今回ご紹介するのは、『ivipQ XuanQing 』という有線イヤホン用のケーブルです。
古河電工の低温処理7N OCC、いわゆる「クライオ処理」または「サブゼロ処理」とも言われている加工を施した単結晶銅という、素材にこだわりを感じる一本ですが…、果たして音はどうなんでしょうか。早速レビューしていきます。

製品について
導体
『ivipQ XuanQing 』は、『古河電工の低温処理7N OCC』を採用した8芯構成のケーブルです。
いわゆる「クライオ処理」または「サブゼロ処理」によって導体の結晶構造を整え、信号伝送特性の向上を狙った仕様となっています。

※線材の構成はあくまで公式の記載通りに紹介するもので、正確性を保障するものではありません。
プラグ仕様
2.5mm/3.5mm →金メッキ
4.4mm → ロジウムメッキ
商品リンク
外観など
全体像
パッと見た第一印象は、とにかく「渋く上品」の一言。黒い被覆に編み込まれた線材と、シルバー+ゴールドのメタルパーツの組み合わせは、派手すぎず地味すぎない、絶妙なバランス。格好良い。

金具パーツ外観
プラグはアルミ削り出しと思われるシルバーのハウジングに、ゴールドのリングが良いアクセントになっているリリースしたてのパーツになっています。2Pinもロジウムメッキ仕様です。

プラグ
プラグの接点は、4.4mm仕様に限りロジウムメッキになっています。

線材
線材は8芯で編まれていますが太すぎないデザイン。被覆越しに内部の導体がうっすら透けて見えるようになっています。
線材は標準的な硬さで、硬すぎず柔らかすぎず、取り回しも普通。

