今回レビューするのは、「Sound Rhyme SR6」です。
「いやこれ盛りすぎでは…?」というドライバー構成の製品に出会うことも最近は増えていますよね。DD、BA、平面駆動、そして骨伝導。普通なら音がバラバラになりそうな構成でも、たまに“ちゃんと噛み合った一本”が現れて、価格帯の常識をひょいと越えてくることがあります。

今回ご紹介する「Sound Rhyme SR6」は、まさにそんな雰囲気のイヤホンです。値段も安く、AliExpressのセールに乗ればほぼ2万円ぴったりくらいで比較的入手性も高め…では早速レビューをしていきます。
製品について
Sound Rhymeは、SR5・SR7・SR8・DTE系といったマルチドライバー機を出し続けてきた、いわば“多ドラ好きのブランド”というイメージがあります。そのラインに新しく加わった「Sound Rhyme SR6」は、1DD + 2BA + 2PD + 1BCという珍しい構成をとっており、役割分担がはっきりした設計になっているようです。
仕様
| 構成 | 1DD + 2BA + 2PD + 1BC(片側6ドライバー) |
|---|---|
| 再生周波数帯域 | 10Hz–40kHz |
| コネクター | 0.78mm 2Pin |
| 発売日 | 2026年4月 |
| 価格 | 約199ドル(実売・セール時は2万円台〜) |
パッケージ
濃紺から水色へ抜けていくグラデーションに、筆で書いたような「SR6」のロゴ。そして本体の写真を貼っただけのシンプルな佇まいのパッケージ。

開封すると黒いウレタンにケーブルがハート状に収められた、“魅せる”収納。
開封の瞬間の満足感はしっかり高め。

付属品

- イヤホン本体 ×1ペア
- シリコンイヤーピース ×3種類
- キャリングポーチ×1
- プラグ交換式ケーブル ×1
- 3.5mmプラグ ×1
- 4.4mmプラグ ×1
- クリーニングクロス ×1
- クリーニングブラシ
その他、説明書など
イヤホン本体
木目調の黒と青が流れる模様が走る独特のフェイスプレートに、SRとブランドのロゴプレートが封入されています。通常、フェイスプレートは表面だけに柄が入っているものが多いのですが、本作は回り込む位置まで柄が描かれています。

以下のように、ハウジングの半分まで柄のある部分が回り込む珍しい設計になっています。

シェイプにはこだわりがありそうな、カスタムIEM的なくぼみがしっかり入っているタイプですね。
ケーブル
3.5mm・4.4mmのプラグが交換できるタイプの付属ケーブルが同封されています。

イヤーピース
イヤーピースは、台紙に並んだ液体シリコン系と、ケース入りの2種(オリーブ+グリーン軸のワイドボア系と、狭めのボアの柔らかい半透明のイヤピ)が付属。

装着感と音のバランスを詰めやすい構成で、3種類の個性違いのものが付属するのがポイント。
その他
収納ケースはネイビーのレザー調。クロスには「音韻美 / Sound Rhyme」のロゴが入っていて、品質も高め。
清掃ブラシも付属します。
(※ケースの型押し刻印に「Souud Rhyme」と綴りのミスを見つけてしまったのですが、ここはご愛嬌ということでw)

音質について
「Sound Rhyme SR6」をざっくり言うと、
DD・BA・PD・BCそれぞれの質感の差を使って音のレイヤーをを魅せてくれる楽しいイヤホン。
各ドライバーごとに役割を分け、その違いをあえて隠さず音のキャラクターとして前に出してて個性として成立しているのが面白すぎる!
周波数特性
実測データは以下の通りです。
(IEC711/IEC 60318-4 clone / 1/12oct (1kHz) @ 94dB 左右平均)

