今回ご紹介するのは、「Rockxxee DK1 翠星」です。

製品について
Rockxxeeブランドの創設者はバンドのボーカリストとして音楽の現場に立ってきた方だそうです。
そんなRockxxeeが手がける「Rockxxee DK1 翠星」は、10.3mmの新素材デュアルチャンバー・ダイナミックドライバーを1基搭載したインイヤーモニターです。
振動板にはDLCコーティングを施した複合振動板を採用しており、軽さと剛性のバランスを取ることで立ち上がりの明瞭さと細かなニュアンスの表現を狙っているとされています。
仕様
| 構成 | 10.3mmデュアルチャンバー・ダイナミックドライバー |
|---|---|
| 再生周波数帯域 | 20-20kHz |
| コネクター | 0.78mm 2Pin |
| 発売日 | 2026年7月 |
| 価格 | 約160ドル (¥26,640-) |
パッケージ
外箱は黒地に、ドライバーの断面?または音波をイメージしたようなブルーのグラフィックが入ったデザインです。「入耳式监听耳机(进阶级)」の表記からもわかるとおり、モニター的な立ち位置を意識した製品のようです。
左上には星をかたどったブランドロゴが可愛いなと思ったりしています。

蓋を開けると、本体とケーブルが登場。よくあるウレタンスポンジではなく専用の型で配置されています。これはちょっと珍しいかな?
左側の上蓋の下部には、ちょっと詩的なメッセージが入っています。

付属品

- イヤホン本体 ×1ペア
- イヤーピース 3種類 合計9ペア
- ケーブル×1
- 交換式プラグ(4.4mm) ×1個
- ケース×1
- ビニールポーチ×1
- ケーブルクリップ×1
- メッセージカード×1
- クリーニングツール×1
- その他、説明書など
イヤホン本体
フェイスプレートのデザインがなかなか良いです。水色のマーブル模様に銀と金?のラメが散っていて、光の当たり方で表情が変わります。片側には星のロゴ、もう片側には「DK1」の刻印。
「翠星」という名前がそのまま形になったようなデザインで、ケースから出すたびにちょっと嬉しくなる類のやつです。

内側から見るとこんな形状です。耳の凹凸に沿うようなカスタムIEM寄りの造形で、ノズル先端にはメッシュフィルター。2pinの受け口は埋め込みタイプになっています。

ケーブル
付属ケーブルは黒いPVC被覆の4芯ケーブルで、モジュラー式なので4.4mm/3.5mmが切り替えられます。
私の個体については緩めの編み込みだったのでとてもしなやかでした。取り回しは一切苦労がありません。

イヤーピース
イヤーピースは合計9ペア、3種類のイヤーピースが付属していて豊富です。

その他
ケーブルクリップとクリーニングブラシ、ポーチにはブランドロゴが入っています。
※写真上は4.4mmが別セクションと重複していますが、プラグが1つずつのみの同封です。

メッセージカード
パッケージ内には黒い封筒にメッセージカードが同封されています。

こちらの中身は、日本語訳したものがXにて公開されていましたので引用しておきます。

装着イメージ
一般的なカスタムIEMライクなユニバーサル形状ですが、少し小ぶりなサイズ感なので余裕を持ってスッポリと入る不満のない装着感です。

音質について
「Rockxxee DK1 翠星」の特徴をいくつか書き出すと…
- W型寄りだが高域は抑えめのバランス
- 低域は中低域主体で軽快、キレとハリが同居した低音
- 重低音の質感が高くナチュラルな添え方
- ボーカルへの自然なフォーカス
- 量感控えめでも質の高い高域
- レスポンスの速いサウンド
とにかくよく鳴ります。鳴らした瞬間から元気いっぱい、スパンスパンとリズムが飛んでくる感じです!凄く軽快!低音もハッキリ。高域もとても煌めきがあり、品よく余韻もしっかり後を引き、シンバルの余韻スウっと消えるところまでちゃんと見せてくる。明るくて速いのに雑にならない、質の良さを魅せる…そんなタイプのイヤホンです!
周波数特性
実測データは以下の通りです。
(IEC711/IEC 60318-4 clone / 1/12oct (1kHz) @ 94dB )
※8KHz付近は計測器の特性上共振しやすい帯域実際よりもピークが強めに出やすいことを理解の上でご覧ください。
平均値

