今回レビューして取り上げるのは、HIFIMANのワイヤレスイヤホン「HIFIMAN SVANAR WIRELESS」です。
SVANARといえば、HIFIMANの有線イヤホンとして登場した製品ですが、今となってはワイヤレスイヤホンののイメージになってる気がしています。実は有線イヤホンの派生モデルなんですよ…!

このSVANAR WIRELESSは単に既存モデルをワイヤレス化しただけの製品というより、HIFIMANらしい音作りをTWSの中でどこまで成立させるか、という方向にかなり力を入れたモデルという印象があります。
製品概要
「HIFIMAN SVANAR WIRELESS」は、2023年にリリースされた同社のフラッグシップクラスの完全ワイヤレスイヤホンです。製品名は同社のフラッグシップ有線IEM「SVANAR」から名付けられており、トポロジーダイアフラム技術など有線モデルと同様の技術が採用されています
仕様
| ドライバー | ダイナミックドライバー×1 (トポロジーダイヤフラム) |
|---|---|
| 接続技術 | Bluetooth 5.2 |
| コーデック | LDAC/AAC/SBC対応 |
| 周波数応答 | 10Hz〜35kHz |
| 防水 | IPX5 |
| 再生時間 | イヤホン単体 最大約7時間 / ケース併用 約28 時間 |
| 充電時間 | 約2時間 |
| 実勢価格 | ¥36,980(税込) |
パッケージ
パッケージは黒を基調としたシンプルなデザイン。 本体ケースがそっと除くようなシックでオシャレなパッケージになっています。HIFIMANらしい、製品画像で押し出すよりも、技術的な部分を押し出すような静かな主張があるパッケージって感じでしょうか。

箱を開けると、ブラックのフォームにイヤホン本体とケースが収まっています。

付属品
付属品は完全ワイヤレスイヤホンとして一般的なレベルですが、イヤーピースがかなり豊富です。
ケースはやや大型ですが、大型のイヤーピースを装着しても収納で問題にならないような工夫がされているようです。

製品外観
この製品の元となったSVANARのデザインを踏襲したシルバー基調、ちょっと近未来感のある造形で高級感がかなりあります。

まるで有線イヤホンのカスタムIEMのような有機的なシェルの形状を維持して装着感を高めつつ、ワイヤレス化したようなデザイン。

どうやら今回ご紹介しているロットは、マイナーチェンジ後のモデルになっているようでした。
マイナーチェンジ前はカーボン柄が見える仕様だったようです。
使用感・装着感について
最近の小型TWSと比べると本体もケースもやや大きめです。特にケースはかなり存在感があり、ポケットに入れて気軽に持ち歩くというより、バッグに入れて持ち運ぶタイプに近いですね!ケースの造形や質感は良く、開いたときの見栄えもかなり凝っていますが、携帯性だけを見るとコンパクトなTWSには少し譲るような…?
ペアリングはケースを開けるだけで自動的に開始されるとのことです。
AliExpressからの購入でも、蓋裏に技適マークがついているので日本においても安心してお使いいただけます。