※8KHz付近は計測器の特性上共振しやすい帯域のため、実際よりもピークが強めに出やすいことを理解の上でご覧ください。
評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
試聴環境
- Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
- Lotoo PAW GOLD TOUCH
- 付属イヤーピース(水色軸の柔らかいもの)
- 4.4mmプラグ
ショートインプレッション
第一印象は、とにかく音が前に出てくる、立体的で情報量の多いサウンド。超W型のドンシャリでボーカルも引っ込まない。
低域は厚みと沈み込みを持ちつつ、骨伝導の振動感が奥行きを足してくる足してくるw。
ボーカルはしっかり前傾的で、特に女性ボーカルが明るい曲でも埋もれません。高域は平面駆動らしく煌めいて、上方向に空気感や繊細な音粒が広がっていきます。
そして全方位に展開する3D感のある音場。シネマティックとも形容したくなるような、そんな包まれ方でしょうか。穏やかなBGM向きというより、「よし、音楽を浴びよう」という気分で対峙したくなる、エネルギッシュで華やかな鳴り方ですね~。楽しいです。このイヤホン(笑)
低音域
低域はDDが担っているのか、想像よりも自然な質感と音色。
低音はしっかり量感が感じられるタイプ、中低音からブーストが掛かっているようで厚みや太さのある表現をしてくれています。重低音まで自然に出ますが、どちらかといえば中低音寄りなバランス。4:6くらいの割合で中低音寄りという感じ
質感としてはやや温かみのある低音で程よく弾力も乗ります。わずかにダークな広がりがある質感、ポップスなどを聴いていると、やはり中低音の存在感が強めで、やや主張していて低音を鳴らしている感は強めですが、これもドライバーの中の一つを“聞かせる”チューニングだと考えると納得感がありますね。
立体感が結構あるので、骨伝導由来かと思ったんですが本作はピエゾ式骨伝導とのことで低音域には関与していないと思われます。たぶん。
中音域
中域は鮮明でレスポンスの良い小気味よい鳴り方。押出が強く明瞭度が高い反面、細かなディテールはやや追いつかず平面的に粒立ちは良いものの最小単位は大きめのサウンド。
しかしこのイヤホンの全体が押し出し強めなので、全体の中では全く気にならないという絶妙な塩梅になっているように感じます。
…ということもあり楽器が後ろに引っ込まずクリアに見通せます。
各ドライバーの質感が違うぶん、低域・中域・高域が同時に主張しても、それぞれの位置と質感を追いやすい。インストが密に詰まった曲でも、音がごちゃっとしない不思議なイヤホン。
ボーカル
ボーカルは男性も女性も前傾し目立つ鳴り方。性質だけみればクリーンで見通しの良いクリアなサウンド。
絶妙に艶っぽさがあるしセンターでしっかり鳴るので存在感も十分。
中音域でも語ったように細かなディテールそのものは価格なりで音の最小単位は粗めなのに、クリアさはちゃんと維持しているので、音の粒の太さや粗さがいい具合に全体の鳴り方にマッチしてしまう。
繊細さや抑揚、細かな表現力に目をつぶれば十分な「クリーンで明瞭度の高いサウンド」だと思います。
高音域
高域は全体の中では繊細さや音粒の小ささを感じる、やはり良い意味で質感が違うサウンド(笑)
シンバルや金属系の楽器にちゃんとキラッとした艶っぽさや輝きが乗り、空気感もありどこかシルクのようなサラッとした伸びも感じる滑らかさのある質感だと感じます。
アタックの刺激が抑えられているのが良い所。本作の空気感や繊細さの表現に上手に寄与している印象がありますね。
音場・空間表現
ナチュラルかと言われるとそうではありませんが、空間は前後左右上下と、まるで3D空間のような包まれる音場に感じます。立体的に音が躍動するのも本作の楽しいポイントで、この価格で楽しめる空間表現としてはかなりレアな存在かなと思います。
とにかくリスニング体験を楽しいものにしたい方にうってつけです。楽しい(笑)
解像度
AliExpressのセール時には実売2万円と考えると、解像度や分離感はとても高く時代による進化も感じられるような仕上がりになっています。
とはいえ、繊細なディテールが優秀で価格以上というわけでもなく、解像度…ではなく解像”感”が抜群に高いタイプ。
ドライバーの質感違いをあえて活かし、情報が多い楽曲でもしっかり分離させて濁らせず音楽を楽しめる稀有な製品だと思いますね。
個人的には私は解像度と解像感は別物として捉えて評価していますが、解像感も解像度の一つとして考えるならば、値段以上に解像度が高い製品と言っても良いと思います。
ダイナミクス
ここまで何度も語ってきましたが、本作は音楽を派手に、勢いよく押し出してくるタイプ。繊細な部分や弱音をそっと置くように鳴らさないといけない部分でもガッと音を拾って再生してしまう、それも御愛嬌。
低域の立体感、目立つボーカル、高域の煌めきが同時に立ち上がるので、ノリの良い曲との相性は抜群。
全体のエネルギー感が強く、大音量で長時間聴くと疲れを感じる人もいそう…というのが正直なところですが、むしろそれが受け入れられている個性派という感じ。
装着イメージ
実売2万円の製品にしては深くしっかり密着するカスタムIEMライクな形状。
耳のサイズが合えばかなり密着して遮音性の高く装着感もかなり良いのではないでしょうか。

長所と短所
長所
- 音楽を全力で楽しませてくれる音作り
- 全方位に広がる立体的な音場
- 中低音寄りで存在感ある低音
- 満足度高い付属品
短所
- 質感違いのある音作りが個性派
- 落ち着いた長時間リスニングには不向き
- 繊細なディテールは埋もれる

個性派すぎて長所も短所も視点を変えればひっくり返る。
総評と感想
「Sound Rhyme SR6」は、1DD + 2BA + 2PD + 1BC(片側6ドライバー)という一見派手な構成を派手なままちゃんと活かした意欲作という印象でした。
結論としては、万能機でもリラックス向きでも、かといって特定の何かに向いたイヤホンでも無いとは思いますが、音の質感の違いをあえて魅せる形で、音楽を楽しませてくれる個性派イヤホンとして上手に成立させた製品だと思います。
「今日は派手に、立体的に音楽を浴びたい」と思わせてくれる個性を手持ちイヤホンにしておきたい。
そう感じたならぜひ試してみてほしいイヤホンでした。
こんな人におすすめ
- エネルギッシュで華やか、立体的なサウンドを浴びたい方
- 多ドラらしさを真っ向から浴びたい方
- 個性派のイヤホンが欲しい方



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