げると以下のような印象です。
- 誇張なし!ドがつくほどフラットな音色
- 下方向へ少しレンジが伸びる低音
- 音像のまわりの微細な音まで拾い上げる中音域
- 消え際の弱音と抜け感が増す高音域
- 左右に広げず、前方へ扇形に整頓される音場
- 派手さはないのに、聴き込むほど増していく立体感
挿した瞬間に違いが分かるタイプではありません(笑)
イヤホンが持つ素の音の純度だけを引き上げていくケーブルです。量感も音場もそのまんま。でも細部の情報量と立体感を静かに持ち上げ、聴き込むほど音が重なる場面での調和や響きの良さに気付かされる玄人向けすぎるケーブルです。
試聴環境
※多ドライバー、1DD構成、フルBA等のイヤホンで評価基準にしているケーブルを聴き比べ、感じられたことや変化を書き出します。
- Lotoo PAW 6000
- THIEAUDIO Monarch MKIII
- MoonDrop 竹 CHU2
- Softears Studio 4
- 他、評価基準にしているケーブルなど
全体的な音の傾向など
一聴した瞬間は、「あれ、何も変わってない?」と思いました(笑)wwwそこそこ高級ケーブルだよね君…!?
ドがつくほどのフラットで、誇張らしい誇張が見当たらないし、どこかの帯域が突出することもゼロ。低域から高域までの全ての帯域がまとまったまま、自然に音が前方に綺麗に整頓されて丁寧に鳴るような空間表現のキャラクター性。
「本来はこういう音なんじゃない?」と逆に諭されているような感覚でしたね…!?
聴き込むうちに、量感はそのままで音の純度だけめちゃくちゃ上がっていることに気付きます。音像のまわりに付帯する微細な音が確実に増えていて、音の像をじっくり聴くと、信じられないほど微細なディテールが増えていて立体的ではありませんか。
そしてケーブルを戻して聴くと、なんだか音が癖っぽいし解像度低い…「あれ?さっきのめっちゃ良いケーブルじゃね?」と後から気付かされる感じです。そして…良さを引き出すには少し経験が要るケーブルかなと思いますね。
低音域
低域の量感は、挿し替える前とほとんど変わりませんでした。膨らみを足したり中域へ被ってきたりする様子もなく、イヤホンが持っている低域の厚みがそのまま~って感じ。
変化を感じたのは下方向へのレンジ。下へ少し伸びた分、重低音の成分が聴き取りやすくなりました。キックやベースのさらに下で鳴っている音に気付きやすくなった、というくらいの変化です。曲によっては空気の含み方や響きが良くなってると気づきますね。
中音域
中域も量感は変わりません。ただ、細部の情報量ははっきり増えています。中高音にかけて、楽器の音像のまわりにある細かな音が拾われるようになり、ひとつひとつの楽器に奥行きが出ますね。ピュアな感じ。
音数の多い曲ほど、楽器同士が重なっても潰れずに、合奏として調和して美しく響くことに、聴けば聴くほど気付く(笑)
足し算じゃなくて引き算するのも大事なんだと考え直すきっかけにも。
ボーカル
ボーカルの掠れやエッジの成分が優しく加わって、声の質感が2ランクくらい上品にアップするような感じがありますが、量や鳴り方にそれほど強い変化はありません。
高音域
一番分かりやすい変化があったのがここで、ほんのり量感が増えて解像感も増し、音の消え際や繊細な弱音が描かれ抜け感や空気感が増えましたね。
シンバルが鳴り終わってから消えるまでの、あのスゥ~っていう時間までも楽しめるようになるくらいの変化。でもこれがめちゃくちゃ効く。
空間表現とダイナミクス
空間は広げずに、定位は前方よりで余計に広げず整頓した空間になります。前方に扇形というのが分かりやすいかも。
空間を誇張するケーブルや派手な音色のケーブルを使った後だと大人しく物足りなさがあるかもしれません。
気になる点や弱点など
安定志向すぎるというか玄人向けすぎるというか。再生環境によっては変化そのものすら聞き取れない方がいてもおかしくない気がします。ケーブルに出資するなら、どこか弱点を補う形でケーブルを変えることも多いはず。
その中であえて癖のないケーブルを選ぶなら、ある程度再生環境やイヤホンが揃ってる玄人なんじゃないかなと。そんな手に取りづらさが弱点だと思いました。
総評
見た目含めて、もっと賑やかな音を想像していました(笑)
でも実際に聴いてみると、主張を極限まで削ったケーブルでしたね…びっくり(゚∀゚)
解像”感”じゃなくと解像度が高いことってこういうことか~みたいなケーブル。何本かリケーブルを試してきて、量感や音場の変化よりも細部の質に耳が向くようになった人ほど、このケーブルの価値に気付けるはず。という意味ではかなり玄人向けのイヤホンだと感じました。
こんな人にオススメ!
- 手持ちのイヤホンのチューニングを崩さずにリケーブルしたい人
- 楽器の重なりや音の消え際をじっくり聴き込みたい人
- 銀系・銅系それぞれの味が付いたケーブルを一通り試してきた人

音の質感に拘る玄人向けすぎるw
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