今回レビューするのは、「CVJ Jemine」です。
「二次元に全振りしたパッケージのイヤホンでしょ?」 いやいや、そんなこと全然ありません。むしろCVJさんの製品で、チューニングが丁寧でいつも完成度高いんですよね…

CVJブランドの製品ということで、期待を旨に膨らませながらレビューをしていきます。
製品について
「CVJ Jemine」は、マグネシウム・アルミニウム合金の複合振動板を採用したダイナミックドライバーに、高域用のカスタムBAを組み合わせた 1DD+1BA構成のハイブリッド型有線イヤホン。DD側が今風のデュアルマグネット・デュアルチャンバー設計のもので低音を担い、BA側が高域の明瞭さと輪郭を補う、というおなじみの構成です。
フェイスプレートはマグネット式で着脱でき、キャラクター柄の「Anime」版と、流れるような模様の「Colorful」版が用意されています。
上位機CVJ Nozomi のパネルと互換とのことで、ひとつ持っていれば付け替えて遊べるのも楽しいですね。
仕様
| 構成 | 1DD + 1BA |
|---|---|
| 再生周波数帯域 | 20Hz〜20kHz |
| コネクター | 0.78mm 2Pin |
| 発売日 | 2026年5月 |
| 価格 | 36.99〜42.99ドル(国内 約5,880〜6,900円) |
パッケージ
天使の羽を広げて、胸の前で両手をそっと合わせた銀髪女の子が、箱の前面いっぱいに描かれています。
はい、もうかわいいでしょ?
オーディオ製品としては異例のパッケージですが、CVJ含む一部ブランドでは、こういった二次元キャラを押し出した製品も増えているようです。

開封すると、薄紙で製品が覆われていたのですがその紙ですら可愛らしいライン画のイラストが登場。これもまた可愛いのです。

そのライン画が透けて見える薄紙をそっとめくると、その下にはイヤホンが姿を現す仕掛け。で、またイラストもイラスト付きのフェイスプレートも現れるという、二次元コンテンツが好きな方の心をよく分かっている丁寧なパッケージです。

付属品

- イヤホン本体 ×1ペア
- 交換フェイスプレート ×1ペア
- シリコンイヤーピース ×3ペア
その他、説明書など
イヤホン本体
フェイスプレートを外すと、ヘアライン加工的な面が現れます。マグネットで着脱できるので、その日の気分でキャラ柄とメタル面を付け替えられるワケ。
下部にあるのが外したパネル。以前に同社のCVJ Nozomi で紹介したように、磁力は個人的には思ったよりも強いので、向きを合わせて装着しないとフチを擦りそう。そこに少し気を遣いたいところです。(ヘアライン加工がついてるしあまり気にならないかもだけど)

サイドビューと背面ですが、シェルは白い光沢樹脂でツヤツヤ。厚みは以外と抑えられているような気もします。

シェイプにはこだわりがありそうな、カスタムIEM的なくぼみがしっかり入っているタイプですね。
ケーブル
ケーブルは白×紫の4芯編み込み。製品のカラーイメージに合わせてありますね。

イヤーピース
イヤーピースは半透明シリコンがS/M/Lで1ペアずつ付属します。
思ったより品質高く、モチモチで柔軟性の高いシリコン製です。

音質について
「CVJ Jemine」をざっくり言うと、
W型でボーカルまでしっかり歌わせる、柔らかさを纏った寒色系ドンシャリですね。
低音・高音がぐっと持ち上がる元気なドンシャリでありながら、真ん中のボーカルが引っ込まず存在感を放つ。しかも全体には柔らかさとマイルドさが共存していて、刺々しくならない。CVJらしい丁寧さのあるチューニングだなと思いました。
周波数特性
実測データは以下の通りです。
(IEC711/IEC 60318-4 clone / 1/12oct (1kHz) @ 94dB )
※8KHz付近は計測器の特性上共振しやすい帯域のため、実際よりもピークが強めに出やすいことを理解の上でご覧ください。
平均値