音質について
箇条書きで、本製品から得られた印象を書き上げると以下のような印象です。
- 全体的にタイトに引き締まり、粒立ちと見通しを上げる分析的なキャラクター
- やや明るく寒色寄り、前方斜め上に抜けていく開放感
- 低域は深さより輪郭重視で、ベースラインが追いやすくなる
- 中域は鮮明で俯瞰的だが、定位がやや曖昧甘め
- 余韻や消え際、有機的な立体感の表現は苦手でモニター的
試聴環境
※多ドライバー、1DD構成、フルBA等のイヤホンでケーブルを聴き比べ、感じられたことや変化を書き出します。
- Lotoo PAW 6000
- THIEAUDIO Monarch MKIII
- MoonDrop 竹 CHU2
- Softears Studio 4
- その他
ショートインプレッション
『ivipQ XuanQing 』を最初に聴いて感じたのは「音の輪郭がキュッと引き締まる」感覚でしょうか…?
全体的にタイトに収束し、粒立ちが良くなり、分析的に音を見通せるようなキャラクターを持っています。やや明るく、前方斜め上に音が抜けていくような開放感もあり、見通しの良さを重視する方には刺さるサウンドかもしれません。
寒色寄りの色付けがあり、ややソリッドでドライな質感です。ただ、ガチガチに硬いというわけではなく、滲みを許さない収束の速さや、音のレスポンスをグッと引き上げてくれるような印象が強いですね。純銅ベースのケーブルとしてはやや珍しい方向性で、低温処理の効果なのかわかりませんが、リスニング向きというよりはモニターライクな仕上がりになっている感じです。
低音域
低域は深さが僅かに増し量感もやや増加傾向にありますが、量感の増し方が独特です。深く沈み込むようなタイプというよりは、低域の輪郭をキュッと締めつつ厚みを増やし、ベースラインの動きや輪郭が追いやすくなるような方向で増えて聞こえます。
「ドーン」と来る重量感を求める方には少し物足りなく感じるかもしれませんが、ベースの音程感やキックの輪郭をはっきり把握したい方には合いそうな鳴り方ですね。低域がボワつかず、見通しが良くなることで、上の帯域に一切被らない引き締まった輪郭で、結果として中域以上の音がよりクリアに聞こえるという副次的な効果もある気がしています。
中音域
中域は鮮明で明瞭感が高く、モニター的・分析的に音の隅々まで見通せるような、俯瞰的な聞こえ方が特徴です。楽器のディテールを細部まで観察したい方には魅力的な鳴り方だと思います。
ただ、定位がやや曖昧になる場面があるのは少し気になるところ。音数が多いフレーズになると、それぞれの楽器が中央に寄って固まりがちで、密度が高い場面では一部の音が渋滞してしまうような印象もありますね。解像度は高く明瞭感はあるのですが、音同士はもっと離れていて欲しい…!なんて思ったりする場面があります。
シンプルな編成の音源ではこの俯瞰感が活きるのですが、オーケストラのような複雑な編成だと、もう少し定位の明確さや楽器同士が離れたレイヤー感が欲しくなるかもしれません。
ボーカル
ボーカルは中域の鮮明さを受け継いで、素直で明瞭でクリアな描写です。子音の立ち上がりがシャープで、歌詞の聞き取りやすさという意味ではかなり優秀ですね。
一方で、ややドライな質感でもあるので、ボーカルに艶感や色気を求める方にはあっさり感じられるかもしれません。女性ボーカルの高音域は伸びやかでスッと抜けていく印象ですが、温かみのある男性ボーカルや音の太い芯を求めると、もう少しボディ感が欲しいと感じる場面もありそうです。
高音域
高域は上方向によく伸びていく印象が強く、抜けの良さが強く感じられます。シンバルやハイハットの粒立ちもはっきりしており、明るく開放的な高域を演出してくれますね。
ただ、ややドライな質感は高域でも継続している印象があります。背景の暗さや余韻の沈み込みという面では物足りなさを感じる場面もあります。金属音は伸びやかで抜けが良いものの、ボディ感がやや薄く、金属が「鳴って響いている」というよりは「鳴って消えていく」という方向の表現。シンバルの厚みや金属が響く素材感みたいなものを重視する方には、もう一歩踏み込んでほしいと感じるかもしれません。
…しかしこれは厳しく言えばというか私自信の好みの問題でどうしても厳しく評価しがちな項目というだけでもありますので参考までに(笑)
また、輪郭は固く粒立ちは良くなったのに、音の粒の最小単位は小さくなりきらない傾向があり、消え際の音や余韻の細やかな表現は弱点と言えそうです。
オカルトチックで申し訳ありませんが、経験談的なワンポイントアドバイスを言えば、このケーブルでたくさん鳴らし込んでみて下さい。50hほど鳴らしこんだ所、明確にドライさや立体感、後述する空間表現に改善が見えました。
空間表現とダイナミクス
空間表現は標準的なところに収まる印象です。音は低域から高域まで全体的に近めの距離感で展開し、楽器の音同士もやや中央に寄って配置されるため、横方向の広がりや奥行きの深さはあまり強調されません。
解像度の高さに対して、空間表現の弱さがやや気になるのが正直なところ。せっかく一つ一つの音がクリアに見えても、その音が広い空間の中で響いているという感覚は薄く、頭の中で音がギュッと凝縮されているような聞こえ方になりがちです。
ダイナミクス面では、収束の速さやレスポンスの向上が功を奏して、音の立ち上がりはキレ良く感じられます。ただ、音の有機的な立体感や、楽器が「鳴って響く」ような表現はやや苦手な領域で、ややドライな質感が立体感を平面的に見せてしまう場面もありました。
逆を言えばモニター的な、平面的に整列させて音を鳴らすような音を好む方には刺さる可能性が高いのかなとも同時に思います。
私の好みの上での評価なので、私の申し上げる厳し目の評価点をかえって好ましいと思った方はポジティブに解釈頂いた方が宜しいかと思います。
総評
『ivipQ XuanQing 』は、古河電工製の低温処理7N OCCという素材の良さを活かしつつ、純銅系ケーブルとしてはやや珍しい「分析的・モニター的」な方向に振ったリケーブルだと感じました。
音の輪郭をキュッと引き締めてレスポンスを上げ、見通しの良さや粒立ちの向上を狙う方向性は明確で、刺さる人にはしっかり刺さるキャラクターを持っています。一方で、寒色寄りでややドライな質感、余韻や立体感の表現の弱さ、平面的な空間表現という部分は、好みが分かれるポイントになるかもしれません。
ウォームで滑らかな純銅サウンドを期待してこのケーブルを手に取ると、想像とはだいぶ違う方向に感じる可能性があるので、自分の好みと合うかをよく見極めてから選ぶのが良さそうですね。
こんな人にオススメ!
- 音の輪郭をはっきりさせて、見通しの良いサウンドにチューニングしたい方
- モニターライク・分析的な音の傾向を好む方
- 低域の量感より、ベースラインの追いやすさを重視する方
- やや明るく寒色寄りのキャラクターが好みの方
- レスポンスや収束の速さを上げたい方
購入先
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本記事はivipQ様よりPRの機会をいただき執筆しました。このような機会を頂き心より感謝申し上げます。
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