LETSHUOER D02 レビュー|約5,000円で買える見通しの良さ、高域と声で聴かせるエントリーイヤホン

今回ご紹介するのは、「LETSHUOER D02」です。

LETSHUOERが5,000円前後の価格帯に降りてきた、と聞いたときは驚きのほうが先に来ました、エントリーも発売するのだと。
このブランドのラインナップは1万円台から上が主戦場で、超廉価帯は完全に空白。でも廉価帯にふさわしくケーブルを3.5mmとType-C(DAC内蔵・マイク付き)から選べるように設計。

スマホ直結でもゲーム機でも、買ってそのまま使える形にまとめてきています。エントリー機に求められるものをきちんと分かっている作りだなと思いました。こういう所がLETSHUOERらしい真面目で堅実な企業というイメージにも繋がっていますね。

さて、レビューの方を進めていきたいと思います。

LETSHUOER D02
LETSHUOER D02

LETSHUOER様より、ご紹介のために製品をご提供頂きましたが、内容は当サイトの下記のレビューポリシーに基づく筆者自身の体験と個人的な見解のみで構成しています。

目次

製品について

LETSHUOERは深センを拠点とするオーディオブランドで、平面駆動型イヤホンのS12やTapeで名前を広め、現在はフラッグシップのCadenza 12まで幅広く展開しているとのことです。製品の中心は1万円台から上の価格帯にあり、超廉価帯にはこれまで製品を持っていませんでした。

「LETSHUOER D02」は、その空白を埋める形で投入された同社初のエントリークラスモデルです。自社開発の11mmダイナミックドライバーを1基搭載する有線イヤホンで、スマートフォンやゲーム機に直結して使うことを想定した設計になっています。

ドライバーには0.03mmの超薄型紙パルプ複合振動板を採用し、二層磁気回路によって振動板の前後から駆動力をかける構造をとっています。これにより振動板の動きを安定させ、歪みを抑える狙いがあるとのことです。加えて内部はダブルチャンバー構造となっており、空気の流れと圧力を制御することで共振を減らしています。

発売は2025年8月22日。発売時の想定価格は3.5mm版が4,950円、Type-C版が5,450円となっています。

構成1DD
(0.03mm 超薄型紙パルプ複合振動板)
再生周波数帯域20Hz〜40kHz
発売日2025年8月22日
価格3.5mm版 4,950円
Type-C版 5,450円
製品仕様

パッケージ

外箱は薄型の段ボール箱で、外側に巻かれるスリーブにはフェイスプレートを印刷したものが採用されています。
5,000円前後の製品としては、珍しいパッケージで、箱を開ける流れがちゃんと整理されていますね。

LETSHUOER D02 パッケージ外観
パッケージ外観

開封してみると、樹脂製のハードケースがまるっと入っていました。

LETSHUOER D02 付属ケース
付属ケース

付属品

LETSHUOER D02 付属品
付属品
  • イヤホン本体 ×1
  • イヤーピース 2種類 合計6ペア
  • 付属ケーブル ×1
  • キャリングケース ×1
  • その他、説明書など

イヤホン本体

本体はアルミ合金のフェイスプレートに透明ポリカーボネートのシェルという組み合わせ。フェイスプレートは凹凸のある細かいカット面が放射状に入った造形で、キラキラと輝く仕様になっています。
写真だと平坦に写ってしまうのが少々残念ですが、実物は角度によってきらっと返ってくるので、価格から想像するより上等に見えます。

LETSHUOER D02 イヤホン正面
イヤホン正面

シェルが透明な部分が多いわけではありませんが、内部のドライバーやチャンバーの構造がうっすら見えるのも面白いところです。カラーはアクアとベリーの2色展開。今回ご紹介しているサンプルはベリーカラーのものです。

LETSHUOER D02 サイドビュー
サイドビュー

少々珍しいビビットピンクだったのでこのカラーを選択してみました。

ケーブル

「LETSHUOER D02」はケーブルの違いで2バージョンが用意されていて、Type-C版にはDACとMEMSマイクが内蔵されています。

LETSHUOER D02 ケーブル
ケーブル

今回ご紹介するType-C版は、154芯とやや太めで、最大32bit/384kHzまでのデコードに対応します。イヤホンジャックのないスマホやタブレット、Nintendo Switchのような機器にそのまま挿して使えるので、変換アダプタやドングルを別に持ち歩く必要がありません。

