KBEAR Kalideer Apex-P6 レビュー|均整の取れたトリプルドライバーが描く、ナチュラルで明るい聴き心地

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今回ご紹介するのは、KBEARから登場したKBEAR Kalideer Apex-P6(九色鹿)です。

1DD+1BA+1PZTというトリプルドライバー構成で、「九色鹿」をモチーフにした製品のようです。
、「九色鹿」ってなんだ?と思い調べてみると、「鹿王本生図」という中国・敦煌莫高窟の第257窟に描かれた北魏時代の壁画があるそうな。

KBEAR Kalideer
KBEAR Kalideer

KBEARといえば個性豊かなチューニングの製品が多い印象ですが、本作はそのイメージとはやや異なり、”均整”を強く意識した仕上がりになっているように感じました。実際に聴き込んでみて感じたことを、率直にまとめていきたいと思います。

目次

製品について

KBEAR Kalideerは、3ウェイクロスオーバーの1DD+1BA+1PZT構成とのことです。
ハウジングは3Dプリント樹脂で一体成形されており、フェイスプレートには「九色鹿」伝説を思わせる青・赤・金の墨流し風デザインが施されています。
ケーブルは5N銀メッキOFC線材で、0.78mm 2pinコネクター・3.5mm金メッキプラグの組み合わせ。
インピーダンス32Ω・感度102dBということで、スマートフォンやポータブルDACドングルでも十分に鳴らしやすい部類の製品と言えそうです

仕様

構成1DD+1BA+1PZT
再生周波数帯域20Hz〜20kHz
コネクター0.78mm 2Pin
発売日2026年7月7日
価格Amazon 15,880円(税込)
製品仕様

パッケージ

外箱は黒を基調に、跳躍する九色鹿のイラストが青・赤・金のグラデーションで描かれた、なかなか雰囲気のあるデザインです。

KBEAR Kalideer パッケージ外観
パッケージ外観

開封すると、スポンジにイヤホン本体が1ペア収まっており、下段や左側にはKBEARの刻印が入った小箱が同梱されているオーソドックスな設計です。

KBEAR Kalideer 開封後
開封後

付属品

KBEAR Kalideer 付属品
付属品
  • イヤホン本体 ×1ペア
  • イヤーピース×5種類
  • ケーブル×1
  • ケース×1
  • クリーニングクロス×1

その他、説明書など

イヤホン本体

フェイスプレートをじっくり見ると、黒地に青と赤のマーブル模様、そこに金粉のようなラメが散りばめられています。パッケージデザインと同じようなデザインで、写真映えもしっかり意識されていると思いますね。

KBEAR Kalideer フェイスプレート
フェイスプレート

側面や背面のシェイプを見ると、ごく一般的なデザイン。様々な方に使っていただけると思います。

KBEAR Kalideer サイドビュー&背面
背面&サイドビュー

ケーブル

ケーブルは銀メッキ、柔軟性も取り回しも標準的なレベルでしょうか。付属品としては十分すぎるケーブルです

KBEAR Kalideer 付属ケーブル
付属ケーブル

イヤーピース

イヤーピースは画像の通り、かなり多い複数タイプ・サイズが用意されており、装着感やチューニングの好みに応じて選べます。
TRI 角笛(一番上)という単体販売されている人気のイヤーピースも含まれています。

KBEAR Kalideer 付属イヤーピース
付属イヤーピース

装着イメージ

標準的な大きさのハウジングで耳甲介にすっぽり入るような形状。
特に不満のない装着感です。

KBEAR Kalideer 装着イメージ
装着イメージ

音質について

KBEAR Kalideerをざっくり言うと、
ドンシャリVシェイプなニュアンスは残しつつも、KBEAR製品にしては珍しく”バランス”や”均整”を強く意識したチューニングのイヤホンという印象です。
低音・中音・高音のどこか一箇所を突出させるのではなく、全体を器用にまとめてくる仕上がりで、個性よりもまず完成度の高さを感じさせてくれるタイプだと思います。

周波数特性

実測データは以下の通りです。
(IEC711/IEC 60318-4 clone / 1/12oct (1kHz) @ 94dB )
※8KHz付近は計測器の特性上共振しやすい帯域のため、実際よりもピークが強めに出やすいことを理解の上でご覧ください。