装着感は大型のシェルの割にはスポッ!っと耳の窪みに入るような感じで良好です。ただし本体のノズルは短めなので、イヤーピースによってかなり装着感の印象が変わりそう。(私は交換しました)
遮音性については、本体のハウジングそのものの遮音性が高く、実用上はアンチノイズリダクションは不要な印象。もちろんONにすればノイズキャンセリングが効きますが音質の劣化がかなり激しいことに注意したい。
タッチコントロールはフェイスプレートをタッチするとかなり敏感に反応してくれます。ちょっと敏感すぎる気もしますが…
音質について
「HIFIMAN SVANAR WIRELESS」の特徴は…
「音質特価型TWS!ナチュラルで広い空間表現とバランス」という感じです。
どの帯域もナチュラルで聴きやすく、音圧も高すぎず空間も広め。まるでヘッドホンを音楽で聞いてるような自然で誇張の無い音で、空気感のあるアナログな表現にかなり優れる、まるでピュアオーディオ系のような音色です。
評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
試聴環境
iPhone 16 Pro MAXとBluetoothにて接続。
ショートインプレッション
おお…完全ワイヤレスイヤホンらしい分かりやすい派手さというよりも、音そのものの質感に少し重心を置いた鳴り方ですなぁ…
全体としては、どの帯域も突出したような感じや、いわゆるドンシャリみたいな傾向の音色でもなく、低域の土台感、高域の抜け、中域の滑らかさなどがしっかり捉えられるような極めてナチュラルな感じ。ニュートラルとかフラット、みたいな言葉で片付けるにはちょっと勿体なくて、ナチュラル。
まるで開放型ヘッドホンで聴くような自然な抜け感がある音色で誇張がなく、意識を向けた所の音がちゃんと見えてくるようなそんな印象で、立体感や空気感、音場の広さに優れているタイプだと思いました。
ワイヤレスイヤホンとは思えない仕上がりの良さがありますね。ただ、最近の分かりやすい誇張のある音作りの製品に慣れた耳だと、一聴した時に没個性に感じてしまう可能性もあったり。
低音域
楽曲の全体を支えるに十分な量感で、存在感はあるのに強さや主張もなく量感が先行してこない丁寧な鳴り方です。
全体に広がって支配的には成らず、ニュートラルな温度感の輪郭が見通しやすい解像感のある低域でリズムや空気感の表現にも優れているように思います。
中音域
低域の温かみが中域にも少し乗るような感じ。楽器類の響きは空間に自然に溶けて消えゆくようなナチュラルな響きや調和の取れた溶け合うような…鳴り方です。
楽器とボーカルが空間の中で一体感があり、とにかく自然に溶け合い、一つの空間で自然に鳴っている感覚があります。凄く自然な定位。
ボーカル
前傾する印象は控えめで、自然な範囲で僅かに前に出るだけ。丁寧に空間の中に計算高く配置されたような感じ。
女性ボーカルには優しい温かさ。男性ボーカルには豊かさが感情が乗るような息遣いの乗った聞こえ方に感じます。
高音域
高域は明瞭で、やや明るめに感じられる傾向があります。
空気感や抜け、細かなディテールを出すために高域がナチュラルに丁寧に配置する。それが解像感や広がりにも繋がっているのだと思います。シンバルの質感や余韻の伸びなどもワイヤレスイヤホンとは思えないナチュラルさでかなり丁寧に出してくれているように思います。
ただ、やや中高音付近に硬さがあり、楽曲によっては人によって刺さると感じる方もいるかもしれませんが、私個人としては全く気にならないレベルでした。むしろこの高域の明瞭さがあるからこそ、音場の広がりや解像感が出ているのだと思います。
十分にワイヤレスイヤホンとしては十分にコントロールされた高域表現だと感じています。高域の刺激が苦手な方は、イヤーピースで調整するのも良いかもしれません。
音場・空間表現
有線イヤホンに負けず劣らずのナチュラルで自然でかなり広い空間表現です。でも誇張したような音ではないので気付けない人もいるかも…
とにかく、立体的な音場で音の配置や距離感、レイヤー感に優れる分離感の良さがあります。
解像度
基礎的な性能が高そう。ワイヤレスイヤホンとしてはかなりレベルが高いです。昨今の製品と比べて押し出すような解像感や強調がある訳ではないので一聴しただけだとやや落ち着いた音色に感じるかもしれませんが、冷静に聴ける環境と時間さえあれば空間表現含め、相当驚くのではないでしょうか。
ダイナミクス
パワー感よりもスケールで魅せるタイプのダイナミクス。余裕のある鳴り方。静かな楽曲では静かに。勢いがある時にはしっかり追従するパワフルさ。そんな語らない潜在能力があるように思いました。

上品なスケール感。自然な空間表現。 イメージングに優れるワイヤレスイヤホン。
長所と短所
長所
- 高い質感のイヤホン・ケース
- 空間表現・臨場感に優れる
- ケースの高い質感
- 語らない基礎性能w
短所
- ケースが大きい
- ハウジングが大きい
- 敏感なタッチ操作



操作性や使用感にやや難はあるけど、音質は化物。 空間表現やスケール感は凄い、潜在能力を強く感じるワイヤレスイヤホン。
総評と感想
「HIFIMAN SVANAR WIRELESS」は、ワイヤレスイヤホンとして見るとかなり尖ってますね…(笑)
音質面では、非常に高いレベルにあると思います。特に印象的だったのは、中域の自然さ、空間表現の広さ、定位の明瞭さ、そして解像感の高さです。
音質面では然程欠点も無く、ここまで説明した通りの感想で満足度高めです。しかし、ANCや外音取り込みの性能を見るとやや物足りなさがあったり、ケースの携帯性といった部分では、大手ブランドの製品と同じ感覚で選ぶと不満が出るかもしれません。
日常機能を完璧に揃えた万能TWSというより、「ワイヤレスでも音質を優先したい人」に向けた製品だと感じます。
こんな人におすすめ
- TWSでも音質を最優先したい人
- 中域の自然さ、ボーカルや楽器の質感を重視する人
- 音場の広さ、定位、分離感を重視する人
- HIFIMANらしい余裕のある音色や、明瞭で透明感のある音が好きな人



音質特化型。
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