エントリー帯で「買ったその日から使える」形にしてあるのは、実用面でかなり効いていると思います。

LETSHUOER D02 type-C
type-C仕様

イヤーピース

イヤーピースは軸の色が違う2種類で、傘の硬さと開口径が変えてあります。人それぞれの相性があるので、どちらも試してみて相性が良さそうなしっくりくるものを使ってみましょう。

LETSHUOER D02 付属イヤーピース
付属イヤーピース

付属ケース

樹脂製のハードケースが付属します。ポケットに忍ばせるには少々硬いのですが、カバンに入れるなら問題ないでしょう。

LETSHUOER D02 付属ケース
付属ケース

装着イメージ

耳掛けとイヤーピースの2点のみで支えるタイプですが、シェルが小ぶりで丸みがあり、しかも軽い。耳の中に当たって痛くなるような突起もなく、長時間つけていても圧迫感が出にくいので装着感が思ったより良好です。

LETSHUOER D02 装着イメージ
装着イメージ

音質について

最初に結論から。

  • ニュートラルよりわずかに明るい
  • 低域は量より輪郭
  • 締まっているが沈み込みは浅い
  • 中域は前寄りで見通しが良く、こもらない
  • ボーカルの距離感が自然
  • 女性ボーカルとの相性が良い
  • 高域の粒立ちと伸びが価格帯の水準を超えている
  • 刺さりや金属的な硬さが出にくく、聴き疲れしにくい
  • 音場に高さと前後感があり、分離で聴かせる
  • Type-Cでも音量取りやすくリケしても鳴らしやすい

5,000円前後の価格帯は「まず低音や高音を盛って派手に聴かせる」チューニングが定番になっていますが、本作はそこに行きません。低域を締めて輪郭を残し、中域を前に出し、高域をきれいに伸ばす。結果として、声と楽器の形がはっきり見える方向にまとまっています。

明確で分かりやすい音色なので、箇条書きの特徴もいつもより多く書いてしまいましたね(笑)

周波数特性

実測データは以下の通りです。
(IEC711/IEC 60318-4 clone / 1/12oct (1kHz) @ 94dB )
※8kHz付近は計測器の特性上共振しやすい帯域で、実際よりもピークが強めに出やすいことを理解の上でご覧ください。

平均

左右差

評価チャート

音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。

音の傾向
暖色
寒色
ウェット
ドライ
暗い
明るい
狭い
広い
低解像度
高解像度
繊細
迫力
モニター
リスニング
人工的
リアル
ゆったり
早い
ビルドクオリティ
残念
良い
費用対効果
残念
優秀
装着感
微妙
良い
付属品
最低限
充実・豪華

試聴環境

  • Lotoo PAW 6000
  • lotoo PAW GOLD TOUCH
  • 付属イヤーピース(ナローボア)

全体的な音色や特徴など

「LETSHUOER D02」の音色は、ニュートラルを基準にほんの少し明るいほうへ寄せた、クリーン系のバランスです。中域から高域にかけての見通しが良く、低域は量より輪郭で支える音色になっています。聴感上は「低域控えめの中高域寄り」と捉えるほうが近い音色だと思いました。

やや明るめの音色ですがクールな印象は少なくザラッとドライな感じはありませんし暴れていないのは流石のLETSHUOERブランド。耳の痛くなる音はよく回避出来ているように思いました。

低音域

量感は明確に控えめです。深く沈み込んでくるタイプではなく、立ち上がってすぐ収まるような収束の速さがあります。キックはエネルギッシュに叩きますが、サッパリしています。質感としてはタイトで輪郭で追える描写で、速い曲でも追従性は高め。
とはいえ軽すぎることもないとは思います。

締まりと制御という意味では、価格を考えるとかなり優秀。ウッドベースの音階も比較的聞き取りやすいのも良い所。しかし、超低域の重みは少々物足りなさがあるのは事実で体に響くようなウネリは控えめ。ボディ感が少ないのでイヤーピースやケーブルなどで微調整していくと良いと思います。

中音域

やや前傾的に聴こえてくる帯域で、全体的にクリアで明瞭度高め。アコギのフレットを擦れるようなディテール、弦の弾ける音もハッキリ聴こえてきます。ピアノの音も明瞭でどこか実体感があるような鳴りなのが良いですね。

とはいえ、音の数が多い楽曲となると少々ドライ気味に音が混雑してくるのは価格帯的にも仕方ない部分なのかもしれません。約5000円という価格でのディテールの限界なのか音粒自体もやや大きめではあるので仕方ないかもしれません。

ボーカル

ボーカルはやや近めに配置されていて、ブレス周りのディテールが豊か。特に女性ボーカルは刺さらない程度にハスキーな質感が乗っていて聴いていて気持ちが良いですね!
男性ボーカルも息遣いがよく聴こえてきます。感情や情緒をじっくり聴かせるほどのディテールはありませんが、かなり頑張ってる帯域だなぁと思いました。もう少し温度感や乗ると良かったのですが、ちょっとした私のワガママかもしれません。

高音域

ハイハットやシンバルなどの金属系の音粒が繊細でクリア。伸びも素直で空気感や抜け感も結構あります。でも適度にカドが取れている感覚もあります。ホール感やリバーブが乗っている楽曲も綺麗に伸ばしてくれるので、高域のディテールは約5000円の製品としては頑張ってるなぁと思います。かなりナチュラル…!