平均値

KBEAR Kalideer 周波数特性(平均)
周波数特性(平均)

左右差

KBEAR Kalideer 周波数特性(左右)
周波数特性(左右)

10Hkzまで左右差も1db以内、実際はほぼ0.5db程度と優秀なマッチングです。

評価チャート

音の傾向や特徴は、以下の評価チャートをご覧ください。
※製品の価格を考慮した評価となります。

音の傾向
暖色
寒色
ウェット
ドライ
暗い
明るい
狭い
広い
低解像度
高解像度
繊細
迫力
モニター
リスニング
人工的
リアル
ゆったり
早い
ビルドクオリティ
残念
良い
コストパフォーマンス
残念
優秀
装着感
微妙
良い
付属品
最低限
充実・豪華

試聴環境

  • Lotoo PAW 6000 (レビュー用リファレンスとして)
  • Lotoo PAW GOLD TOUCH
  • 付属イヤーピース(TRI 角笛)

ショートインプレッション

全体的にナチュラルで明瞭感が高く、やや明るめに均整の取れたチューニングという印象を受けました…!

低音は膨らませすぎず、高音も刺激を抑えたクリーンな鳴り方で、緩めのVシェイプというのが個人的にはしっくりくる表現ですね。KBEAR製品といえば個性豊かなイヤホンが多い印象がありましたが、今回はどちらかというと”均整”を強く意識してチューニングしてきたような感覚があります。とはいえバランス型に寄せすぎて没個性というわけでもなく、軽快でやや明るいサウンドや、弦楽器の弾ける質感がしっかり音楽的な個性を感じさせてくれるのが良かったポイントだと思います。

周波数特性がすべてだとは思っていませんが、周波数特性を見たままの印象にかなり近い、素直な鳴り方だと思います。

低音域

よくコントロールされた低音域で、レスポンスも良く軽快に鳴ってくれる印象です。
どこまでもクリーンで癖がなく、全体との調和を大事にしているような鳴り方で、キレキレすぎることもなければ弾力が強すぎることもない、少し温かみを乗せた「THE・クリーン」といった質感の低音。
ベリリウムコートのダイナミックドライバーが効いているのでしょうか、昨今の製品にありがちな重みのある重低音を求めるとやや物足りなさはあるものの、パンチ自体は十分に感じられます。中低音付近も過度に膨らませ方で十分な厚みやコクっぽいニュアンスは残していて、ピアノの低域やボーカルの低音成分にほんの少し手を伸ばして厚みを乗せる程度の絶妙な量感に留めているのも好印象ですね。

中音域

このイヤホン、中音域の表現がとても良いですね。シンプルにミッドの解像度の高さを感じました。シンセや弦楽器の響き、余韻などが粒立ちよく、実体感がありながら適度に明るく表現されていて、ドライにならずに空気感や残響、自然な溶け込み方をしてくれます。
ピアノや、リバーブの効いたシンセ音、弦楽器の弾ける音などが豊かに実像感を伴う感覚もありますし、余韻も豊かで微細なニュアンスをよく感じられます。これはPZTドライバーもちょっと効いているのかもしれません。例をあげるならば、アコギの弦を弾いたときのこすれた音や弾ける音など、中音域の周りに付随する繊細なディテールが結構豊かで、生っぽさを感じられました。

ボーカル

ボーカルは距離感が近いわけではありませんが、やや明るく明瞭感があり、エッジはキツくないけれど輪郭の内側までほどよいシャープネスを乗せた鳴り方です。刺激的ではなく、ちょっと開放感があるような、余韻やリバーブを聞かせる気持ちの良い表現をしてくれます。
結構音量を上げてもボーカルに嫌味が乗らない、ナチュラル寄りの質感なのも印象的でした。

高音域

ピエゾ(PZT)ドライバーと聞くと、個人的にはアルミホイルをくしゃっと潰して広げたようなパリパリした響きがある製品が多いように感じるのですが、本作ではそういった違和感のある音色が感じられませんでした。
これは結構びっくりしましたね。空気感だけにそっと手を差し伸べるような鳴り方という印象で、金属音そのものにもちゃんと芯や厚み、実体感があり、そこにそっと響く余韻にPZTドライバーの良さが効いているように感じます。経験上、過去一番ナチュラルなPZTドライバーだと思いました。高域一辺倒ではなく、割と中域にも効かせてるのかもしれません。
※実際にPZTドライバーがどの帯域を担ってるかはわかりませんので感覚的な感想とご理解ください