左右差

左右差はほぼありませんね。素晴らしいです。
評価チャート
音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。
試聴環境
- Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
- Lotoo PAW GOLD TOUCH
- 付属イヤーピース
ショートインプレッション
んん…んん!?
低価格の樹脂筐体なのに、付帯音や嫌な反響音がまるで感じられません。これは…凄いと言うか良いモノ感あります。5000円前後くらいまでの価格帯は感覚的には個性が強かったり癖が取りきれてない製品が多い気がしているので。
系統としてはドンシャリ系ではあるのですが、ただ寒色一辺倒に振り切る訳でもなく、低域は温度感をニュートラル~やや暖色に寄せてる感覚がありますし、真ん中でボーカルがしっかり存在感を放つW型になっているように思います。
アタックもキツさがなくむしろ適度に甘さもあり、全体に柔らかさとマイルドさとドンシャリらしい高いレスポンスが共存しています。
低音域にも適度な膨らみと弾力・厚みがあり、少し空間を満たす程度の低音の主張感、そこへ鋭すぎない程度にシャープで明瞭な高音が軽快に抜けていき、音の明るさも相まって、音の抜け感の良さは想像以上。
どこをとっても適度に、適度にという振り切り方で破断しないチューニングなのがCVJらしい旨さというか匠の技というか(笑)
ちゃんとコスパを意識して作った製品なんだろうなぁと想像しやすい製品だと思いました。
※この後も適度にというワードが複数出てきます(たぶん)
低音域
量感はやや多め。押し出しも適度で輪郭を大事にした質感です。膨らむサブベースがやや柔らかく、中低音に密度もあり、適度に空間を満たしてくれます。面白いのはアタックで、丸く優しいのに芯には強い硬質さがあってメリハリもちゃんとある。
温度感で言うと、低音だけはニュートラルな温度感(曲によってはわずかに暖色風味か)。適度なメリハリで制御された弾力感でリズムも刻んでくれますね。立ち上がりはやや早めですが、制動は自然な減衰へ任せている感覚ですが、収束が遅すぎることはないのでダルさはあまり感じません。キレが飛び抜けているわけではないものの、性格としてはスピード型でしょうか。…でもタイトすぎることもない。適度なスピード感って感じでしょうか
中音域
情報量やディテールそのものは、やや抑えられています。ただ特筆したいのは、低価格イヤホンにありがちな付帯音や、樹脂筐体らしい反響音が一切感じられないこと。これは本当に凄いと思いますね。
嫌味のある響きが乗らないおかげで、楽器の像がスッキリ!分離はめっちゃ良いというほどではありませんが、値段を考慮すれば良好すぎるかな?(値段なりの定義にもよるけど)
ただ、中音域のギター・ピアノなどの楽器の音はクリーンすぎるくらい素直で光沢感はやや控えめ。
厳しく評価すると、音の数が増えてくると、少しずつ頭の中心あたりからやや音が団子状に飽和していきますが、かなり健闘してると思ったり。でも楽曲次第ということで。
ボーカル
W型らしく、ボーカルの存在感がしっかり強い。情報量自体は抑えめでも、余韻や消え際の表現がそれほど悪くなく、十分な余韻を持ってナチュラルに減衰していきます。おかげでボーカルのブレスやニュアンス、生々しさは個人的には満足度高め。
これは価格を考えると嬉しい誤算的なレベル。W型らしくボーカルが引っ込まないですね。
ボーカルのエッジはやや立ちますが、音像の中心部そのものはやや丸みを帯びた甘めな表現かなと思います。
高音域
程よく鋭くわかりやすい、ドンシャリ系らしい明るめで明瞭度の高い高域です。上はエッジの立った鋭い輪郭を描きますがガラスのような鋭利さはなく、例えるならペットボトルにカッターを入れたときのエッジくらい。
質感そのものは1BAらしいBAとしてはやや太めの音粒。おかげでBAのギラギラした響きが無いのはかなり好印象です。
1BAだからもう少し振り切ったチューニングの方が多いと思ったのですが、おかげで線も細くはありませんね。
1DDにしっかり溶け込ませる上手なチューニングで、痛い成分やざらつきを感じさせません。この明るさと軽快さがあるからこそ、先に触れた想定外の音抜けの良さにもつながっているのでしょうね…!
音場・空間表現
横方向には広めで、途中で突然壁にぶち当たる感覚はありますが、そもそも壁が遠いので抜け感は結構良い方かなと思います。その壁の反響も感じないので抜けが良かったり。形状としては、やや前方に展開しつつ左右と上方向に伸ばした円形という感じ。
奥行きは近く浅いものの、しっかり前で鳴っていて、圧迫感はなく、むしろ迫力ある音色として働いています。抜け感は良い方だと思います。さっきも言いましたが、壁が遠く抜け感も良くて、反響をあまり感じさせないのが気持ちいいところ。
たださっき言ったように深さは浅めですが、平面的になったりドライな印象が無いのは本作の凄い所。
左右の広さのおかげが、低域の適度な弾力で立体感を演出出来ているからか…まぁよく出来てるバランスだなと思ったりします。
高さ(縦方向)は抜けなくはないのですが、横ほどの明確な抜けはなく、頭から外に音が飛び出ていかない、壁を感じる所でもあります。
解像度
情報量・ディテールはやや抑えめ…ということもありませんが、どちらかと言うと音の粒がやや大きめ。
その分マスクされてしまう微細な音はあるなと思うあたりが、CVJ Nozomi を始めとする上位機種との差別化された部分かなと納得しています。まぁ値段が値段ですしと納得する所。
でも奥行き方向の定位は控えめですが、横方向は健闘していますし、高域の情報量は1DDには出せないレスポンスのある情報量があります。
装着イメージ
イヤホンの大きさのわりには、耳が小さい方でも装着出来そうな三角形のようなシェイプで耳にすっぽり入ります。

