今回ご紹介するのは…「SGENE Ame(雨)」です。
リケーブルブランド「SoundsGood」を手がける伊藤屋国際から、2026年に新しく立ち上がったブランド「SGENE(シーン)」。そのブランド初のオリジナルケーブルとして、有線イヤホンの「Kaimei」と同時に登場したのが「 Ame(雨)」です。
「都会に降る雨」をイメージしたカラーリング、少し暗くスモーキーなサウンドを目指しているようですが、実際の所はどうなのか聴いていきます。

株式会社伊藤屋国際様より、ご紹介のために製品をご提供頂きましたが、内容は当サイトの下記のレビューポリシーに基づく筆者自身の体験と個人的な見解のみで構成しています。
製品について
導体
「SGENE Ame(雨)」は、“単結晶銅と銀メッキ銅銀合金”を採用した4芯構造のケーブルです。
単結晶銅に電気伝導率が高く高域特性に優れた銀を含む銀メッキ銅銀合金を組み合わせることで、高域の明瞭度や煌めき感といった独自のテイストを追及しているとのことです。
外観など
パッケージは白い箱に、雨のビル街でしゃがみ込む女の子の水彩イラストが大きく載ったデザイン。SGENEのイメージキャラクター「伊藤屋 霧」を描いたものになっています。

全体像
ケーブルのデザインは、雑踏に降る雨のムードを狙ったのもよく分かる、夜の都会のような色合い。

被覆は厚めでハリのある質感。絡みにくいタイプですがタッチノイズは少々あるかも。
金具パーツ外観
金具パーツは梨地のようなサラッとしたグレーカラー。シンプルでまとまったデザインという印象。線材の色味ともよく馴染んでいます。

線材
線材を拡大してみると、透明な被膜の中に青緑とグレーの素線が混ざっているのが分かります。遠目だと青みがかったグレーに見えるのはこのせいで、雨に濡れた夜のアスファルトに街灯が反射しているかのような色味です…!

プラグ
プラグは金メッキのφ4.4mm 5極バランス。ハウジングには「SGENE」のロゴがシンプルに入っています。

音質について
「SGENE Ame(雨)」ってどんなケーブル?
- シンプルに解像度が高く、細かな音を拾いやすい
- 軽やかで明るく、爽やかな音色に変わる
- 帯域の配分はフラット寄り、重心はやや高め
- 全体的に優しく空気感あり
- ボーカルは明るく柔らかに広がり、声の像は立体的
- 高域は誇張なしで情報量たっぷり
- 奥行き、レイヤー表現が優秀
スッキリ見通しをよくして、明るく鮮やかな方向に整えてくれるタイプのケーブルかも。分離感や奥行きを伸ばしたい人や女性ボーカルを中心に聴く人にはかなり刺さると思います。軽やかな描写をしますが、空気感や繊細なニュアンスの表現に非常に長けているタイプで超実力派ケーブルですね。
試聴環境
※多ドライバー、1DD構成、フルBA等のイヤホンで評価基準にしているケーブルを聴き比べ、感じられたことや変化を書き出します。
- Lotoo PAW 6000
- THIEAUDIO Monarch MKIII
- MoonDrop 竹 CHU2
- Softears Studio 4
- 他、評価基準にしているケーブルなど
全体的な音の傾向など
おおお、これは聴きやすい!
最初に感じたのは分離感や奥行き、次に解像度の高さ!全体が軽やかになって明るく爽やかな聴こえ方へと変化しますね。ウォーム系でもメロウな音でもないのにアナログ感があるような立体的な描写なのも特徴かも。
帯域の配分そのものはちょっと右肩上がりだけどフラット寄りのイメージ。少し重心が高めなのか、中高音から高域にかけて音の粒が繊細でほんのりシャープになり、細かな粒を拾いやすくなる感覚があります。メーカーは「少し暗くスモーキーなサウンド」と紹介していますが、私の環境では晴れ間がのぞくような明るい方向に聴こえました。空気感や立体感に非常に優れるケーブルなので、暗くスモーキーなイメージの楽曲でも、それを忠実に鳴らせる、そんな解釈をしました(笑)。
低音域
相対的に、ほんの少しだけ量感が抑えめになっている…ような気がします。かといって痩せているわけではなく、ブーストされたような膨らみや特定の帯域が盛り上がる癖は無し。比較的穏やかに、すっと鳴ってくれる印象。中高域が明るく前に出てくるぶん、低域が主張しすぎないことが全体の見通しのよさにも繋がっているのかも。
中音域
前のめりにならず、ニュートラルな立ち位置と質感で鳴ります。原音に忠実な方向性を感じつつも、ほんのり優しい広がりがあって穏やかな聴こえ方に感じます。シャープな味付けは無いのに、不思議と粒立ちが良い。楽器ひとつひとつの音像をしっかり追えて、どこかが突出することもない。言ってみれば優等生なキャラクターかなと思います。
ボーカル
中高音付近の表現力が高く、ボーカルを明るく爽やかに描いてくれます。響きは残したまま、柔らかめに優しく広がっていく軽やかな聴こえ方に変化します。
軽やかとはいえドライな感じはなく、声の像が立体的に立ってくるので聴き応えも十分。女性ボーカルに特化しているようにも聴こえました。野太く力強いタイプの鳴らし方ではないものの、男性ボーカルも違和感はありません。歌い手の感情がちゃんと伝わってくる情報量があるのは優秀だなと思いました。
高音域
輪郭の立て方はほどよく、誇張らしさはありません。それでいて、とにかく情報量が多い。純粋に解像度が高いッ!!
金属音のニュアンスがよく出ていて、シンバルを叩いたときのアタックはもちろん、撫でるように鳴らした細かなニュアンスまで繊細に拾ってくれます。
空間表現とダイナミクス
空間の広さそのものは標準的、それでも円形の綺麗な空間で、奥行きを感じられるほど音が前後左右、さらに奥行き方向にもしっかりレイヤー分けされて描写されます。…これ、かなり優秀では?
アタック感やダイナミクスは標準的で、特に突出した部分はありません。全体の整い方を優先したチューニングに感じました。
総評
1万円を切る価格で、リケーブルとしてはミドルクラスにあたる価格設定。そのなかで、音作りそのものの完成度がかなり高いケーブルだと感じました。
私自身の好みは、もう少し厚みがあって温かみのある描写なのですが、奥行きと分離感には満足度が高く、こういった『軽やか・鮮やか・華やか』なキャラクター性のケーブルもいいなぁと素直に思えましたね。
SGENEブランドから初めて登場したケーブルに相応しい、実力派のケーブルだと思います。
こんな人にオススメ!
- 立体感や分離感に優れるケーブルを求める人
- 手持ちのイヤホンの見通しをもう一段よくしたい人
- 歌ものをよく聴く人
- 広さの演出より、自然な定位で聴きたい人

低域寄りで温かいイヤホンに組み合わせて全体の風通しをよくしたり、もともと分離のいいイヤホンの奥行きをさらに伸ばしたり、使いどころは意外と幅広そうです。
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