音場・空間表現

音場はエントリー機としてはやや広めで左右も広い。高さも少し余白があってエントリー機としては明確に広めだなと思いました。高域のセクションでも話したようにホール感に由来する奥行きもあるので満足度高めだと思います。定位としてもセンターがしっかりしていてボーカルも安定しているので定位も不満がありません。

解像度

解像度はそこまで誇張していないタイプなので解像感は強くありませんが、数値上の解像度よりも空間や定位、質感といった部分の良さの方が目立つ製品だと思いました。

Lotoo PAW 6000をプレイヤーにして、リケーブルをしてみると微細な音も結構拾ってくれる素直さがあるので、基礎的な性能はもっと高いのかもしれませんね。

ダイナミクス

音の立ち上がりは早めで、アタックがもたつかずリズムキープがしっかりしている印象。動と静の落差は標準的ですが、音の素早さは早め。そんな印象です。

低域の量感が控えめなぶん、盛り上がる場面での圧はやや控えめですが…いやこの製品は迫力を求めて買うタイプのエントリー機ではなさそうですし、不要な要求かな…なんて思いながら聴いていました(笑)。

長所と短所

長所

  • 5,000円前後で、この見通しの良さと分離の良さが手に入る
  • 高域の粒立ちと伸びが価格帯の水準を超えている
  • 刺さりや金属的な硬さが出にくく、長時間でも聴き疲れしにくい
  • ボーカルの距離感が自然で、特に女性ボーカルとの相性が良い
  • 音場に高さと前後感があり、廉価帯にありがちな窮屈さが少ない
  • 0.78mm 2pin脱着式でリケーブルの余地が残されている

短所

  • 超低域の沈み込みが浅め
  • ベース主体のジャンルでは土台が足りず、物足りなさが出やすい
  • 音数が増えるとゴチャっと音が曖昧になり、分離も一段落ちる
  • 明るいソースと合わせると中高域が主張を強めすぎるかも
  • 音の厚みや圧で聴かせるタイプではない

やや明るめのニュートラルバランス。得意不得意も明確な機種。

総評と感想

約5000円という価格帯は「低音を盛って分かりやすく満足させる」のが最短ルートで、実際そういう製品が多いなか、そこにあえてニュートラルバランスでで勝負する機種を投げ込んできたのは、LETSHOUERブランドの一貫したブランディングでもあり哲学なのかなと思いました。廉価帯の作法ではなく自分たちの作法を持ち込んだ、という言い方がしっくりきますね。

その代わり、万人向けではありません。得意なジャンルと苦手なジャンルがはっきりしていて、聴くものによって評価が大きく振れるはずです。とはいえ何を期待して聴いたか、何と合わせるのが最適か。という得手不得手の話だとも思います。

選ぶ側としては、自分が低音に何を求めているかをはっきりさせてから手を出すのが正解だと思います。そこさえ噛み合えば、支払った金額に対して返ってくるものはかなり大きいと思いますが、逆に噛み合わないと、良さが一つも刺さらないまま終わってしまう可能性もある。そういう意味では、価格の割に「選ぶ判断」を要求してくる、ちょっと大人びた製品だったかも?

こんな人におすすめかも。

  • ボーカルを主役にして聴くことが多い方
  • 比較的軽やかな音色を好む方
  • 高域の粒立ちや抜けの良さを、この価格帯で求めている方
  • 低音は多少控えめでも良い方
  • スマホやゲーム機に直結して完結させたい方(Type-C版)

このあたりに当てはまる方であれば、5,000円という金額に対して十分すぎるものが返ってくると思います。逆に、低音の圧やドンシャリの派手さを期待している方には向かないので、そこは正直にお伝えしておきますね!

レビューは以上となります。
ここまでお読み頂きありがとうございました。

購入先


筆者に質問コーナー

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この記事を書いた人

メディアサイト「Trefle Lab」を運営しています。
積極的にオーディオ製品やガジェットなどもレビューしています。

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