長所と短所
長所
- 樹脂筐体なのに付帯音・反響音が皆無
- ボーカルの存在感が強い
- ブレスやニュアンスしっかり
- 中低音寄りで存在感ある低音
- 柔らかさ・マイルドさが共存し、ドンシャリでも疲れにくい
短所
- ディテールは同社の上位機種に劣る
- 奥行きが浅く、やや平面的に集まりがち
- 音数が増えると詰まることも

5000円前後なら満足度高いっす。
総評と感想
「CVJ Jemine」…変な癖もなくて日常使いでも十分すぎる音でしたね。中でも驚かされたのはこの価格の樹脂筐体で付帯音・反響音がまるで無いこと。嫌味のある響きが乗らないおかげで、情報量が抑えめでもボーカルの余韻やブレス、生々しさが値段以上に感じられます。
奥行きの浅さや音楽的な定位のあいまいさといった弱点はあるものの、それらは横に広く抜ける音場で、音楽だけじゃなくてゲームも用途としても十分な迫力があって使えると思いました。(FPSや定位を重視するゲームは私はやっていませんのであしからず…)
同社のCVJ Nozomi もそうでしたが、マグネット式の交換フェイスや、開封から楽しませる豪華なパッケージの遊び心まで含めて考えると、価格に対する満足度はかなり高いなと思いました。
見た目の可愛らしさに引っ張られて「ネタもの」と決めつけてしまうのは、やっぱりもったいなさすぎる音作りの丁寧さです。
遊び心と、CVJの堅実な音づくりを一本に束ねた、CVJらしい製品として、多くの方に手に取ってみてほしいと思います。
こんな人におすすめ
- ドンシャリでも、ボーカルをしっかり前で楽しみたい方
- 明るく軽快で、痛くならない高域を求める方
- マグネット式交換フェイスやキャラパネルの遊び心を楽しみたい方



“価格を考慮すれば”ってなんだよ!ってレビュー見てて思うこと多いかもしれませんが、マジで価格を考慮すれば満足度高すぎると思う。
購入先
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本記事はCVJ様よりPRの機会をいただき執筆しました。このような機会を頂き心より感謝申し上げます。
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