今回レビューするのは、「ODA Helios D100」です。
Heliosとはギリシャ神話に登場する太陽神の名前で、その名の通り”陽”を表すような鮮やかなウッドハウジングが目を引く製品になっています。

10mmのシングルダイナミックドライバーという、いまどき潔いほどシンプルな構成ですが、果たして…?
製品概要
「ODA Helios D100」は、ODAとTGSの共同開発による特別仕立てのイヤホンとのことです。ギリシャ神話の太陽神「ヘリオス」から着想を得たモデルで、光と希望を象徴する存在として名付けられたとされています。シェルとフェイスプレートには太陽の色を思わせる木材を採用し、ハンドクラフトによる仕上げが施されているとのことです。
ドライバー構成は10mmダイナミックドライバーを1基搭載するシングル構成で、高感度設計と26dBの遮音性により、クリアで没入感のあるリスニング体験を提供するモデルとのこと。推奨ジャンルはポップス・ボーカル系とされています。
仕様
| 構成 | ダイナミックドライバー×1(Φ10mm) |
|---|---|
| 再生周波数帯域 | 20Hz〜20,000Hz |
| コネクター | 0.78mm 2Pin |
| 発売日 | 2025年 |
| 価格 | 284ドル |

パッケージ
マットなブラックを基調に、「ONE DOT AUDIO」のロゴと「Let music inspire life!」のスローガンがシルバーで控えめにあしらわれた、なかなかシックな化粧箱ですね~。

開封すると、上段にイヤホン本体とケーブルがスポンジにきれいに収められ、下にはグリーンの本革調ケースが収まっていました。

付属品

- イヤホン本体 ×1ペア
- シリコンイヤーピース ×2種類
- キャリングケース×1
- ケーブル ×1
- クリーニングツール ×1
その他、説明書など
イヤホン本体
フェイスプレートです。いやー、これは実物を見ると思わず見入ってしまいますね?
赤からオレンジ、山吹色へと流れる杢目が、”陽”を表すかのようでエネルギッシュと言うか…。天然木なので一つひとつ表情が異なり、左右でも木目が違うので、まさに世界に一つだけの個体ということになります。

中央に走る「Helios」の筆記体ロゴも上品で、太陽神の名にふさわしい華やかさですね。鏡面の艶も深く、写真で見る以上に立体感があります。
ノズルまで木で作られているのは凝った造りだなと思いますし、横から見るとフェイスプレートとはまた違う、深みのある赤褐色の杢目が美しいです。シェルには大きめのベント(通気孔)があるのも確認できます。

ケーブル
付属ケーブルは、銀メッキ銅線を編み込んだ4芯仕様で、4.4mmバランスプラグを採用。

イヤーピース
イヤーピースは2種類。上段のクリア(グレー)系と下段のスモーク×レッド芯の2種類が付属します。

その他
鮮やかな配色のケースと、ポーチ・クリーニングツール・クリップが付属します。
付属品としては十分すぎる満足度ですね。

音質について
「ODA Helios D100」ってどんな感じのイヤホン?
ひとことで言えば、温かみと量感のあるサブベースを土台にした、リスニング志向のサウンドです。
10mm DDらしい密度のある低域に、自然で前に出るボーカル、刺激を抑えたマイルドな高域を乗せた構成で、傾向としては「V字」や「W字」という印象です。
周波数特性
実測データは以下の通りです。
(IEC711/IEC 60318-4 clone / 1/12oct (1kHz) @ 94dB 左右平均)

