今回レビューするのは、「Juzear × KOTO Nebula(星雲)」です。
「KOTO」というのは国内ブログメディア「カジェログ」を運営するかじかじさんが手がけるオーディオブランドで、「Juzear × KOTO Nebula(星雲)」はその第2弾コラボモデルにあたります。
第1弾の「DUNU × KOTO ITO」がライブ会場のような濃い低域を狙った尖ったモデルだったのに対し、今作は方向性をがらりと変えてきたとのこと。

1DD+3BA+1プラナーという欲張りなトライブリッド構成を、いったいどんな音にまとめ上げたのか。フェイスプレートのきらめきに見惚れながら、じっくりと耳を傾けてみました。
製品概要
「Juzear × KOTO Nebula(星雲)」は、中国のイヤホンブランドのJuzearと、国内のブログメディア「カジェログ」のオーディオブランド「KOTO」によるコラボレーションモデルとされています。流通にはHiFiGOが関わっており、いわばJuzear × HiFiGO × カジェログのトリプルコラボといった感じ。
かじかじさん曰くサウンドのコンセプトは「バランスと空間の広がり」。高い情報量と立体的な空間表現を目指して調律されたとのことです。
ドライバーは、低域に多層アモルファスカーボン複合振動板(MACCD)を採用したダイナミックドライバーを1基、中域に専用設計のバランスドアーマチュアを3基、そして超高域にマイクロプラナードライバーを1基という構成。これらを4ウェイのクロスオーバーと4本の独立音導管で振り分けることで、帯域ごとの役割分担と一体感を両立しているとされています。
仕様
| 構成 | 1DD+ 3BA + 1マイクロプラナー |
|---|---|
| 再生周波数帯域 | 20Hz〜20,000Hz |
| コネクター | 0.78mm 2Pin |
| 発売日 | 2026年6月8日 |
| 価格 | 129.99ドル(およそ20,000円前後) |
パッケージ
外箱は、「Nebula」の名にふさわしいデザイン。黒をベースに、青や紫の星雲描かれ、下部には2つのシェルのイメージが置かれ、開封前から世界観が伝わってくる、所有欲をくすぐるデザイン。

スリーブを外して内箱を開けると、ウレタンに本体とケーブルが収められていました。下段には付属品が分かれて入っているようで、丁寧な梱包だという印象。

付属品
付属品は、説明書、クリーニングクロス、収納ポーチ、本体、交換式プラグ付きケーブル、そして複数種のイヤーピースという内容でした。

- イヤホン本体 ×1ペア
- シリコンイヤーピース ×3種類
- キャリングポーチ×1
- ケーブル ×1
- クリーニングクロス ×1
その他、説明書など
イヤホン本体
フェイスプレートは、見る角度によって表情が大きく変わる星雲をモチーフにしたものです。片側は青白い光が放射状に弾けるデザイン、もう片側は虹色のスペクトルが放射状に広がるようなデザインと、左右で微妙に異なる表情を見せてくれるのも面白いところ。

光をかざすと虹色にきらめく様子は、写真映えも抜群。すんごい輝くww。至近距離で見るとシール的な質感も覗くため、ここは好みが分かれるかもしれません。
0.78mmの2pin端子はフラットタイプ。

…どこかで見たことある形状だと思ったんですが、Juzear Defiant(鳴神)系の形状を踏襲しているようですね。
ケーブル
付属ケーブルは、6N OCC銀メッキ、3.5mmと4.4mmが交換出来るモジュラー式です。

イヤーピース
イヤーピースは、グレー系と、ワイドボアなピンク・ブルー・ピンクのカラー系という2タイプ、さらにフォームという構成。

その他

音質について
「Juzear × KOTO Nebula(星雲)」をざっくり言うと、
ボーカルを主役に据え、その歌声を最も美しく聴かせるために前後の空間を緻密に整えたイヤホンだと感じました。
第一印象こそやや大人しく感じるかもしれませんが、聴き込むほどに完成度の高さがじわりと効いてくる、長く付き合えるチューニングだと思います。日本向けに丁寧に調律されたコラボモデルらしい、誠実な仕上がりでした。
周波数特性
実測データは以下の通りです。
(IEC711/IEC 60318-4 clone / 1/12oct (1kHz) @ 94dB 左右平均)

