今回ご紹介するのは、Juzearの新作エントリーモデル「Juzear Nimbus(流雲)」です。
価格はおよそ50ドル前後(約7,000〜8,000円前後)の比較的安価な製品ですが、Juzearらしい丁寧かつバランスの良いサウンドを1DD構成で手に取りやすい価格帯に落とし込んだモデルです。
付属品がエントリーとしては豊富であることや、交換ノズルで音のキャラクターを少し変えられるのもポイント。

製品について
「Juzear Nimbus(流雲)」は、10mm の自社開発ダイナミックドライバーを1基のみ搭載したシングルダイナミック構成のイヤホンです。振動板には MACCD(多層アモルファスカーボン複合振動板)を採用し、TPEE 素材のフレキシブルサスペンション、大口径ブラックボイスコイル、N52 ネオジム磁石を組み合わせた構成とのことです。
50ドル前後の価格帯では「音は良いが付属品が少ない」「付属品は多いがチューニングがいまひとつ」といった不満が出やすく、そこを一通り埋める入門機として企画されたそうです。
筐体は亜鉛合金ダイキャストのようでコンパクトながらしっかりと重量感があります。
仕様
| 構成 | 1DD 10mm MACCD複合振動板 ダイナミックドライバー ×1 |
|---|---|
| 再生周波数帯域 | 20-20kHz |
| コネクター | 0.78mm 2Pin |
| 発売日 | 2026年8月予定? |
| 価格 | $54.99 |
パッケージ
爽やかな青空や雲をイメージしたようなパッケージデザインの外箱で、なんとなく音も明るそうだなぁと予想したくなる素敵なデザインです。

開封すると、イヤホンが綺麗にケーブルごと収まってるパッケージ。保護フィルムも装着されてびたので、フェイスプレートや筐体への傷の心配がありません。

付属品
エントリー機としては豊富なパッケージで不満がなさそうです。

- イヤホン本体 ×1ペア
- イヤーピース 3種類合計9ペア
- ケーブル×1
- 交換式プラグ(4.4mm/3.5mm) ×計2つ
- 交換式ノズル ×3ペア(1つは装着済み)
- その他、説明書など
イヤホン本体
青空のような透き通った透明感のある青が魅力的なフェイスプレートです。エッジが丸みを帯びていて手触りが良く、エントリー品としても金属ボディが相まって安っぽさをそこまで感じさせません。

背面とサイドビューは以下の通り。耳に入り込む部分は丸く飛び出ているような形状で、装着感に違和感がありません。本体も小ぶりでストレスはありません。

ケーブル
100ドル級の製品とそこまで大きく変わらないしっかりしたケーブルが付属します。
交換式プラグ採用のため、3.5mmと4.4mmを自由に環境に合わせて装着し直せます。


イヤーピース
付属するイヤーピースは、3種類で合計9ペア。付属するイヤーピースとしては一番上のものが単品売りして良いレベルの質感の良いものだと思いました。
真ん中のカラータイプのイヤーピースも負けていませんが、やや傘が薄め。
一番下のイヤーピースは正直に言うと値段相応の最低限レベルという印象です。

交換ノズル
異なるフィルターが搭載されたノズルが用意されます。イヤホンに標準搭載されているものと合わせて3ペア。

ネジ部分に装着されたリングのカラーで見分けがつきます。
- 白ノズルはバランス(標準)
- 赤ノズルは高域寄り
- 黒ノズルは低域寄り
周波数特性を実測すると、以下のような感じです。すべて同じ入力レベルを基準にしています。
思ったよりもボーカル帯1000hz~7000Hzに大きく変化がありますね。実際の聴覚上も、高域の煌めきが~というよりも、ボーカルや楽器の倍音伸びなど、全体的な雰囲気にまで変化があります。
黒ノズルは低音寄り…というかは全体的に低域以外がマイルドになりますね。

装着イメージ
金属ボディを採用していますので装着時は多少なりともひんやり感がありますがすぐ温まります。
装着感は良く、良い収まり方をしています。

音質について
「Juzear Nimbus(流雲)」の特徴をいくつか書き出すと…
- JUZEARらしいバランス型のチューニング。
- 弾力感と豊かさ感じる低域
- 厚みのある中域
- 誇張の無い自然な抜けの良さ
- 程よいレスポンス
- ビルドクオリティの高さ
- 縦と奥行きに抜けのある空間
弾力感とメリハリのある低音とクリアで抜けの良い高音域!
確かに雲の中から晴れ間が見えてくるような情景が浮かぶような開放感と、低域~中低音の粘るようなコクが共存したイヤホンです。キックが強めでリズムを刻むようなノリの良いサウンドと相性が良いですね!
周波数特性
実測データは以下の通りです。
(IEC711/IEC 60318-4 clone / 1/12oct (1kHz) @ 94dB )
※8KHz付近は計測器の特性上共振しやすい帯域実際よりもピークが強めに出やすいことを理解の上でご覧ください。
平均値