左右差

評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
試聴環境
- Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
- Lotoo PAW GOLD TOUCH
- 付属イヤーピース(半透明)
ショートインプレッション
「Rockxxee DK1 翠星」を試聴し始めてすぐ感じたことは、とにかく良く鳴る!しっかりダイナミックドライバーが入力通りに動きまくっててレスポンス早く、パワフルで元気で…そして飾りっ気のない感じ。ナチュラル!
重心は中低域寄りに置かれていますが重低音もしっかりナチュラルに鳴っていて、そこからボーカルがぐっと前に出てくるW型のバランスです。ただし高域はやや控えめ。だから変に騒がしくならずに済んでいる、というのが聴き込んでからの理解でした。
温度感はニュートラル、強いて言えば僅かに寒色感も無くはないけど…?という感じ。そしてモニター風味の一辺倒でもなく、暖色の柔らかさに寄せているわけでもなく、少し硬めの音作りで、その硬さがキレの良さとして出ています。ポップスを流すと本当に楽しい。明るくて前のめりで、軽快!聴いていて口角が上がるタイプの鳴り方ですし、見通しの良さを凄く感じます。
総じてレベルの高い1DDイヤホンだなぁと感じました。元気で明るく明瞭感が高い、ハイレスポンスサウンド。これが本作の芯にあるキャラクター性なのかなと思います。

モニターっぽいニュアンスは無くはないけど言われなければ気づかない。どっちかというとまとまりのある仕上がったサウンドって意味ではそうかも?くらい。
低音域
中低音が主体で輪郭もハッキリと追いやすいタイプの低音、言い方を変えれば存在感のある見通しの良い低音です。量感自体はやや多めくらいですが、実際の量感よりも多めに感じるくらいには存在感があります。
レスポンスも早く収束も早めでドンと鳴ってスッと引くので、曲が混雑しても低音が残ってゴチャっとしないし、軽快です。キレとハリがあるような同居したような音の出方がします。
通常時は中低音主体の鳴り方なのかなと思いますが、重低音が要求されるような楽曲では、力強さが芽生えたかのようにゴゴゴと重心低く響き、太さと厚みが自然に乗る骨太なサウンドも出ます。ずっと重低音が鳴るのではなく、必要な時だけ深いところが顔を出すような挙動です。しかもそのサブベース膨らまない。輪郭もしっかり保っているので質感が高く感じますね!
アタックは全体的に強めですが、柔らかい訳ではないけど柔軟性があるような感じで塊が殴ってくる感じでは無いのが好印象です。
中音域
バイオリンの響きが本当に良い。エネルギー感があって、生っぽさがしっかりあります。
というより生楽器全般にリアリティのある鳴り方!これがめっちゃ良い。
ただし、良くも悪くもちょっと近い距離で聴いているようなパンチがあります。ホールの後ろの席で聴く音ではなく、演奏者のすぐそばで聴いている音。この距離感を好むかどうかで評価が変わりそうですが…(^_^;) でも音自体の質感が良いですね。
ピアノは打鍵の芯がしっかりあります。でも程よく滲むんですよね。カチッと固まりきらずに、音の輪郭がわずかに溶ける。これが甘さになっていて、聴いていて心地よい。速くて硬質な音作りの中に、こういう緩さが混ざっているのが個人的には好きなポイントでした。
フルートもディテールが自然で、違和感がありません。生音でもデジタル音源でも、どちらかが苦手ということはなさそうです。
気になった点も書いておくと、中高域が少しピーキーな感触があります。エネルギー感が多い鳴り方なので、曲によっては中高音周りや楽器の音が多いと騒がしく感じる可能性があると思います。
ボーカル
距離は近めでW型のバランス。質感としては、息遣いが追えるタイプ。ブレスの入り方や語尾の処理が見えるので、歌い方のクセまで拾えます。極端に艶を乗せたり粘らせたりはせず、そこは素直な描き方だと感じました。