※8KHz付近は計測器の特性上共振しやすい帯域のため、実際よりもピークが強めに出やすいことを理解の上でご覧ください。
評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
試聴環境
- Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
- Lotoo PAW GOLD TOUCH
- 付属イヤーピース(カラータイプ)
- 4.4mmプラグ
ショートインプレッション
極めて丁寧なバランスの量感、そして混濁とは無縁でナチュラルさのある見通しの良い空間が広がります。
低音は出しゃばらず、ボーカルは明瞭で透明度も高く、高音域は違和感のない自然な響きで余韻を描くような音色で、フェイスプレートの鮮やかさからは想像出来ないほど堅実で整ったナチュラルな音色を描いてくれます。
どんな楽曲を聴いても概ね平均点の高い音を鳴らしてくれる印象があり、イヤホン選びに迷った方に是非オススメしたいような音だなと強く感じました。どこまでも堅実な上手なチューニングだと思います。
低音域
空間の底を深く揺らすサブベース型ではなく、ミッドベースを中心に必要十分な厚みを作るタイプだと感じました。下から楽曲を静かに支えるナチュラルな鳴り方で、ベースラインやキックの輪郭がしっかり解像度高く追えるような仕上がり。
上の帯域を喰わず、制動も良く中域と良好な分離感があり、主役を邪魔しない、バランスの良さを重視した低音だと思います。言い方を変えるとクリーンとも表現出来そうな感覚ですね。
しかしお腹に響くような重低音のパンチや量感を最優先したい方や、コクやボディ感、さらにはグルーヴ感を重視するような方には少々物足りなさやサッパリとした質感に感じる方はいると思います。
中音域
おお…なんというか、『素直な鳴り方』という言葉がとても似合うような出音だと思います。
ギター・ピアノ・シンセなど、中音域から中高音を担う楽器はどれも癖なく素直で必要十分な明瞭度を兼ね備えたような鳴り方。そしてエッジも破綻せず滑らかで丁寧。
音数が多く混濁しがちな場面でも、音がゴチャゴチャせずに適度に自然に溶け合いつつ一体感と分離感が共存した鳴り方で、しっかりと音の前後の定位や分離も出来ているように思います。
残響や余韻などの中高音付近の響き方や伸びやかさという面では、ややマイルドにピーキーにならないよう抑えられているのが少し大人しめですが、製品のコンセプトを考慮すれば十分なのかなと思います。
ボーカル
やや前傾しますが、誇張無く丁寧に聴かせるような距離感と存在感。そこにそっと優しさや艷やかさと透明感を乗せて、自然に聴かせてくれるような表現という感じ。
声質の違いや歌い方のニュアンス、わずかな息遣いまでが繊細に描き分けられているような印象が強く、J-POPやアニソンのサビでも、声が楽器に飲み込まれることなくスッと耳元へ届きます。男性ボーカルも痩せることなく、温かみと厚みをもって鳴りますし、澄んだ空気の中で丁寧に届けてくれる感覚が心地よいですね。
ボーカルもこだわって設計したそうですが、とても納得出来る仕上がりです。
高音域
空気感や抜けの良さ、微弱な音の聴かせ方が丁寧ですーっと自然に空間に溶けていくような表現が上手な帯域ですね。明るすぎず暗すぎることもない絶妙な加減で、きらびやかさはあるものの主張がなく、優しく降り注ぎ空間に溶けていくような滑らかな質感という感じでしょうか。
アタックが鋭く鳴りやすいハイハットの帯域も、細かさを残しながら角の当たりをうまく整えており、長時間でも耳が痛くなりにくいと感じました。情報量を保ちながら刺激を抑えた上品なチューニングだと思います。
音場・空間表現
音場はやや広めで、前後左右にバランスよく、楽曲全体が丁寧に整理された空間を楽しむタイプだと感じます。音粒そのものに特別強い立体感があるわけではないのですが、全体を俯瞰してみると音像の前後関係が自然と見えてくる、ナチュラルなチューニングという印象でした。
ボーカルはボーカル、楽器は楽器、そしてリズム隊やベースラインと、それぞれがしっかりレイヤー分けされた空間表現だと言えると思います。
解像度
解像度は価格を超えた水準……と言ってしまうと少し雑に聞こえるかもしれません。情報量そのものは十分にあるのですが、それ以上にその情報の整理の仕方、チューニングの巧みさが際立っていて、そうしたテクニカルな部分の完成度の高さゆえに、総合的な解像感が値段以上のものに感じられる。そんなニュアンスが近いのかなと思います。
情報を無理に顔の前へ突きつけてくるような誇張はなく、自然に整頓された音の中から細部がすっと浮かび上がる感覚でしょうか。微小な背景音や残響、声のディテールがクリーンに再現されていて、聴き込むほどにその丁寧さに驚かされる描写がとても良かったですね。
ダイナミクス
躍動感はありますが、終始落ち着いた丁寧な表現。メリハリもほどほどに抑えられている印象です。しかし単調にはならない絶妙な塩梅です。
装着イメージ
筐体はJUZEAR Defiant(鳴神)と同じ…かな?
耳のくぼみに素直に収まり、長時間の試聴でも負担を感じにくい装着感でした。JUZEAR Defiant(鳴神)のフィットが合っていた方なら、本作もすんなり馴染むと思います。

長所と短所
長所
- 自然かつ美しい女性ボーカル
- ナチュラルな分離感
- 美しいフェイスプレート(賛否あり)
- オールジャンル対応型
短所
- やや重厚感・ボディ感が弱い
- パンチのある低音は苦手
- 至近距離で見るとシール感あるフェイスプレート
- 特徴があまりない

なんというか、オールジャンルを85点くらいで鳴らすような優等生なキャラクター。素晴らしいポイントは、レイヤーや空間表現の丁寧さ
総評と感想
「Juzear × KOTO Nebula(星雲)」は派手な第一印象で一気に惹きつけるタイプではないものの、どのジャンルでも85点~90点くらいの高い平均点を出すような優秀なイヤホンだと思いました。
音の粒一つ一つの表現という点では、価格なりの解像度・質感だと思うのですが、本作の良さはそこではないのかもしれません。丁寧なバランスや表現、レイヤー、奥行き、定位といったテクニカルな部分の完成度が高く、全体の総合力を底上げしている、しっかりと鍛え上げられた製品という印象です。
コンセプト通りボーカルを主軸に据えつつ、その他の音を丁寧に配置した音作りで、日本人が好みそうな音とも言えると思います。丁寧に調律されたバランス感覚を味わいたい方には、自信を持っておすすめできる完成度でした。
こんな人におすすめ
- 女性ボーカルや歌モノを、クリアで整理された空間で楽しみたい方
- 分離感・定位の良さと、聴き疲れしにくいバランスを求める方
- イヤホン選びのリファレンス的な存在を求めてる方



イヤホン選びに迷ってる方の第一選択肢としても…!
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本記事はHiFiGo様よりPRの機会をいただき執筆しました。このような機会を頂き心より感謝申し上げます。
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