左右差

ノズルごとの変化

評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
試聴環境
- Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
- Lotoo PAW GOLD TOUCH
- 付属イヤーピース(紺色)
- 標準ノズル
ショートインプレッション
「Juzear Nimbus(流雲)」をパッと聴いて思ったのは低音のノリが気持ち良さ!決して低音が強いわけでも存在感が大きいわけでもありませんが、弾力のある密度の高い塊が、ブリブリ・ノリノリで弾むように下を支えてくれる感じが楽しいですね。
パンチはしっかりあるのに量感はコンパクトにまとまっていて、上の帯域を押しのけたり空間を支配したりしません。
中域に入るとメリハリが少し引きますが、元気さは残る感じで、照りのあるような明るさがありますし、厚みと潤いがあるような表現。
中高音から上はよりクリアで明るく、上へ抜けていきます!
全体としては、ジャンルも選ぶ感じがなく、ちょっと明るめで元気な鳴り方で、生楽器の質感を丁寧に描きながら、低音でリズムに乗せてくれるイヤホンでした。長所を伸ばそうとすると生演奏系の方が特徴活かせてる感があります。

バランスと潤い、照りっぽさ。そして弾むようなノリの良い低音、生っぽい胴鳴りの表現。混雑しない低音。
低音域
弾力感があって密度が高く、やや丸みのある低域。でもレスポンスも割と早め、ボヤッとした残り方をしません。弾力のある塊が弾むように下支えしてくれる、という表現が一番近いかも。
量感は全体としてバランスが取れていますが少しコンパクトに鳴ります。パンチはかなり強めですが、低域が上の帯域を喰ったり空間を支配したりする感じがないのは好印象。塊の単位で輪郭がよく追えるので、何が鳴っているのか見失いません。
中低音付近の厚みとメリハリが特に強くアタックがあり、キックにかなりの厚みと重みがあるのが特徴かも。でも少し丸みがあります。角でガツンと来るというより、密度で押してくるタイプですね。これがたぶん本作の低音の音作りだと思います。
でもこのキックの厚みや重さの割には、楽曲をいろいろ聴いてるとキックほど低音が強く感じず、時折やや軽く感じる場面もあるのが不思議ですね。でも全体としては力強くて楽しい低音だと思います。
中音域
中音域になると、低域のメリハリが少し抑えられますが、少し湿度感と雲の間から顔を出す太陽光の照り返しがあるような、程よく艶っぽい音の出し方をします、弦楽器・管楽器の類は気持ち明るく、自然な抜け感。この照り返しのおかげで、エモみを感じさせるような鳴り方をするのが良かったです。
中高音にかけて、少しずつどんどん明るくクリアかつ厚みのある音に変化していきます。さらにそこには潤いも伴っていて、この演出の自然さが良いポイントですね。
得意不得意ははっきりしていて、生音のほうが得意だと思います。楽器の微妙なタッチごとに違う質感をよく出せているなぁと思いました。生楽器系、生演奏系のほうがリアリティがあって、良い鳴り方をしてくれます。
逆にデジタル音源だと、音圧が高めで距離感が近くなり、妙に空間がナーフされたように感じる場面がありました。ここは音源とイヤホンの相性なんだと思います。
ボーカル
ボーカルはクリアで明るく、厚みがあります。距離は近め。先ほども言ったように潤いと程よい余韻を感じられました。
どちらかというと女性ボーカルに焦点が合いやすい質感です。潤いが伴う透明感や抜けの良さが魅力で、この帯域の得意さがそのまま声に効いている感じですね。男性ボーカルは、太く低い声だとやや明瞭感が落ちる場面もありましたが、十分及第点だと思います。
女性・男性どちらも、抑揚や声のダイナミクスをしっかり捉えて再現してくれます。口から漏れ出る空気やブレス、リップノイズには誇張がなく、自然ながらしっかり生っぽく出してくれるのが良かったです。わざとらしく息遣いを魅せてくるようなタイプではないと思います。
楽器とボーカルの位置関係も適切で、前傾しすぎず、バックサウンドとボーカルで明確なレイヤー分けがされているのは良いですね。
高音域
伸び自体は普通、というのが正直なところです。飛び抜けて上まで届くタイプではありません。
ただ、余韻と空間への抜け感が良いですね。伸びきる手前で消える感じはありますが、その消え際が空間への溶け方が自然で詰まった感じがしません。数字上の伸びより、聴感上の開放感が勝っているタイプだと思われます。
金属音の倍音がナチュラルで、耳あたりが優しいのも良かったです。ギラつきや癖は感じにくく、長く聴いても疲れにくい方向。ここは価格を考えると満足度高いなぁと感じますね。
音場・空間表現
空間は上に抜けるような広さを感じさせます。縦と奥行き方向に広い感じですね。左右は標準的という印象でした。
音の出方としては頭から外には抜けない範囲で鳴り、頭の外にまでは出るタイプではありませんが、それでも狭さを感じないのは、空間の余白を感じやすい鳴り方をしているからだと思います。
音がぎっしり詰まっていないので、結果として広く聴こえるのだろうと思います。定位は違和感なく、聴いていて迷う場面はありませんでした。ゲームサウンドとも相性は悪くないと思います。
ライブ音源は臨場感があるものの、その場にいるというより「ライブ音源を聴いている感」が強めでした。会場に放り込まれるような響きが生きる鳴り方のタイプではないかも。
でも、包まれ感のある音場の形成の仕方でステレオ的な左右の分離は強め!なのでそういうものとして理解して聞くと納得出来ると思います(*^_^*)
ピアノソロなど単一の楽器のソロを本作で聴くと不思議と空間が広く立体的かつ繊細なタッチが生きたような聴こえ方になります。音数が少ない曲ほど、余白の描き方が効いてくるんだと思います。割と奥行きや空気感がしっかり出るイヤホンだなぁ、と感じました。
解像度
情報量としては、50ドル級として満足度が高いです。
分離重視でも調和重視でもない、ちょうどいいところに落としてきているのが良かったですね。無理に音を切り離して見せることもしないし、混ぜて誤魔化すこともしないし滑らかさも維持してる。演出は比較的少なめで、DDが動いて鳴ってる感もあるというか…チューニング自体がうまいタイプのバランスだと思います。
消え際はDDらしい自然な減衰を伴います。そこに空間の余白が加わることで、細かい音が埋もれずに聴こえてくる。ギラつきや癖で解像感を演出しているわけではないので、見せかけの解像度ではないと思います。素のドライバーの性能が良さそうな感じです。
長所と短所
長所
- 弾力があって輪郭を追いやすい
- 低音が上の帯域を喰わないバランス感覚
- 中高音のクリアさと厚みと潤い
- 自然なブレス表現
- 縦と奥行きに抜ける空間、余白の描き方
- 演出に頼らない素直なチューニング
- 価格に対して充実した付属品
短所
- 高域の伸び自体は平凡
- 左右方向の広がりは標準的
- デジタルっぽさよりアナログ感
- キックが強すぎるかも?



