今回レビューするのは、TRNの「Dolphin」です。
名前の通りイルカをモチーフにしたユニークなシェイプの筐体を採用したエントリークラスのIEMです。
実売3,150円という価格帯ながら、10mm LCP振動板を搭載した1DDシングル構成。はたして音はどうなのか、じっくり聴いてみました。

パッケージ
パッケージはTRNの海洋生物シリーズに通じた雰囲気で統一されたパッケージ。
今回ご紹介するのは「TRN Dolphin」ということでイルカモチーフのデザインになっています。

開封すると、箱に中にびっしりと内容物が詰め込まれていました。

付属品

- 「TRN Dolphin」イヤホン本体 ×1ペア
- シリコンイヤーピース 2種類 ×3ペア+1ペア
- ケーブル ×1
- 交換用プラグ 3.5mm ×1
- キャリングポーチ ×1
- 説明書
イヤーピースは1ペア液体シリコンが付属します。TRNのプラグは交換式が標準となっていますので、4.4mmに対応したい時はプラグだけ購入するのも一つの方法です。
イヤホン本体
宣材写真にもあるように、有機的な曲線を多用したイルカを彷彿させるシェイプが目を引く外観。合金製で、パッと触れた感じでは安っぽさを感じにくい仕上がりです。
フェイスプレートのような分かりやすい「面」はなく、フェイスプレート相当の部分にはイルカのシルエットのような立体的な出っ張りがあるのみのシンプルな造形。アクセサリー感覚でコレクションに加えたくなるような個性があります。


音質について
「TRN Dolphin」の特徴は…
「ドンシャリ系&明るくエネルギッシュ」という感じです。
分かりやすいドンシャリ系のサウンドに、Amazonで3000円台クラスとは思えないほどの解像感と分離感を持ち合わせた、明るくエネルギッシュなエントリーIEMです。寒色系で硬質なキャラクターながら、ドライになりすぎずに楽しく鳴らしてくれますね。
周波数特性
実測データは以下の通りです。
(IEC711/IEC 60318-4 clone / 1/12oct (1kHz) @ 94dB)