個人的にはアーティストのCrystal Kayとの相性が良く感じました。声の芯とリズム隊のキレが噛み合って、リズミカルで聞いていてテンションが上がりましたw
高音域
ここまでの帯域に比べると、高音域の量感は抑えられているように思います。自然な減衰を伴う音の出方で、一聴すると物足りないと感じる方もいるかもしれません。私も最初はそう思いました…が様々な楽曲を聴き込むうちに気づきました。
とにかく質が良いです。一番気に入った帯域かもしれないです(笑)
繊細で自然で、主張はないのに粒立ちが良く、解像度の高さを強く感じさせる。いわゆる美しい響き、という言葉が浮かぶ鳴り方をします。シンバルの響きと余韻、抜け感。弦楽器の響きと抑揚。空気感の再現も上手い。一聴すると量感控えめではあるのに表現力があるのは、この価格帯では珍しいかもしれません。
リバーブの効いた楽曲を再生してみると一番わかりやすいと思います。消え際のギリギリまで音を追いかけてくれるので、残響の長さと質がそのまま見えます。もし高域の量で選ぶタイプの方だと物足りなく映るかもしれませんが、質で選ぶならグッとくるものがあるかもしれません。
音場・空間表現
全体的にやや広めです。音抜けも良く、詰まった感じがありません。
左右のセパレーションが良く、横方向の分離がしっかりしています。楽器が左右に散る曲だと気持ちよく広がってくれます。奥行きは標準的で、飛び抜けて深いわけではありません。頭外に音は出ていますが、そこまで大きく外に出るというほどでもない。定位の精度も標準的な範囲だと思います。
つまり横方向の広さと抜けの良さが持ち味で、前後方向は普通。そういう空間の作り方です。リバーブの消え際まで鳴らしきる性質と合わさって、空気感の再現はかなり良いですねね。
解像度
情報量は多め。そして分離感が誇張されていないのが良いところ。基礎性能の高さに気づくような音ですね。
中高域~高域に煌めきがあって、そこが解像感を後押ししています。ただ、前述したように音を少し滲ませたような甘さもちょっと同居していて、このバランスが面白い。カリカリに解像させるだけのイヤホンとは違う手応えがあります。
全体を俯瞰してみれば、モニターイヤホンのように音を見通せる要素もある気がしています。ただ、鳴り方そのものはリスニング志向です。分析のための音ではなく、楽しむための音でありながら、必要な情報はちゃんと出してくる。そんな立ち位置だと思います。たぶん。
ダイナミクス
アタックが全体的に強めです。中低域のアタックがかなり強く、レスポンスも速い。強弱の落差がはっきり出るので、曲の勢いがそのまま伝わる感覚があります。
スネアドラムがスパンスパンと破裂するような強いアタックで鳴るのは少し気になりました。音数の多い混雑しやすい楽曲でも、スネアがかなり目立ってきます。リズムが前に出るのは気持ち良いのですが、曲によっては主張が強すぎると感じる場面がありました。ここは好みが分かれる部分かもしれません。
長所と短所
長所
- 元気で明るく明瞭感高い
- 中低域主体でキレとハリが同居した低音
- 量感控えめでも質の高い、美しい響きの高域
- 横方向の広さとセパレーションの良さ
- 誇張のないナチュラルな分離感
- 生楽器のリアリティとエネルギー感
短所
- 中高域が少しピーキー
- スネアのアタックが強い
- 奥行きと定位は標準的
- 少し硬めの音作り
- 2pinコネクタがかなり固い



完成度高いなぁ。パワフルで素直だなぁ…
総評と感想
「Rockxxee DK1 翠星」は、1DDという構成のシンプルさをそのまま強みに変えてきたイヤホンだったと思います。
音の芯にあるのは、元気で明るく明瞭感の高いハイレスポンスな鳴り方、中低域が主体になって軽快に押し出し、そっと重低音が支え、ボーカルが近くにフォーカスされ、高域は控えめながら質で勝負してくる。
W型と言って良いバランスだと思いますが、高音はちょっと抑えめ。音色そのものはニュートラルで、味付けの方向としてはW型という感じ。
そして懐が広い。どんな楽曲でも受け入れてくれるタイプで、ジャンルを選んで鳴らし分ける必要がありません。ポップスは特に楽しく、生楽器はリアリティがあり、ライブ音源は空気感まで出る。全体を俯瞰すればモニターイヤホン的に音を見通せる要素もあるのですが、鳴り方そのものは間違いなくリスニング志向。
気になった点も正直に書いておくと、中高域のピーキーさとスネアの主張の強さは人を選ぶと思います。アタックが強いぶんリズム隊が明瞭になるのは長所でもあるのですが、音数の多い楽曲でスネアが刺さるように前に出る場面があり、そこは好みが分かれるところなのかなと。
また、寒色でもモニターでもないものの少し硬めの音作りなので、暖色寄りや柔らかさを重視する方には評価が割れそうです。
逆に言えば、そこさえ許容できるなら非常に完成度の高いイヤホンだと思います。
こんな人におすすめ
- 元気で明るく明瞭感高い
- 中低域主体でキレとハリが同居した低音
- 量感控えめでも質の高い、美しい響きの高域
- 横方向の広さとセパレーションの良さ
- 誇張のないナチュラルな分離感
- 生楽器のリアリティとエネルギー感



シンプルに良い1DDイヤホン
購入先
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本記事は巴音(トモネ)Audio様よりPRの機会をいただき執筆しました。このような機会を頂き心より感謝申し上げます。
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