※8KHz付近は計測器の特性上共振しやすい帯域のため、実際よりもピークが強めに出やすいことを理解の上でご覧ください。
評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
試聴環境
- Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
- Lotoo PAW GOLD TOUCH
- 付属イヤーピース
ショートインプレッション
一聴して感じられたのは、低域のふくよかさや温かみでしょうか。木製ハウジングによるものなのか、元々のチューニングによるものなのかは知るすべがありませんが、全体的にしっとりと有機的な質感を持つ、聴き心地の良い音色だと感じます。
高域はやや抑えめのチューニングで、刺さりや誇張が全く無いのが嬉しいポイントですね。長時間でも聴き疲れしにくい、優しい仕上がりになっていると思います。ボーカルはやや前傾的で、歌い始めやアタックの部分にしっかりとした存在感があり、表現力の豊かさとして楽しめる方も多いのではないでしょうか。人によってはピーキーに感じられるかもしれませんが。
しっとりと有機的な質感を持ちながらも、中高音付近にはほどよいクリーンさも感じられ、メリハリのあるバランスに仕上がっていると思います。メリハリとのトレードオフとして、やや中高音付近やボーカルには少しドライ感があるような感覚も否めませんが、これは賛否ありそうな質感と正直に書いておこうと思います。
低音域
強い。間違いなく強めで、量も多めです。サブベースも十分に沈み込み、中低音にかけてずっと密度とパワー感が続きます。結構元気な鳴り方ですね。
質感は、しっとりとまろやかな雰囲気をまといつつも、適度にコシを残した柔軟性・弾力のある低域でしょうか。先ほど低域には温かさがあると書いた通りで、輪郭を鋭く立たせたりキレで描いたりするタイプとは違い、程よく暖かくまったりとした質感なのが聞き心地の良いポイントだと思います。やや中低音付近が前傾的で、空間を埋めるように広がっていく低音です。良くも悪くも存在感に少し主張があるので、人によっては評価が分かれそうな気もしています。また、低域の出方はイヤーピースと音源でかなり表情を変えるようにも感じました。
中音域
低域の豊かさに押し負けることなく、思ったよりしっかり前に出てきますね。少し柔らかく明瞭で、楽器の分離やレイヤーも素直、メインボーカルの奥で鳴っているコーラスや、各楽器もしっかり聴き分けられて定位も悪くありません。シンプルな構成の楽曲では気持ちよく見通せます。ピアノやギターの音の粒にどこか柔らかさのある響きで質感も硬さはあまり感じられないのも特徴でもあります。
ただ、情報量の多い忙しい楽曲になると、少し様子が変わるような気もしました。似た音域の楽器同士がひとつの塊に溶け合って、一体になるような感覚です。これはポジティブとも、ネガティブとも言い切れない話で、あくまで「そう感じた」という個人的な印象に過ぎません。滲み合って一体感のある鳴り方を好まれる方もいれば、くっきりと分離した音を好まれる方もいらっしゃるはずなので、ここは正直にお伝えしておくべきかなと思いました。
ボーカル
やや前傾しますが、豊かな質感と滑らかさがあるような肉付きの良いボーカルという印象。 男性は力強さと厚みがあり、女性ボーカルは明瞭でエネルギッシュ。適度に艷やかさがありやや明るく元気な表現という感じでしょうか。
高音域
高域は、やや量感が抑えられたチューニングです。かといってもの足りなさを感じさせるような音色ではなく、存在感があるやや寒色系やドライな質感で明瞭度高く鳴ります。きらめきと空気感は柔らかさがあり、良いのですが、低音の強さにやや余韻をかき消されている印象も…と、少しワガママを言いたくなる所ですが、ハイハットやクラッシュ、ライドシンバルなどの金属系は自然な音色で鳴り、テクスチャーの描写も思いのほか丁寧な印象です。
昨今の製品としては、低音域は暖かく、高域は寒色に寄せた下支えと明瞭感を両立している製品も多いので違和感はありませんが、ニュートラルな立場として特徴はお伝えしおこうと思いました。
この特性が刺さる人は気に入ると思いますし、苦手な人は苦手という所で評価が分かれそうです。
音場・空間表現
音場は、左右の広がりがしっかりとして、横方向の見晴らしが気持ちいいタイプです。定位も適度に良い方だと思いますし、ボーカルや各楽器がそれぞれの居場所にきちんと並んでくれるので、曲の構造が掴みやすく、聴いていて安心感があります。
ただ欠点を申し上げれば上下の広さは物足りなさが否めない印象で低域の立体感は良いものの、中音域以上の立体感や奥行きには少々物足りなさがあり、やや平面的でドライな印象があるのが弱点かもしれないです。
解像度
解像感は、価格帯相応の実力という印象。言い方を変えると標準的。
2万円~イヤホンと比べると、細部の描き分けや音の輪郭の明瞭さは一段上かなと思う程度。
楽器それぞれの質感をきちんと描いてくれましたが、飛び抜けて解像度の高さを強く感じるような機種ではなく、やや堅実な印象もあります。
ダイナミクス
ダイナミクスは、強弱の表情を無理なく、ちょっと元気ながらも滑らかに描いてくれる印象。
低音域はダイナミックですが、中音域以上は自然な抑揚程度でさほど誇張はないと思いました。
装着イメージ
装着イメージはこんな具合です。シェルは標準的な大きさですが、細身に絞られた形状をしていることもあり、素直に耳に収まりやすい印象があります。

長所と短所
長所
- 木製シェルの美しさ
- 温かく量感のあるサウンドで、ゆったり音楽に浸りたい方
- ベースの効いたジャンルが中心の方
- 高域の刺激が苦手で、聴き疲れしないマイルドなチューニングを求める方
短所
- 唯一無二の美しい木製シェル
- 高いビルドクオリティ
- 自然で表現力豊か、かつ刺さりにくいボーカル
- 中高音~高音域がややドライ

一癖ある優等生な感じ。
総評と感想
「ODA Helios D100」は、ざっくりまとめて言ってしまえば「見た目もサウンドも、聴くほどに好きになっていく、温かなリスニング・イヤホン」 だと思います。使い込んでみて何より印象に残ったのは、あの燃えるようなウッドシェルの美しさと聞き心地の良さと元気でパワフル感じな感じが共存する、1DDらしいまとまったサウンドでした。
美しい木製シェルと作りの良さ、軽快で快適な装着感は満足度は高め。
中音域以上はややドライな質感なのが個人的には惜しいと思いつつも、温かく量感豊かなベースから、刺さりにくく艶やかなボーカル、マイルドな高域まで、全帯域が1DDらしく自然につながった音楽性がありますし、手元の個体を眺めてると、フェイスプレートの杢目の美しさや造作の丁寧さは写真以上に説得力がある良い作り。
スペックや解像感という物差しで測るよりも、本体の作りや音楽性で深く満足させてくれるイヤホン。
それがODA Helios D100の本質なのかなと思いました。
こんな人におすすめ
- 木製シェルの美しさに一目惚れし、所有欲を満たしたい方
- 温かく量感のあるベースと、艶やかなボーカルでリラックスして聴きたい方
- ポップス・EDM・ヒップホップなど低音を活かした楽曲を聴く方



バランスやモニター的な音を求めてる方には合わないかもと思う。
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