※8~10KHz付近は計測器の特性上共振しやすい帯域のため、実際よりもピークが強めに出やすいので無視してご確認ください。
評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
試聴環境
- Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
- Lotoo PAW GOLD TOUCH
- 付属イヤーピース
ショートインプレッション
U字〜V字カーブ的なドンシャリサウンドで、低域と高域にしっかり誇張が乗った明るめのキャラクター。
中高音から高域にかけてエッジを立てた音作りで、この価格帯とは思えないほど高域方向のレンジの広さがあります。解像感の演出が非常に上手で、複雑なアンサンブルでも混濁感が少なく分離が良いことに驚かされます。
全体的には温かみや生っぽさよりも、鮮明さ・スピード感・デジタル感が優勢な出音に感じました。
低音域
パワフルで力強いですが、厚みや重さよりも低域のエッジと固めの弾力感が主体の中低音中心の鳴り方です。沈み込むような深みは控えめで、重厚な低音というよりは軽快なレスポンスに振った設計だと思います。
ウッドベースで例えるなら、胴鳴り感は弱く、弦をはじく際のエッジの利いた振動で存在感を出すタイプ。キックドラムも重さより速さとアタック感が印象的です。ズドンと来るタイプの低音が好きな方には物足りないかもしれませんが、軽快にリズムを刻むジャンルとの相性は良いと思います。
中音域
エレキギターの歪みを聴かせたストロークやソロはエッジが立っていて存在感があり、ジャキジャキとした粒立ちの良さが素晴らしいですね。混濁もなくロックやポップスのギターサウンドとは非常に相性が良いと思います。
一方でピアノやバイオリンは厚みやボディ感が控えめで、やや腰高なサウンドになる印象です。弦楽器でも胴鳴り・響きよりも弦のエッジが立つ傾向があるため、アコースティックサウンドの温かみや生っぽさを重視する方には少し物足りないかもしれません。
ボーカル
ボーカルは近め・前寄りの距離感で、存在感はしっかりあります。ただし男女ともに厚みや温かみ・湿度感は控えめで、細くエッジの立った声質の表現が得意なタイプです。ハスキーボイスとかね。
ウェットな歌声や肉感的な表現よりも、クリアでシャープな透明度が高いボーカルが好みの方には合うと思います。
高音域
エッジが立っていて解像感をしっかり演出してくれる高域で、好印象。
情報量そのものは値段なりに少し物足りなさを感じる部分もありますが、シンバルやハイハットは煌めきのある硬質な質感で優秀な方だと思います。倍音の細かい情報量はもう一声欲しいところですが、余韻や伸びはクリーンで無彩色ながら必要量は感じられ、混濁感がないのが良いポイントです。
刺さりについては特に気になりませんでした。
音場・空間表現
縦・横・奥行きが同じ程度に広がる、比較的バランスの取れた円形の空間表現です。広さ自体はまぁまぁといったところで、伸び切らない感じはあるものの整っています。
背景の暗さや奥行きの立体感は値段なりでやや苦手な印象で、ステージの奥までスッと自然に抜ける開放感はありませんが、全体のまとまりは良好で値段を考慮したら驚愕なレベルの出来だと思います。
解像度
解像感の演出が非常に上手で、エッジが利いている分だけ各楽器の輪郭がはっきりと聴こえます。
複数の楽器が重なる密度の高いパートでも分離が崩れず破綻しないのは素晴らしい。 この破綻の無さだけを見れば1万円台の製品とも軽々と張り合えるレベル。
ダイナミクス
アタック感・ダイナミック感はあります。強弱の表現やレスポンスのスピード感は良好で、ノリよく聴かせる力があります。ただし実像感や空気感のような深みのあるダイナミクスは値段なりの印象で、表現の幅にはやや限界が感じられます。

リアリティや奥行きに課題はあるけど楽しい軽快なハイコスパイヤホン。
TRNさんの流石のエントリーですね。
装着イメージ
耳に挿入される部分のハウジングはコンパクトに抑えられており、長時間使用でも疲れにくい設計になっています。
下の写真で見れるよりも、実際に耳に収まる部分は小さめです。


長所と短所
長所
- 実売3,000円台とは思えない解像感と分離感
- 複雑なアンサンブルでも破綻しない分離の良さ
- 高域のレンジの広さと煌めき感
- コンパクトな装着部による良好なフィット感
短所
- 温かみや生っぽさは控えめ
- 低域の沈み込みや重厚感は値段なり
- 倍音・余韻の情報量はもう一声欲しい
- 背景の暗さ・奥行き感は限界あり



いろんな短所を補って余りある価格設定w
総評と感想
「TRN Dolphin」は、3,000円台というエントリー価格ながら、解像感と分離感の高さで驚かせてくれる一本でしたね~。
ドンシャリ系の明るく元気で少々寒色なサウンドは万人向けではありませんが、POPSやアニソン、ロックなどと非常に相性が良く、楽しく鳴らしてくれます。
とても音色の傾向も分かりやすく聴いた瞬間にパッと刺さる即効性のある聴きごたえも魅力ですし、価格以上の「解像感」を体験したいエントリーユーザーはもちろん、この価格帯でここまでやるのか、と遊び感覚で試してみたいベテランの方にも一本持っていても損はないと思います。
こんな人におすすめ
- POPSやアニソン、ロックなど明るくエネルギッシュなジャンルをメインで聴く方
- エッジの利いた分離感・解像感を重視する方
- 寒色系・硬質なサウンドが好みの方
- 予算3,000〜4,000円でコスパの高い一本を探している方



長所や、オススメする要素と噛み合えば究極に安いイヤホン。
購入先
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本記事はTRN様よりPRの機会をいただき執筆しました。このような機会を頂き心より感謝申し上げます。
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