ここで均整のとれた印象にブレを許さないのは素晴らしいことですね。刺さらず疲れにくい、よくコントロールされた高音域という印象です。
強いて言えば高音域がナチュラルにロールオフしていて昨今の製品としては高音域の量感がやや抑えめ。
空気感や余韻はあるものの、抜け感につながる高域がもう少しあればより素晴らしいイヤホンになったのでは……と思う部分もあります。

音場・空間表現

横の広がりも良好で音粒もちゃんと均整が取れていて前後の距離感があります。
奥行き方向のレイヤー感もしっかり感じられる仕上がりです。どちらかといえば横方向の広がりの方が優勢かなという印象ですね。

それにしても均整の取れたチューニングの製品なだけあって音が一歩引いた位置でバランス良くなるなぁという印象。少しだけVシェイプなドンシャリテイストのアクセントはあるものの、タイト過ぎたりドライではないので、気持ちよく空間に広がるナチュラルな減衰が伴うニュアンスを楽しめます。

解像度

解像度を誇張したり、過度なシャープネスやドライバー感の質感を押し出すような音作りではなく、KBEAR製品の中ではかなり均整の整った音作りという印象があります。複雑な音の層も全部シャープネスがかかるほどの誇張はないものの、一貫して軽快でやや明るく、明瞭度が高いという鳴り方。

中音域から中高音付近にかけての楽器の解像度や分離感は高めで、音同士が濁らずに丁寧な配置で分離しつつも適度に調和する、なかなか説得力のある表現力だと感じます。

長所と短所

長所

  • 低音から高音まで一貫してナチュラル
  • 中音域の解像度と表現の豊かさ
  • ピエゾドライバー特有の違和感がない
  • 低音量でも破綻しにくく、普段遣いでの取り回しの良さ
  • 柔らかさ・マイルドさが共存し、ドンシャリでも疲れにくい

短所

  • 重低音の量感や迫力を求める人にはやや物足りない
  • 高音域がナチュラルにロールオフしているぶん、抜け感はやや控えめ

KBEARの中では個人的には完成度の高い製品だと思った次第

総評と感想

KBEAR Kalideerは、個性の強さよりも、”均整”を強く意識してまとめてきた製品という印象を強く受けました。

低音・中音域・高音域のどれもが特別に主張してくるわけではないのですが、その分どの帯域も高い明瞭感を持って軽快に鳴ってくれるので、聴き疲れしにくく長時間のリスニングにも向いていると思います。ベリリウムコートのダイナミックドライバーによるクリーンな低音、解像度の高い中音域、そして過去一番ナチュラルと感じたピエゾドライバーによる高音域(中音域も?)と、それぞれの持ち味がうまく噛み合っているなと感じました。

バランス型に寄せすぎて没個性というわけでもなく、軽快でやや明るめのサウンドや、弾ける弦楽器の質感などはしっかりと音楽的な個性を感じさせてくれます。
低音量でもバランスが崩れず明瞭度が落ちない点や、出力を上げなくても十分な音量が取れる点も含めて、普段使いもしやすい。
重低音の量感や高音域の上方向への抜け感を強く求める方にはやや物足りなさが残るかもしれませんが、ナチュラルで均整の取れたサウンドを求める方には、かなり満足度の高い一台になるのではないでしょうか。

こんな人におすすめ

  • 低音の量感よりも、クリーンでコントロールの効いた質感を重視したい方
  • 中高域の解像度や、弦楽器・ピアノなどの繊細な質感を楽しみたい方
  • 刺さりの少ない、長時間でも聴き疲れしにくいチューニングを求めている方

KBEARってこんなまとまったチューニングの製品作れるんだ…って感じたw

購入先


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本記事はKEEPHIFI.JP公式よりPRの機会をいただき執筆しました。このような機会を頂き心より感謝申し上げます。
執筆にあたり、金銭等の対価は一切発生しておらず、内容は当サイトのレビューポリシーに基づく筆者自身の体験と個人的な見解のみで構成しています。

KBEAR Kalideer

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この記事を書いた人

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積極的にオーディオ製品やガジェットなどもレビューしています。

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