EDM系やPOPSも楽しく聞けるけど、長所を伸ばすなら生音系かもって思った。でも苦手ジャンルは無いと思う。
総評と感想
「Juzear Nimbus(流雲)」JUZEAR Nimbus は、50ドル前後という価格帯で「見た目も付属品も音も妥協したくない」人に刺さる意欲作だと思いました。
音の軸になっているのは、やはり低音かな。弾力のある密度の高い塊が弾むように鳴って、それでいて上の帯域を押しのけない。この加減がうまいッ(^▽^)
パンチはあるのに散らからないので、低音が主役の曲でも、そうでない曲でも破綻しない。重低音の多い楽曲でキャラクターを変えたように唸るように鳴り出す底力は、この価格帯で聴けるものとしてはかなり楽しい部類だと思いますw しっかりズウウンと重低音も響かせてくれますしね!
そして、中域が数値やスペックでは説明しにくいし言語化も難しいんですが、光の照り返しのような明るさというか、エモさのようなものを感じました。基本はニュートラルっぽいのに、ふとした瞬間に色が出る。この二段構えみたいな…まぁなんというかツヤツヤした音が出る感じです。元気!って二文字で片付けられない感じですかね。
空間表現も特別広いわけでもないけど、余白のある鳴り方をするので、結果として広く聴こえるのが不思議。ポップスだと普通くらいなんですけどね…?
特にジャンルを選ぶ感じはありませんが、長所を伸ばそうと思ったら生楽器・生演奏系の方が、楽器の微妙なタッチごとに違う質感を素直に表現してくれますし、DD1発の良さというか、素直な感じがよく出ていました。
音圧の高いデジタル音源だと距離が近く空間が狭まる場面もあったので、そこは好みが分かれるかも。
1DDらしいまとまりと立体感、弾力のある低音の気持ちよさを軸に、クリアで疲れにくい中高域、繊細なタッチまで描く抜けの良い高音域。音の厚みをしっかり感じられて、ジャンルを選ばず長時間聴きやすいチューニングにまとまっていると思います。ノズル交換による変化はそこまで大きくはありませんが気分や曲に合わせて調整できるのは便利ですね。(ひと手間あるけど)
有線イヤホンの入口として、あるいは「とりあえず一式揃えたい」という方の最初の製品として、素直に薦めやすい製品だと感じました。エントリー機だからと妥協した部分が見当たらないのが、何より良かったです。
こんな人におすすめ
- ノリが良いイヤホンが好きな人
- 弾力があって密度の高い低音が好きな方
- 低音は欲しいけれど、上の帯域を潰されたくない方
- ボーカルもフォーカスしたい方
- 初めての有線イヤホンとして選びたい方



最近は50ドル級が強いね。
購入先
mondにて匿名の質問を受け付けております、興味があれば是非質問してみてください!
本記事はHIFIGO様よりPRの機会をいただき執筆しました。このような機会を頂き心より感謝申し上げます。
執筆にあたり、金銭等の対価は一切発生しておらず、内容は当サイトのレビューポリシーに基づく筆者自身の体験と個人的な見解のみで構成しています。








